不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭 本選編

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「――ホネミン、アルティメットヒール!!」
「うおおおっ!?」
「す、凄い!!何という回復魔法!?」
「し、師匠!!目を覚まして良かった……!!」


医療室に運び込まれたギガンに大してホネミンは回復魔法を発動させると、彼は驚きのあまりに目を覚ます。ギガンの傍にはゴンゾウが存在し、他にもレナ達の姿もあった。ギガンは自分がベッドの上に横たわっている事、そして切り落とされたはずの両腕が元に戻っている事に気付く。

ギガンの身体に回復魔法を施したホネミンは額の汗を拭うと、今度は顔面の方に視線を向けてヨシテルから受けた傷を確認する。ギガンからすれば見知らぬ女子に顔を覗き込まれて戸惑うが、ホネミンは傷口の具合を確認して特に問題ない事を告げる。


「うん、顔の傷も塞がりましたね。ちょっと跡が残ってますけど、その内に消えるでしょうね」
「凄いなホネミン、コトミンの回復魔法ぐらい凄かったよ」
「むう、水さえあれば私だって負けないのに……」
「ふふふ、こう見えても私は伝説の英雄と称された女ですよ。レベルだってそれはもうとんでもないです、しかも今の私は完全体!!最早、治癒魔導士の頂点に立つ存在と言っても過言ではないですね」
「そこまで言うと逆に胡散臭いぞ」
「くっ……お前達、それにここは……そうか、俺は負けたのか」


試合の出来事を思い出したのかギガンは自分の身体に視線を向け、ため息を吐き出す。自分の技を正面から打ち破られ、更には殺されかけたという事実に彼は顔を抑える。


「師匠、生きてて本当に良かった……!!」
「ゴンゾウ、男が人前で泣くんじゃない……だが、心配をかけたな。見ての通り、俺はもう大丈夫だ」
「流石は巨人族、たいした生命力ですね。顔面を斬られた時は流石に駄目かと思いましたが、幸いにも頭蓋骨に罅が入った程度で済んでいたようです」
「それ、結構重傷だと思うけど!?」
「別に罅ぐらいならすぐに治せますよ。流石に脳までやられていたら私も助ける事は出来ませんでしたけどね」


最後のヨシテルの攻撃で止めを刺されたかと思われたギガンだったが、奇跡的にも生き延びた。しかし、もしも治療が遅れていたら死んでいてもおかしくはない重傷だった。

試合の結果自体はヨシテルの勝利である事は揺るぎないが、それでもゴンゾウはヨシテルを許せなかった。ギガンの両腕を切り落とした時点で試合の決着は着いていたが、それでも彼はギガンに必要ない攻撃を加えて死なせようとした事に彼は怒りを振るえる。


「師匠……必ず、俺が仇を討ちます!!俺があの男を倒して師匠の無念を晴らします!!」
「ゴンゾウ……そう気負うな、敵討ちなど必要はない。俺の事は気にするな」
「しかし、あの男を俺は許せません!!例え、刺し違えてでも……」
「ゴンゾウ!!戦いに余計な感情は持ち込むな!!お前はお前なりに全力を尽くして戦えば良い、それだけでいいんだ!!」
「ぐうっ……!!」


ギガンはヨシテルとの試合には納得しているらしく、彼本人はヨシテルが自分を殺そうとしてきた事に恨みはなかった。むしろ、真剣勝負に手心を加えられる方が恥だと思い、彼はゴンゾウの肩を掴んで諭す。


「俺は全力でヨシテル殿に挑んだ、そしてヨシテル殿も全力で俺を相手にした。だから俺は満足だ、負けた事は悔しいが、敗北した理由は俺よりも彼の力が勝っていた、それだけの話だ」
「師匠……」
「ゴンゾウ、お前に復讐や敵討ちなどの理由で戦ってほしくはない。そんな事は俺も望んではいないし、第一にお前には似合わない。真の男であればどんな相手だろうと余計な感情を抱かず、全力で挑め!!それが漢の勝負だ!!」
「は、はい!!」
「なんか暑苦しい展開になってきたので帰っていいですかね」
「ホネミン……いい所なんだから黙ってみていようよ」


ゴンゾウとギガンが熱く漢の勝負を語っている最中、レナ達はギガンが助かった事を確認して安心する。これでゴンゾウも気兼ねなく戦えるだろうが、午後の部に出場予定の選手も化物揃いである。


「残り試合も半分か……」
「ホネミン、ゴンゾウの対戦相手を教えて」
「いや、私も知りませんよ。最初の試合が始まる前に言いませんでしたっけ?私も出場する選手は直前に連絡が届くんですよ、誰と誰が戦うのかを決めているのは運営ですからね」
「でも、これまでの試合の流れだと同じ国代表の選手同士はあんまり戦ってないよな。ゴウライとクレナイぐらい?」
「そうですね、意図的に別の国同士の選手同士が戦うようにされているのは間違いないです。まあ、同じ国同士の選手が同士討ちするよりは他国の選手と戦う方が色々と都合がいいんでしょう。それは皆さんにとっても悪い話ではないんじゃないですか?」
「その通りね……最も、勝ち続ければいずれは同じ国の選手でも戦闘は避けられないでしょうけどね」


シズネの言葉に全員が黙り込み、確かに彼女の言う通りに勝ち続ければ必ずや誰であろうと戦うのは避けられない事だった。
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