不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,943 / 2,091
蛇足編

ヨシテルの怒り

しおりを挟む
「さ、ささ、寒い……な、何するんだ!?」
「貴女が寒がりだって聞いたわ。これ以上に暴れるようなら私が氷漬けにするわよ」
「や、止めろよ……」
「ほう、貴女は前に会った事がありますね。確か闘技祭で……」


ヨシテルはハルナを取り押さえたシズネに視線を向け、彼女の胸元を凝視した。そして意味深な笑みを浮かべてシズネに告げる。


「ご安心ください。私は胸の大きさなど気にしません、まあ大きい方が好みですが時には小さいのも欲しい時が……」
「どうやらここで死にたいようね!!」
「落ち着けシズネ!!」


自分の胸をからかわれたと思ったシズネはヨシテルに雪月花を抜こうとするが、寸前でそれをレナが食い止めた。闘技祭の頃から変わらずヨシテルは強い女性が好きらしく、彼はリンダにも視線を向けた。


「おや、貴女も大会で見かけましたね。以前にお会いした時よりも美しくなられていますね」
「そ、そうですか?」
「どうやら恋をしたようですね。誰かに恋をした女性ほど美しくなられる」
「えっ!?そうなのリンダ!?誰に恋したの!?」
「な、何を言われるんですか!?」


リンダはヨシテルの言葉を聞いて顔を真っ赤にするが、彼女の横に立っているコトミンに気付いたヨシテルは興味深そうに視線を向ける。


「おおっ……これは中々の物をお持ちで」
「……何処を見てるの?」
「勿論、胸です」
「「ぷるるんっ(へ、変態だ!!)」」


隠すつもりもなくコトミンの胸を凝視するヨシテルにスラミンとヒトミンでさえも引いてしまい、流石に自分の嫁の胸を見て興奮されるのは気分が良くないレナは彼に注意しようとした。


「ちょっとあんた……人の嫁を変な目で見るなよ」
「嫁?この方は貴方の奥さんなのですか?」
「そう、レナは私のダーリン」
「何処で覚えたそんな言葉……」


ヨシテルはレナの言葉を聞いて驚くがコトミンは彼の腕に抱きつく。それを見たティナも反対側の腕に抱きつき、自分もレナの嫁である事を伝えた。


「私もレナたんのお嫁さんだよ~」
「……何ですと?」
「こほんっ……わ、私もレナの妻よ」
「第三婦人」
「うるさいわね!!その通りよ!!」
「……ば、馬鹿なっ」


恥ずかし気に自分もレナの妻である事をシズネが明かした途端、ヨシテルは驚愕の表情を浮かべた。彼がここまで驚く姿を他人に見せるのは初めてだった。


「あ、あり得ない……こんな小僧にこれほどの美女を三人も妻に……!?」
「え、あの……」
「何よこいつは……」
「こ、この人怖いよ~」
「……離れた方がいい」


レナに三人の妻が入る事を知った途端にヨシテルは激しく狼狽し、嫌な予感を抱いたレナ達は距離を取ろうとした。だが、ヨシテルは腰に差した刀に手を伸ばす。

ヨシテルが腰の刀を手にした瞬間、レナは殺気を感じ取って咄嗟に後ろに下がった。ヨシテルは剣聖のハヤテと同じく居合の達人でもあり、彼は目にも止まらぬ速度で刀を抜く。彼の刀は光を纏い、かつてゴウライの兜を切り裂いた事もあった。


「許さない!!」
「うわぁっ!?」
「わああっ!?」
「あうっ!?」
「な、何なのよあんた!?」


いきなり刀を抜いたヨシテルにレナはコトミンとティナを下がらせ、シズネは雪月花を抜いて構えた。ヨシテルは今までにないほどに興奮した様子でレナに刀を突き付け、殺気を滲ませながら怒鳴りつける。


「お前の様な小僧に三人の美女を妻にするなど許されるはずがない!!この私が断罪してやる!!」
「な、何を言って……」
「抜け!!抜かなければここで斬るまで!!」
「何を訳の分からない事を言ってるのよ!?」


ヨシテルの発言にレナ達はドン引きするが、彼は本気で戦うつもりなのか刀を抜いたまま構える。シズネは雪月花を構えてレナの前に立つが、ヨシテルが殺気を向けるのはレナだけであった。


「レナに手を出すなら許さないわよ!!」
「退いて下さい!!貴方の様な美しい方がそんなだらしのない男と結婚など私は許せません!!」
「あんたにそんな事を言われる筋合いはないわよ。だいたいあんたこそ何様のつもりよ?この国では偉いのかもしれないけど、私達はあんたなんかに遠慮なんてしないわよ」
「くっ……!!」


和国ではヨシテルは将軍として偉い立場にいるが、他国から訪れたレナ達は彼を敬う気持ちはない。そもそもレナもバルトロス王国の王族であり、ここでヨシテルが彼に手を出せば和国とバルトロス王国の関係に亀裂が生じる。


「あの、ヨシテルさん……俺達は急いでいるのでこれで失礼しますね」
「待ちなさい!!このまま行かせると思ってるんですか!?」
「ちょっと、邪魔しないでよ!!」


レナ達が立ち去ろうとするとヨシテルは慌てて立ちはだかり、面倒な人物に絡まれたと思ったレナはアイリスに相談するべきか悩んでいると、思いもよらぬ人物が声を掛けてきた。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。