不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
943 / 2,091
S級冒険者編

リーリスの目的

しおりを挟む
「ちょ、何ですかそれ!?反則、反則ですよ、そんなのもうチートじゃないですか!!」
「ガトリングをぶっ放している奴に言われたくないよ!!」
「むむむ、どうやら闇属性の魔法の様ですね。それならこれは防げないはず、フォトンソード!!」
「おおっ!?」


リーリスはガトリングを手放すと今度は腰の方に装着していた剣の柄を想像させる道具を取り出すと、SFでは定番のレーザーを刀身の如く扱う武器を取り出す。光り輝く剣を手にしたリーリスはレナの元へ向かう。


「はああっ!!」
「うわっ!?殺す気か!!」
「大丈夫です、出力は調整してますから触れても火傷程度で済みます!!」
「どういう原理だよ!!」


フォトンソードを振り回すリーリスに対してレナは回避を行い、何となくではあるが彼女の扱う武器は防げそうな気がしなかった。フォトンソードの刀身はあくまでも剣の刃の形をしたレーザーに過ぎないため、下手に両手の剣で受けようとすれば刀身を通過して襲ってくる可能性が高い。

リーリス自身は剣の扱いは心得ていないのか動きは素人同然だったので攻撃はかわしやすく、彼女の振り回す光剣に当たらぬように気を付けながらもレナは後退すると、これでは埒が明かないと判断したリーリスは両手で光剣を掴んで突き出す。


「最大出力、喰らえぇええっ!!」
「おいこら、手加減はどうした!?」


先ほどは出力を調整していると言っておきながらリーリスは光剣を突き出した瞬間、レーザーが巨大化した状態で放出される。結果としてレナは事前に回避したのでどうにかなったが、放たれたレーザーは訓練場の壁に衝突して拡散してしまう。

勇者の育成施設のために作り出された訓練場のため、魔法対策も行われているのか壁の方も相当に頑丈に出来ているらしく、レーザーを受けても黒焦げと化しただけで溶けた様子はない。その様子を見てレナは感心する一方、リーリスは膝を付く。


「くっ……え、エネルギーを使いすぎました。電池を換えないと動けません……」
「え、ちょっと待って……リーリスは電池で動いてるの!?せめてそこはバッテリーにしときなよ……」
「このままでは機能停止してしまいそうです……レナさん、売店の方で電池を買ってきてください。単三電池2つあれば十分ですから」
「売店あるのここ!?しかも単三電池で十分なの!?どれだけ省エネなんだお前の身体は!!」
「冗談ですよ、少し休めば大丈夫です。ふうっ……ここまで身体を動かしたのは久しぶりですね」


起き上がったリーリスは光剣を元に戻すと、落ち着いた様子でレナと向き合う。予想以上に苦戦はさせられたが、レナとしても中々貴重な体験をしたので怒らずにリーリスを褒めたたえる。


「まあ、色々と驚かされたけど……中々楽しませてもらったよ」
「そうですか、それなら良かったです。しかし、私の戦闘能力は400年前の人間の基準だとかなり高めに設定されているんですけどね。私が戦い慣れていないせいか、それともレナさんが化物じみた力を持っているのか……」
「生憎だけど、俺の仲間の中にもリーリスじゃ勝てなさそうな子はいるよ」


リーリスの戦闘方法は驚かされたが、冷静に対処すれば十分に対応できるため、仮にシズネが相手だったらリーリスは力を発揮する前に仕留められていただろう。ゴンゾウの場合は少々分が悪く、ダインの場合はリーリスが動く前に動きを止められたら勝ち目はある。残念ながらミナではリーリスには勝てないだろうが、コトミンの場合は非戦闘員なのでそもそも勝負にはならない。

レナの見立てではリーリスの戦闘力は並の冒険者以上、剣聖の称号を持つ人間以下の実力だと思った。最も戦闘においては相性もあるため、かならずしもリーリスが剣聖であるシュンやジャンヌに劣るとは言えない。元々彼女は勇者のサポート役として作り出されたので、勇者の練習相手として戦闘能力も高めに設定されていたのだろう。


「結構自信を無くしますね、戦闘機能の初実戦だったので張り切ったんですが……」
「えっ!?今ので初実戦という事は……もしかして戦ったことがなかったの!?」
「ええ、そうですよ。対人戦は初めてです、研究施設に近付く魔物を相手に戦った事はありますが、人間相手に戦う機会はありませんでした。だからこの際にレナさんに実験……いえ、協力してもらってどこまで戦えるのかを把握しておきたかったんです」
「おい、実験と言いかけただろ」
「気のせいです。それより、他の皆さんがそろそろ起きるころ合いですね。さあ、戻りますよ~」


レナの言葉に真顔で言い返したリーリスは装備を戻すと何事もなかったように訓練場を後にした。その様子を見てレナは怒る気も失せ、最初の部屋に戻って仲間達と合流を果たす――
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。