不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭編

聖剣の真の力

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「凄い……魔術師でもない、私でも分かるわ。今のレミア将軍からは凄い魔力を感じるわ」
「は、はい……魔鎧術を習い始めてから私も魔力を感じ取れるようになりましたが、明らかにレミアの将軍の放つ魔力が増えています」
「魔力が増えた……というより、聖痕の力をより使いこなしているように見える」
『その通りですよ、今のレミアは完全に聖痕の力を制御していますね』


レナが呼び出したわけではないにも関わらず、アイリスがレナの頭の中で返事を行う。どうやら彼女もレミアの異変には気づいたらしく、現在のレミアは明らかに聖剣を手にする前と比べても魔力が上がっていた



――これまでレミアは聖属性の聖痕を宿していても、その力を完全には使いこなしてはいなかった。理由としては彼女自身が自分自身の聖痕の存在に気付いていなかった事、何よりも今までに彼女は自分に見合う武器を手にしたことがなかったのが原因である。

聖騎士であるレミアは本来は魔法剣が扱えるのだが、彼女の場合は武器を手にして戦う事は少なく、聖鎧と称した魔鎧術を使用して戦い続けてきた。これには理由は色々とあるが、生半可な武器ではレミアの身体から放たれる魔力に耐え切れず壊れてしまうからであった。

訓練の際にレミアも武器を使用する事はあるが、魔法耐性が存在しない普通の金属の武器では彼女が無意識に放つ魔力の影響を受けて壊れてしまう。魔鎧術の要領で武器に魔力を纏わせて実体化すれば壊れる事はないのだが、その場合だと別に武器がなくとも彼女の場合は魔力を実体化させ、武器のように変化させて戦う方が効率的である。そのため、今までレミアは武器をに手にして戦う機会自体が少なく、将軍でありながらレミアは武器を手にして実戦に赴いた回数は片手で数えるほどしかない。



聖騎士は普通の戦闘職とは異なり、この職業の人間は「魔法剣」を得意とする。レナの場合ならば「重力剣」が魔法剣に当たるのだが、レミアの場合は魔法剣の上位互換に当たる「魔鎧術(魔刀術)」を既に覚えていたため、扱う事は出来たが実際に武器に使用すると負荷が激しくてすぐに壊れてしまう。

しかし、聖属性の魔力に最も適したエクスカリバーならば彼女の溢れる聖属性の魔力を受け入れ、聖剣としての真の力を発揮することが出来た。単純な魔力容量ならばレミアよりもレナが勝るが、レナの場合は聖属性の魔法は不得手としており、レミアのように扱いこなす事は出来ない。しかもレミアは聖属性の聖痕を所持しているため、更に聖剣の力を高める事が出来た。



「せいやぁああっ!!」



レミアが剣を振りかざす度に光刃が放たれ、空に漂っていた大きな雲を切り裂く。その光景を確認してレナは仮に錬金術師の能力でカラドボルグを作り出してもレミアのような真似は出来ず、自分自身では聖剣を使いこなせない事を実感させられた。


『凄いな……レミアは』
『落ち込む必要はありませんよ、レナさんだって聖剣を扱えるだけで十分に凄いんです。ですけど、レナさんの場合はエクスカリバーとは相性が悪かった。それだけの話ですよ』
『相性か……ちなみに俺と一番相性が良さそうな聖剣といえば何になる?』
『デュランダルですね、レナさんの魔力は地属性よりですから』
『ゴウライが持ってる大剣か……つくづく、俺は大剣と縁があるんだな』
『右目を潰して左腕を義手にしますか?あ、首元に呪印を刻む手もありますね』
『そこまで極めるつもりはねえよ』


アイリスの冗談も今のレナにとってはあまり気が休まらず、それほどまでにレミアの成長ぶりは凄かった。彼女は汗を流すと聖剣を鞘に戻し、満足したのかレナ達に振り返る。


「ふうっ……申し訳ありませんが、私は少し休ませてもらいます。訓練の方は後日でよろしいでしょうか?」
「え、あっ……はい」
「正直、今のレミアちゃんに私なんかが相手になるかは不安だわ……」
「ふふふ、ご謙遜を……では、失礼します」
「お疲れさん」


以前よりも雰囲気が変化したレミアは一礼すると、そのまま立ち去る。以前の彼女ならばがむしゃらに訓練に励んでいたが、今は誰にも負けないという絶対の自信が伺え、身体に無理がない程度に訓練に励み、万全の状態を維持しているように見えた。

レミアの態度が変わった事は他の人間も気づき、特にレナは自分の身体が無意識に震えている事に気付く。剣鬼としての本能が疼き、今のレミアを前にしてレナの肉体は「強敵」と認めたらしい。この感覚は強者を前にすると無意識に発生するため、レミアが恐ろしい剣士に成長した事が伺える。


『もしかしたら……今大会最大のライバルになるかもしれないな』
『さて、それはどうでしょうかね……まあ、今回の大会はレナさんの言われた通りに私は一切の助言はしません。頼まれればサポートぐらいはしますけど、どうします?』
『いや、大丈夫……今回の大会は俺も秘策があるから』
『ほほう、それは楽しみですね。では、しばらくの間は私は狭間の世界で観察させてもらいますよ。用事がある時はメールかしてください』
『メルアド知らないよ』


アイリスとの交信を遮断すると、レナはレミアの後ろ姿を見送り、聖剣の対抗策も本格的に考える事にした――





※狭間の世界のアイリス

(´●ω●)ジー  ←テレビの前で三角座りで待機中
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