不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

修行場所

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「皆さん、準備は良いですね?それじゃあ、出発しますよ」
「叔母様の転移魔法でパッと移動できないの?」
「無理ね、私が行った場所でないと転移はできないわ。だけど水晶札を使えば他の人間が移動した場所なら転移もできるけれど……」
「私も行くのは初めてなんですよ」
「本当にそこに勇者の遺跡があるの?無駄足なんて御免よ」
『まあ、修行など何処でもできるではないか!!』


ホネミンが最後に出発前の確認を行い、全員が準備を整えると馬車は動き出す。ちなみにレナが乗り込んでいるのはウルが引く狼車であり、乗員はゴンゾウとダインだった。


「偶には男同士で乗るのも悪くないね」
「ぷるるんっ」
「スラミンは雄なのか?」
「いや、スライムだから性別なんてないだろ……」


狼車にはちゃっかりスラミン達も乗り込んでおり、後ろの方にはアインが馬代わりになって馬車を引いていた。こちらにはコトミン達が乗り込んでおり、彼女達も回復役として役に立つ。


「キュロロロッ♪」
「アインちゃん、こういうのが好きなんだね。今度家にお父さんに戻ったら馬車を作ってあげるね」
「そういえば忘れていたけど貴女、王族だったわね」
「すっかり忘れてた」
「ぷるぷるっ(←馬車の中で転がる)」


アインが引く馬車にはティナ、コトミン、シズネが乗り込んでおり、ミナやジャンヌは他の場所に同行していた。目的地まではかなりの距離があるが、ウルとアインの脚力ならばそれほど時間は掛からないと思われた。本当ならばレナがウルと共に目的地に直行し、空間魔法で全員を迎え入れる方が手っ取り早いがホネミンがそれを拒否した。理由としてはこれからどれほど厳しい修行を受ける事になるのか分からず、無駄な魔力の消費は抑えておきたいとの事だった。

魔力を失おうと薬の類で回復できるのだが、先の七魔将との戦闘で薬の類も不足していた。冒険都市の住民も被害を受けていたのでかなりの両の薬品を使ってしまい、今後は節約しなければならない。ヨツバ王国の援軍の本体が到着すれば多少の物資は手に入るが、それまでは薬品の類の使用は控えなければならない。


「こんなにゆっくりしてていいのかな……」
「いいんですよ、どうせ目的地に辿り着いたら気が休まる暇がないんですから」
「えっ!?」


ダインの呟きに反応したのはウルの引く狼車の横に並んで移動していたアインの馬車であり、いつの間にかホネミンも馬車の中に入っていた。彼女はハンカチを頭に乗せた状態でプルミンを頭の上に乗せていた。


「これから向かう場所は今までレナさん達が訪れたどんな遺跡よりも大変な場所です。だから気を引き締めて下さいね」
「俺達の訪れた遺跡……」
「ま、まさかまたあの変なゴーレムみたいな奴等がいるのか!?」
「戦人形、だったか?」


かつてレナ達は深淵の森や獣人国の遺跡にて勇者が作り出した防衛用の人造ゴーレムと戦った事がある。それらのゴーレムは戦人形と呼ばれ、その戦闘力は並の魔物を引き寄せない。


「まあ、その可能性もありますがもっとやばいのが隠れているかもしれません。ですので目的地に辿り着いた油断せずに力を合わせて頑張りましょう」
「ホネミンが言うと何だか胡散臭く感じるな」
「失礼なっ!!私の何処が胡散臭くいんですか!?骨差別ですよ!!」
「何だ骨差別って……というかお前はもう人間だろうが」


レナの言葉に憤慨するホネミンだったが自分が骨の姿だった頃の癖が抜けきっておらず、そんな彼女に呆れながらもレナは目的地に向けて移動した――





――それからしばらくの時間が経過すると、レナ達は目的地である岩山地帯へと辿り着いた。ホネミンによれば岩山の内部にかつて勇者が訓練場として作り出した遺跡へと移動する転移台が岩山の内部に隠されているというが、彼女は地図を頼りに目的の岩山を探す。


「ん~……多分、この岩山ですね」
「多分って、なんだか曖昧だな」
『この岩山を登ればいいのか!?よし、皆!!吾輩についてこい!!』
「待ってください、別に登らなくていいんですよ」


目的地である岩山は数百メートルほどの大きさを誇り、ゴウライは岩山を登ろうとするがホネミンがそれを止めた。彼女は岩山の岩壁に触れると、指先で叩いて耳を岩壁に押し当てる。

外見は周囲に存在する岩山と瓜二つだが、ホネミンは岩山の岩壁の一か所に違和感を覚えて彼女は水筒を取り出す。そして水筒の中身を岩壁に向けてぶちまけた。


「せいやっ!!」
「ちょっと、何をしているのよ?」
「勿体ないよ~」
「いいから見ててください」


水筒の中身を岩壁に振りかけたホネミンにシズネとティナは驚くが、ホネミンは水筒を振りかけると急いでレナ達の元に駆け込み、水に濡れた岩壁の一部が変色した。それを見たレナは何処となく嫌な予感を浮かべ、やがて岩壁に人面が浮き上がった。
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