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S級冒険者編
まさかの援軍
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「参ったな……ゴンちゃんもダインも当てにならないとなると、他に頼りになりそうなのはエリナぐらいしかいないや」
『そのエリナもティナの護衛の任務がありますからね、連れて行くのは難しいでしょうね』
牙竜のギルドから離れたレナは途方に暮れ、あまり時間がないので別の助っ人を頼む必要があるのだが、この街に住んでいる人間の中でレナに手を貸してくれそうな人物はもうエリナぐらいしかいない。だが、そのエリナはティナの護衛のために彼女の傍に付き従っているため、無理に誘う事は出来なかった。
エリナ以外に力を貸してくれそうな人物に心当たりはなく、仕方なくレナは帰ろうかとした時、ここである人物の事を思い出す。戦力面という点ではヨツバ王国の六聖将にも劣らず、それに領地内の問題を解決するという事を伝えれば力を貸して貰えるかもしれない。
「……試してみるか」
レナはマリアから貰った水晶札を取り出すと、急遽バルトロス王国の王都へと転移した――
――王都へと転移したレナは真っ先に王城へ向かうと、ナオの元へ訪れる。相変わらず人手不足で大変そうではあったが、レナが来たと知ってすぐにナオは玉座の間にて彼を迎えいれた。
「レナ、久しぶりだな!!元気にしていたか?」
「ナオ姉様さん!!」
「な、何だその呼び方は……普通に姉さんと呼んでくれ」
レナが訪れるとナオは笑顔を浮かべ、久々に顔を見せたレナを歓迎する。ここ最近はヨツバ王国との会談等で忙しく、顔を会わせる暇もなかったが、やっとバルトロス王国も落ち着いてきた。表向きはヨツバ王国との戦争は回避され、更にヨツバ王国側から親交の証として大量の貢物を受け取る。
ヨツバ王国との一件は表向きは国王が不在の際にカレハ王女がクーデターを企み、バルトロス王国に戦争を仕掛けようとした事になっていた。大筋の話の流れは間違ってはいないのだが、カレハ王女に協力していた者達は処罰を受けている。他国の間ではバルトロス王国とヨツバ王国の長き同盟が崩れたかと思われたが、結局はカレハの死によって同盟は守られた。
「全く、こっちは色々と大変だぞ……欲深い大臣共がヨツバ王国に損害賠償を請求しろだの、中断された闘技祭の再開を進めてきたり、軍備の強化を促してきたり……その間にお前の方は何時の間にかS級冒険者になっていたと聞かされて驚いたぞ」
「あはははっ……ご苦労様」
「まあ、私がここにいるのもお前のお陰だ。ヨツバ王国の件もお前がいなければこの国は滅びていたかもしれない、その点はお前に感謝してもしきれないがな」
ナオはレナを抱き締めて感謝の意を示すように頭を撫でる。一時の間だけでも国王としてではなく、姉弟として睦まじい時間を過ごした後、すぐに本題へと戻る。
「それでレナ、今日は何の用だ?お前がここまでくるという事は単純に顔を見せに来たわけじゃないんだろう?」
「うん、実はさ……」
王城へはレナは滅多に立ち寄らず、用事がある時も基本的にナオが出向く事が多い。理由としては王位継承の件で問題があり、バルトロス王国の風習では本来はレナが王位に就くのが決まりで会った。しかし、亡き先代国王がナオを王位継承者に定めた以上はレナが王位に就くことは出来ない。
だが、大臣の中にはレナを王位にして自分の地位を高めようとする人間も少なからず存在し、王都に滞在していた時はレナの元に何度かバルトロス王国の家臣が訪れた。そのためにレナは権力争いに巻き込まれないように王都を離れ、冒険都市で暮らしていた。冒険都市ならばマリアが管理下に置いた都市のため、バルトロス王国の家臣であろうと迂闊にレナには近づけなかった。それはともかく、レナは本日訪れた用件を伝える。
「実はさ、かくかくしかじか……という事で一緒に戦ってくれる人を探してるんだ」
「なるほど、九尾の討伐のために人材を探しているのか……既にこちらも報告を受けている。ここへ来たのは九尾に対抗出来る人材を派遣して欲しいという事だな?」
「そういう事、という事で……」
「……あの方の力が必要という事か」
レナの話を聞いてナオはため息を吐き出し、現在のバルトロス王国で最大の戦力を誇る人物を派遣しろという弟の要求に呆れもするが、レナの功績を考えれば断れるはずもなかった――
――それからしばらく時間が経過すると、玉座の間に女騎士達を従えた一人の女性が現れ、彼女はレナとナオの前で敬礼を行うと、名乗り上げた。
「バルトロス王国大将軍レミア・ルトリア、王命に従って参上しました」
「レミア大将軍、急に呼び出してすまなかったな」
「いえ、女王様の命令とあらばいつでも駆けつけます」
「じょ、女王様は止めてくれ……」
バルトロス王国の最後の大将軍にしてルトリア家の跡取りであるレミアが現れると、ナオはレナに視線を向けて彼の方から話を通すように促す。
『そのエリナもティナの護衛の任務がありますからね、連れて行くのは難しいでしょうね』
牙竜のギルドから離れたレナは途方に暮れ、あまり時間がないので別の助っ人を頼む必要があるのだが、この街に住んでいる人間の中でレナに手を貸してくれそうな人物はもうエリナぐらいしかいない。だが、そのエリナはティナの護衛のために彼女の傍に付き従っているため、無理に誘う事は出来なかった。
エリナ以外に力を貸してくれそうな人物に心当たりはなく、仕方なくレナは帰ろうかとした時、ここである人物の事を思い出す。戦力面という点ではヨツバ王国の六聖将にも劣らず、それに領地内の問題を解決するという事を伝えれば力を貸して貰えるかもしれない。
「……試してみるか」
レナはマリアから貰った水晶札を取り出すと、急遽バルトロス王国の王都へと転移した――
――王都へと転移したレナは真っ先に王城へ向かうと、ナオの元へ訪れる。相変わらず人手不足で大変そうではあったが、レナが来たと知ってすぐにナオは玉座の間にて彼を迎えいれた。
「レナ、久しぶりだな!!元気にしていたか?」
「ナオ姉様さん!!」
「な、何だその呼び方は……普通に姉さんと呼んでくれ」
レナが訪れるとナオは笑顔を浮かべ、久々に顔を見せたレナを歓迎する。ここ最近はヨツバ王国との会談等で忙しく、顔を会わせる暇もなかったが、やっとバルトロス王国も落ち着いてきた。表向きはヨツバ王国との戦争は回避され、更にヨツバ王国側から親交の証として大量の貢物を受け取る。
ヨツバ王国との一件は表向きは国王が不在の際にカレハ王女がクーデターを企み、バルトロス王国に戦争を仕掛けようとした事になっていた。大筋の話の流れは間違ってはいないのだが、カレハ王女に協力していた者達は処罰を受けている。他国の間ではバルトロス王国とヨツバ王国の長き同盟が崩れたかと思われたが、結局はカレハの死によって同盟は守られた。
「全く、こっちは色々と大変だぞ……欲深い大臣共がヨツバ王国に損害賠償を請求しろだの、中断された闘技祭の再開を進めてきたり、軍備の強化を促してきたり……その間にお前の方は何時の間にかS級冒険者になっていたと聞かされて驚いたぞ」
「あはははっ……ご苦労様」
「まあ、私がここにいるのもお前のお陰だ。ヨツバ王国の件もお前がいなければこの国は滅びていたかもしれない、その点はお前に感謝してもしきれないがな」
ナオはレナを抱き締めて感謝の意を示すように頭を撫でる。一時の間だけでも国王としてではなく、姉弟として睦まじい時間を過ごした後、すぐに本題へと戻る。
「それでレナ、今日は何の用だ?お前がここまでくるという事は単純に顔を見せに来たわけじゃないんだろう?」
「うん、実はさ……」
王城へはレナは滅多に立ち寄らず、用事がある時も基本的にナオが出向く事が多い。理由としては王位継承の件で問題があり、バルトロス王国の風習では本来はレナが王位に就くのが決まりで会った。しかし、亡き先代国王がナオを王位継承者に定めた以上はレナが王位に就くことは出来ない。
だが、大臣の中にはレナを王位にして自分の地位を高めようとする人間も少なからず存在し、王都に滞在していた時はレナの元に何度かバルトロス王国の家臣が訪れた。そのためにレナは権力争いに巻き込まれないように王都を離れ、冒険都市で暮らしていた。冒険都市ならばマリアが管理下に置いた都市のため、バルトロス王国の家臣であろうと迂闊にレナには近づけなかった。それはともかく、レナは本日訪れた用件を伝える。
「実はさ、かくかくしかじか……という事で一緒に戦ってくれる人を探してるんだ」
「なるほど、九尾の討伐のために人材を探しているのか……既にこちらも報告を受けている。ここへ来たのは九尾に対抗出来る人材を派遣して欲しいという事だな?」
「そういう事、という事で……」
「……あの方の力が必要という事か」
レナの話を聞いてナオはため息を吐き出し、現在のバルトロス王国で最大の戦力を誇る人物を派遣しろという弟の要求に呆れもするが、レナの功績を考えれば断れるはずもなかった――
――それからしばらく時間が経過すると、玉座の間に女騎士達を従えた一人の女性が現れ、彼女はレナとナオの前で敬礼を行うと、名乗り上げた。
「バルトロス王国大将軍レミア・ルトリア、王命に従って参上しました」
「レミア大将軍、急に呼び出してすまなかったな」
「いえ、女王様の命令とあらばいつでも駆けつけます」
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バルトロス王国の最後の大将軍にしてルトリア家の跡取りであるレミアが現れると、ナオはレナに視線を向けて彼の方から話を通すように促す。
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