不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭編

その頃の留守番組

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――闘技祭の開催までに各地の猛者たちが修行に励む中、冒険都市に存在するレナの自宅ではコトミン、ティナ、エリナ、リンダの4人が引っ越し作業を行っていた。4人の他にはティナが連れてきたミノタウロスの「ミノ」やサイクロプスの「アイン」それにレナの相棒の「ウル」他にもスラミンやヒトミン、そして塔の大迷宮に残ったホネミンのペットのプルミンも含めて大所帯になってしまったため、現在は新しい家に引っ越し事になった。

深淵の森に存在する屋敷に暮らすという手段もあったが、マリアがレナが冒険都市に離れるのを寂しく思い、彼のために自分が所有していた土地に屋敷を作り上げた。位置的には氷雨と黒虎のギルドの中央部に存在するため、今までの家よりもギルドに通いやすいという理由でレナ達も有難くマリアが用意した屋敷に住む事にした。


「へえ~中々広いね。私が誕生日に貰った別荘と同じぐらい広いよ~」
「……そういえばティナはヨツバ王国の王族だった。今まで忘れていたけど、凄いお金持ち」
「ですが、中々立派な屋敷ですね。外観デザインも悪くありません」
「あたしは気に入りましたよ~ここなら射撃の練習が出来そうっす!!」


荷物を荷車に乗せてウル達に運ばせると、コトミン達は新しい屋敷へと辿り着く。外見の方はいかにも貴族が住みそうな屋敷だが、庭の方には池も存在するのを見てコトミンは嬉しそうに頷く。


「おおっ、ちゃんと人魚族用の池も用意してある……うん、丁度良い深さ。これならスラミン達も一緒に暮らせる」
「あ、そっか。コトミンの姐さんは人魚族でしたね、じゃあスライム達の面倒は姐さんに任せていいですか?」
「エリナ、貴女もティナ様の護衛だからといって共に暮らす以上は家事も手伝いなさい」
「いやいや、料理に関してはあたしが一番上手く作れるようになったじゃないですか。そういうリンダさんとティナ様もこの間、料理で失敗して危うく家が火事になるところだったのまだ忘れてませんからね」
「はうっ……ごめんなさい」
「その節は面倒を掛けました……」


エリナの言葉にティナとリンダはしょんぼりと肩を落とし、その様子を見てエリナは頭を掻く。この二人は一応は料理を学ぶようになったが、壊滅的なまでに料理のセンスがなく、碌な料理が作る事が出来ない。コトミンも魚料理の方は上手くなったのだが、基本的にはレナがいない間の料理はエリナが行う。

別に彼女もそれほど料理が得意という訳ではなかったのだが、レナが不在の時はコトミンの魚料理しか食べれないため、肉好きの彼女としては我慢できずに自分も料理するようになった。そのため、エリナが最近は料理を作る様になり、他の3人はそれぞれ別の家事を行う。

魔獣達の世話に関しては魔物使いのティナが進んで行い、レナがほぼ趣味で育てている薬草の世話や洗濯はコトミンが行い、家の掃除などはリンダが行う。彼女は几帳面なので王女であるティナが暮らす以上は一切の汚れは見逃さない。だが、屋敷に引っ越す以上はそれらの作業も今後は使用人を雇って任せる時が来たのかもしれない。


「まあ、でもこれだけの屋敷なら使用人さんも雇ってもいいんじゃないですか?何だったら、ヨツバ王国からティナ様の顔なじみの使用人さん達を呼び集めましょうか」
「あ、それいいね!!」
「確かに悪くない案ですが……それを決めるのは家主のレナ様です。勝手に我々だけで決めるのはまずいのでは?」
「レナなら別に問題ないと言ってくれると思う」


リンダの言葉にコトミンが即答し、そもそも彼女も使用人を雇う事は賛成だった。別に薬草の世話や洗濯程度ならば苦ではないが、流石にこれだけの大きさの屋敷に住むとなると今まで通りに管理するのも難しく、コトミンもレナが戻り次第に相談する事には賛成した。


「さあ、荷物を運ぶ前にまずは近所に引っ越し蕎麦を運びましょうか」
「引っ越し……ソバ?ソバとは確か和国の麺料理の事ですか?」
「そうっすよ。兄貴が言うには引っ越しを行う時、ご近所さんにこの引っ越し蕎麦を振舞うのが礼儀らしいっす」
「へえ~そうなんだ。変わった風習だね、バルトロス王国ではそういう風習があったんだ」


エリナの言葉にティナが関心を抱き、厳密に言えばレナの告げた風習は地球のしかもかなり古い時代の日本の話なのだが、エリナは事前に用意していた重箱を取り出して挨拶に向かう。


「じゃあ、あたしとミノは近所さんに引っ越し蕎麦を運んできますね」
「ええ、分かりました。私達も後で挨拶に向かいましょう」
「ミノちゃん、お願いするね」
「ブモォッ」
「…………」


自然な感じでエリナがミノを従え、引っ越し蕎麦が入った重箱を抱えて屋敷の周囲の建物の住民に挨拶に向かおうとする姿にコトミンは黙り込み、何も知らない人間が急に建物の前にミノタウロスが現れれば度肝を抜かすのではないかと考えるが、敢えてコトミンは黙ってエリナたちを見送った。




――結果から言えば屋敷の近所の住民は唐突に現れたミノタウロスに腰を抜かし、中には警備兵を呼び出そうとする者も現れた。どうにかエリナが事情を説明して危険はない事を伝えたのだが、近所の人間は屋敷にミノタウロスやサイクロプス、更には白狼種の魔獣が住み着く事を聞いて震え上がった。




※レナ「今回の結末、俺のせい?(;´・ω・)」
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