不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

時を操る魔法使いの存在

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『アイレーダー、敵の位置を補足してくれ』
『私をレーダー扱いするとはいい度胸ですね、毎晩夢に出て復讐しますよ』
『ごめんごめん……でも、牙人将の正確な位置は分からないの?』
『勿論分かりますよ。けど、教えても意味はないと思いますけどね。相手は常に移動中ですから私が位置を教えてもその場所に留まっている保証はありません』


アイリスならば牙人将の位置を把握する事は容易いと思われたが、牙人将は常に森の中を移動しているらしく、そのせいで位置を教えてもらっても見つけ出すのは難しい。現在の牙人将は普通の状態ではなく、森中を駆け巡っては餌となる魔物や動物を食い荒らしている事は既にレナも知っている。


『今現在の牙人将は普通じゃありません、それに森の中は牙人将にとっては最高の環境です。市街地や平地だったらまだ見つかりやすいですけど、障害物が多い森の中だと捜索も困難ですよ』
『全く、面倒を起こすな……まあ、ダイン達と合流はできたし、あとは叔母様だけかな』
『マリアの方は……まあ、心配ないでしょう。いずれ自力で戻ってきますよ』
『叔母様なら心配してないよ』


はぐれてしまった面子の中でレナ達が合流をしていないのは「ソル」「ホムラ」「マリア」の3名である。この内のホムラは魔人将に捕まってしまい、マリアに関しては厄介な地に訪れている事はレナも聞いていた。しかし、ソルに関しては特に情報はない。


『あのソルとかいう人はどうしたの?』
『ソルですか、ちょっと待ってくださいね……ん?』
『どうしたの?』
『いえ、ちょっと不具合が……すいません、一旦交信を閉じますね』
『え、急にどうしたの?』


一方的にレナはアイリスの方から交信を遮断され、精神が現実世界へ戻る。何事か起きたのかとレナは疑問を抱くが、ここで彼は後方から物音を耳にして振り返ると、そこには頭を抑えたミレトが立っていた。


「ミレト!?どうした?」
「うっ……いや、なんでもありません」


ミレトが頭を抑えている事に気付いたレナは心配して駆け寄ると、彼は不思議そうに周囲を見渡す。ミレトの行為にレナは疑問を抱くと、彼は予想外の言葉を発した。


「あの……今、誰かと話してました?」
「えっ……いや、ここには俺しかいないけど」
「……す、すいません。そんなわけないですよね」


レナはミレトの言葉を引いて動揺するが、顔には出さないように気を付けてこの場所には自分しかいない事を伝える。ミレトはレナの言葉を聞いて彼以外に人の姿も気配も感じない事を確認し、頭を抑えながら謝罪を行う。

二人が居る場所には他に人は存在せず、アイリスとの交信を行っている間はして誰にも干渉されないはずだった。しかし、時の聖痕の所有者であるせいかミレトはレナとアイリスが交信を行う時に何かを感じ取っているらしく、だからこそアイリスも交信を打ち切ったのだろう。


(そういえばかなり前にアイリスは時を操る魔法使いもいるとか言ってたけど……まさか、ミレトが?)


まだこの世界に訪れたばかりの頃、レナはアイリスから時を操作する魔法使いも居る事も聞いた事を思い出す。尤も今までにレナはそんな人物と会った事がなかったが、ミレトがアイリスとレナの会話を聞いていたのならば彼がその時を操る魔法使いの可能性が高い。


「ミレト、もしかして君は……」
「おい、レナ!!ここに居たのかい!!」
「えっ……バル?」


レナはミレトに話しかけようとした時に慌てた様子のバルが駆けつけ、彼女は非常に焦った様子でレナの腕を掴む。何事か起きたのかとレナが聞き返す前に彼女はレナの腕を引っ張っていく。


「とんでもない奴が現れたんだよ!!あんたしか対処できない、何とかしてくれ!!」
「とんでもない奴?まさか、牙人将が……」
「いいや、違う!!あんたを探してるんだよ!!とにかく、こっちへ来な!!」
「俺を探してる?」
「あ、あの……何かあったんですか?」


バルは無理やりにレナを引き寄せて駆け出すと、その後にミレトが続いて何が起きたのかを問う。彼女は走りながら説明を付け加える。


「この森の主が現れたんだよ!!あんたに会わせろと言い出してダインとゴンゾウが捕まった!!」
「あの二人が!?」
「どうして!?何があったんです!?」
「いいから早く走りな!!見れば分かるよ!!」


遺跡に現れたという「森の主」は実力者であるダインとゴンゾウが人質に取り、レナに自分の元へ訪れるように要求してきた。バルは森の主に対してレナ以外に対処できる人間はいないと判断して彼に託す。

森の主と言われてもレナには心当たりがなく、何者が訪れたのかと警戒しながらもレナ達は遺跡の出入口へと向かうと、そこには大勢の冒険者が集まっていた。どうやらレナ達以外の冒険者は全員勢揃いしていたらしく、遺跡の外から現れた訪問者を取り囲んでいる様子だった。
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