789 / 2,091
外伝 ~ヨツバ王国編~
蒼炎刀
しおりを挟む
「はあああっ!!」
『ゴロロロッ!!』
大剣と大太刀が衝突した瞬間、金属音と同時に青色の火の粉が飛び散り、レナと守護者は数十合は打ち合う。単純な腕力はレナに分があり、技術もレナが勝る。実際に打ち合う際に何度も退魔刀は守護者に刃を叩きつけるが、それでも凹ませる程度で大きな損傷は与えられない。
世界最強の硬度と魔法耐性を誇るアダマンタイトで構成された守護者を破壊する事は難しく、あのホムラでさえも勝てない存在という話にレナは納得する。しかもスタミナも無尽蔵らしく、長期戦になればなるほどレナに不利となっていく。
(こいつ、強いというよりは厄介な相手だな……勝てない、というよりは敵わない)
武力では完全にレナが勝っているのは間違いないが、あまりにも硬すぎる肉体に刃が通じず、魔法を使用したとしても魔法耐性が高すぎて致命傷は与えられない。ならばどうするかと考えたレナは自分の剣に視線を向け、先ほどから幾度も守護者に刃を叩きつけた事で守護者の全身に熱気が帯びている事に気付く。
蒼炎刀と名付けたレナの魔刀術はホムラの魔刀術ほどではないが本物の炎の如く「熱気」を放ち、相手に触れれば炎で熱したような熱気を与える事が出来る。そして何度も蒼炎刀を受けた守護者は全身から熱を放出しており、いくら魔法耐性があるといっても金属である以上は熱を帯びるらしい。
(よし、やってみるか……)
レナは風の聖痕を発動させ、右腕に意識を集中させると、退魔刀の炎が消え去る。魔刀術の発動には高い集中力と体内の魔力を殆ど費やす必要があり、合成魔術を発動すると消えてしまうという弱点が存在した。しかし、それでもレナは合成魔術の発動を止めず、迫りくる守護者に向けて掌を伸ばす。
「ゴロロロッ……!!」
「……ここっ!!」
接近した守護者に向けてレナは掌を伸ばすと、右腕に蓄積させた風の精霊を利用し、初級魔法の「風圧」の魔法を強化させて竜巻を生み出す。その結果、強烈な突風が守護者に襲いかかり、そのまま巨体が飲み込む。
「ゴロロロッ……!?」
「大抵の金属は熱した後、急激に冷まされたら脆くなる……これでどうだ!?」
凄まじい風圧によって熱気を発していた守護者の肉体が急激に冷まされ、更にレナは退魔刀を地面に突き刺すと両手に意識を集中させて「氷装剣」を発動させて駆け出す。そして自らが竜巻の中に飛び込み、風の聖痕を利用して突風を掻き分けながら守護者に接近すると、作り上げた氷塊の大剣を叩きつけた。
「だああっ!!」
「ゴロォッ……!?」
背中側から大剣を叩きつけられた守護者の巨体が崩れ落ち、そのまま背中から大剣を叩きつけられる形で地面に倒される。更にレナは相手が体勢を整える前に氷塊の大剣を手放すと、支援魔法を続けて発動させる。
「付与強化!!」
「ゴロォオオッ……!?」
氷塊に魔力を送り込んだ瞬間、全体から凄まじい冷気が迸り、守護者の背中から全身にまで氷結化させる。といってもせいぜい表面しか凍らせる事が出来ず、守護者を完全に凍り付かせる事までは出来ない。しかし、急激に温度を奪われた守護者の身体は間違いなく大きな負荷が掛かっており、この隙を逃さずにレナは退魔刀の元へ戻った。
守護者の方は大太刀を背中に回して張り付いた氷塊の大剣を焼却させ、自身の身体の氷結化を大太刀の熱によって溶かそうとした。しかし、その行為が逆に仇となっている事に気付かず、熱して冷まして更にまた熱した金属の身体には間違いなく負荷が蓄積されていく。
「ゴロロロッ……!!」
「どうした?気分が悪そうだな」
「ゴロォッ!!」
軽口を叩くレナに対して守護者は大太刀を振り翳し、正面から特攻する。それに対してレナは退魔刀を構えると意識を集中させ、蒼炎刀に変化させて全力で振り切る。
「旋風撃!!」
「ゴロロッ!!」
横薙ぎに振り払われた蒼炎刀の刃と守護者の正面から振り下ろした大太刀が衝突した瞬間、金属音と共に軽い衝撃波が走り、結果として大太刀の刃が弾き返された。
「ゴロォッ!?」
「……終わりだ」
蒼炎刀を発動させた状態で瞼を閉じたレナは守護者の懐に潜り込むと、意識を集中させて眼を開き、横薙ぎに剣を振り払う。
「一刀両断」
次の瞬間、閃光の如く放たれた刃が守護者の首元に食い込み、瞬く間に頭部を完全に切り裂く。その結果、残された胴体は糸が切れた人形のように倒れ込み、頭部は地面に転がり込む。その様子を確認したレナは退魔刀を下ろすと、倒れた守護者の胴体と頭部に視線を向ける。
胴体の方は機能を完全に失ったらしく、大太刀を手放した状態で動く様子はない。一方で頭部の方はまだ意識があるのか、カタカタと小刻みに震えながら呻き声のような音を漏らしていた。
「ゴロロッ……!?」
「こんな状態でもまだ動けるのか……けど、ここまでだな」
蒼炎刀を解除したレナは守護者が所持していた大太刀を拾い上げると、戦利品として持ち帰る事を決め、最後に守護者の頭部の元へ近づくと止めを刺すために退魔刀を振り下ろす――
『ゴロロロッ!!』
大剣と大太刀が衝突した瞬間、金属音と同時に青色の火の粉が飛び散り、レナと守護者は数十合は打ち合う。単純な腕力はレナに分があり、技術もレナが勝る。実際に打ち合う際に何度も退魔刀は守護者に刃を叩きつけるが、それでも凹ませる程度で大きな損傷は与えられない。
世界最強の硬度と魔法耐性を誇るアダマンタイトで構成された守護者を破壊する事は難しく、あのホムラでさえも勝てない存在という話にレナは納得する。しかもスタミナも無尽蔵らしく、長期戦になればなるほどレナに不利となっていく。
(こいつ、強いというよりは厄介な相手だな……勝てない、というよりは敵わない)
武力では完全にレナが勝っているのは間違いないが、あまりにも硬すぎる肉体に刃が通じず、魔法を使用したとしても魔法耐性が高すぎて致命傷は与えられない。ならばどうするかと考えたレナは自分の剣に視線を向け、先ほどから幾度も守護者に刃を叩きつけた事で守護者の全身に熱気が帯びている事に気付く。
蒼炎刀と名付けたレナの魔刀術はホムラの魔刀術ほどではないが本物の炎の如く「熱気」を放ち、相手に触れれば炎で熱したような熱気を与える事が出来る。そして何度も蒼炎刀を受けた守護者は全身から熱を放出しており、いくら魔法耐性があるといっても金属である以上は熱を帯びるらしい。
(よし、やってみるか……)
レナは風の聖痕を発動させ、右腕に意識を集中させると、退魔刀の炎が消え去る。魔刀術の発動には高い集中力と体内の魔力を殆ど費やす必要があり、合成魔術を発動すると消えてしまうという弱点が存在した。しかし、それでもレナは合成魔術の発動を止めず、迫りくる守護者に向けて掌を伸ばす。
「ゴロロロッ……!!」
「……ここっ!!」
接近した守護者に向けてレナは掌を伸ばすと、右腕に蓄積させた風の精霊を利用し、初級魔法の「風圧」の魔法を強化させて竜巻を生み出す。その結果、強烈な突風が守護者に襲いかかり、そのまま巨体が飲み込む。
「ゴロロロッ……!?」
「大抵の金属は熱した後、急激に冷まされたら脆くなる……これでどうだ!?」
凄まじい風圧によって熱気を発していた守護者の肉体が急激に冷まされ、更にレナは退魔刀を地面に突き刺すと両手に意識を集中させて「氷装剣」を発動させて駆け出す。そして自らが竜巻の中に飛び込み、風の聖痕を利用して突風を掻き分けながら守護者に接近すると、作り上げた氷塊の大剣を叩きつけた。
「だああっ!!」
「ゴロォッ……!?」
背中側から大剣を叩きつけられた守護者の巨体が崩れ落ち、そのまま背中から大剣を叩きつけられる形で地面に倒される。更にレナは相手が体勢を整える前に氷塊の大剣を手放すと、支援魔法を続けて発動させる。
「付与強化!!」
「ゴロォオオッ……!?」
氷塊に魔力を送り込んだ瞬間、全体から凄まじい冷気が迸り、守護者の背中から全身にまで氷結化させる。といってもせいぜい表面しか凍らせる事が出来ず、守護者を完全に凍り付かせる事までは出来ない。しかし、急激に温度を奪われた守護者の身体は間違いなく大きな負荷が掛かっており、この隙を逃さずにレナは退魔刀の元へ戻った。
守護者の方は大太刀を背中に回して張り付いた氷塊の大剣を焼却させ、自身の身体の氷結化を大太刀の熱によって溶かそうとした。しかし、その行為が逆に仇となっている事に気付かず、熱して冷まして更にまた熱した金属の身体には間違いなく負荷が蓄積されていく。
「ゴロロロッ……!!」
「どうした?気分が悪そうだな」
「ゴロォッ!!」
軽口を叩くレナに対して守護者は大太刀を振り翳し、正面から特攻する。それに対してレナは退魔刀を構えると意識を集中させ、蒼炎刀に変化させて全力で振り切る。
「旋風撃!!」
「ゴロロッ!!」
横薙ぎに振り払われた蒼炎刀の刃と守護者の正面から振り下ろした大太刀が衝突した瞬間、金属音と共に軽い衝撃波が走り、結果として大太刀の刃が弾き返された。
「ゴロォッ!?」
「……終わりだ」
蒼炎刀を発動させた状態で瞼を閉じたレナは守護者の懐に潜り込むと、意識を集中させて眼を開き、横薙ぎに剣を振り払う。
「一刀両断」
次の瞬間、閃光の如く放たれた刃が守護者の首元に食い込み、瞬く間に頭部を完全に切り裂く。その結果、残された胴体は糸が切れた人形のように倒れ込み、頭部は地面に転がり込む。その様子を確認したレナは退魔刀を下ろすと、倒れた守護者の胴体と頭部に視線を向ける。
胴体の方は機能を完全に失ったらしく、大太刀を手放した状態で動く様子はない。一方で頭部の方はまだ意識があるのか、カタカタと小刻みに震えながら呻き声のような音を漏らしていた。
「ゴロロッ……!?」
「こんな状態でもまだ動けるのか……けど、ここまでだな」
蒼炎刀を解除したレナは守護者が所持していた大太刀を拾い上げると、戦利品として持ち帰る事を決め、最後に守護者の頭部の元へ近づくと止めを刺すために退魔刀を振り下ろす――
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。