不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭 本選編

剛剣と剛拳

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「はぁあああっ!!」
「くっ!?」
「うおおっ!?」
『これは意外な展開!!ジャンヌ選手、あのレナ選手とゴンゾウ選手を相手に一方的です!!』
『まさか大番狂わせが起きるのか!?このままだと両選手とも場外に落ちますよ!!』


ジャンヌは旋斧に魔力を宿した状態で身体を回転させ、徐々に加速しながらレナとゴンゾウを相手に連撃を放つ。下手に受けると身体が弾かれる程の威力の攻撃、しかも時間が経過する事に加速するため、剣鬼の力を解放したレナと鬼人化したゴンゾウさえも防戦一方に追い込まれていく。


(ジャンヌ、ここまで腕を上げていたのか……!!)


レナはジャンヌの成長に驚きながらも二つの大剣で全ての攻撃を受け捌き、一方でゴンゾウの方は両手の闘拳で防ぐが、既に場外まで数歩ほどの距離に追い詰められていた。


「ぐうっ……うおおおおっ!!」
「やああっ!!」


ゴンゾウは落とされる前にどうにかジャンヌを止めようと拳を繰り出すが、その攻撃に対してジャンヌは全力で刃を振りかざし、二人の剣と拳が重なる。その結果、打ち勝ったのはジャンヌでゴンゾウの腕が吹き飛ばされて彼は大きく体勢を崩す。

まさか自分が力負けした事にゴンゾウは驚愕し、一方でジャンヌの方も弾く事には成功したが、体勢を崩してしまう。しかし、その隙を逃さずにレナは二人の間に割り込むと両手の大剣を放つ。


「回転!!」
「ぐはっ!?」
「あうっ!?」
『おおっ!?ここでレナ選手、ジャンヌ選手の十八番を奪う回転の戦技で吹き飛ばしました!!』


両手の大剣を振り抜いたレナはゴンゾウとジャンヌに強烈な一撃を叩き込むと、ゴンゾウは場外へと追い込まれ、体勢を崩した状態で撃ち込まれたジャンヌは吹き飛ばされる。このまま試合が決着かと思われたが、ゴンゾウは場外に落ちる寸前で足の指に力を込めて踏ん張る。


「ぐっ……おおおおっ!!」
「うわっ!?」


どうにか落ちるのを免れたゴンゾウは地面に向けて両腕を叩き込むと、相撲の横綱の如く身構える。それを見たレナは一回戦で彼の師匠であるギガンが全力で体当たりを仕掛けた事を思い出し、弟子のゴンゾウも小細工を捨てて自分に迫ろうとしている事に気付く。


「行くぞ、レナ!!」
「……来い!!」


ゴンゾウは両足に力を込めると、全力を出し切って正面からレナに突っ込む。そのゴンゾウの攻撃に対してまともにうければ耐え切れないと判断したレナは二つの大剣を重ね合わせて床に突き刺し、正面から受け止める。



――うおおおおおおっ!!



試合場にゴンゾウの咆哮が響き渡り、彼はレナの身体を押し寄せて試合場の反対側まで追い込む。このままレナは場外にまで押し込まれると思われたが、ここでレナの身体に紅色の魔力が宿る。ジャンヌと同様に剣鬼の力を発動させたときにのみ、レナは重力の魔力を全身に宿す事が出来た。

重力の力も加わってレナは踏ん張ると、徐々に押し込まれる勢いが落ちて良き、やがて場外から数十センチという距離で完全に止まってしまう。ゴンゾウは全身から汗を流しながらも押し込もうとするが、そんな彼に対してレナは告げた。


「その鬼人化の能力、長続きはしないだろ?」
「ぐうっ……!?」
「これで終わりだ!!」


レナは拳を握りしめると、ゴンゾウを抑えつけている二つの大剣に向けて叩き込み、刃越しに衝撃を与える。ゴンゾウの身体はふらつくと、そんな彼に対してレナは飛びつき、ゴンゾウの腕を掴むと一本背負いの要領で彼の身体を石畳に叩き込む。


「だああっ!!」
「ぐはぁあああっ!?」


ゴンゾウの巨体が石畳に叩き込まれ、彼は悲鳴を上げると同時に鬼人化が解除された。ゴンゾウの鬼人化は肉体の能力を限界まで引き出す一方、負担が大きいために長時間の意地は出来ず、時間が経過する事に身体能力も落ちる。だからこそ使い所を間違えば自分の身体を追い詰める諸刃の剣でもある。

倒れたゴンゾウに対してレナは額の汗を拭った後、鏡刀を引き抜いてジャンヌの方へ振り返る。彼女は足元をふらつかせながら旋斧を構えようとするが、体力を消耗する「回転」の戦技と慣れない魔刀術を使用したせいで既に体力は限界を迎え、そんな彼女にレナは告げた。


「まだやれるか?」
「……と、当然です!!」
「そうか……なら、容赦はしない」


剣鬼の力を解放させたまま、レナはジャンヌの元へ向かうと、咄嗟にジャンヌは旋斧を振りかざす。しかし、刃が触れる前にレナは「縮地」を発動させてジャンヌの背後へと回り込むと、剣の柄を彼女の首元に叩き込む。


「はあっ!!」
「あぐぅっ!?」


柄を叩き込まれたジャンヌは意識を失い、その場に倒れ込む。これで試合場に立っているのはレナだけとなり、彼は黙って腕を上げると観衆は沸き上がり、勝者が確定した――
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