不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,056 / 2,091
真・闘技祭 予選編

似た者同士

しおりを挟む
「でも、私以外にも同じような力を持っている奴は初めて見たよ。意外と似た者同士かもな、私達って」
「似た者同士……か」


ハルナの何気ない言葉にレナは考え込み、確かに意外な程にハルナとレナは共通点が多い。幼少期に親元を離れて暮らしていた事、育て親のような存在から武術を学んだ事、互いに聖痕の所有者である事、ここまでくると只の偶然とは思えず、もうお互いに赤の他人とは思えない。

その一方でレナは自分なんかよりも過酷な環境で育ってきたハルナに同情するが、ハルナ本人は別に自分が特別に厳しい環境で育ったとは思っていない。むしろ実の両親に引き剥がされたたお陰で育ての親である女傭兵と出会い、この雷の聖痕を身に付ける事が出来たと考えていた。


「さてと、私の昔話を聞いたんだからそっちも何か面白い話をしろよ」
「面白い話ね……なら、次は俺の身の上話でも聞く?」
「それ、面白いのか?」
「まあ、君ほどじゃないけど結構な人生を送ってきたよ。生まれた瞬間に父親に投げ捨てられたり、ずっと家族だと思っていた相手に剣を向けられたり、母親がビキニアーマーの愛好者だったり……ううっ」
「いや、聞く限りだと私よりも凄そうな体験をしてそうだな!!聞かせてくれよ!!」


レナの話にハルナは食いつき、他人の身の上話でここまで興味を抱いたのは初めてな彼女は自然とレナの隣に座って彼がどのような人生を送ってきたのかを尋ねる。そんな彼女にレナはとりあえずは何処から話すべきか悩み、とりあえずは父親から拒絶されて城から追放された後の出来事から話す――





――その頃、シズネは屋敷の中庭にて雪月花と白百合を手にした状態で立ち尽くしていた。彼女は目隠しした状態で剣を構え、想像上の敵と向かい合う。シズネの前には父親の仇にして同時に目標でもある「ゴウライ」の姿が浮かんでいた。


「……はっ!!」


ゴウライの虚像に向けて彼女は右手の雪月花で突きを繰り出し、続けて左手の白百合を振り抜く。しかし、虚像のゴウライは彼女の攻撃を弾き、逆に大剣をシズネの首元に振り払う。


「くぅっ……せいっ!!」


状態を逸らして大剣を回避したシズネは今度はゴウライの両足に目掛けて刃を振り抜くが、虚像のゴウライは簡単に後ろに飛んで攻撃を回避する。巨体でありながら俊敏に動くゴウライに対してシズネはため息を吐き出し、目隠し用の包帯を取り除く。


「駄目ね、このまま挑んでも勝ち目はない……また、貴方に頼る事になるわ」
「……誰に話してるの?」
「ぷるんっ?」


雪月花に向けてシズネは小声で呟くと、彼女の後ろの方からコトミンが姿を現し、その頭の上にはスラミンが乗っていた。彼女を見てシズネは練習を見られていた事を知り、訓練に夢中で他の人間の接近に気付かなかった事を知って頭を冷やす。


「いえ、何でもないわ。それよりも貴女がこんな時間帯に目覚めるなんて珍しいわね……いつもはレナに起こされるまで寝ているくせに」
「最近はお義母さんと一緒に暮らしているから、夫に恥をかかせないようにしっかりとしてる。これも妻の役目」
「妻……い、言っておくけど私はレナを諦めるつもりはないわ」
「分かってる、早くシズネもレナに受け入れて貰えるといい」
「勝ち誇った笑みは止めなさい!!だいたい貴女……くっ……!?」
「シズネ?」


会話の際中でシズネは胸元が疼き、苦し気な表情を浮かべる。そんなシズネの様子を見てコトミンは不思議そうに顔を覗き込むと、スラミンも心配そうにコトミンの頭から下りてシズネの顔を見上げる。

最近、シズネは時々胸元に妙に疼く事があり、最初の頃は何かの病気だと思って知り合いの治癒魔導士や薬剤師に相談した事もあったが、特に身体に異常は見つからなかった。だが、修練の途中で胸元が疼く事が最近多く、彼女はしばらくすると楽になったのか何でもない風に首を振った。


「……いえ、大丈夫よ。それより、今は訓練中だから集中したいの。離れていてもらえる?」
「……大丈夫ならいい、だけど怪我をしてきつかったらすぐに相談して。私の魔法で治す」
「ええ、その時はお願いするわ」
「ぷるぷるっ?」


コトミンの言葉にシズネは素直に感謝の言葉を口にすると、彼女は再び剣の鍛錬を再開する。その様子をスラミンは不安そうに見つめるが、一方でコトミンの方も自分の胸元に手を押し当て、意味深な表情を浮かべる。


「シズネ」
「……何かしら?」
「ううん、やっぱり何でもない」


話しかけられたシズネは不思議そうに振り返るが、コトミンは首を振るとその場を立ち去る。そんな彼女の姿を見てシズネは違和感を抱くが、コトミンが離れた途端に彼女は胸元の疼きが消えたような気がした。


(まさか……ね)


シズネは立ち去っていくコトミンを見つめながらも鍛錬を再開し、闘技祭の本選までに自分の新たな剣技を完成させるために励む。





※ボツ案

シズネ「この胸の疼き……はっ!?まさか私の胸に成長期が!?」
コトミン「(●ω●)」←憐れみの目

カタナヅキ「今回は1時間も投稿が遅れたため、アイリスからの罰で二話目を投稿しました(´;ω;`)」
アイリス「もう二度と遅刻するんじゃないですよ!!(# ゚Д゚)」
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。