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蛇足編
飛翔術
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『仕方ない、一旦帰るしかないかな……弁償代は高そうだな』
『レナさん、空を飛んでいけばいいんじゃないですか?』
『え?いきなり何を言い出してんの?』
アイリスの提案にレナは呆れるが、彼女は今のレナならば空を飛べるだけの魔法を身に着けている事を話す。
『風圧の魔法と風の精霊の力を組み合わせれば飛翔術という空を飛べる魔法が使えるはずです』
『飛翔術?』
『エルフでも難しい魔法ですが、今のレナさんならきっと大丈夫ですよ』
『どうかな……まあ、使い方を教えてくれる?』
飛翔術の発動方法を聞いたレナは試しに行うと、まずは風の精霊の力を借りて自分の周囲に風の膜を纏う。その状態から更に両手で風圧の魔法を発動させ、ジェット噴射の如き勢いで空を飛ぶ。何度か試した後、レナは覚悟を決めて空に跳び上がる。
『風よ!!』
精霊と自分の魔法の力を信じてレナは空を飛び、天高く浮上した。両手の風圧を利用しての移動は難しかったが、どうにか空を飛ぶ事はできた。
「うわっとと……本当に飛べた」
空中を移動しながらレナは自分が空を飛んでいる事に感動し、これまでも何度か空を飛ぶ事はあったが今回は自由に空を飛び回れる。今までは風圧の魔法で一時的に飛んでいたが、今の状態なら魔力が尽きるまで跳び続ける事ができた。
砂船の回収は後で行う事にしてレナは空を飛んで砂漠都市がある方向へ向かい、移動速度は100キロを軽く超えていた。本気を出せばもっと早く飛べそうだが、早ければ早いほどに操作が難しくなる。
「くぅうっ……これ、結構きついな。こんな方法を思いついた人はどんなにやばい人なんだ」
飛翔術はアイリスの話によれば人間が生み出した技術らしく、しかもその人物は精霊魔法の力も借りずに自力で自分の魔力だけで飛び上がっていたらしい。そんな真似はマリアにもできず、どれほどその人物が規格外なのかよくわかる。
両手で空を飛ぶのは難しく、せめて腕があと二つあれば自由に飛び回れるかもしれないが、現実に人間の腕が四本に増える事はない。だが、レナは跳んでいる最中に工夫を加えればもっと早く飛べる気がした。
「この魔法、ちゃんと身に付ければ役立ちそうなんだけどな……ん?何だあれ?」
移動中にレナは地上の方で大量の砂煙を舞い上がっている事に気が付き、どうやら地中を何か大きな物体が移動しているらしい。それに勘付いたレナは移動速度を落として様子を伺うと、現れたのはサンドワームだった。
「ギュルルルッ!!」
「うわっ!?なんだ!?」
砂丘の中から出現したのは全身が真っ黒のサンドワームであり、それを見てレナは最初はサンドワームの亜種かと思った。サンドワームは本来は人間を襲う魔物ではなく、むしろ大地に栄養を与える存在として農民からは慕われている。だが、砂漠に出現したサンドワームは普通の状態ではなかった。
「ゲボォッ!!」
「は、吐いた!?」
漆黒のサンドワームは口を大きく開くと何かを吐き出し、それを見たレナは驚く。サンドワームは吐き出したのはオリハルコンのように光り輝く水晶のような物であり、嘔吐を終えるとサンドワームは即座に砂の中に潜って逃げ出す。
「ギュルルルッ……!!」
「……な、何だったんだ?」
偶然なのかサンドワームはレナが見つけた隕石がある方向へ向けて移動し、それを見たレナは不思議に思いながらも地上へ向けて降り立つ。砂海に着地するわけにはいかず、ひとまずは氷塊の魔法で足場を作り出す。
円盤型の氷塊に乗り込んだレナはサンドワームが吐き出したオリハルコンと酷似した水晶の塊を確認し、身長に様子を伺う。何故だか嫌な予感がした彼は鏡刀に手を伸ばすと、足場にしていた氷塊がいきなり溶け始めた。
「うわっ!?な、何だ!?」
急に氷塊が勝手に溶け始めた事にレナは驚き、魔法で作られた氷は簡単には溶けはしない。砂漠の熱気だろうと魔法で造り出した氷は影響は受けないはずだが、何故か水晶の塊に近付いた途端に急速に溶け始めた。より正確に言えば溶けたというよりは縮小化し始めた。
「どうなってるんだ?これ……ちょっと試してみるか」
嫌な予感がしたレナは氷塊を近づけずに掌を構え、水晶の塊に目掛けて魔法を放つ。水晶の塊を傷つけないように威力を調整し、小さな風の刃を生み出す。
「風刃!!」
レナが繰り出した風刃は水晶の塊に向かい、衝突の寸前に風の刃は消散して消え去ってしまう。それを見たレナは驚き、先ほどの隕石と同じように魔法が無効化された。
「どうなってるんだこれ?まさか、さっきのサンドワーム……あの隕石を食べたのか!?」
サンドワームが吐き出した水晶の塊の正体はどうやらレノが乗り込んだ隕石の一部の可能性があり、大分前の話になるがレナは生まれて初めて出会ったサンドワームから受け取った結界石の事を思い出す。サンドワームの胃液は強力な酸性だが、魔石の類は溶かす事はできないのか餌をやったお礼に吐き出した結界石を貰った事がある。
サンドワームの体内にあった結界石は魔物に滅ぼされた村の物であり、偶然にもサンドワームはそれを食していた。もしかしたら先ほどのサンドワームが吐き出した水晶の塊は魔石と似たような材質なのかもしれず、先ほどのサンドワームは隕石を食した際に隕石の内部に秘められていた水晶の塊も飲み込んでいたのかもしれない。
※サンドワームの好物は土砂と鉱石だけで魔石の類は消化できません。だからレナと最初に遭遇したサンドワームも結界石を消化できませんでした。
『レナさん、空を飛んでいけばいいんじゃないですか?』
『え?いきなり何を言い出してんの?』
アイリスの提案にレナは呆れるが、彼女は今のレナならば空を飛べるだけの魔法を身に着けている事を話す。
『風圧の魔法と風の精霊の力を組み合わせれば飛翔術という空を飛べる魔法が使えるはずです』
『飛翔術?』
『エルフでも難しい魔法ですが、今のレナさんならきっと大丈夫ですよ』
『どうかな……まあ、使い方を教えてくれる?』
飛翔術の発動方法を聞いたレナは試しに行うと、まずは風の精霊の力を借りて自分の周囲に風の膜を纏う。その状態から更に両手で風圧の魔法を発動させ、ジェット噴射の如き勢いで空を飛ぶ。何度か試した後、レナは覚悟を決めて空に跳び上がる。
『風よ!!』
精霊と自分の魔法の力を信じてレナは空を飛び、天高く浮上した。両手の風圧を利用しての移動は難しかったが、どうにか空を飛ぶ事はできた。
「うわっとと……本当に飛べた」
空中を移動しながらレナは自分が空を飛んでいる事に感動し、これまでも何度か空を飛ぶ事はあったが今回は自由に空を飛び回れる。今までは風圧の魔法で一時的に飛んでいたが、今の状態なら魔力が尽きるまで跳び続ける事ができた。
砂船の回収は後で行う事にしてレナは空を飛んで砂漠都市がある方向へ向かい、移動速度は100キロを軽く超えていた。本気を出せばもっと早く飛べそうだが、早ければ早いほどに操作が難しくなる。
「くぅうっ……これ、結構きついな。こんな方法を思いついた人はどんなにやばい人なんだ」
飛翔術はアイリスの話によれば人間が生み出した技術らしく、しかもその人物は精霊魔法の力も借りずに自力で自分の魔力だけで飛び上がっていたらしい。そんな真似はマリアにもできず、どれほどその人物が規格外なのかよくわかる。
両手で空を飛ぶのは難しく、せめて腕があと二つあれば自由に飛び回れるかもしれないが、現実に人間の腕が四本に増える事はない。だが、レナは跳んでいる最中に工夫を加えればもっと早く飛べる気がした。
「この魔法、ちゃんと身に付ければ役立ちそうなんだけどな……ん?何だあれ?」
移動中にレナは地上の方で大量の砂煙を舞い上がっている事に気が付き、どうやら地中を何か大きな物体が移動しているらしい。それに勘付いたレナは移動速度を落として様子を伺うと、現れたのはサンドワームだった。
「ギュルルルッ!!」
「うわっ!?なんだ!?」
砂丘の中から出現したのは全身が真っ黒のサンドワームであり、それを見てレナは最初はサンドワームの亜種かと思った。サンドワームは本来は人間を襲う魔物ではなく、むしろ大地に栄養を与える存在として農民からは慕われている。だが、砂漠に出現したサンドワームは普通の状態ではなかった。
「ゲボォッ!!」
「は、吐いた!?」
漆黒のサンドワームは口を大きく開くと何かを吐き出し、それを見たレナは驚く。サンドワームは吐き出したのはオリハルコンのように光り輝く水晶のような物であり、嘔吐を終えるとサンドワームは即座に砂の中に潜って逃げ出す。
「ギュルルルッ……!!」
「……な、何だったんだ?」
偶然なのかサンドワームはレナが見つけた隕石がある方向へ向けて移動し、それを見たレナは不思議に思いながらも地上へ向けて降り立つ。砂海に着地するわけにはいかず、ひとまずは氷塊の魔法で足場を作り出す。
円盤型の氷塊に乗り込んだレナはサンドワームが吐き出したオリハルコンと酷似した水晶の塊を確認し、身長に様子を伺う。何故だか嫌な予感がした彼は鏡刀に手を伸ばすと、足場にしていた氷塊がいきなり溶け始めた。
「うわっ!?な、何だ!?」
急に氷塊が勝手に溶け始めた事にレナは驚き、魔法で作られた氷は簡単には溶けはしない。砂漠の熱気だろうと魔法で造り出した氷は影響は受けないはずだが、何故か水晶の塊に近付いた途端に急速に溶け始めた。より正確に言えば溶けたというよりは縮小化し始めた。
「どうなってるんだ?これ……ちょっと試してみるか」
嫌な予感がしたレナは氷塊を近づけずに掌を構え、水晶の塊に目掛けて魔法を放つ。水晶の塊を傷つけないように威力を調整し、小さな風の刃を生み出す。
「風刃!!」
レナが繰り出した風刃は水晶の塊に向かい、衝突の寸前に風の刃は消散して消え去ってしまう。それを見たレナは驚き、先ほどの隕石と同じように魔法が無効化された。
「どうなってるんだこれ?まさか、さっきのサンドワーム……あの隕石を食べたのか!?」
サンドワームが吐き出した水晶の塊の正体はどうやらレノが乗り込んだ隕石の一部の可能性があり、大分前の話になるがレナは生まれて初めて出会ったサンドワームから受け取った結界石の事を思い出す。サンドワームの胃液は強力な酸性だが、魔石の類は溶かす事はできないのか餌をやったお礼に吐き出した結界石を貰った事がある。
サンドワームの体内にあった結界石は魔物に滅ぼされた村の物であり、偶然にもサンドワームはそれを食していた。もしかしたら先ほどのサンドワームが吐き出した水晶の塊は魔石と似たような材質なのかもしれず、先ほどのサンドワームは隕石を食した際に隕石の内部に秘められていた水晶の塊も飲み込んでいたのかもしれない。
※サンドワームの好物は土砂と鉱石だけで魔石の類は消化できません。だからレナと最初に遭遇したサンドワームも結界石を消化できませんでした。
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