不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,207 / 2,091
ダイン 監獄都市編

爺キャラはもういらないんだよ!!

しおりを挟む
「貴様が扱う影魔法……闇魔導士か死霊使いしか扱えない希少魔法ではあるが、その性質を知る人間からすれば脅威にはなりえない。何しろ、強い光を浴びれば影は維持できずに消えてしまうからな。それこそ初級魔法の光球で簡単に掻き消せるぐらいにな」
「うっ!?」
「そ、そうなのか若いの?」
「お、おい……まずいんじゃないのか?」
「弱点、ですか……」


グシャスの言葉を聞いてダインは冷や汗を流し、その反応から他の者達もグシャスが影魔法の弱点を言い当てた事を知る。グシャスは余裕を取り戻したかのように笑みを浮かべると、やがて彼の周りに暗殺者の職業を持つ囚人が集まると、彼等は本物の短剣を取り出す。


「お遊びはここまでにしておこう……お前達、一人残らず殺してしまえ」
「なっ!?そ、そんな……何処から武器なんて持ち出しやがった!?」
「囚人が武器を所持するのは禁止されているはずでは……」
「簡単な話よ、言っておくがこの武器は看守から盗み出した物ではない。ギルの奴と取引を行い、手に入れた代物じゃ」
「えっ!?ど、どういう意味だよ!?」
「……三巨頭のギルは作業区を完全に掌握しています。作業区で働く囚人の殆どは彼に従い、作業区内の設備を使って内密に武器を作り出し、それを囚人に流してるんですよ。勿論、バレれば懲罰房送りでは済みませんけどね」


三巨頭のギルを頭にした派閥は作業区で働く囚人達で構成され、彼等は看守の目を盗んで武器の密造を行い、それを囚人に売り払う。同じく三巨頭のグシャスはギルの派閥から武器を買い取り、部下たちに常備させているという。

囚人が武器を所有する所を看守に見つかったら懲罰房送り所か、その場で殺されてもおかしくはない。だからこそ普通の囚人は武器を手にした状態で看守に接する機会があれば動揺を隠しきれず、気づかれる可能性も高い。だが、暗殺者の職業として生まれ、更にグシャスの指導を受けてきた囚人達は武器を看守に見つかるようなへまなどせず、常に常備していた。

グシャスの配下達は暗殺者としての力量は高く、武器を手にすれば最強の暗殺者集団へと変貌する。武闘派集団であるガルルの配下よりも危険な存在と化し、先ほどはダインの奇策でどうにか切り抜けたが今度は相手も本気で殺しにかかる。


「さあ、ミイネよ。今ならまだ間に合うぞ、その小僧を引き渡せばお主の命だけは助けてやろう。但し、他の者はこの場で殺すがな」
「な、何だと!?」
「何を驚いている、儂等が武器を所持している所を見られた以上は放ってはおけん。3人仲良く、あの世に行かせてやろう」
「ぐうっ……」
「ダインといったな……言っておくが、お主の影魔法はもう儂等には通じんぞ。油断しなければお主の影程度に儂の配下は捉えきれん」
「…………」


事前にグシャスはダインに対して影魔法は通じない事を強調すると、その言葉を聞いたダインは黙り込み、やがて杖を握りしめた。性懲りもなく自分達に影魔法で反抗するつもりなのかとグシャスは内心呆れると、配下に指示を出す。


「お前達、あの小僧が魔法を発動させようとすれば全員でかかれ。流石にこの人数が一度に襲えば自慢の影魔法でも対処できまい?」
「……爺さん、何を勘違いしてるんだ?あんた、影魔法の事を多少は知っているみたいだけど……重要な事は知らないようだな」
「何じゃと……?」
「ダインさん?」


ダインの言葉にグシャスは眉を顰め、ただのはったりかと思ったが、ミイネの方もダインの言葉を聞いて何か考えがあるのかと不思議に思う。他の者達もダインの言葉を聞いて戸惑っていると、彼は周囲を見渡す。


「へへっ……ここにはいい感じに色々と使えそうな物があるな」
「小僧……虚言もそこまでにしておけ。お主の影魔法は儂等には通じんぞ」
「笑わせんな、くそ爺!!僕の影魔法を他の奴が扱う影魔法と一緒にするなと言ってんだよ!!」
「ぬうっ!?」


杖を構えたダインは勢いよく床に突き立てると、影が黒色の触手のように変化を果たし、周囲へと広がっていく。その光景を見てグシャスは自分達に攻撃を仕掛けてきたのかと思ったが、影の触手はグシャス達が立っている場所を見当違いの方へと移動を行う。


「何処を狙っておる!?これは何の真似じゃ!?」
「僕の影魔法はな……こういう使い方も出来るんだよ!!」


周囲に影の触手を伸ばしたダインは杖を動かした瞬間、裏口に存在した靴箱や植木鉢、更には壁に設置されていた黒板などに絡みつくと、驚くべき事にそれらを引き寄せてグシャス達の元へ投げ飛ばす。

ダインの影魔法は敵に拘束して捉える事だけではなく、物体に絡みついて操作する事も可能だった。影の触手によって周囲に存在したあらゆる物が暗殺者達に向けて放り込まれ、それに対してグシャスと彼の囚人達は対応できずに攻撃を受ける。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。