不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,247 / 2,091
ダイン 監獄都市編

何だっ!?何が起きたんだ!?

しおりを挟む
「とりあえずはダインさんの格好も問題ですね」
「え、格好?僕の格好、何か悪いのか?」
「悪いというよりはその格好だと目立ちにくいんですよ。だからこれに着替えてください」
「あ、僕の服!!そういえば預けっぱなしだったな……」


現在のダインは目立たない様に囚人服に着替えているが、ミイネはダインが元々来ていた服を渡す。彼女が預かっている間、どうやら裁縫で直してくれたらしく、新品の様に綺麗になっていた。


「うわっ!?これ、本当に僕の服か?何か綺麗になってるけど……」
「結構ボロボロでしたからね。直してあげましたよ、その格好なら魔導士として見られるはずです」
「それはありがたいけどさ……」
「ついでにダインさんの杖の方もギルに頼んで現在は改造中ですよ」
「おう、見かけは悪いがあれは中々の素材だぞ!!」


会話の際中にギルが割込み、ダインが闘技場からちゃっかりと回収していた杖はギルが改造を施しているという。元々のダインは使用していた黒杖は奪われたままであり、現在の杖は代用品でしかないが、中々に性能は悪くはない。

闇属性の魔石は滅多に手に入らないので改造を施すと言っても杖の性能が大幅に強化されるわけではない。だが、ギルは監獄都市一の名工であるため、彼の技術で杖は新しく生まれ変わるという。


「改造には少しばかり時間は掛かるが、安心して待ってろ!!俺の技術であの杖を一級品に生まれ変わらせてやるからな!!」
「あ、ありがとう……何だか急に親切になったな」
「お前さん達のお陰で夢を果たせたからな!!また、酒が飲みたくなったら頼むぜ!!」


冗談なのか本気で言っているのか分からない言葉を口にしながらギルはダインとミイネの背中を叩き、彼は再び酒瓶を口にしようとした。だが、この時にギルは窓の外に視線を向け、嫌な予感を覚えた。


「……何だ?」
「え?何だよ急に……」
「ギギィッ!?」
「ゴブさん?どうしたんですか?」


ギルは窓の外の風景に違和感を覚え、一方でゴブの方も何かを感じ取ったのか手にしていた食べ物を落とす。二人の様子を見てダインとミイネは只事ではないと思った時、唐突に窓に罅割れが発生した。


「うおっ!?」
「わあっ!?な、何だよ今度は!?」
「これは……まさか、敵襲です!!」
「て、敵襲だって!?」


窓に急に罅割れが発生した事で全員が慌てふためき、酒宴に夢中だった小髭族たちも慌てて酔いを醒まして窓の外の様子を伺う。窓にはどうやら石が投げ込まれたらしく、続けて矢が放たれた。


「うおっ!?」
「こ、今度は矢だと!?」
「な、何が起き取るんじゃ!?」
「爺さん、身体を伏せろ!!」


外から矢が撃ち込まれたのでダイン達は近くの机や椅子の下に隠れると、あちこちの窓から矢が撃ち込まれる。壁や床に矢が突き刺さり、それを見たダインは顔色を青ざめる。

どうして急に外から矢が放たれたのかは理解できないが、この状況下で襲ってくる相手は一人しかおらず、三巨頭のグシャスが仕掛けてきたのは間違いなかった。


「くそ、グシャスの野郎!!何のつもりだ!!」
「親方!?危ないですぜ!!」
「馬鹿野郎、お前等も手伝え!!窓を塞ぐんだよ!!」


ギルは机を盾代わりに利用して持ち上げ、窓を塞ぐ。他の者達もギルを見習って箪笥などを移動させて窓を塞ぎ、これで矢の攻撃は防ぐ事が出来たかと思われたが、ここで思いもよらぬ出来事が発生した。


「これで一先ずは大丈夫……うおおっ!?」
「な、何じゃあっ!?」
「矢が、突き抜けてきたぞ!?」


机で窓を塞いだにもかかわらず、外から撃ち込まれた矢は机ごと貫通し、建物の壁へと突き刺さる。そのあまりの威力に誰もが驚き、一方でミイネはすぐにある情報を思い出す。


「そういえばグシャスの配下の中には「射手」の職業を持つ配下もいるとか……この矢を撃ち込んでいるのは相当に高レベルの射手のようですね」
「マジで!?じゃあ、窓を塞いでも意味ないのか!?」
「いえ、窓を塞いでおけば僕達の姿は見えないはずです。でも……」
「くそ、あいつら今度は火矢を撃ち込みやがったぞ!!こうなったら俺達もやるぞ、戦争だ!!」


建物の中が急激に熱くなり、外の方から何かが燃える音が広がると、ギルは即座に敵が建物に火を放った事に気付く。こんな場所で火を放てば大騒ぎになるにも関わらず、グシャスが手段を選ばずに自分を殺しに来たと判断したギルは部下達に命じる。

ギルの配下達は即座に業務用の鉄槌や鋸を取り出し、ギル本人も大型の鉄槌を取り出す。そして彼はダインに対して改造中の杖を渡す。まだ改造は終わってはいないが、この状況では仕方がなかった。


「ほら、坊主!!お前も一緒に戦ってくれ!!」
「えっ!?僕も!?」
「この状況では仕方ありませんね……それにいい加減にグシャスとも決着を付ける良い機会です」
「おう、俺達も手伝うぜ!!」
「儂も力になれるかどうかは分からんが……」


ダインはギルの言葉に動揺するが、この状況では逃げ場などはなく、彼以外の者達は既に戦闘態勢を整えていた。ミイネも業務用の道具を取り出し、マサルとドルトンも戦う覚悟は出来ていた。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。