不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,394 / 2,091
真・最終章 七魔将編

七魔将の実力

しおりを挟む
「行くぞおらぁっ!!」
「ほうっ……雷の聖痕か」


ハルナが全身から電流を迸らせると、オウガは即座に彼女の能力を見抜き、鍛錬器具を置いて向かい合う。ハルナは最初から全力で挑み、凄まじい速度で駆け抜ける。

雷属性の魔力を放出する状態の彼女の攻撃を受ければ感電は免れず、竜種であろうと彼女の攻撃を受ければ無事では済まない。肉体の限界まで身体能力を強化させ、更に電撃を帯びた彼女の攻撃を受けて平気な相手は今までに一人もいなかった。


「だだだだっ!!」
「ぐぅっ!?」


オウガの腹部に向けてハルナの拳が何発も叩き込まれ、オウガは苦痛の表情を浮かべながらも後退る。その光景を見てハルナは笑みを浮かべたが、すぐに違和感を抱いた。オウガを殴りつけた際にハルナは彼の皮膚が異様なまでに硬く、殴りつけた自分の拳の方が痛めてしまう。


「いたっ……!?」
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」


殴りつけたはずの自分の方が拳を痛めた事にハルナは驚き、そんな彼女に対してオウガは容赦なく腕を伸ばす。それに対してハルナは咄嗟に身を反らして回避するが、即座に加速して距離を置く。

オウガの皮膚は異様なまでに硬く、頑丈な鱗に覆われた黒龍にさえもハルナの打撃は通じるが、彼の皮膚はそれに匹敵する硬さを誇る。まるで全身が筋肉の塊その物であり、巨人族や牛人族以上の筋肉質を誇る。


(なんだこいつ……だったらこれでどうだ!!)


生半可な攻撃は通じないと判断したハルナはオウガに向けて全速力で駆け出し、顔面に向けて飛び膝蹴りを叩き込む。いくら身体を鍛えた所で顔面までは鍛えられず、この攻撃ならば通じるとハルナは判断して仕掛ける。


「どりゃあああっ!!」
「ぐふぅっ!?」


オウガはハルナの膝を顔面に受けると、後ろに数歩後退る。しかし、攻撃を仕掛けたハルナの方も膝を抑え付け、まるでアダマンタイトのような頑丈な金属に膝蹴りを叩き込んだ感覚に陥る。


「あいたたたっ!?痛い痛い痛い!?」
「……所詮、この程度か」


鼻血を噴き出しながらもオウガはハルナに視線を向け、彼女は膝を抑えながら地面を転がり回る。確実に膝に罅が入り、この状態ではまともに動く事もできない。そんな彼女にオウガは言い放つ。


「お前は聖痕の力に頼り過ぎている……どんなに優れた能力であろうと、それに頼り過ぎるようでは二流だな」
「な、何だと……」
「もうこれ以上、ガキの相手はしていられん」
「うわっ!?」


ハルナに対してオウガは彼女の無事な方の足を掴むと、そのまま無造作に放り投げる。しかし、あまりの怪力にハルナは訓練場の壁際まで飛ばされ、派手に床に転がり込む。


「あいたぁっ!?」
「……そこで大人しくしていろ」
「ま、待てっ……くそっ!!」


オウガは上の階段に向けて歩み、その様子を見たハルナは他の仲間の所へ行かせないために止めようとしたが、足が思うように動けない。いくら回復力が高いハルナと言えども骨に罅が入ればすぐに治る事はなく、彼女はオウガを止める事ができなかった――





――同時刻、ゴウライの方はバル、リンダ、アンジュ、サーシャの4人と向かい合っていた。バルは元S級冒険者、リンダはヨツバ王国の王国騎士筆頭、アンジュとサーシャはダークエルフの戦士長を務める実力者だが、彼女達を相手にゴウライはたった一人で優位に立っていた。


「ぬぅんっ!!」
「また来る!?」
「私に合わせろ、デカ女!!」
「誰がデカ女だい!!」
「くっ……!!」


ゴウライはデュランダルを振りかざすと、その気迫だけでバルたちは気圧されそうになるが、即座にアンジュとバルが大剣を振りかざして重ね合うように叩き込む。ゴウライの放ったデュランダルの刃にバルとアンジュの大剣が同時に衝突し、金属音と衝撃波が周囲に放たれる。

バルとアンジュも剛剣を得意とする剣士ではあるが、ゴウライとは地力に差があり過ぎて彼女の攻撃を受け止め切れず、二人がかりでもゴウライの攻撃を受けて後退る。しかし、そんな二人の背中から支えるのはリンダであり、3人掛かりでゴウライの攻撃を抑えつけてその間にサーシャが攻撃を仕掛けた。


「剣舞!!」
「ぬおっ!?」


3人が攻撃を抑えている間にサーシャが空中に跳ぶと双剣を放つ。ゴウライは今は生身の状態なので切りつけられたら無事では済まず、咄嗟に彼女は全ての斬撃を回避する。流石に鎧無しの状態で切りつけられればゴウライも避ける以外に選択肢はなく、その間に他の3人も動き出す。


「撃剣!!」
「勁撃!!」
「回転!!」
「ぬううっ!?」


バルは渾身の一撃を繰り出し、リンダは掌底を繰り出して触れた瞬間に衝撃波を放ち、アンジュは身体を回転させて加速した大剣を放つ。それらの攻撃にゴウライはデュランダルで受け止めるが、勢いを完全には殺しきれずに後方へと吹き飛ぶ。

戦闘が開始されてからまだ数分だが、バルたちは既に汗を流して息を切らせていた。それほどまでに彼女達は全力でゴウライに挑み、体力が切れる事など考えずに戦っていた。しかし、一方でゴウライの方は思わぬ苦戦に追い詰められるどころか、むしろ彼女は喜んでいた。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。