735 / 2,091
外伝 ~ヨツバ王国編~
戦の終わり
しおりを挟む
「や、やった……倒した!!遂にクレナイを倒したんだ!!」
「し、信じられない……」
「あのクレナイ将軍が……!?」
ゴンゾウによって樹皮にめり込まれたクレナイの姿を見た東聖将軍の兵士達は歓声を上げ、守備将軍の兵士達は自分達の将軍が敗れたという事実に膝を崩す。すぐにシズネ達は倒れたゴンゾウの元へ向かい、容体を調べる。
「ゴンゾウ!!おい、大丈夫なのか!?」
「動かさないで!!コトミン、すぐに治療を……」
「……駄目、スラミンが水分を出し尽くして回復魔法が使えない」
「ぷるるっ……」
シズネはコトミンに治療を願うが、彼女が抱えているスラミンは戦闘の際に体内に保管していた水分をほぼ全て出し切り、水を吐き出せない。コトミンの回復魔法は水が必要不可欠のため、今の状況ではゴンゾウの回復は出来なかった。
「誰か!!誰か回復薬を持っていないの!?」
「すまん、戦闘中に全て使い切ってしまった」
「私もありません……」
「あ、僕が持ってるよ!!1本だけ、最後の奴が!!」
ミナが懐から回復薬を取り出し、ゴンゾウの口元へ飲み込ませる。回復薬を飲み込むとゴンゾウの顔色も良くなり、ある程度の傷の再生が始まった。だが、量と品質の問題で完治とまではいかず、早急に東壁街へ引き換えして治癒魔導士に回復してもらう必要がある。
ゴンゾウを仲間たちが運び込む間、ギンタロウは立ち尽くした状態で気絶したクレナイの元へ近づき、彼の様子を伺う。未だに意識は戻る様子はなく、そんな彼に対してギンタロウは鉞を握り締めると、守備将軍の兵士達が必死に止めようとした。
「や、止めろ!!勝負はもう着いた!!」
「我々の負けだ!!もう将軍を傷つけるのは止めてくれ!!」
「降参する!!敗北を認める!!だから……将軍を殺さないでくれ!!」
「……ならば武器を手放せ!!そうすればお前たちの将に手出しはしない!!」
守備将軍の兵士の言葉にギンタロウは武装解除を命じると、兵士達は即座に自分が所持していた武器を地面に突き刺し、その場に跪く。その光景を見てクレナイが配下にどれほど慕われているのか理解したギンタロウは鉞を下ろす。
「良い部下に恵まれたな、クレナイ」
「……馬鹿者、共が……」
「何だ!?目を覚ましていたのか!?」
ギンタロウの呟きに何時の間にか意識を取り戻していたクレナイが返事を行い、彼はその場に膝を崩す。慌ててギンタロウはクレナイの肩を貸そうとするが、それを拒んでクレナイはギンタロウに投降を申し出る。
「ギンタロウ、お前の勝利だ……我の首をやる、だから部下たちだけは見逃してくれ」
「勘違いするなクレナイ、俺も彼等もお前の首などいらん!!俺たちの目的はこの国を乗っ取ろうとしているカレハ王女から王国の実権を取り戻す事だ!!」
「……この期に及んで、まだそのような世迷言を」
「世迷言ではない!!ともかく、まずはお前が拘束した3人の冒険者の解放を要求する!!彼等は無事なのか?」
クレナイの肩を貸しながらギンタロウは守備将軍に拘束されたカゲマル、ハンゾウ、アヤメの3人の解放を望むと、守備将軍の兵士の中から返事が来る。
「我等ならばここにいるぞ」
「何!?」
「その声は……まさか、カゲマルか!?」
「拙者もアヤメもいるでござる!!」
守備将軍の兵士に化けていたカゲマル、ハンゾウ、アヤメが姿を現すと両陣営が驚愕の表情を浮かべ、どうやら3人ともすでに拘束から抜け出していたらしく、兵士に紛れて戦場で戦っていたらしい。
「貴様等……どうやって抜け出してきた?」
「ふっ……我等にとってあのような拘束を脱出するなど容易い事だ」
「まさか植物型の魔物の蔓に拘束されるとは思わなかったでござるが……」
「白くてぬめぬめした粘液を引っ掛けられた時は焦ったでござるん」
「ど、どんな拘束をされていたんだ君たちは……」
3人が拘束を抜けていた事にクレナイは驚き、氷雨の冒険者は彼等が無事であったことを喜ぶ。同時にこれで人質にされかねない3人の無事を確保した以上、もう守備将軍は東聖将軍へ対抗する術はなくなった。
「クレナイよ、お前は我々に敗北したのだ。ならば黙って我々に従ってもらうぞ」
「……どうするつもりだ?」
「別にお前達を殺すつもりはない。だが、これ以上に我々の邪魔をするというのであれば容赦はしない!!だが、一先ずは東壁街へ引き返すぞ!!まずは怪我の治療からだ!!」
「我々も、治療する気か……?」
「当然だ!!戦が終わった以上、もうお前達は敵ではない!!同じ国家、同じ主人に忠誠を誓う仲間だ!!誰一人として見捨てないぞ!!」
ギンタロウの言葉に守備将軍の兵士達は戸惑い、クレナイの方も彼の言葉に呆れた表情を浮かべるが、このような男だからこそヨツバ王国のデブリ国王は彼に六聖将の位を授けた事を思い出す。クレナイは素直に敗北を認め、ギンタロウはの指示に従う。
「し、信じられない……」
「あのクレナイ将軍が……!?」
ゴンゾウによって樹皮にめり込まれたクレナイの姿を見た東聖将軍の兵士達は歓声を上げ、守備将軍の兵士達は自分達の将軍が敗れたという事実に膝を崩す。すぐにシズネ達は倒れたゴンゾウの元へ向かい、容体を調べる。
「ゴンゾウ!!おい、大丈夫なのか!?」
「動かさないで!!コトミン、すぐに治療を……」
「……駄目、スラミンが水分を出し尽くして回復魔法が使えない」
「ぷるるっ……」
シズネはコトミンに治療を願うが、彼女が抱えているスラミンは戦闘の際に体内に保管していた水分をほぼ全て出し切り、水を吐き出せない。コトミンの回復魔法は水が必要不可欠のため、今の状況ではゴンゾウの回復は出来なかった。
「誰か!!誰か回復薬を持っていないの!?」
「すまん、戦闘中に全て使い切ってしまった」
「私もありません……」
「あ、僕が持ってるよ!!1本だけ、最後の奴が!!」
ミナが懐から回復薬を取り出し、ゴンゾウの口元へ飲み込ませる。回復薬を飲み込むとゴンゾウの顔色も良くなり、ある程度の傷の再生が始まった。だが、量と品質の問題で完治とまではいかず、早急に東壁街へ引き換えして治癒魔導士に回復してもらう必要がある。
ゴンゾウを仲間たちが運び込む間、ギンタロウは立ち尽くした状態で気絶したクレナイの元へ近づき、彼の様子を伺う。未だに意識は戻る様子はなく、そんな彼に対してギンタロウは鉞を握り締めると、守備将軍の兵士達が必死に止めようとした。
「や、止めろ!!勝負はもう着いた!!」
「我々の負けだ!!もう将軍を傷つけるのは止めてくれ!!」
「降参する!!敗北を認める!!だから……将軍を殺さないでくれ!!」
「……ならば武器を手放せ!!そうすればお前たちの将に手出しはしない!!」
守備将軍の兵士の言葉にギンタロウは武装解除を命じると、兵士達は即座に自分が所持していた武器を地面に突き刺し、その場に跪く。その光景を見てクレナイが配下にどれほど慕われているのか理解したギンタロウは鉞を下ろす。
「良い部下に恵まれたな、クレナイ」
「……馬鹿者、共が……」
「何だ!?目を覚ましていたのか!?」
ギンタロウの呟きに何時の間にか意識を取り戻していたクレナイが返事を行い、彼はその場に膝を崩す。慌ててギンタロウはクレナイの肩を貸そうとするが、それを拒んでクレナイはギンタロウに投降を申し出る。
「ギンタロウ、お前の勝利だ……我の首をやる、だから部下たちだけは見逃してくれ」
「勘違いするなクレナイ、俺も彼等もお前の首などいらん!!俺たちの目的はこの国を乗っ取ろうとしているカレハ王女から王国の実権を取り戻す事だ!!」
「……この期に及んで、まだそのような世迷言を」
「世迷言ではない!!ともかく、まずはお前が拘束した3人の冒険者の解放を要求する!!彼等は無事なのか?」
クレナイの肩を貸しながらギンタロウは守備将軍に拘束されたカゲマル、ハンゾウ、アヤメの3人の解放を望むと、守備将軍の兵士の中から返事が来る。
「我等ならばここにいるぞ」
「何!?」
「その声は……まさか、カゲマルか!?」
「拙者もアヤメもいるでござる!!」
守備将軍の兵士に化けていたカゲマル、ハンゾウ、アヤメが姿を現すと両陣営が驚愕の表情を浮かべ、どうやら3人ともすでに拘束から抜け出していたらしく、兵士に紛れて戦場で戦っていたらしい。
「貴様等……どうやって抜け出してきた?」
「ふっ……我等にとってあのような拘束を脱出するなど容易い事だ」
「まさか植物型の魔物の蔓に拘束されるとは思わなかったでござるが……」
「白くてぬめぬめした粘液を引っ掛けられた時は焦ったでござるん」
「ど、どんな拘束をされていたんだ君たちは……」
3人が拘束を抜けていた事にクレナイは驚き、氷雨の冒険者は彼等が無事であったことを喜ぶ。同時にこれで人質にされかねない3人の無事を確保した以上、もう守備将軍は東聖将軍へ対抗する術はなくなった。
「クレナイよ、お前は我々に敗北したのだ。ならば黙って我々に従ってもらうぞ」
「……どうするつもりだ?」
「別にお前達を殺すつもりはない。だが、これ以上に我々の邪魔をするというのであれば容赦はしない!!だが、一先ずは東壁街へ引き返すぞ!!まずは怪我の治療からだ!!」
「我々も、治療する気か……?」
「当然だ!!戦が終わった以上、もうお前達は敵ではない!!同じ国家、同じ主人に忠誠を誓う仲間だ!!誰一人として見捨てないぞ!!」
ギンタロウの言葉に守備将軍の兵士達は戸惑い、クレナイの方も彼の言葉に呆れた表情を浮かべるが、このような男だからこそヨツバ王国のデブリ国王は彼に六聖将の位を授けた事を思い出す。クレナイは素直に敗北を認め、ギンタロウはの指示に従う。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。