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弱肉強食の島編
レナとハルナの共通点
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『ハルナも生まれた時に父親から捨てられていたのか』
『母親に庇われていたという点はナイさんと同じですね』
『そうか……』
レナは自分とハルナの境遇が良く似ている事を知り、改めて彼女の事が気になった。何となくだがもう他人のようには感じられず、共感してしまう。レナの場合はアイラが守ってくれたが、ハルナの場合は守ってくれた母親も死亡し、一人で生きてきたらしい。
監獄島がどのような場所なのかはレナも想像できないが、囚人達を送り込むほどの島なのだから決して普通の人間が暮らすには優しい環境ではないだろう。そんな場所にハルナは一人で生き続けた。そう考えると彼女はレナ以上に過酷な運命を生き延びてきた。
『ハルナの事を知っている牛人族は?』
『現在の牛人族の長ぐらいでしょうね。何しろ先代の長を殺して長の座に就いた男です、レナさんも気を付けてください』
『分かったよ』
アイリスの交信を打ち切るとレナはハルナに視線を向け、彼女は腹が減っているのかお腹を摩っていた。その様子を見てレナは無意識に彼女の頭に手を置き、頭を撫でまわす。
「うわわっ……な、何だよ急に」
「いや、何でもない……そういえば腹が減ったな」
「おおっ、なら私達がご馳走するぞ!!丁度良く生きのいい肉が手に入ったからな」
「朝飯は焼肉でいいか?」
「ミノタウロスの丸焼肉とか出したら流石に切れるぞ……」
流石のレナも先ほどまで話していたミノタウロスを食べる気にはなれず、魔獣の肉を食べる事は慣れているが、人語を理解して話していた魔人族を食べる度胸はない。アンジュとサーシャはレナのためにすぐに朝食の準備を行う――
――朝食の後、レナは族長の元に赴き、これからどうするのかを尋ねる。この場所がもう牛人族に知られた以上はここに留まるのは危険過ぎるため、場所を移動する必要があると彼女は判断した。
「この地も安全ではない……早々に別の場所に移動する必要がある。牛人族の新手が現れる前に逃げた方が良いだろう」
「逃げる?逃げるとは何だ、それにまた隠れて生活するのか?族長、私はもう嫌だぞ!!」
「姉者、落ち着いて……私も姉者とは同じ気持ちだが、さっきの戦闘で仲間も大分傷を負った」
「うむ、もう手持ちの薬草も少ない。それに戦うにしても態勢を整えなければどうにもならんだろう」
アンジュは族長の言葉を聞いて憤慨するが、牛人族と対抗しようにも先ほどの戦闘で女戦士達もかなりの人数が負傷し、治療のための薬草も切らしてしまったという。生憎とダークエルフは回復魔法は扱えず、レナも腕輪が嵌め込まれた状態では治療は行えない。
ダークエルフの回復力ならば大抵の怪我は薬草だけでも治せるが、この島では薬草よりも回復効果の高い回復薬を作れるだけの技術は持ち合わせておらず、薬草を磨り潰して作り出す粉薬だけで治療しなければならない。回復薬の調合には調合器具も必要なのでこの島で作り出すのは難しかった。
「牛人族は必ずや黒牛将を救いにやってくるだろう。そうなった場合、今の我々では対抗は出来ん。それに気になる事は他にもあるのだ」
「気になる事?」
「昨日の夜から男衆の何人かが姿を消した。その中にはバルカンも含まれている」
「バルカン?そういえばあいつ、朝から見かけないな……」
「いつもなら私達に付きまとうのに……」
「何処行ったんだ、そいつら?」
ハルナは朝食の骨付き肉を頬張りながら尋ねると、その言葉に対して族長は難しい表情を浮かべ、消えた男衆が何処に向かったのかを推察する。
「恐らく、この場所が牛人族に知られたのは我々の仲間の内で情報を漏らした者がおる」
「裏切り者が現れたのか!?」
「まさか……バルカンが!?」
「そこまでは分からん。だが、未だに奴と奴に付き従っていた者は姿を見せておらん、そう考えるのが妥当じゃろう」
「はあ?あの野郎、仲間を売ったのか?むかつくな!!」
「…………」
族長の言葉を聞いてアンジュとサーシャは衝撃を受けた表情を浮かべ、ハルナも憤慨した。しかし、レナだけは昨日の晩の出来事を思い出し、まさか彼が逃げ出した理由は自分に敗北したのが原因かと思う。
(昨日、俺に負けてアンジュとサーシャを奪われたと勘違いして他の部族に情報を漏らしたのか?いや、まさかな……けど、確認してみるか)
まさか自分に敗北したせいでバルカンが気がくるって仲間の情報を他の部族に漏らしたのかと思ったレナはアイリスと交信を行う。彼女はすぐにレナの嫌な予感が当たっている事を告げた。
『ご察しの通り、バルカンが裏切って仲間を連れて牛人族の元に寝返ったんですよ。見返りは牛人族がダークエルフを捕まえた後、拘束したアンジュとサーシャは自分の物にするという条件でバルカンは寝返りました』
『……あの馬鹿、そこまでするか』
自分の最悪な予感が当たった事にレナは深々とため息を吐き出し、まさかバルカンという男がそこまで愚かだとは思わなかった。
※コミカライズ版の更新日です!!今回の敵は……作中でも最凶の見た目です 壁|д゚)ガクガク
『母親に庇われていたという点はナイさんと同じですね』
『そうか……』
レナは自分とハルナの境遇が良く似ている事を知り、改めて彼女の事が気になった。何となくだがもう他人のようには感じられず、共感してしまう。レナの場合はアイラが守ってくれたが、ハルナの場合は守ってくれた母親も死亡し、一人で生きてきたらしい。
監獄島がどのような場所なのかはレナも想像できないが、囚人達を送り込むほどの島なのだから決して普通の人間が暮らすには優しい環境ではないだろう。そんな場所にハルナは一人で生き続けた。そう考えると彼女はレナ以上に過酷な運命を生き延びてきた。
『ハルナの事を知っている牛人族は?』
『現在の牛人族の長ぐらいでしょうね。何しろ先代の長を殺して長の座に就いた男です、レナさんも気を付けてください』
『分かったよ』
アイリスの交信を打ち切るとレナはハルナに視線を向け、彼女は腹が減っているのかお腹を摩っていた。その様子を見てレナは無意識に彼女の頭に手を置き、頭を撫でまわす。
「うわわっ……な、何だよ急に」
「いや、何でもない……そういえば腹が減ったな」
「おおっ、なら私達がご馳走するぞ!!丁度良く生きのいい肉が手に入ったからな」
「朝飯は焼肉でいいか?」
「ミノタウロスの丸焼肉とか出したら流石に切れるぞ……」
流石のレナも先ほどまで話していたミノタウロスを食べる気にはなれず、魔獣の肉を食べる事は慣れているが、人語を理解して話していた魔人族を食べる度胸はない。アンジュとサーシャはレナのためにすぐに朝食の準備を行う――
――朝食の後、レナは族長の元に赴き、これからどうするのかを尋ねる。この場所がもう牛人族に知られた以上はここに留まるのは危険過ぎるため、場所を移動する必要があると彼女は判断した。
「この地も安全ではない……早々に別の場所に移動する必要がある。牛人族の新手が現れる前に逃げた方が良いだろう」
「逃げる?逃げるとは何だ、それにまた隠れて生活するのか?族長、私はもう嫌だぞ!!」
「姉者、落ち着いて……私も姉者とは同じ気持ちだが、さっきの戦闘で仲間も大分傷を負った」
「うむ、もう手持ちの薬草も少ない。それに戦うにしても態勢を整えなければどうにもならんだろう」
アンジュは族長の言葉を聞いて憤慨するが、牛人族と対抗しようにも先ほどの戦闘で女戦士達もかなりの人数が負傷し、治療のための薬草も切らしてしまったという。生憎とダークエルフは回復魔法は扱えず、レナも腕輪が嵌め込まれた状態では治療は行えない。
ダークエルフの回復力ならば大抵の怪我は薬草だけでも治せるが、この島では薬草よりも回復効果の高い回復薬を作れるだけの技術は持ち合わせておらず、薬草を磨り潰して作り出す粉薬だけで治療しなければならない。回復薬の調合には調合器具も必要なのでこの島で作り出すのは難しかった。
「牛人族は必ずや黒牛将を救いにやってくるだろう。そうなった場合、今の我々では対抗は出来ん。それに気になる事は他にもあるのだ」
「気になる事?」
「昨日の夜から男衆の何人かが姿を消した。その中にはバルカンも含まれている」
「バルカン?そういえばあいつ、朝から見かけないな……」
「いつもなら私達に付きまとうのに……」
「何処行ったんだ、そいつら?」
ハルナは朝食の骨付き肉を頬張りながら尋ねると、その言葉に対して族長は難しい表情を浮かべ、消えた男衆が何処に向かったのかを推察する。
「恐らく、この場所が牛人族に知られたのは我々の仲間の内で情報を漏らした者がおる」
「裏切り者が現れたのか!?」
「まさか……バルカンが!?」
「そこまでは分からん。だが、未だに奴と奴に付き従っていた者は姿を見せておらん、そう考えるのが妥当じゃろう」
「はあ?あの野郎、仲間を売ったのか?むかつくな!!」
「…………」
族長の言葉を聞いてアンジュとサーシャは衝撃を受けた表情を浮かべ、ハルナも憤慨した。しかし、レナだけは昨日の晩の出来事を思い出し、まさか彼が逃げ出した理由は自分に敗北したのが原因かと思う。
(昨日、俺に負けてアンジュとサーシャを奪われたと勘違いして他の部族に情報を漏らしたのか?いや、まさかな……けど、確認してみるか)
まさか自分に敗北したせいでバルカンが気がくるって仲間の情報を他の部族に漏らしたのかと思ったレナはアイリスと交信を行う。彼女はすぐにレナの嫌な予感が当たっている事を告げた。
『ご察しの通り、バルカンが裏切って仲間を連れて牛人族の元に寝返ったんですよ。見返りは牛人族がダークエルフを捕まえた後、拘束したアンジュとサーシャは自分の物にするという条件でバルカンは寝返りました』
『……あの馬鹿、そこまでするか』
自分の最悪な予感が当たった事にレナは深々とため息を吐き出し、まさかバルカンという男がそこまで愚かだとは思わなかった。
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