不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

大剣と盾

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「改造はここまでにしておくか……明日も早いし、寝るとするか」
「ぷるるるんっ!!」
「うわっ!?どうしたプルミン!?」
「ウォンッ!?」
「ふぁっ!?な、なんですか!?」


唐突にプルミンが鳴き声を上げた事で眠っていた者達は起こされるが、プルミンは全身を震わせあちこちを跳び回る。レナは何事かと作り立ての盾を使ってプルミンを抑え込む。


「落ち着けプルミン!!」
「ぷぎゅっ!?」
「いったい何の騒ぎですか!!敵が近くにいるんですか?」
「スンスンッ……グルルルルッ!!」


ウルは周囲を警戒するように嗅ぎまわると、彼も唸り声を上げて戦闘態勢に入った。レナは感知系の技能を発動させて周囲を伺うと、こちらに向かってくる強い気配を感じ取った。


「こっちに何かが近付いている!!もしかしたら地竜かもしれない!!」
「ええっ!?ここはまだ地竜の縄張りじゃないですよ!?」
「いいから早くウルの背中に乗って!!」


ホネミンをウルの背中に移動させると、プルミンも一緒に彼女に預ける。レナは大剣と作り立ての盾を構えると、派手な地響きと共に敵が姿を現わす。


「オアアアッ!!」
「やっぱり地竜か!!」


地面から現れたのは全身が岩石の如き外殻に包まれた地竜であり、派手な土煙を舞い上げながら出現した。レナは退魔刀を構えるが、何故か地竜は彼を無視してウルの方へ視線を向けた。

地上に現れた地竜は狙いをレナではなくウルに定め、正確にはウルに乗っているホネミンが抱えているプルミンに視線を向けた。プルミンは地竜に睨まれて震え上がり、一方でホネミンは地竜の様子を見てある事に気が付く。


「この地竜、どうやらプルミンを狙っていますね」
「えっ!?なんで?」
「う~ん……もしかしてですけど、プルミンはサンドワームに食べられたときに胃液を吸収しています。もしかしてそのせいでプルミンはサンドワームと似た様な気配を発しているのかもしれません。だから地竜にとってプルミンは大好物のサンドワームと同じような存在として感知したのかも……」
「ぷるんっ!?」
「そんなの有りか!?」


あくまでもホネミンの推測にしか過ぎないが、地竜はプルミンからサンドワームと似たような気配を感じ取り、そのせいで食欲を刺激されて縄張りから抜け出してここまでやってきた可能性はあった。

地竜は完全にプルミンの事を餌として認識し、真っ先に襲い掛かろうとしてきた。地竜が前脚を繰り出そうとすると、それを見たウルは咄嗟に後方へ跳んで回避した。


「オアアッ!!」
「ガアッ!!」
「うわわっ!?」
「ぷるるんっ!?」


ウルが移動するとホネミンとプルミンは慌てて落ちないようにしがみつき、それを見たレナは勝負を長引かせるわけにはいかずに攻撃を仕掛けた。


「おらぁっ!!」
「ゴアッ!?」


某ヒーロー映画の主役のようにレナは円盤型の盾を地竜の顔面に投げつけ、投擲の技能を生かして見事に目元に的中させた。地竜はレナに対して苛立った表情を浮かべ、標的を変更して彼に前脚を繰り出す。


「オアアッ!!」
「ふんっ!!」


前脚で自分を叩き潰そうとしてきた地竜に対してレナは大剣を構え、相手の攻撃を受け止めた瞬間に別の方向へ受け流す。防御用戦技の「受け流し」の上位互換である「流水」は既に会得し、相手の攻撃を受け流すだけではなく、任意の方向へ攻撃の軌道を変える事ができた。

レナの流水の戦技によって地竜の繰り出した前脚はあらぬ方向へ吹き飛び、その際に地竜は前脚に引っ張られて体勢を崩す。その隙を逃さずにレナは左手を構え、地竜の弱点である魔法を繰り出す。


「氷刃弾!!」
「オアアッ!?」


掌から巨大な氷柱が出現して地竜の顔面に放たれ、鼻先の部分を貫く。地竜の弱点は水属性の魔法であり、レナの生み出した氷の魔法によって触れた箇所が変色して脆くなっていく。だが、地竜はゴーレムと同様に核を破壊しなければ完全には倒せず、レナは脆くなった鼻先に目掛けて全力の一撃を叩き込む。


「兜砕き!!」
「オアアッ!?」
「兜というより鼻に当てましたけど!?」


剛剣の剣技でレナは地竜の鼻先に強烈な一撃を叩き込むと、地竜の全身に亀裂が走った。地竜の外殻は鋼鉄以上の硬度を誇るが、硬い物ほど意外と壊れやすく、一部でも砕ければ全体的に衝撃が広がる。それでも完全な崩壊までには至らず、次の一撃でレナは仕留めようとした。


「回転撃!!」
「ゴガァッ!?」


回転を加えて今度は横向きに大剣を薙ぎ払うと、再び衝撃を受けた地竜の肉体にさらに亀裂が深まり、崩壊一歩手前の状態へ追い込む。次の攻撃で確実に倒せると思ったレナは大剣を振りかざそうとした時、地竜の頭上から何かが落ちてきた。


「金剛撃!!」
「ゴガァアアアッ!?」
「えっ!?」
「わあっ!?」


この時代には存在しないはずの友の技名を叫びながら何者かが地竜の頭上に降り立ち、強烈な一撃を喰らわせる。その結果、地竜の肉体は砕け散って砂と化した。いきなり現れて地竜の攻撃を仕掛けた人物にレナとホネミンは視線を向けると、そこには二人の良く知る人物と良く似た容姿の巨人族が立っていた。
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