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真・闘技祭編
国王会議
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――それから数日の時が流れ、バルトロス王国の王城にて各国の国王が集う。ヨツバ王国からは訪れたのは全ての国の中でも最年長者であり、若かりし頃は六聖将と並ぶほどの武勇を誇る「デブリ国王」半年ほど前に代替わりした獣人国の若き指導者「キバ国王」巨人国も先日に国王が急逝した事で急遽王の座を任せられた「ジャイ」和国からは女性と見間違えるほどに美貌を誇り、国の頂点にして将軍の地位を持つ「ヨシテル」が訪れていた。
最後に彼等を迎え入れたのはバルトロス王国の若き女王である「ナオ」は各国の王を出迎えると、早速ではあるが闘技祭に関する話し合いを設ける。今回の話し合いは闘技祭で行われる予選と本選の試合方式の見直し、同時に試合期間の期日の調整を行う。
「では司会の方は我が国で冒険者ギルドを営み、同時にヨツバ王国のハヅキ家の当主でもあるマリア殿にお任せします」
「司会進行役を務めるマリアよ。どうも、よろしくお願いします」
「むうっ……相変わらずだなマリアよ。お主は表向きは儂の配下でもあるのだぞ、少しは言葉遣いをだな……」
「あら、失礼しました。以後、出来る限りは気を付けます」
マリアの不遜な態度にデブリは少し困った表情を浮かべるが、マリアは特に気にした風もなく、司会を行う。そんな彼女の態度に苦笑いを浮かべる者、明確に不快感を示す者、冷や汗を流す者など各自がそれぞれの反応を示すが、ここで六聖将のホムラが口を挟む。
「面倒だ、さっさと始めろ」
「……確か、六聖将のホムラといったか?貴様、ただの臣下でありながら随分と偉そうだな?」
「止めよ、ギガン」
ホムラの態度に巨人国の国王に同行していた将軍が口を挟むが、それに対してジャイ国王は引き留める。彼は年齢はまだ30代ほどではあるが、臣下からの信頼は厚く、ジャイに注意された将軍は大人しく引き下がる。
このまま放置していると一部の人間が言い争いを始めそうになると判断したナオは、困った表情を浮かべて司会役のマリアに助けを求めるように視線を向ける。するとマリアは仕方がないとばかりに司会役として会議の本題へと移す。
「では今回の闘技祭の注意事項の確認から――」
しばらくの間はマリアが進行役として会議が進められ、各国の代表が闘技祭で行われる試合形式を確認し、改築を加えた「第二闘技場」で試合が行われるのは本選からである事、その前に予選では冒険都市の名物でもあった「狩猟際」と呼ばれる催し物を参考に考えた特別な試合方式である事を知らされる。
闘技祭の具体的な試合方式に関しては事前に各国は連絡は受けていたが、それでもマリアが発案した「乱戦方式」の予選内容には各国の代表者も様々な反応を示す。
「……ただの予選で、そこまでの事をするのか?」
「あら、そちらの方が面白いじゃない?それに今回の大会の参加者は前回とは比較にならないわ。世界中から集まった武芸者、その中でも挑戦権を得るために激しい試合を勝ちぬいた強者は約300人、更にその中から本選に出場できるのは32名のみ……普通の試合方式で戦っていたら32名まで厳選するのに時間が掛かり過ぎてしまうわ」
「しかし、この場合だと一般人にも被害が生まれるのでは……」
「その点は抜かりはないわ、闘技祭に参加しない冒険者達を総動員し、一般民衆に危害が及ばないように配慮する。それで問題はないでしょう?」
「ふふふっ……マリア殿は相変わらず面白い事を考える御方ですね」
ここで初めて和国の代表であるヨシテルが口を挟み、その声音を聞いた他の者達は本当に男かと疑問を抱くほどの美しい声色だった。ヨシテルは外見は一言で表すならば「黒髪美人」という言葉が相応しく、森人族の中でも美貌に優れるマリアと比べても見劣りしない容姿の美しさを誇る。しかし、彼は自分の事を男性だと言い張り、他の家臣たちも彼の事を男性として扱う。
実際のヨシテルの性別は不明であり、何処からどう見てもヨシテルは女性にしか見えない。だが、仮に彼の事を女性扱いする場合、相当な覚悟をしなければならない。普段は物静かで滅多に起こる事がないヨシテルだが、仮に彼の事を女と間違えようものならとんでもない事態に陥る。
「ふぁあっ……眠くなってきたですぅっ」
「キバ国王様、もう少しなので頑張ってください」
「ほら、飴玉あげますから頑張りましょうね」
「は~い」
一方で全ての王の中でも最も外見が年若く、どう見ても子供にしか見えない者も存在した。獣人国の新たな王に選ばれた「キバ国王」は名前とは裏腹に随分と幼く、それでいながら可愛らしい外見をしていた。見た目は10才程度の男児にしか見えず、自分の傍には若くて美しい女将軍を侍らせ、人前にも関わらずに女将軍の片割れの膝の上に座り込み、もう片方の女将軍が差し出す飴玉を飲み込む。
どう見てもただの子供にしか見えないのだが、このキバ国王は外見に見合わずに実はナオよりも10歳以上も年上でしかも近年までは歴戦の将軍として働いていた。更に言えば今回の闘技祭の件に関して彼は「代表選手」の一枠に入り、参加する事が決定している。
最後に彼等を迎え入れたのはバルトロス王国の若き女王である「ナオ」は各国の王を出迎えると、早速ではあるが闘技祭に関する話し合いを設ける。今回の話し合いは闘技祭で行われる予選と本選の試合方式の見直し、同時に試合期間の期日の調整を行う。
「では司会の方は我が国で冒険者ギルドを営み、同時にヨツバ王国のハヅキ家の当主でもあるマリア殿にお任せします」
「司会進行役を務めるマリアよ。どうも、よろしくお願いします」
「むうっ……相変わらずだなマリアよ。お主は表向きは儂の配下でもあるのだぞ、少しは言葉遣いをだな……」
「あら、失礼しました。以後、出来る限りは気を付けます」
マリアの不遜な態度にデブリは少し困った表情を浮かべるが、マリアは特に気にした風もなく、司会を行う。そんな彼女の態度に苦笑いを浮かべる者、明確に不快感を示す者、冷や汗を流す者など各自がそれぞれの反応を示すが、ここで六聖将のホムラが口を挟む。
「面倒だ、さっさと始めろ」
「……確か、六聖将のホムラといったか?貴様、ただの臣下でありながら随分と偉そうだな?」
「止めよ、ギガン」
ホムラの態度に巨人国の国王に同行していた将軍が口を挟むが、それに対してジャイ国王は引き留める。彼は年齢はまだ30代ほどではあるが、臣下からの信頼は厚く、ジャイに注意された将軍は大人しく引き下がる。
このまま放置していると一部の人間が言い争いを始めそうになると判断したナオは、困った表情を浮かべて司会役のマリアに助けを求めるように視線を向ける。するとマリアは仕方がないとばかりに司会役として会議の本題へと移す。
「では今回の闘技祭の注意事項の確認から――」
しばらくの間はマリアが進行役として会議が進められ、各国の代表が闘技祭で行われる試合形式を確認し、改築を加えた「第二闘技場」で試合が行われるのは本選からである事、その前に予選では冒険都市の名物でもあった「狩猟際」と呼ばれる催し物を参考に考えた特別な試合方式である事を知らされる。
闘技祭の具体的な試合方式に関しては事前に各国は連絡は受けていたが、それでもマリアが発案した「乱戦方式」の予選内容には各国の代表者も様々な反応を示す。
「……ただの予選で、そこまでの事をするのか?」
「あら、そちらの方が面白いじゃない?それに今回の大会の参加者は前回とは比較にならないわ。世界中から集まった武芸者、その中でも挑戦権を得るために激しい試合を勝ちぬいた強者は約300人、更にその中から本選に出場できるのは32名のみ……普通の試合方式で戦っていたら32名まで厳選するのに時間が掛かり過ぎてしまうわ」
「しかし、この場合だと一般人にも被害が生まれるのでは……」
「その点は抜かりはないわ、闘技祭に参加しない冒険者達を総動員し、一般民衆に危害が及ばないように配慮する。それで問題はないでしょう?」
「ふふふっ……マリア殿は相変わらず面白い事を考える御方ですね」
ここで初めて和国の代表であるヨシテルが口を挟み、その声音を聞いた他の者達は本当に男かと疑問を抱くほどの美しい声色だった。ヨシテルは外見は一言で表すならば「黒髪美人」という言葉が相応しく、森人族の中でも美貌に優れるマリアと比べても見劣りしない容姿の美しさを誇る。しかし、彼は自分の事を男性だと言い張り、他の家臣たちも彼の事を男性として扱う。
実際のヨシテルの性別は不明であり、何処からどう見てもヨシテルは女性にしか見えない。だが、仮に彼の事を女性扱いする場合、相当な覚悟をしなければならない。普段は物静かで滅多に起こる事がないヨシテルだが、仮に彼の事を女と間違えようものならとんでもない事態に陥る。
「ふぁあっ……眠くなってきたですぅっ」
「キバ国王様、もう少しなので頑張ってください」
「ほら、飴玉あげますから頑張りましょうね」
「は~い」
一方で全ての王の中でも最も外見が年若く、どう見ても子供にしか見えない者も存在した。獣人国の新たな王に選ばれた「キバ国王」は名前とは裏腹に随分と幼く、それでいながら可愛らしい外見をしていた。見た目は10才程度の男児にしか見えず、自分の傍には若くて美しい女将軍を侍らせ、人前にも関わらずに女将軍の片割れの膝の上に座り込み、もう片方の女将軍が差し出す飴玉を飲み込む。
どう見てもただの子供にしか見えないのだが、このキバ国王は外見に見合わずに実はナオよりも10歳以上も年上でしかも近年までは歴戦の将軍として働いていた。更に言えば今回の闘技祭の件に関して彼は「代表選手」の一枠に入り、参加する事が決定している。
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