不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭編

挑戦権を得るために……

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――同時刻、闘技場ではこれまでにないほどに試合が盛り上がっていた。その理由は元大将軍であり、現在は「シェル」と改名したカノンが試合場で9人の挑戦者を相手に戦い続けていた。彼女は左手に「レイザー」というリボルバー式の魔銃、左手には「キャノン」という戦車の砲台を想像させる武器を身に付け、華麗に試合を優勢に進めていた。


「ほらほら、どうしたのよ!?9人がかりでその程度なのかしら!?」
「く、くそっ……このアマ!!舐めやがって!!」
「馬鹿野郎、迂闊に近づくな!?」


大盾を構えた大男がシェルに接近しようとしたとき、彼女は笑みを浮かべて右手の魔銃を構えると弾丸を発射した。装填されているのは火属性の弾丸だったらしく、弾丸は大盾に衝突した瞬間に爆発を引き起こす。大男は爆発に耐え切れずに倒れ込む。


「うぎゃっ!?」
「馬鹿、何をしてんだ!!」
「取り囲んで一気にやっちまえっ!!」
「それは悪くない手ね……でも、遅過ぎよ!!」


他の選手はシェルを四方から取り囲み、一気に彼女に近付こうとしたがシェルはそれを見通して左手のキャノンを構えると、地面に向けて発射させる。弾丸に加工した魔石を放つレイザーとは異なり、キャノンは搭載した魔石の魔力を使用して光線のように放つ。そして光線を撃ち込んでいる間もシェルは腕を動かして射程距離は範囲を操作することが出来た。

シェルは身体を一回転させるように動きながらキャノンを放つと、水属性の魔力の光線を撃ち込み、周囲を氷漬けにした。その結果、迂闊に近づこうとした選手は足を滑らせてしまい、連携は乱れる。


「ぎゃああっ!?」
「いでぇっ!?」
「うがぁっ!?」
「はい、あんたらはおしまいよ」


足を滑らせた選手に向けてシェルは容赦なくレイザーを撃ち込み、今度は雷属性の魔弾を発射して痺れさせる。戦闘不能に追い込めばいいだけなので電撃で痺れさせれば動けず、残りの選手に向けて彼女は銃口を構えた。

想像以上に厄介な魔銃に対して他の選手たちは顔色を青くし、接近しようにもシェルに隙がなさ過ぎて近づけない。しかし、遠距離攻撃を行おうにも銃を扱えるシェルの方が圧倒的に優位のため、魔術師の選手が魔法を発動させる前に逆に撃ち込まれる始末である。


「さ、サンダー……ぎゃあっ!?」
「馬鹿ね、あんた……詠唱の暇なんて与えないわよ」
「く、くそっ……こうなったらこれはどうだ!?」


全身に甲冑を纏った巨人族の男が先ほど吹き飛ばされた大男の大盾を掴み、シェルの元に目掛けて駆け出す。全身を防御していればどうにかなると思ったのだろうが、そんな手に引っかかるカノンではなく、冷静に男の足元に目掛けてキャノンを発射させて足場を凍らせた。


「大馬鹿ね、あんた」
「うおおっ!?す、滑るぅっ!?」
「はい、おしまい!!」


大盾を構えた巨人族の戦士は足元を滑らせて体勢を崩した瞬間、シェルは背中に抱えていたスナイパーライフル型のを魔銃を取りだし、発射した。彼女が用意した魔銃の正式名称は「ブラスト」と呼ばれ、その性能はレイザーとキャノンの二つの性能を組み合わせた最強の魔銃である。

弾丸を発射するレイザー、魔石の魔力を圧縮して放つキャノン、その二つの性質を組み合わせたブラストは魔石の弾丸を発射するのと同時に銃器に組み込まれた魔石の魔力を利用して威力の底上げを行う。結果として通常よりも魔力を多分に含まれた弾丸が発射されると、全身を甲冑で包み込んだ巨人族でさえも呆気なく吹き飛ばす破壊力を誇った。


「ぐああああっ!?」
「そ、そんな!?ダイヤが破れたぞ!?」
「あのダイヤが……」
「よそ見しているなんていい度胸じゃない、あんたら!!」
『ひいいっ!?』


シェルはそのまま一方的に他の選手にも弾丸を撃ち込むと、次々と蹴散らす。その様子を観察していた観客たちは圧倒的な強さで勝ち進むシェルに魅了され、彼女を応援する。


「いいぞ!!やれやれ、姉ちゃん!!」
「いい身体してんな!!そそられるぜ!!」
「姉ちゃん頑張れぇっ!!」


主に声援を送るのは男性陣であり、シェルの容姿が優れている事とガンマン風の衣装が人気を呼び、最近では試合を勝ち進む事に彼女を支持する人間も増えていた。また、他にも実力者たちが集まり、試合の観察を行う者も増えていた。




――もう間もなく闘技祭が開催されるため、試合場には数多くの腕自慢が殺到していた。初参加の選手は本日に行われる試合を逃せば闘技祭に参加する事は出来ないため、焦りを抱いた選手たちは試合場に殺到する。その中にはダインの姿も存在し、彼は闘技場の外にまで続く列に並んでいた。


「ちょ、早く受付してくれよ!!どんだけ並んでるんだよ!?」
「うるせえぞガキ!!こっちだってずっと待ってるんだよ!!」
「おい、そんなに前の列がいいなら交代してやろうか?金貨3枚でどうだ!!」
「ああっ!?ふざけんじゃねえぞ禿がっ!!お前、昨日もそうやって稼いでいただろうがっ!!」
「へんっ、どうせ今日から試合に出ても10連勝なんて出来ねえんだよ!!それならここで稼いだ方がマシだ!!」
「この恥知らずがっ!!」
「なんだと!?」
「ちょ、こんな時に喧嘩するなよ!?ああ、時間が……!!」


列に並んでいる武芸者同士が喧嘩を始め、ダインは自分が本当に試合に出られるのかと頭を抑えた――
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