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真・闘技祭編
邂逅するS級冒険者達
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――その一方、冒険都市の闘技場では多くの武芸者が殺到し、闘技祭の挑戦権を求めて試合の申し込みを行う。闘技祭の挑戦権を得るにはこちらの闘技場で試合を10連勝しなければならず、世界中から集まった武芸者が連日のように駆け込んでいた。
「うおおおっ!!」
「ふんっ!!」
「どりゃあああっ!!」
『さあ、試合も佳境に入りました!!本日はいったい誰が勝ち残るのか!!』
既に闘技場の試合場では十名の武芸者が争い合い、挑戦権を掛けて戦っていた。ちなみに参加者があまりにも多すぎるため、試合の形式は大きく変更され、今回は乱戦方式と化していた。一度の試合に出場する選手は10名、最後の1人になるまで試合は続行される。
仮に試合に勝利してもあくまでも挑戦権を得られるのは試合を10勝した者に限られるため、もしも途中で敗北したら最初からやり直しとなる。前回の闘技祭よりも挑戦権の獲得が厳しくなったが、それでも連日のように参加者は集まってきた。
「てりゃあっ!!」
「ぐへぇっ!?」
『そこまで!!勝者、ミナ選手!!彼女はこれで10勝目、闘技祭への挑戦権を獲得だぁっ!!』
『うおおおっ!!』
『ちくしょおおおっ!!』
試合場では氷雨に所属する冒険者のミナの姿もあり、彼女は傷だらけになりながらもどうにか10連勝を達成すると、見事に闘技祭の挑戦権を得られて喜ぶ。同時に観客席では歓声と悲鳴が上がり、彼女が試合に勝利する事を賭けていた客は歓喜し、一方で他の選手に賭けていた客は嘆く。
闘技場では賭け事が行われ、参加する選手の誰が優勝するのかを競う。賭博に関しては前回の闘技祭でも行われていたが、今回の場合は10人の選手の中で誰が勝ち残るのかを選ぶため、事前に参加選手の情報を掴んでいる人間が有利だった。
「おっしゃあっ!!よくやったミナ!!これで借金もチャラだ!!」
『……お前、借金なんてしてたのか』
「むうっ……つまらんぞ!!闘技場に行くと聞いたからてっきり吾輩も戦えると思ったのに!!未だに出禁とはどういう事だ!?」
観客席ではシュン、ハヤテ、ゴウライの姿も存在した。3人とも先日ヨツバ王国からマリアの転移魔法によって冒険都市に帰還しており、闘技場で開催される試合を観戦していた。シュンは賭け事目的で訪れたのだが、ハヤテとゴウライは自分が闘技祭の挑戦権を得るために訪れていた。
だが、剣聖の称号を持つ人間の場合は闘技場に試合を参加する事が禁じられ、あっさりと挑戦権を与えられてしまう。どうやら前回の闘技祭の際、ゴウライが派手に試合で勝ちすぎて試合場にも被害を与えた事が原因らしく、剣聖の称号を持つ者は無条件で挑戦権を委ねるように言い付けられているらしい。
「へへへ、戦えないと聞いたときは残念だったが、こうも賭けが馬鹿勝ちすると楽しいもんだな。よし、次の試合は……」
『全く、お前という奴は……私はもう帰るぞ』
「吾輩も行くぞ!!戦えないなんて聞いてないぞ、ぷんぷんっ!!」
「いや、何だその口癖……初めて聞いたぞ」
呆れた表情を浮かべるハヤテと、頬を膨らませて不機嫌そうに帰ろうとするゴウライを見てシュンは呆れるが、そこそこ稼げたので彼も二人と共に観客席を立とうとした。試合の方は残念ながらミナを除けば今のところは碌な選手はおらず、これ以上に残っても面白い試合は見られそうになかった。
3人は観客席から離れて通路に移動しようとしたとき、不意に3人は表情を険しくさせ、前方の通路に視線を向ける。そこには只者ではない雰囲気を纏った3人の人間が存在し、相手もシュン達の存在に気づいたのか表情を険しくさせる。
「ん?お前らは……」
「……姉者、こいつら誰だ?」
「こら、ヨクヒ……口が悪いぞ」
――シュン達の前に現れたのは巨人国のS級冒険者である「ムサシ」そして和国の出身の「カンエン」と「ヨクヒ」だった。この3人の姿を見た瞬間にシュン達も彼女達が只者ではない事を見抜き、無意識に身構える。
通路にて6人の腕利きの武芸者が向かい合い、そのあまりの気迫に通路を通ろうとした他の人間達は威圧され、慌ててその場を離れた。一方でシュン達も初めて見る顔に興味を抱き、とりあえずは名乗りを行う。
「俺達はこの街の氷雨という冒険者ギルドに所属するS級冒険者だ。ちなみに俺の名前はシュン、知っているか?」
「ほう、奇遇だな。私もS級冒険者だ、所属は巨人国だが……ムサシと申す」
「ほほう!!吾輩より大きい女は久しぶりに見たぞ!!巨人族か?ちなみに吾輩はゴウライだ!!」
「ゴウライ……あの破壊剣聖か!?」
「……驚きました。噂では身の丈が2メートルを超える甲冑を纏った大男だと聞いていましたが、女性の方でしたか」
『…………』
シュンが名乗るとムサシも律儀に名乗りを返し、一方でゴウライの名前を聞いてカンエンとヨクヒも驚くと、ハヤテはそんな彼女達の様子を伺うように目を細めた。
※新作「初級魔術師、舐めんじゃねえよ」も投稿しました。私が投降した「最弱職」と「不遇職」を合わせたような感じの作品になってます。
「うおおおっ!!」
「ふんっ!!」
「どりゃあああっ!!」
『さあ、試合も佳境に入りました!!本日はいったい誰が勝ち残るのか!!』
既に闘技場の試合場では十名の武芸者が争い合い、挑戦権を掛けて戦っていた。ちなみに参加者があまりにも多すぎるため、試合の形式は大きく変更され、今回は乱戦方式と化していた。一度の試合に出場する選手は10名、最後の1人になるまで試合は続行される。
仮に試合に勝利してもあくまでも挑戦権を得られるのは試合を10勝した者に限られるため、もしも途中で敗北したら最初からやり直しとなる。前回の闘技祭よりも挑戦権の獲得が厳しくなったが、それでも連日のように参加者は集まってきた。
「てりゃあっ!!」
「ぐへぇっ!?」
『そこまで!!勝者、ミナ選手!!彼女はこれで10勝目、闘技祭への挑戦権を獲得だぁっ!!』
『うおおおっ!!』
『ちくしょおおおっ!!』
試合場では氷雨に所属する冒険者のミナの姿もあり、彼女は傷だらけになりながらもどうにか10連勝を達成すると、見事に闘技祭の挑戦権を得られて喜ぶ。同時に観客席では歓声と悲鳴が上がり、彼女が試合に勝利する事を賭けていた客は歓喜し、一方で他の選手に賭けていた客は嘆く。
闘技場では賭け事が行われ、参加する選手の誰が優勝するのかを競う。賭博に関しては前回の闘技祭でも行われていたが、今回の場合は10人の選手の中で誰が勝ち残るのかを選ぶため、事前に参加選手の情報を掴んでいる人間が有利だった。
「おっしゃあっ!!よくやったミナ!!これで借金もチャラだ!!」
『……お前、借金なんてしてたのか』
「むうっ……つまらんぞ!!闘技場に行くと聞いたからてっきり吾輩も戦えると思ったのに!!未だに出禁とはどういう事だ!?」
観客席ではシュン、ハヤテ、ゴウライの姿も存在した。3人とも先日ヨツバ王国からマリアの転移魔法によって冒険都市に帰還しており、闘技場で開催される試合を観戦していた。シュンは賭け事目的で訪れたのだが、ハヤテとゴウライは自分が闘技祭の挑戦権を得るために訪れていた。
だが、剣聖の称号を持つ人間の場合は闘技場に試合を参加する事が禁じられ、あっさりと挑戦権を与えられてしまう。どうやら前回の闘技祭の際、ゴウライが派手に試合で勝ちすぎて試合場にも被害を与えた事が原因らしく、剣聖の称号を持つ者は無条件で挑戦権を委ねるように言い付けられているらしい。
「へへへ、戦えないと聞いたときは残念だったが、こうも賭けが馬鹿勝ちすると楽しいもんだな。よし、次の試合は……」
『全く、お前という奴は……私はもう帰るぞ』
「吾輩も行くぞ!!戦えないなんて聞いてないぞ、ぷんぷんっ!!」
「いや、何だその口癖……初めて聞いたぞ」
呆れた表情を浮かべるハヤテと、頬を膨らませて不機嫌そうに帰ろうとするゴウライを見てシュンは呆れるが、そこそこ稼げたので彼も二人と共に観客席を立とうとした。試合の方は残念ながらミナを除けば今のところは碌な選手はおらず、これ以上に残っても面白い試合は見られそうになかった。
3人は観客席から離れて通路に移動しようとしたとき、不意に3人は表情を険しくさせ、前方の通路に視線を向ける。そこには只者ではない雰囲気を纏った3人の人間が存在し、相手もシュン達の存在に気づいたのか表情を険しくさせる。
「ん?お前らは……」
「……姉者、こいつら誰だ?」
「こら、ヨクヒ……口が悪いぞ」
――シュン達の前に現れたのは巨人国のS級冒険者である「ムサシ」そして和国の出身の「カンエン」と「ヨクヒ」だった。この3人の姿を見た瞬間にシュン達も彼女達が只者ではない事を見抜き、無意識に身構える。
通路にて6人の腕利きの武芸者が向かい合い、そのあまりの気迫に通路を通ろうとした他の人間達は威圧され、慌ててその場を離れた。一方でシュン達も初めて見る顔に興味を抱き、とりあえずは名乗りを行う。
「俺達はこの街の氷雨という冒険者ギルドに所属するS級冒険者だ。ちなみに俺の名前はシュン、知っているか?」
「ほう、奇遇だな。私もS級冒険者だ、所属は巨人国だが……ムサシと申す」
「ほほう!!吾輩より大きい女は久しぶりに見たぞ!!巨人族か?ちなみに吾輩はゴウライだ!!」
「ゴウライ……あの破壊剣聖か!?」
「……驚きました。噂では身の丈が2メートルを超える甲冑を纏った大男だと聞いていましたが、女性の方でしたか」
『…………』
シュンが名乗るとムサシも律儀に名乗りを返し、一方でゴウライの名前を聞いてカンエンとヨクヒも驚くと、ハヤテはそんな彼女達の様子を伺うように目を細めた。
※新作「初級魔術師、舐めんじゃねえよ」も投稿しました。私が投降した「最弱職」と「不遇職」を合わせたような感じの作品になってます。
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【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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