不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

携帯電話型通信機

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「いきなり人に銃を撃つなよ!!」
「すいません、レナさんなら別に平気だと思ったので……」
「というかレナさんでも銃は避けられないんですね」
「いきなり撃たれたらいくらなんでも反応できねえよ!!」


戦闘中ならば銃弾を撃ち込まれようとレナは回避できるが、唐突に撃たれたのでとっさに反応できなかった。しかし、リーリスの作り出した魔銃の効果は証明された。


「この銃は使い道が色々とありそうですね。私が預かってもいいですか?」
「どうぞどうぞ、試作品ですので好きに使ってください」
「私はこれが欲しい」
「じゃあ、私はこれ~」
「この服……いい感じですね」


ホネミン以外の者も次々とリーリスが制作した装備品を手に取り、女性陣の場合は衣服の類を受け取る。リーリスが用意した衣装の中には特別な素材で造り出されているため見かけよりも性能は高く、また変わったデザインが多い。


「リンダのそれ、もしかして学生服?」
「これのことですか?」
「それは勇者が残した衣装です」
「なら私のは?」
「それはゴスロリですね」
「こっちは?」
「旧スク水です」
「だんだんと勇者のイメージが下がってきた……」


過去に召喚された勇者は色々な衣装をこの世界に広めており、中にはマニアックなデザインも多かった。だが、当の女性陣は気にったようで有難く衣装を受け取る。最後にシズネは気になった物を取り出す。


「この服は何なのかしら?見た事もない文字が書かれてるんだけど……」
「それは海ですね」
「ダサTシャツまであるのか」


シズネが興味を抱いたのは真っ白なTシャツにでかでかと「海」という文字だけが刻まれ、彼女は勇者の国の文字なので興味深そうに眺める。レナとしては文字を解読できるのでかなりダサく見えるが、この世界の住民からすれば見たこともない文字なので興味をそそるらしい。

皆が装備を選ぶ中でレナも自分が使いそうな装備を探していると、携帯電話のような機械を発見した。それを手に取るとリーリスが説明を行う。


「それは携帯側の通信機器です。通信機能と録音機能と動画を撮影できます」
「マジの携帯電話か」
「近いうちにアプリも追加する予定です」
「これは便利ですよ。でも使いこなせるのは私とレナさんぐらいですね」


携帯電話型の通信機器というややこしい機械だが、これを持てばいつでもリーリスと連絡を取ることができた。ホネミンは既に持参しているらしく、自分の分の通信機を取り出す。


「レナさんも持っておけばいいじゃないですか。これさえあればどこでも連絡を取り合えますよ」
「なるほど、じゃあ一応は貰っておくか」
「どうぞどうぞ、その内に新しい機種を用意しますので」
「期待してるよ」


通信機を手に入れたレナはこれでいつでもどこでもリーリスと連絡を取れるようになり、ひとまずは装備に関しては今まで通りで十分だった。いくら機能が優秀でも使い慣れた装備が一番であり、他の者も衣装だけを受け取る。


「また新しいのを作ったら連絡するのでいつでも取りに来てください」
「気軽に言うけどここまで移動するの大変なんだけど……」
「大丈夫です。近いうちに転移装置を製作予定なのでそれを使えば一瞬で移動できますよ」
「転移装置!?それって勇者の遺跡にある装置と同じ奴ですか?」
「その通りです。皆さんが勇者の遺跡から部品を調達してくれたので転移装置を作れそうです」
「そういえばそんなこともしてたな……」
「あれは大変でしたね」


これまでにレナとホネミンは勇者が作り出した遺跡に訪れた際、色々な装置の部品を調達してはリーリスの元に送っていた。そのお陰で現在は塔の大迷宮の設備も充実しているらしく、近いうちに新しい転移装置を開発する予定だった。転移装置が完成すれば塔の大迷宮まで一瞬で転移できるようになり、わざわざ階層を移動する必要はなくなる。


「転移装置の完成まで半年ぐらいは掛かりますね。もっと部品があれば短縮できるんですが……」
「それならこれからも勇者の遺跡を見つけたら使えそうな部品を回収しますよ。通信機を使えばリーリスさんと連絡を取れますし、必要な部品も教えてもらえればレナさん一人でも大丈夫ですよね」
「まあ、いいけど」
「それは助かりますね。ではお願いしま……なんですか!?」
「うわっ!?急にどうした!?」


いきなり叫び声をあげたリーリスにレナは驚くが、彼女は耳元に手を押し当てて鬼気迫る表情を浮かべる。今までにないほど真剣な表情を浮かべるリーリスにレナ達は戸惑うが、彼女は驚くべき言葉を伝えた。


「これは……この階層に誰かが入り込みました!!」
「えっ!?」
「冒険者がここまで来たというの?」
「分かりません!!今から映像を出します!!」


第五階層にはレナ達を除けば数百年は人が立ち寄った事はない。それにも関わらずに誰かが第五階層に到達したらしく、急いでリーリスはドローンを利用して第五階層の侵入者の映像を出す。
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