不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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外伝 ~ヨツバ王国編~

ハヤテとの再戦

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「一刀両断」
『っ!?』


ハヤテに対してレナは退魔刀を振り下ろした瞬間、彼女は咄嗟に右へ回避した。その直後に城下町に地震の如く激しい振動が襲い掛かり、振り下ろされた退魔刀が地面に衝突した瞬間に地割れを想像させる亀裂を生み出す。そのあまりの破壊力に兵士達は呆気に取られ、同時に恐怖を抱く。

レナは退魔刀を引き抜くとハヤテに視線を向け、刀身を構える。それだけの動作でハヤテは圧倒的な威圧感に襲われ、数日前に相対した時と比べて明らかに強くなっているレナにハヤテは無意識に身体を震わせる。


(これほどの力……こいつもこちらの領域に至ったのか)


現在のレナは間違いなくミドルやゴウライ、クレナイやツバサに匹敵する力を誇り、単純な身体能力はハヤテを明らかに上回っていた。しかし、彼女も伊達に剣聖とは呼ばれておらず、自分に刃を構えるレナに対してハヤテはゆっくりと七大魔剣「青嵐」に手を伸ばす。

森人族の剣士の中でも一握りの剣士にしか扱えない「斬波」と呼ばれる技術をハヤテは僅か十数年に習得し、更に彼女が得意とする「居合」の戦技と組み合わせる事で一撃必殺を誇る剣技を生み出す。しかも風属性の魔力を高める七大魔剣「青嵐」を利用すればより強烈な攻撃を行えるようになった。

しかし、レナの退魔刀も彼と同様に鍛え上げられ、名工であるゴイルの手で打ち直して貰った。聖剣の素材にも利用されるアダマンタイトによって構成されたレナの退魔刀も七大魔剣や聖剣にも劣らず、両者の剣と刀の刃が触れ合う。


『居合一式、斬!!』
「しゃらくさいっ!!」


風の斬撃を纏いながら放たれたハヤテの刀に対し、レナは退魔刀を力尽くで振り落として正面から受け止める。激しい金属音と衝撃波が広がり、打ち勝ったのはレナの退魔刀だった。


『ぐうっ!?』
「そんな!?ハヤテ様が!?」
「う、嘘だ……ハヤテ様でさえも勝てないというのか!?」


ハヤテが退魔刀の勢いに圧されて吹き飛ばされる光景を見た兵士達は愕然とし、彼女でさえもレナには敵わないのかと焦燥心を抱く。しかし、吹き飛ばされながらもハヤテは近くの建物の壁を足場に利用して体勢を整え、青嵐の力を最大限に解放させて反撃を試みる。


『秘剣、撃嵐!!』
「無駄だ」


刀身からクレナイの魔刀術を想像させる竜巻を生み出してレナの元に放つが、ハヤテの剣技を事前に見知っていたレナは迫りくる竜巻に対して掌を構えると、風の聖痕を利用して掻き消す。


「風属性の攻撃は俺には通用しない」
『ぐっ……』
「あ、あれは……風の聖痕!?」
「どうして人間が聖痕を……!!」


いくら強烈な風属性の魔法であろうと今現在のレナには通用せず、風の聖痕の持ち主は全ての風属性の攻撃を無効化することができた。仮に無数の魔術師や精霊魔導士が同時にレナに風属性の魔法を発動してもレナには通じず、逆にその力を利用して反撃に利用される。

ハヤテの生み出した竜巻が掻き消した事によって周囲に彼女が青嵐から解き放った風の精霊が拡散し、それを利用してレナは右手を構えると自分の腕に精霊を呼び集めて刀身に風属性の魔力を纏わせて振り払う。


「はああっ!!」
『うわぁあああっ!?』
『なっ……私の風を!?』


兵士達が吹き飛ぶ程の風圧を発生させたレナにハヤテは驚愕し、同時にいら立ちを抱く。以前よりも聖痕の力さえも使いこなしているレナに対し、彼女は青嵐を振り翳して突進する。


『居合一式……!!』
「ここまでだ」
『何っ!?』


しかし、迫りくるハヤテに対してレナは右手を伸ばすと聖痕の力を利用して突風を発生させ、彼女の動作を止める。その間にレナは川の方角に視線を向け、事前に潜っているコトミンに合図を送った。


「コトミン、そろそろ引き返すよ!!」
「分かった……スラミン、行くよ」
『ぷるるるんっ!!』


水中からコトミンが姿を現すと、彼女は大量の水分を補給して巨大化したスラミンと共に地上へ出現し、その光景を見た兵士とハヤテは巨大なスライムに呆気に取られる。


「な、何だこの生物は!?」
「スライム!?どうしてこんな場所に……」
『気を付けろ、何か仕掛けてくるぞ!!』


通常時の10倍以上も膨らんだスライムにコトミンは乗り込むと、暴れていたアインとミノも駆けつけ、ダインも慌てて向かう。最後にレナが傍によると、スラミンの頭を撫でながらコトミンに頷く。


「コトミン、よろしく」
「分かった……皆、しっかり掴まってて」
「ほ、本当に大丈夫なのか!?」
「キュロロッ」
「ブモォッ」


全員が巨大化したスライムにしっかりと掴まると、コトミンはスラミンが補給した川の水を精霊魔法を利用して操り、スラミンの体内で激しく渦巻かせる。嫌な予感を覚えたハヤテは兵士に避難するように促そうとしたが、それよりも先に大口を開いたスラミンが大量の川の水を放出した。
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