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蛇足編
閑話 《入団希望者》
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――レナの騎士団の入団試験が開始される日、王国で新たな騎士団が結成されると聞いて世界中の武芸者が集まった。闘技祭で優勝したことと炎龍討伐の一件でレナの知名度は一気に高まり、数多くの武芸者の興味を引いた。
「ここが旦那様の家か!?す、凄く大きな!?山よりも大きいんじゃないのか!?」
「姉上、これは家じゃなくて城という建物らしい」
「な、何だあいつら!?なんて格好をしてやがる!?」
「どっちも可愛いけど……何だか近寄りがたいな」
王城の前にはアンジュとサーシャの姿があり、彼女達は色々と合ってしばらくは王国を離れていたがようやく戻ってきた。二人は最近まではヨツバ王国に滞在しており、西聖将の里にいるダークエルフと交流を深めていた。
二人の先祖はヨツバ王国から離れた部族だったが、レナのお陰でこれからはヨツバ王国と協力して生きていくことを約束する。彼女達の部族だけではなく、ミノタウロス族や竜人族とも同盟関係を結んで現在は良好な関係を築いている。
「この城とやらも旦那様の物か?流石は旦那様だな!!」
「いや、違うぞ。この城の主は旦那様のお姉さんの物らしい」
「なんと!?旦那様に姉が居たのか!?」
「姉上、一応前に会ってるぞ……」
アンジュはレナの姉のナオの存在をすっかり忘れていたが、何度か顔を合わせたことはあった。ゆっくりと話す機会はなかったが二人がここへ訪れた理由はレナと会うためである。
「ここに旦那様がいるんだな?なら早く会いに行くぞ!!」
「いや、旦那様はここには住んでいない。冒険都市とかいう場所に家があると言っていた」
「何!?それじゃあ私達はなんでここへ来た!?」
「噂によると旦那様を守る騎士団ができるらしい」
「きしだん……?」
アンジュは騎士団と聞いても意味は分からなかったが、妹のサーシャの方は大陸の常識を勉強中であり、ここへ訪れた理由を明かす。
「騎士団というのは護衛の部隊みたいなものだ。どうやら今から旦那様の護衛を決める試験があるらしい」
「旦那様を守るための部隊ということか!?」
「そう。私達はそれに受かれば護衛として旦那様を支えられる」
「むむむ……それはいいな!!夫を守るのは女房の役目だからな!!」
話を聞いたアンジュは満足そうに頷き、彼女達の常識では嫁とは夫を支えるだけではなく、どんな危険からも夫を守るのが妻の役目だと教わってきた。二人の部族は昔から女性が男性よりも強い立場であるため、そのような教え方になってしまうのは仕方ない。
騎士団の募集の話を聞いてサーシャはアンジュを連れて王都へやってきた。ヨツバ王国でもレナの騎士団が結成されるという噂は届いており、急いで二人は王都へ駆けつけた。
「それにしてもこんなに数が多いのか!?いったい何人いるんだ!?」
「流石は旦那様、凄い人気……でも騎士団に入るには私達だけでいい」
「そうだな、こいつらを全員ぶっ飛ばせば手間が省けるな!!」
「おい、何だか物騒な事を言い出したぞ!?」
「や、やる気かお前等!?」
「こっちに来るなよ!!」
二人の会話が聞こえた他の参加者は警戒するように武器を構えるが、そんな彼等を見てアンジュとサーシャは各々の武器を取り出そうとした。だが、そんな二人の前に思わぬ人物が立ちはだかる。
「そこまでですよ。試験開始前に騒ぎを起こしたら失格になりますよ」
「何!?そ、そうなのか?」
「……誰?」
今にも参加者に襲い掛かりそうな二人を止めたのはアンジュとサーシャの知らぬ顔であり、一目見ただけで彼女達は違和感を抱く。何故か目の前の女性からは生きている人間とは思えない変わった気配を感じた。
(何だこの女……人間じゃない!?)
(……この変な感じ、魔人族とも違う!?)
二人の前に現れた女性は異様な気配を放ち、アンジュとサーシャは背筋が凍り付く。二人の優れた武人の本能が目の前の女性の危険性を知らせる。一方で女性の方は二人に対して笑みを浮かべた。
「貴女達のことはよく知ってますよ。レナさんやホネミンさんから話を聞いています」
「何だって!?」
「旦那様を知ってるの!?」
「ええ、だって私はレナさんの友達ですからね」
レナの友人を自称する女性にアンジュとサーシャは顔を見合わせ、とりあえずは警戒を解いて武器を下ろす。それを見た他の参加者は安堵するが、その中で二人を止めた人物の顔を見て驚愕の声を上げた。
「あ、あの女の人……見た事あるぞ!!」
「確か闘技祭にも出場していた人じゃないか!?」
「思い出したぞ!!あの剣聖を倒した女剣士か!?」
「おっと、どうやら気付かれたようですね。では私はこれで失礼します」
「あ、待て!?」
「……誰だったんだ?」
一足先に王城に向かう女性の後ろ姿をアンジュとサーシャは見送ることしかできなかった――
※兵士「いや、まだ試験開始前なので勝手に入らないで下さい」(´д`)
謎の女性「(´・ω・)ア、ハイ」
「ここが旦那様の家か!?す、凄く大きな!?山よりも大きいんじゃないのか!?」
「姉上、これは家じゃなくて城という建物らしい」
「な、何だあいつら!?なんて格好をしてやがる!?」
「どっちも可愛いけど……何だか近寄りがたいな」
王城の前にはアンジュとサーシャの姿があり、彼女達は色々と合ってしばらくは王国を離れていたがようやく戻ってきた。二人は最近まではヨツバ王国に滞在しており、西聖将の里にいるダークエルフと交流を深めていた。
二人の先祖はヨツバ王国から離れた部族だったが、レナのお陰でこれからはヨツバ王国と協力して生きていくことを約束する。彼女達の部族だけではなく、ミノタウロス族や竜人族とも同盟関係を結んで現在は良好な関係を築いている。
「この城とやらも旦那様の物か?流石は旦那様だな!!」
「いや、違うぞ。この城の主は旦那様のお姉さんの物らしい」
「なんと!?旦那様に姉が居たのか!?」
「姉上、一応前に会ってるぞ……」
アンジュはレナの姉のナオの存在をすっかり忘れていたが、何度か顔を合わせたことはあった。ゆっくりと話す機会はなかったが二人がここへ訪れた理由はレナと会うためである。
「ここに旦那様がいるんだな?なら早く会いに行くぞ!!」
「いや、旦那様はここには住んでいない。冒険都市とかいう場所に家があると言っていた」
「何!?それじゃあ私達はなんでここへ来た!?」
「噂によると旦那様を守る騎士団ができるらしい」
「きしだん……?」
アンジュは騎士団と聞いても意味は分からなかったが、妹のサーシャの方は大陸の常識を勉強中であり、ここへ訪れた理由を明かす。
「騎士団というのは護衛の部隊みたいなものだ。どうやら今から旦那様の護衛を決める試験があるらしい」
「旦那様を守るための部隊ということか!?」
「そう。私達はそれに受かれば護衛として旦那様を支えられる」
「むむむ……それはいいな!!夫を守るのは女房の役目だからな!!」
話を聞いたアンジュは満足そうに頷き、彼女達の常識では嫁とは夫を支えるだけではなく、どんな危険からも夫を守るのが妻の役目だと教わってきた。二人の部族は昔から女性が男性よりも強い立場であるため、そのような教え方になってしまうのは仕方ない。
騎士団の募集の話を聞いてサーシャはアンジュを連れて王都へやってきた。ヨツバ王国でもレナの騎士団が結成されるという噂は届いており、急いで二人は王都へ駆けつけた。
「それにしてもこんなに数が多いのか!?いったい何人いるんだ!?」
「流石は旦那様、凄い人気……でも騎士団に入るには私達だけでいい」
「そうだな、こいつらを全員ぶっ飛ばせば手間が省けるな!!」
「おい、何だか物騒な事を言い出したぞ!?」
「や、やる気かお前等!?」
「こっちに来るなよ!!」
二人の会話が聞こえた他の参加者は警戒するように武器を構えるが、そんな彼等を見てアンジュとサーシャは各々の武器を取り出そうとした。だが、そんな二人の前に思わぬ人物が立ちはだかる。
「そこまでですよ。試験開始前に騒ぎを起こしたら失格になりますよ」
「何!?そ、そうなのか?」
「……誰?」
今にも参加者に襲い掛かりそうな二人を止めたのはアンジュとサーシャの知らぬ顔であり、一目見ただけで彼女達は違和感を抱く。何故か目の前の女性からは生きている人間とは思えない変わった気配を感じた。
(何だこの女……人間じゃない!?)
(……この変な感じ、魔人族とも違う!?)
二人の前に現れた女性は異様な気配を放ち、アンジュとサーシャは背筋が凍り付く。二人の優れた武人の本能が目の前の女性の危険性を知らせる。一方で女性の方は二人に対して笑みを浮かべた。
「貴女達のことはよく知ってますよ。レナさんやホネミンさんから話を聞いています」
「何だって!?」
「旦那様を知ってるの!?」
「ええ、だって私はレナさんの友達ですからね」
レナの友人を自称する女性にアンジュとサーシャは顔を見合わせ、とりあえずは警戒を解いて武器を下ろす。それを見た他の参加者は安堵するが、その中で二人を止めた人物の顔を見て驚愕の声を上げた。
「あ、あの女の人……見た事あるぞ!!」
「確か闘技祭にも出場していた人じゃないか!?」
「思い出したぞ!!あの剣聖を倒した女剣士か!?」
「おっと、どうやら気付かれたようですね。では私はこれで失礼します」
「あ、待て!?」
「……誰だったんだ?」
一足先に王城に向かう女性の後ろ姿をアンジュとサーシャは見送ることしかできなかった――
※兵士「いや、まだ試験開始前なので勝手に入らないで下さい」(´д`)
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