不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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S級冒険者編

蒼の剣聖、漆黒の剣士

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「よくやったわ、後は任せなさい!!」
「シズネ、先に頼む!!」
「ガアッ!?」


後方から新たな人間の声を耳にした火竜は振り返ろうとしたが、影魔法によって頭部も抑え込まれているので動かず、その隙に青色の髪の剣士が火竜の背中の上に降り立つ。


「刺突・四連突き!!」
「ガァアアアッ……!?」


尻尾、背中、両翼、頭部の四か所に強烈な衝撃が走り、火竜は悲鳴を上げて倒れ込む。その様子を見て攻撃を仕掛けた「シズネ」は空中に跳躍すると、彼女は雪月花を振り翳して追撃を加えた。


「月光斬!!」
「ギャウッ!?」


シズネが三日月を想像させる剣の軌道で背中を切りつけた瞬間、切りつけた箇所が氷結化を引き起こし、徐々に火竜の身体を覆いこむ。これによって火竜は完全に動けなくなると、地上の方から大剣と大太刀を握り締めた「レナ」が火竜の元へ向かう。

退魔刀を右手に構え、先日に守護者から奪った大太刀を左手に構えたレナは火竜の元へ向かうと、意識を集中させて地面を強く踏み込みながら振り翳す。その姿を見た火竜はレナのあまりの気迫に巨人の如く彼の姿が巨大化したように見えた。


「十文字斬り!!」
「アガァアアアアッ!?」


恐らくは火竜が誕生してから最大の衝撃が胸元に走り、鮮血が舞う。火竜の頑丈な鱗を容易く切り裂かれ、胸元に大きな十字型の傷跡が形成される。その様子を見たレナは剣を振り払うと、全員に合図を送る。


「皆、行くぞっ!!」
「お、おう!!」
「うぃっす!!」
「うおおおっ!!」
「任せなさい!!」


レナの声に反応するように他の者達も同時に動き、シズネは火竜の頭部に目掛けて剣を振り下ろし、ゴンゾウは渾身の一撃を腹部に叩きつけ、ダインは影魔法を使用して火竜の拘束を強めると、エリナも矢を放つ――






――数時間後、レナ達は冒険都市へと戻って火竜の討伐を果たした事を報告する。その結果、黒虎の冒険者ギルドでは大勢の人間が集まり、レナ達が大量の金貨が詰まった大袋を受け取る光景を確認した。


「ほらよ、これが火竜討伐の報酬だよ!!遠慮なく受取りなっ!!」
『おおおおっ!!』


レナ達が座り込む円卓の机の上にギルドマスターのバルが大袋を置くと、袋の中から大量の金貨が零れ落ちた。その様子を見て大勢の人間が拍手を行い、レナ達も大量の金貨を前にして悪い気分はしなかった。


「ひいふうみい……だ、駄目っす!!数えきれないです!!」
「いったい何枚あるんだよこれ!?」
「わあ~凄い。私の月のお小遣いの同じぐらいあるね~」
「ええ、そう……えっ?ちょっと待ちなさい、今なんて言ったの?」


机の上に散らばった大量の金貨を前にして流石のレナ達も興奮を抑えきれず、ダインに至っては両目を金貨の形にして両手いっぱいの金貨に頬ずりを行う。数百枚の金貨を目の前にして喜ばない冒険者など存在せず、人数分に分配するとしても確実に一人当たり50枚以上は貰えた。

火竜の討伐を果たした事によってレナ達は依頼の報酬だけではなく、火竜の素材の一部を受け取れる。その素材も監禁すれば途轍もない金額になるはずであり、しかも今回の件で全員の冒険者の階級(ランク)が上昇するのは間違いない(最も傭兵であるシズネと王族であるティナの場合は冒険者ではないので階級が上がる事はないが)。


「よ~し、今日はお祝いだよ!!あたしが一杯奢ってやるからあんた達も盛大に祝いな!!遂に内のギルドにS級冒険者の誕生だよ!!」
『うおおおおおっ!!』
「S級冒険者……誰の事?」
「何を照れてるんだい!!あんたの事に決まってんだろ!?」


バルの言葉に黒虎の冒険者達は湧き立ち、そんな彼等の反応にレナは不思議に思うと、バルが彼の肩を叩く。そこでレナは火竜の討伐前にバルに言われた事を思い出す。


『いいかい、火竜の討伐なんて大仕事は滅多に手ないんだ。もしもあんた等がこれを成し遂げれば、間違いなくS級冒険者へ昇格するからね!!だから絶対に討伐を果たしな!!』


出発前にバルに言われた言葉を思い出いしたレナは、バルの発言から自分が「S級冒険者」に昇格を果たしたという事を知り、遂に冒険者の最高階級まで上り詰めた事を自覚する。


『そうか……俺、S級冒険者になったんだ。あんまり実感わかないけど』
『おめでとうございますレナさん、遂に超一流の冒険者の仲間入りですね』
『おお、ありがとうアイリス』


アイリスの方から交信が行われ、レナは彼女に褒められて素直に嬉しく思う。まさか冒険都市に来たばかりの頃は自分がS級の階級まで上がる事など夢にも思わなかったが、アイリスによると真面目に冒険者活動を続けていればレナは問うにS級に昇格していた事を告げた。


『まあ、レナさんは色々と忙しかったので仕方ありませんけど、冒険者活動に専念していれば本当ならもっと早くにS級に昇格出来てたんですけどね。ですが、もうそれはどうでもいい事です。今日の夜は乾杯しましょう、夢の世界でご馳走を用意して待ってますね』
『ご馳走か……アイリスの手作り?』
『勿論です!!古今東西のご馳走を用意してますよ!!』
『おおっ、楽しみにしてるよ』


夢の世界では想像した物が一瞬で生み出せるのでアイリスが料理をする必要などないのだが、一応は祝ってくれるというのでレナは後でアイリスに会う事を約束し、交信を途絶えた。





※ちなみにレナが冒険者活動に専念していたら闘技祭が開催される前にS級入りを果たしていました。


アイリス「ちなみにこの後、レナさんに梅茶漬けを振舞ったら切れられました(´・ω・)」
レナ「俺は鮭茶漬け派だ!!」( ゚Д゚)
カタナヅキ「怒る所はそこなのか……(困惑)」
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