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蛇足編
本当に強くなったのか?
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――街の人間を苦しめる悪党はこの街一番の大きさを誇る酒場を牛耳っており、一般人は誰も立ち寄らない危険な場所だった。そんな場所にダイン達は赴き、道中で既に何人もの悪党を倒してやってきた。
「なあ、ゴンゾウ……本当に行く気か?」
「当たり前だ。ここまで来て引き返す事はできない」
「行くなら一人で行ってくださいよ。僕達が一緒だと足手纏いになるかもしれませんし、万が一に捕まって人質にされたら面倒な事になりますからね」
「大丈夫だ。二人ともここに居てくれ」
酒場の前に立ったゴンゾウはダインとミイナを巻き込むつもりはなく、単身で酒場の中に入り込む。その様子を二人は少し心配しながら眺めるが、十数秒後には酒場の中から男達の悲鳴が響き渡る。
――ぎゃあああっ!?
悲鳴が聞こえてきた段階でダインとミイナは酒場から離れ、隣の建物の陰から様子を伺う。酒場の中から机の壊れる音やガラスが割れる様な音が鳴り響き、様子を伺っていたダインはミイネと顔を合わせる。
「……あと10秒ぐらいかな?」
「なら僕は20秒に銅貨1枚掛けます」
二人はゴンゾウが問題を解決して戻ってくるまで待ち続け、きっかり15秒後にゴンゾウは大量の男達を両肩に担いで酒場から出てきた――
――瞬く間に街の住民に迷惑をかけていた悪党達を倒したゴンゾウは警備兵に突き出すと、街中が大騒ぎとなった。長年苦しめ続けていた悪党を懲らしめた事で街中の人間が彼を歓迎した。その日は街中の人間が集まって大きな宴を開催し、街の救世主を讃えてくれた。
「まさかこんな事態になるなんて夢にも思いませんでしたね。これが情けは人の為ならず、ですか」
「それって勇者が残した諺だろ?確か、人を助けたら後々に自分も得するみたいな感じだっけ?」
「おや、意外と博識ですね」
「ん?困っている人間を助けるのは当然の話だろう?」
ダイン達は大量のご馳走を味わいながら向かい合い、悪党が捕まえてくれたという理由で彼等は久々にまともな食事にありつけた。ダインとしては食事も良いがお金を貰う方が嬉しいのだが、その点に関してはゴンゾウは拒否した。
冒険者として依頼されたのならばともかく、今回は人助けのためにやった事なのでゴンゾウは金を受け取る事を断固として受け入れず、せめてものお礼として街の人間は彼にご馳走を振舞う。流石に人の好意を無下にはできず、ゴンゾウは有難く食事を味わう。
「美味いな……ここの料理、レナ達にも食べさせたかった」
「今度来るときに誘えばいいんですよ」
「たくっ、本当にレナの話ばっかりしてるな……」
「そうだな」
気付けばダイン達はレナの話題を口にしている事を自覚し、自然と笑みが浮かんだ。この場に本人がいないというのに気づいたらレナの話ばかりしていた。
「レナか……今頃は何をしているのかな?」
「あの人、聞くところによると王子様なんですよね?それなのに冒険者稼業なんて大丈夫なんですか?」
「言われてみればそうだな……王子が冒険者なんて聞いた事もないな」
「今は王子じゃないらしいがな」
現在はナオが女王となった事で弟であるレナは王弟となり、本来ならば国を支える重要な立場の人間である。実際にレナはヨツバ王国の姫であるティナとも結婚しており、傍から見れば彼女との結婚は政略結婚に間違えられてもおかしくない(レナはともかく、ティナは結婚には大賛成していたが)。
冒険者稼業はこの世界の職業の中でも1、2を誇る危険な職業であり、実力社会なので大した力を持たない人間は呆気なく死んでしまう。しかし、そんな冒険者稼業をレナは生き延び、今では冒険者の頂点のS級冒険者にまで昇格している。
「まあ、レナだから問題ないだろ」
「そうだな、レナだからな」
「……その一言で解決するような話なんですか?」
「解決するんだよ」
「いずれわかる」
ミイネはレナとの付き合いはあまりないのだが、ダインとゴンゾウはレナの強さに絶対の信頼を置いていた。どんなに危機的な状況に陥ったとしてもレナが傍にいれば何とかなると思わせる強さを彼は持っていた。しかし、ゴンゾウの方はレナの強さに対して嫉妬心を抱く。
「……レナは強くなった。だが、俺は強くなったのか?」
「何を言ってんだよ?ゴンゾウだって七魔将のオウガを倒したんだろ?十分に強いって……」
「それを言ったらダインだって七魔将のブラクを倒したんだろう?」
「……僕の話はいいんだよ」
ダインはブラクの名前を聞くと眉をしかめ、もう彼にとってはブラクは忘れたい存在だった。ブラクはダインにとっては憎き敵であり、それと同時に自分の先祖に当たる存在でもあった。ダインはブラクの存在を許せず、だからこそ彼を討ち取った。
ゴンゾウはオウガを倒した事は事実だが、それでもレナと比べると力の差が感じてならない。レナならばオウガが相手でも勝てたのではないかと思わせ、実際に彼は七魔将を二人も倒している。
「なあ、ゴンゾウ……本当に行く気か?」
「当たり前だ。ここまで来て引き返す事はできない」
「行くなら一人で行ってくださいよ。僕達が一緒だと足手纏いになるかもしれませんし、万が一に捕まって人質にされたら面倒な事になりますからね」
「大丈夫だ。二人ともここに居てくれ」
酒場の前に立ったゴンゾウはダインとミイナを巻き込むつもりはなく、単身で酒場の中に入り込む。その様子を二人は少し心配しながら眺めるが、十数秒後には酒場の中から男達の悲鳴が響き渡る。
――ぎゃあああっ!?
悲鳴が聞こえてきた段階でダインとミイナは酒場から離れ、隣の建物の陰から様子を伺う。酒場の中から机の壊れる音やガラスが割れる様な音が鳴り響き、様子を伺っていたダインはミイネと顔を合わせる。
「……あと10秒ぐらいかな?」
「なら僕は20秒に銅貨1枚掛けます」
二人はゴンゾウが問題を解決して戻ってくるまで待ち続け、きっかり15秒後にゴンゾウは大量の男達を両肩に担いで酒場から出てきた――
――瞬く間に街の住民に迷惑をかけていた悪党達を倒したゴンゾウは警備兵に突き出すと、街中が大騒ぎとなった。長年苦しめ続けていた悪党を懲らしめた事で街中の人間が彼を歓迎した。その日は街中の人間が集まって大きな宴を開催し、街の救世主を讃えてくれた。
「まさかこんな事態になるなんて夢にも思いませんでしたね。これが情けは人の為ならず、ですか」
「それって勇者が残した諺だろ?確か、人を助けたら後々に自分も得するみたいな感じだっけ?」
「おや、意外と博識ですね」
「ん?困っている人間を助けるのは当然の話だろう?」
ダイン達は大量のご馳走を味わいながら向かい合い、悪党が捕まえてくれたという理由で彼等は久々にまともな食事にありつけた。ダインとしては食事も良いがお金を貰う方が嬉しいのだが、その点に関してはゴンゾウは拒否した。
冒険者として依頼されたのならばともかく、今回は人助けのためにやった事なのでゴンゾウは金を受け取る事を断固として受け入れず、せめてものお礼として街の人間は彼にご馳走を振舞う。流石に人の好意を無下にはできず、ゴンゾウは有難く食事を味わう。
「美味いな……ここの料理、レナ達にも食べさせたかった」
「今度来るときに誘えばいいんですよ」
「たくっ、本当にレナの話ばっかりしてるな……」
「そうだな」
気付けばダイン達はレナの話題を口にしている事を自覚し、自然と笑みが浮かんだ。この場に本人がいないというのに気づいたらレナの話ばかりしていた。
「レナか……今頃は何をしているのかな?」
「あの人、聞くところによると王子様なんですよね?それなのに冒険者稼業なんて大丈夫なんですか?」
「言われてみればそうだな……王子が冒険者なんて聞いた事もないな」
「今は王子じゃないらしいがな」
現在はナオが女王となった事で弟であるレナは王弟となり、本来ならば国を支える重要な立場の人間である。実際にレナはヨツバ王国の姫であるティナとも結婚しており、傍から見れば彼女との結婚は政略結婚に間違えられてもおかしくない(レナはともかく、ティナは結婚には大賛成していたが)。
冒険者稼業はこの世界の職業の中でも1、2を誇る危険な職業であり、実力社会なので大した力を持たない人間は呆気なく死んでしまう。しかし、そんな冒険者稼業をレナは生き延び、今では冒険者の頂点のS級冒険者にまで昇格している。
「まあ、レナだから問題ないだろ」
「そうだな、レナだからな」
「……その一言で解決するような話なんですか?」
「解決するんだよ」
「いずれわかる」
ミイネはレナとの付き合いはあまりないのだが、ダインとゴンゾウはレナの強さに絶対の信頼を置いていた。どんなに危機的な状況に陥ったとしてもレナが傍にいれば何とかなると思わせる強さを彼は持っていた。しかし、ゴンゾウの方はレナの強さに対して嫉妬心を抱く。
「……レナは強くなった。だが、俺は強くなったのか?」
「何を言ってんだよ?ゴンゾウだって七魔将のオウガを倒したんだろ?十分に強いって……」
「それを言ったらダインだって七魔将のブラクを倒したんだろう?」
「……僕の話はいいんだよ」
ダインはブラクの名前を聞くと眉をしかめ、もう彼にとってはブラクは忘れたい存在だった。ブラクはダインにとっては憎き敵であり、それと同時に自分の先祖に当たる存在でもあった。ダインはブラクの存在を許せず、だからこそ彼を討ち取った。
ゴンゾウはオウガを倒した事は事実だが、それでもレナと比べると力の差が感じてならない。レナならばオウガが相手でも勝てたのではないかと思わせ、実際に彼は七魔将を二人も倒している。
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