不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

閑話 《リンダの意外な弱点》

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「レナたん、遅いなぁっ……あ、もしかして道に迷ってるのかな?」
「砂漠だから道はありませんが……レナ様なら大丈夫でしょう」


ティナとリンダは岩山にてレナの帰りを待っていた。砂漠を横断するには砂船に乗らなければならないが、その肝心の砂船は現在修理中で動かない。小型船ならば残っているが、安全性を考慮してレナだけが砂漠都市に向かう。

二人はレナが作り出した黒渦の前で待機し、彼が戻ってくるのを待ち構える。その様子を商人達は心配そうに眺めていた。レナの強さは先ほど思い知らされたが、やはり砂漠を一人で横断するのは危険過ぎる。


「あ、あの……本当に大丈夫なのでしょうか。一人でこの砂漠を越えるのはやはり無謀では」
「大丈夫です。レナ様はただの人間ではありません、歴史に名を残す英雄なのですから」
「あの方が英雄……」


リンダの言葉に商人達は納得せざるを得ず、彼女の言う通りにレナの力は常識を遥かに超えていた。勇者の子孫でもあり、アイリスによって適切な指導で鍛え上げられたレナは今では世界でも指折りの魔法剣士として育った。


「レナたんが戻ってくるまで暇だな……そうだ!!ご飯でも作ってあげようよ!!」
「それはいいですね。あ、ですが食材の方が……」
「あ、そうだった。荷物は全部レナたんが預かってるんだったね」


旅を行う際はレナは空間魔法で余計な荷物は異空間に預けている。異空間に食材を預けて置けば腐る事もないため、食材の管理も彼に任せていた。これでは料理ができないとティナが困っていると、リンダは商人に食材が余っていないのかを尋ねる。


「申し訳ありませんが食材を分けてくれませんか?勿論、お金は払います」
「それは構いませんが、ここで料理をするのですか?」
「何か問題が?」
「いえ、その……この砂漠には少々厄介な魔物が住み着いております。別に危害を加えなければ何もしてこないのですが、女性の方は……」
「大丈夫です。魔物が現れても私が対処しましょう」
「リンダは凄く強いんだよ~」
「は、はあっ……そう言う事ならば用意しましょう」


商人達は二人の言葉を聞いて荷物の中から食材を分け与えようとすると、岩山で見張りを行っていた兵士が大声をあげる。


「や、やばい!!奴だ、奴が現れたぞ!!」
「えっ!?」
「ま、まさか!?」
「奴とは?まさかまた土鯨が……!?」


レナが不在の時に岩山に魔物が接近し、即座にリンダは戦闘態勢に入った。だが、岩山に迫るのは土鯨の類ではなく、全身が漆黒に覆われたミミズのような巨大な魔物だった。


「ギュルルルッ!!」
「あ~!?サンドワームさんだ!!」
「えっ……!?」
「あ、あれです!!先ほど話した魔物です!!」


商人達が心配していたのはサンドワームである事が判明し、基本的にはこの世界ではサンドワームは人間に対して滅多に危害を加える事はない。むしろ農家の間ではサンドワームは大地に栄養を与える存在として重宝され、大切に扱われている。

このアチチ砂漠にはサンドワームも生息していた事が判明し、魔物使いであるティナはサンドワームを見ても特に嫌悪感を抱かない。だが、リンダはサンドワームが現れたのを見て目を見開き、身体が震え始めた。


「ギュルルッ……」
「わあっ、こっち見てるよ。お腹空いてるのかな?」
「…………」
「あれ、リンダ?」


サンドワームは食材の香りに釣られて現れたのか岩山の上に立っているティナとリンダの元に顔を近づけ、それを見たリンダは立ち尽くしたまま動かない。不思議に思ったティナはリンダに視線を向けると、そこには立ったまま白目で気絶しているリンダの姿があった。



※この世界の大抵の女性はサンドワームを大の苦手としています。
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