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S級冒険者編
S級冒険者としての初依頼
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――世界各地のS級冒険者のメダルを集め終えたレナ達は冒険都市へ引き返した後、しばらくの間は平穏に過ごした。だが、ある時にレナはマリアに呼び出されると、数枚の羊皮紙を差しだされる。
「先日の一件で貴女の事をS級冒険者として認められると思ったのだけど……やはり、実績がないと説得が難しい相手もいるわ。だから私の方で見繕い、手ごろな依頼を用意させて貰ったわ」
「つまり、そろそろ冒険者として仕事しろというわけか」
「そういう事ね。まあ、貴方もここ最近は暇そうだから丁度いいでしょう?」
マリアの言葉にレナは言い返す事も出来ず、ここ最近は外に出る事もなく家の中で過ごしていた。先のヨツバ王国の一件や火竜を討伐した事でレナも一躍有名人になってしまい、街に出るだけで人だかりが出来てしまう。なので最近は家の中に引きこもる事が多かった。
(まあ、最近は身体を動かす事もなかったし、たまには冒険者らしく仕事をするか……)
受け取った羊皮紙を確認すると内容は魔物の討伐依頼ばかりであり、どれもがバルトロス王国内に存在する貴族や領主からの指名依頼だった。だが、その中でレナは討伐指定されている魔物の名前の中に最近耳にした名前を発見した。
「叔母様、この依頼って……」
「そう、ムサシが討伐を依頼されていた「九尾」と呼ばれる魔物よ。どうやら彼女でさえも手に余る魔物だったらしいわね」
バルトロス王国の東部に存在する貴族の領地にて「九尾」が発見され、その貴族が所有する鉱山を縄張りにでもしたのか、鉱山に入ろうとする人間に被害を与えているという。幸いにも死傷者は生まれていないが、その九尾のせいで魔石の素材となる鉱石を発掘が出来ずに困っているという。
九尾の討伐は巨人国のS級冒険者のムサシが行っていたはずだが、どうやら彼女は討伐に失敗したらしく、九尾は巨人国を抜け出してバルトロス王国へと住処を移住させたらしい。ムサシに関してはマリアが直接赴いて話を聞いたらしく、予想以上に厄介な相手だと彼女から教わった。
『九尾は化物だ……奴の強さは間違いなく上位の竜種に匹敵する』
大怪我を負ったムサシは現在も治療を受けており、彼女は酷い火傷を負っていた。高レベルの治癒魔導士の回復魔法、上級の回復薬を使用しても回復速度が非常に遅く、完治までには時間が掛かるという。ムサシによるとレナ達と別れた後に九尾を発見して交戦したそうだが、結局は力及ばずに敗れたという。
『九尾との戦闘は私は一太刀も浴びせる事が出来なかった。奴の足は牙竜を上回り、それでいながら火竜の火炎の吐息を上回る炎を吐き出してきた。正直、奴以上に恐ろしい魔物など私は見た事がない』
『そう……よく分かったわ。それと、これを飲んでおきなさい』
事情を聴いたマリアは彼女に「精霊薬(以前にレナが回収した代物)」を渡すと引き返し、すぐに九尾の調査を行う。しかし、今まで九尾の存在は伝説として扱われており、実際に九尾と遭遇した冒険者はムサシ以外に存在しなかったので情報は集まらなかった。
そんな九尾がバルトロス王国に侵入し、S級冒険者であるレナの元に依頼が届いた時はマリアは思い悩む。レナの事は信頼しているが、S級冒険者であるムサシが手も足も出せずに敗れたという事実にマリアは不安を感じていた。
「今回の依頼は貴方一人ではなく、ゴウライを呼び寄せておいたわ。丁度、牙竜の討伐を終えて街に戻ってくる予定だから助かったわ」
「ゴウライさんか……あれ、叔母様はゴウライさんの正体を知っていたの?」
「知っているわ。最も、私も最近までは鎧に乗り移ったゴーストか何かだと思っていたのだけど……」
「ええっ……」
ゴウライの正体が女性である事はマリアも最近知ったらしく、彼女とは10年以上の付き合いのはずだが正体を知らなかった事にレナは呆れる。最もマリアとしてはゴウライが自分に従ってくれるのであれば中身など気にせず、特に調べようともしなかったらしい。
「それと今回の依頼にはシズネの方にも貴方から声を掛けてくれるかしら?私の方から掛け合うよりも貴方が頼めばすぐに聞き入れてくれると思うのだけど……」
「それは……どうかな?シズネはゴウライさんの事を嫌ってるからな……」
「……そういえばあの娘はゴウライの事を父親の仇だと思いこんでいるのよね、盲点だったわ」
シズネの父親はバルトロス王国の大将軍を勤めていたが、過去にゴウライと決闘を行い、その際中に王妃の配下に毒を盛られて死亡している。しかし、結果的にはゴウライと戦った事でシズネの父親が死亡し、更には彼が所有していたデュランダルはゴウライの手に渡ってしまう。その事からシズネは深くゴウライを恨んでいた。
実力的にはシズネはS級冒険者に匹敵して「青の剣聖」として恐れられている。しかも彼女の扱う七大魔剣の雪月花は聖剣に匹敵する力を誇り、出来る事ならばシズネの協力は欲しい所だった。
「先日の一件で貴女の事をS級冒険者として認められると思ったのだけど……やはり、実績がないと説得が難しい相手もいるわ。だから私の方で見繕い、手ごろな依頼を用意させて貰ったわ」
「つまり、そろそろ冒険者として仕事しろというわけか」
「そういう事ね。まあ、貴方もここ最近は暇そうだから丁度いいでしょう?」
マリアの言葉にレナは言い返す事も出来ず、ここ最近は外に出る事もなく家の中で過ごしていた。先のヨツバ王国の一件や火竜を討伐した事でレナも一躍有名人になってしまい、街に出るだけで人だかりが出来てしまう。なので最近は家の中に引きこもる事が多かった。
(まあ、最近は身体を動かす事もなかったし、たまには冒険者らしく仕事をするか……)
受け取った羊皮紙を確認すると内容は魔物の討伐依頼ばかりであり、どれもがバルトロス王国内に存在する貴族や領主からの指名依頼だった。だが、その中でレナは討伐指定されている魔物の名前の中に最近耳にした名前を発見した。
「叔母様、この依頼って……」
「そう、ムサシが討伐を依頼されていた「九尾」と呼ばれる魔物よ。どうやら彼女でさえも手に余る魔物だったらしいわね」
バルトロス王国の東部に存在する貴族の領地にて「九尾」が発見され、その貴族が所有する鉱山を縄張りにでもしたのか、鉱山に入ろうとする人間に被害を与えているという。幸いにも死傷者は生まれていないが、その九尾のせいで魔石の素材となる鉱石を発掘が出来ずに困っているという。
九尾の討伐は巨人国のS級冒険者のムサシが行っていたはずだが、どうやら彼女は討伐に失敗したらしく、九尾は巨人国を抜け出してバルトロス王国へと住処を移住させたらしい。ムサシに関してはマリアが直接赴いて話を聞いたらしく、予想以上に厄介な相手だと彼女から教わった。
『九尾は化物だ……奴の強さは間違いなく上位の竜種に匹敵する』
大怪我を負ったムサシは現在も治療を受けており、彼女は酷い火傷を負っていた。高レベルの治癒魔導士の回復魔法、上級の回復薬を使用しても回復速度が非常に遅く、完治までには時間が掛かるという。ムサシによるとレナ達と別れた後に九尾を発見して交戦したそうだが、結局は力及ばずに敗れたという。
『九尾との戦闘は私は一太刀も浴びせる事が出来なかった。奴の足は牙竜を上回り、それでいながら火竜の火炎の吐息を上回る炎を吐き出してきた。正直、奴以上に恐ろしい魔物など私は見た事がない』
『そう……よく分かったわ。それと、これを飲んでおきなさい』
事情を聴いたマリアは彼女に「精霊薬(以前にレナが回収した代物)」を渡すと引き返し、すぐに九尾の調査を行う。しかし、今まで九尾の存在は伝説として扱われており、実際に九尾と遭遇した冒険者はムサシ以外に存在しなかったので情報は集まらなかった。
そんな九尾がバルトロス王国に侵入し、S級冒険者であるレナの元に依頼が届いた時はマリアは思い悩む。レナの事は信頼しているが、S級冒険者であるムサシが手も足も出せずに敗れたという事実にマリアは不安を感じていた。
「今回の依頼は貴方一人ではなく、ゴウライを呼び寄せておいたわ。丁度、牙竜の討伐を終えて街に戻ってくる予定だから助かったわ」
「ゴウライさんか……あれ、叔母様はゴウライさんの正体を知っていたの?」
「知っているわ。最も、私も最近までは鎧に乗り移ったゴーストか何かだと思っていたのだけど……」
「ええっ……」
ゴウライの正体が女性である事はマリアも最近知ったらしく、彼女とは10年以上の付き合いのはずだが正体を知らなかった事にレナは呆れる。最もマリアとしてはゴウライが自分に従ってくれるのであれば中身など気にせず、特に調べようともしなかったらしい。
「それと今回の依頼にはシズネの方にも貴方から声を掛けてくれるかしら?私の方から掛け合うよりも貴方が頼めばすぐに聞き入れてくれると思うのだけど……」
「それは……どうかな?シズネはゴウライさんの事を嫌ってるからな……」
「……そういえばあの娘はゴウライの事を父親の仇だと思いこんでいるのよね、盲点だったわ」
シズネの父親はバルトロス王国の大将軍を勤めていたが、過去にゴウライと決闘を行い、その際中に王妃の配下に毒を盛られて死亡している。しかし、結果的にはゴウライと戦った事でシズネの父親が死亡し、更には彼が所有していたデュランダルはゴウライの手に渡ってしまう。その事からシズネは深くゴウライを恨んでいた。
実力的にはシズネはS級冒険者に匹敵して「青の剣聖」として恐れられている。しかも彼女の扱う七大魔剣の雪月花は聖剣に匹敵する力を誇り、出来る事ならばシズネの協力は欲しい所だった。
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