851 / 2,091
S級冒険者編
レナVSヨクヒ
しおりを挟む
「んだよ!!勝負の邪魔をすんなっ!!」
「こ、こら!!ヨクヒ、お前誰に口を利いているのか分かっているのか!?」
「全く、相変わらずねこの子は……」
「あん?もしかして……あんた、マリアか?」
ヨクヒはマリアを前にしても態度は崩さず、槍を手元で振り回しながらも彼女と向き合う。レナは今まで氷雨に所属する冒険者の中でマリアに対してここまで不遜な態度を取った人間は見た事がなく、あのガロでさえもマリアを相手にするときは緊張して敬語で話す程である。
マリアに対して気軽に話が出来る相手は氷雨の創設時から存在するハヤテ、シュン、ゴウライぐらいだが、ヨクヒの場合は彼女に対して3人以上に失礼な態度で接してきた。
「ふん、誰かと思えばあんたかよ……今更、いったい何をしに来たんだ?」
「ヨクヒ!!それが主に対する言葉か!!」
「勘違いするな姉者、俺は氷雨に所属しているのはマリアに忠誠を誓ったからじゃない。姉者が氷雨に入りたいというから俺も入ったんだ!!」
「そうね、別に氷雨に所属したからといって私に対して忠誠を誓う必要はないわ。あくまでも私は雇用主に過ぎないのだから、別に王様になったつもりはないわ」
「そら見ろ、マリアだってこういってるじゃないか」
「ぐぬぬっ……」
ヨクヒの態度にカンエンが叱りつけるが、彼女は反省する素振りはなく、逆に堂々と開き直る。そんな彼女の態度にカンエンは頭を悩ませるが、マリアは気にせずにレナの紹介を行う。
「ヨクヒ、今日貴女の元に来たのはこのレナをS級冒険者として認めて貰うためよ。貴女の所持しているメダルを渡して欲しいの」
「はああっ!?こいつが例の噂のS級冒険者なのか!?ゴウライみたいな奴だと思ってたのに……全然弱そうじゃんか!!」
「やかましいわい」
レナが最近に入ったS級冒険者だと知ったヨクヒは落胆した声を上げるが、すぐに気を取り直したように槍を持ち直して彼と向き合う。
「まあ、でも……それなりに戦えるようだしな。いいぜ、俺に勝つ事が出来たらメダルを渡してやる。それで文句ないだろマリア?」
「ええ、問題ないわ」
「やっぱり、こうなる訳ね……たく、面倒だな」
あっさりとヨクヒの要求を承諾したマリアにレナは呆れるが、最初に襲いかかって来た時点でヨクヒが話し合いで納得するような相手ではない事は予測できた。レナはハンゾウに短刀を返却すると、空間魔法を発動させて退魔刀を取り出す。そのレナの行動にヨクヒは驚く。
「お、お前!!今、何処から武器を出した!?」
「え?ああ、異空間から取り出しただけだよ」
「イクウカン?何だそれ、どうやって覚えた!?」
「レナ殿は魔術師でござるよ」
「はああっ!?魔術師!?魔術師の癖に剣を使うのか!?」
ヨクヒはレナを生粋の剣士だと思いこんでいたが、魔法を使った彼を見て驚愕する。そんな騒がしい彼女に対してレナは退魔刀と大太刀を両手で握り締めると、支援魔法を発動させて身体強化を行う。
「身体強化、重撃剣」
「んっ……な、何だお前、何をした?」
魔法を発動させて戦闘体勢を整えたレナに対してヨクヒは警戒心を高め、彼女は裏庭の方へ移動すると槍を構える。一方でレナも両手に剣を握り締めて庭に降り立つと、二人は向かい合う。
先ほどの戦闘でヨクヒは相当な強者だと判断したレナだが、先のライオネルやムサシと比べると力量は劣り、バルトロス王国の大将軍だったミドルとは比べ物にならない。勝負をすぐに終わらせるためにレナは両手の剣を握り締めると、ヨクヒの出方を待つ。
「くっ……」
「…………」
レナの気迫にヨクヒは冷や汗を流し、一歩も踏み出す事が出来なかった。先ほどまでとは雰囲気が一変したレナに近付く事すら出来ない。彼女は向かい合うだけでレナの迫力に圧され、後退りしてしまう。自分の姉であるカンエンと戦った時でさえも感じられなかった「恐怖」に対してヨクヒは汗が止まらない。
警戒心を高めて動こうとしないヨクヒを見てハンゾウもカゲマルも彼女の行為を嘲笑う真似はしない。マリアとカンエンもヨクヒの行動は咎めず、誰もが今のレナを前にしたらヨクヒのような行動を取るだろう。それほどまでにレナの迫力はすさまじく、普通の人間ならば気絶していてだろう。
「どうした?来ないのか?」
「こ、この……舐めるなっ!!」
何時までも仕掛けてこないヨクヒにレナが不思議に思って声を掛けると、ヨクヒは恐怖を振り払うように咆哮を放ち、真正面からレナに向かう。その彼女の行動を見てカンエンは咄嗟に声を上げて止めようとしたが、レナは大太刀を構えると、ヨクヒの突き出した槍に放つ。
「「刺突!!」」
二人は同時に戦技を発動させると、お互いの刃の先端を交わらせる。その結果、金属音と共にヨクヒの身体が弾かれ、彼女は目を見開きながらも空中で体勢を整えて着地する。ヨクヒは自分の身にいったい何が起きたのか理解出来なかったが、刃を突き出した状態のレナを見て恐るべき事実に気付く。
「こ、こら!!ヨクヒ、お前誰に口を利いているのか分かっているのか!?」
「全く、相変わらずねこの子は……」
「あん?もしかして……あんた、マリアか?」
ヨクヒはマリアを前にしても態度は崩さず、槍を手元で振り回しながらも彼女と向き合う。レナは今まで氷雨に所属する冒険者の中でマリアに対してここまで不遜な態度を取った人間は見た事がなく、あのガロでさえもマリアを相手にするときは緊張して敬語で話す程である。
マリアに対して気軽に話が出来る相手は氷雨の創設時から存在するハヤテ、シュン、ゴウライぐらいだが、ヨクヒの場合は彼女に対して3人以上に失礼な態度で接してきた。
「ふん、誰かと思えばあんたかよ……今更、いったい何をしに来たんだ?」
「ヨクヒ!!それが主に対する言葉か!!」
「勘違いするな姉者、俺は氷雨に所属しているのはマリアに忠誠を誓ったからじゃない。姉者が氷雨に入りたいというから俺も入ったんだ!!」
「そうね、別に氷雨に所属したからといって私に対して忠誠を誓う必要はないわ。あくまでも私は雇用主に過ぎないのだから、別に王様になったつもりはないわ」
「そら見ろ、マリアだってこういってるじゃないか」
「ぐぬぬっ……」
ヨクヒの態度にカンエンが叱りつけるが、彼女は反省する素振りはなく、逆に堂々と開き直る。そんな彼女の態度にカンエンは頭を悩ませるが、マリアは気にせずにレナの紹介を行う。
「ヨクヒ、今日貴女の元に来たのはこのレナをS級冒険者として認めて貰うためよ。貴女の所持しているメダルを渡して欲しいの」
「はああっ!?こいつが例の噂のS級冒険者なのか!?ゴウライみたいな奴だと思ってたのに……全然弱そうじゃんか!!」
「やかましいわい」
レナが最近に入ったS級冒険者だと知ったヨクヒは落胆した声を上げるが、すぐに気を取り直したように槍を持ち直して彼と向き合う。
「まあ、でも……それなりに戦えるようだしな。いいぜ、俺に勝つ事が出来たらメダルを渡してやる。それで文句ないだろマリア?」
「ええ、問題ないわ」
「やっぱり、こうなる訳ね……たく、面倒だな」
あっさりとヨクヒの要求を承諾したマリアにレナは呆れるが、最初に襲いかかって来た時点でヨクヒが話し合いで納得するような相手ではない事は予測できた。レナはハンゾウに短刀を返却すると、空間魔法を発動させて退魔刀を取り出す。そのレナの行動にヨクヒは驚く。
「お、お前!!今、何処から武器を出した!?」
「え?ああ、異空間から取り出しただけだよ」
「イクウカン?何だそれ、どうやって覚えた!?」
「レナ殿は魔術師でござるよ」
「はああっ!?魔術師!?魔術師の癖に剣を使うのか!?」
ヨクヒはレナを生粋の剣士だと思いこんでいたが、魔法を使った彼を見て驚愕する。そんな騒がしい彼女に対してレナは退魔刀と大太刀を両手で握り締めると、支援魔法を発動させて身体強化を行う。
「身体強化、重撃剣」
「んっ……な、何だお前、何をした?」
魔法を発動させて戦闘体勢を整えたレナに対してヨクヒは警戒心を高め、彼女は裏庭の方へ移動すると槍を構える。一方でレナも両手に剣を握り締めて庭に降り立つと、二人は向かい合う。
先ほどの戦闘でヨクヒは相当な強者だと判断したレナだが、先のライオネルやムサシと比べると力量は劣り、バルトロス王国の大将軍だったミドルとは比べ物にならない。勝負をすぐに終わらせるためにレナは両手の剣を握り締めると、ヨクヒの出方を待つ。
「くっ……」
「…………」
レナの気迫にヨクヒは冷や汗を流し、一歩も踏み出す事が出来なかった。先ほどまでとは雰囲気が一変したレナに近付く事すら出来ない。彼女は向かい合うだけでレナの迫力に圧され、後退りしてしまう。自分の姉であるカンエンと戦った時でさえも感じられなかった「恐怖」に対してヨクヒは汗が止まらない。
警戒心を高めて動こうとしないヨクヒを見てハンゾウもカゲマルも彼女の行為を嘲笑う真似はしない。マリアとカンエンもヨクヒの行動は咎めず、誰もが今のレナを前にしたらヨクヒのような行動を取るだろう。それほどまでにレナの迫力はすさまじく、普通の人間ならば気絶していてだろう。
「どうした?来ないのか?」
「こ、この……舐めるなっ!!」
何時までも仕掛けてこないヨクヒにレナが不思議に思って声を掛けると、ヨクヒは恐怖を振り払うように咆哮を放ち、真正面からレナに向かう。その彼女の行動を見てカンエンは咄嗟に声を上げて止めようとしたが、レナは大太刀を構えると、ヨクヒの突き出した槍に放つ。
「「刺突!!」」
二人は同時に戦技を発動させると、お互いの刃の先端を交わらせる。その結果、金属音と共にヨクヒの身体が弾かれ、彼女は目を見開きながらも空中で体勢を整えて着地する。ヨクヒは自分の身にいったい何が起きたのか理解出来なかったが、刃を突き出した状態のレナを見て恐るべき事実に気付く。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。