不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,705 / 2,091
真・最終章 七魔将編

女王である前に

しおりを挟む
「喰らえっ!!乱舞!!」
「ゴアッ!?」


ナオは体勢を低くした状態で突っ込むと、両手のカトラスを振りかざして凄まじい速度で切り付けた。アイラの得意とする剣舞よりも攻撃速度は素早く、瞬く間にゴーレムの足に何十回も斬撃を加えた。

乱舞の戦技は剣技の前段階であり、剣舞と違う点は正確に狙いを定められない。剣舞として扱えるようになるには「剣聖」かあるいは「剣鬼」の称号を手に入れなければならない。どちらにも至っていないナオは剣舞は習得できないが、それでも現在の彼女が放てる最高の技だった。


「ゴオッ……!?」
「今だ!!一斉に放て!!」
『刺突!!』


ナオの猛攻によってゴーレムは体勢を崩すと、彼女は即座にワルキューレ騎士団に合図を出す。女騎士達は即座に槍や剣を構えるとゴーレムに目掛けて突き刺し、体勢を崩した状態で攻撃を受けたゴーレムは前のめりに倒れ込む。


「ゴアアッ!?」
「よし!!今のうちに取り押さえろ!!」
『はっ!!』


ゴーレムが倒れた瞬間にナオは片足を掴みかかり、全員がかりでゴーレムを抑えるように指示を出す。ゴーレムを倒す手段は持ち合わせておらず、それならばゴーレムを力ずくでも取り押さえて援軍の到着を待つ。それがナオの狙いだった。

いくらゴーレムが怪力であろうと数十名の女騎士が力を合わせれば抑えられるとナオは確信していた。倒れたゴーレムの身体に女騎士が乗り込み、動けないように武器を利用して抑え込む。


「わううっ!!」
「このっ!!」
「陛下、御下がりください!!ここは我々が……」
「いや、まだだ!!こいつの核を破壊する!!必ずどこかにあるはずだ!!」
「ゴオオッ……!!」


ゴーレムを取り押さえた状態でナオは剣を握りしめ、どこかに存在するはずのゴーレムの核を探す。ゴーレムは体内の何処かに魔石を宿しているはずであり、魔石を破壊すれば肉体が崩壊して死を迎える。煉瓦で構成されているブロックゴーレムにも核は存在するはずであり、ナオは剣を構えて煉瓦の隙間を突き刺す。


「ここかっ!?」
「ゴアアアッ!?」


直感を頼りにナオは剣を突き刺すとゴーレムは悲鳴を上げ、激しく身体を動かす。女騎士達が取り押さえようとするがオーガ以上の怪力を発揮してゴーレムは女騎士達を振り払う。


「ゴオオオッ!!」
「わうっ!?」
「うわっ!?」
「くっ……こ、これ以上は抑えきれません!?」
「もう少しだけ持ち答えろ!!手応えはあった!!」


ナオは剣をブロックゴーレムに突き刺した状態で食い込ませ、確実にブロックゴーレムの核に剣先が届いた事を悟る。直感に関してはナオは誰よりも鋭く、レナの正体を知る前から彼が赤の他人ではないと何となく気付いていたほどである。

剣を煉瓦の隙間に突き刺しながらナオは力を込め、奥深くに存在する核を感じ取る。この核を破壊すればブロックゴーレムは倒せるはずなのだが、力が足りずにブロックゴーレムに突き飛ばされた。


「ゴオオオッ!!」
『うわぁっ!?』


ワルキューレ騎士団はゴーレムに振り払われ、全員が床に倒れ込む。王妃が残したブロックゴーレムは並のゴーレムではなく、その力はミノタウロスにも匹敵した。ブロックゴーレムは胸元に突き刺さったナオのカトラスに手を伸ばすが、その前に何者かがゴーレムの正面から迫る。


「よくやったわ!!後は任せなさい!!」
「ア、アイラさん!?」
「ゴアッ!?」


姿を現わしたのはアイラであり、彼女はナオが胸に突き刺したカトラスに目掛けて突っ込む。彼女は剣を振りかざすとナオのカトラスの柄に目掛けて突き刺し、正確且つ強烈な一撃を叩き込む。


「刺突!!」
「ゴアッ!?」


女騎士達が繰り出した攻撃よりも強力で素早い一撃が放たれ、胸元に強烈な衝撃を受けたゴーレムは動きを止める。それを見たアイラはもう一撃を繰り出すために彼女は足を繰り出す。


「はああっ!!」
「ゴガァッ!?」


踵をカトラスの柄に叩き込まれ、更に刃が体内に食い込んだゴーレムは後退した。あと少しで倒せると思われたが、先にカトラスが限界を迎えて刃に罅が入る。それを見たアイラは次の一撃で確実に仕留めなければ勝てないと思い、彼女は剣を鞘に戻して両手を重ね合わせた。

ブロックゴーレムの体内に存在する核を確実に破壊するため、アイラは両手を重ねた状態で折れかかったカトラスに押し付ける。柄の部分に両手を押し込む形で強烈な衝撃を体内に流し込む。


「発勁!!」
「ゴァアアアアッ!?」


ブロックゴーレムの体内に強烈な衝撃波が流し込まれ、ナオのカトラスは砕け散るがその代わりにブロックゴーレムの体内にも衝撃を伝える事に成功した。ブロックゴーレムの瞳から光が失われ、そのまま両膝を床に下ろした状態のまま動かなくなった。


「や、やった……倒したんですね!?」
「ええ……手応えはあったわ」
「さ、流石はアイラ様……」
「これが剣姫の実力……」
「わうっ……凄いです~」


剣姫と呼ばれたアイラの実力を目の当たりにしたワルキューレ騎士団の女騎士達は圧倒されるが、この時に倒したはずのブロックゴーレムに異変が生じた。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。