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蛇足編
入団試験
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「それよりもナオちゃん、私にいい考えがあるのだけど聞いてくれるかしら?」
「な、なんでしょうか?」
「レナの騎士団の入団試験の内容なんだけど……」
アイラの告げた言葉にナオとバルは驚愕の表情を浮かべた――
――数日後、遂に新しい騎士団の入団試験が開始された。試験の内容は最初に体力を計る試験が行われて試験官はバルが務めた。彼女は王城の周りを鎧を身に付けさせた状態で入団希望者を走らせる。
「おらおら!!ちんたら走ってるんじゃないよ!!もたもた走ってると失格にするよ!!」
「ひ、ひいいっ!?」
「はあっ、はあっ……」
「も、もう無理だ……おええっ!?」
鎧を装着した状態での走り込みは肉体に大きな負荷を与え、体力がない者から耐え切れずに途中で倒れたり嘔吐した。そんな者達に対してバルは容赦なく怒鳴りつける。
「この程度の走り込みで倒れるような奴は要らないんだよ!!とっとと帰りな!!」
「く、くそっ……ふざけるんじゃねえっ!!こんなことをしなくても俺は十分に強いんだよ!!」
「そうだそうだ!!」
「こんな試験で何が分かるってんだ!?」
試験に脱落した者の中にはバルに逆らう者もいたが、そんな輩に対して彼女は鼻で笑う。この程度の試験を乗り越えられない辞典で彼等には見込みがなかった。
「文句があるならあたしが相手をしてやるよ。もしも傷一つ付けたら合格にしてやってもいいよ!!」
「調子に乗りやがって……やるぞお前等!!」
「おうっ!!」
「後悔してももう遅いからな!!」
脱落者はバルに突っかかろうとしたが彼等は試験の前に武器の類は没収されており、重たい鎧しか身に着けていない。中には武器を使わない格闘家などの職業の人間も含まれたが、試験も合格できない生半可な実力しか持たない人間がバルに勝てる道理はなかった。
「撃剣!!」
『ぎゃああああっ!?』
自分に歯向かう者達をバルは大剣の一撃で吹き飛ばし、それを見ていた他の脱落者は早々に逃げ去った――
――体力試験を合格したのは希望者の半分程度であり、予定よりも大分数が減った。次に彼等が浮ける試験は剣聖との戦闘訓練だった。団長に就任予定のジャンヌと副団長に就く予定のミナも試験官として参加し、他にもバルを初めに腕利きの剣士も揃う。
「くそっ、何で俺までこんなことを……」
「文句を言うなよ、マリアさんの命令は断れないだろ」
「二人ともありがとね、わざわざ来てくれて……」
試験官の中にはガロとモリモの姿もあり、二人はマリアの頼みで試験に協力してくれた。ガロは不本意ながら力を貸し、本音を言えばミナがレナの騎士団に入ることは反対なのだが彼女の意思が固いと知って仕方なく協力する。
二人の他にもシュンやロウガの姿もあり、手の空いている剣聖は駆り出されていた。ゴウライは大迷宮に出向いているので呼び出されていないが、仮にゴウライが参加すると試験に参加した人間全員を潰してしまいそうなのでどっちにしても彼女は呼び出されなかった可能性が高い。
「ロウガのおっさん、まだ坊主のことを認めてないのかよ」
「おっさんと呼ぶな!!お前の方が年上だろうが!!」
「まあまあ、御二人とも落ち着いて……」
「おおっ……す、すげえ、あれが剣聖か」
「まさか剣聖と戦える日が来るなんて……」
剣聖の称号を持つシュン、ロウガ、ジャンヌを前にして入団希望者の間に緊張が走り、剣聖と直に戦える機会など滅多にない。しかも剣聖以外にも集まった人間の中には腕利きの冒険者も多く、その中でも仮面を被った女性冒険者が注目を浴びていた。
「なあ、あの女冒険者……きわどい恰好をしていないか?」
「うわ、本当だ!?あれってビキニアーマーか?」
「今どきにあんなのを付けて戦う奴がいるなんて……でもいい身体をしてるな、へへっ」
「…………」
試験官の中にはビキニアーマーを装着した仮面の女剣士も参加しており、彼女を見て男性の入団希望者は鼻を伸ばす。一方で他の試験官はあからさまに女剣士と距離を取り、特にバルは視線も合わせないようにそっぽを向く。
「ねえ、ジャンヌさん……あの人ってもしかしてレナ君の」
「しっ!!それ以上は駄目です!!」
「おい、誰だあの女?何処かで見たことがあるような……」
「あれ?そういえば闘技祭の時に見かけたような……」
「いいから試験に集中しな!!」
ガロとモリモが女剣士の正体に気付きかけるとバルが叱咤した。女剣士の正体は決して誰にも知られてはならず、早々に実技試験を開始する様に促す。実技試験の内容は体力試験に合格した者達との戦闘訓練だった。
先の試験で入団希望者の多くは体力を使い果たしているが、そんな状況で万全の体力の試験官と戦わされるのは明らかに不利だった。しかし、実戦では常に万全の状態で戦えるわけではなく、どんな状況でも戦えるかどうかを見極めるために敢えて不利な状態で戦闘を強いる。そのために最初に体力試験で入団希望者の体力を奪ってから試験を実行した。
「な、なんでしょうか?」
「レナの騎士団の入団試験の内容なんだけど……」
アイラの告げた言葉にナオとバルは驚愕の表情を浮かべた――
――数日後、遂に新しい騎士団の入団試験が開始された。試験の内容は最初に体力を計る試験が行われて試験官はバルが務めた。彼女は王城の周りを鎧を身に付けさせた状態で入団希望者を走らせる。
「おらおら!!ちんたら走ってるんじゃないよ!!もたもた走ってると失格にするよ!!」
「ひ、ひいいっ!?」
「はあっ、はあっ……」
「も、もう無理だ……おええっ!?」
鎧を装着した状態での走り込みは肉体に大きな負荷を与え、体力がない者から耐え切れずに途中で倒れたり嘔吐した。そんな者達に対してバルは容赦なく怒鳴りつける。
「この程度の走り込みで倒れるような奴は要らないんだよ!!とっとと帰りな!!」
「く、くそっ……ふざけるんじゃねえっ!!こんなことをしなくても俺は十分に強いんだよ!!」
「そうだそうだ!!」
「こんな試験で何が分かるってんだ!?」
試験に脱落した者の中にはバルに逆らう者もいたが、そんな輩に対して彼女は鼻で笑う。この程度の試験を乗り越えられない辞典で彼等には見込みがなかった。
「文句があるならあたしが相手をしてやるよ。もしも傷一つ付けたら合格にしてやってもいいよ!!」
「調子に乗りやがって……やるぞお前等!!」
「おうっ!!」
「後悔してももう遅いからな!!」
脱落者はバルに突っかかろうとしたが彼等は試験の前に武器の類は没収されており、重たい鎧しか身に着けていない。中には武器を使わない格闘家などの職業の人間も含まれたが、試験も合格できない生半可な実力しか持たない人間がバルに勝てる道理はなかった。
「撃剣!!」
『ぎゃああああっ!?』
自分に歯向かう者達をバルは大剣の一撃で吹き飛ばし、それを見ていた他の脱落者は早々に逃げ去った――
――体力試験を合格したのは希望者の半分程度であり、予定よりも大分数が減った。次に彼等が浮ける試験は剣聖との戦闘訓練だった。団長に就任予定のジャンヌと副団長に就く予定のミナも試験官として参加し、他にもバルを初めに腕利きの剣士も揃う。
「くそっ、何で俺までこんなことを……」
「文句を言うなよ、マリアさんの命令は断れないだろ」
「二人ともありがとね、わざわざ来てくれて……」
試験官の中にはガロとモリモの姿もあり、二人はマリアの頼みで試験に協力してくれた。ガロは不本意ながら力を貸し、本音を言えばミナがレナの騎士団に入ることは反対なのだが彼女の意思が固いと知って仕方なく協力する。
二人の他にもシュンやロウガの姿もあり、手の空いている剣聖は駆り出されていた。ゴウライは大迷宮に出向いているので呼び出されていないが、仮にゴウライが参加すると試験に参加した人間全員を潰してしまいそうなのでどっちにしても彼女は呼び出されなかった可能性が高い。
「ロウガのおっさん、まだ坊主のことを認めてないのかよ」
「おっさんと呼ぶな!!お前の方が年上だろうが!!」
「まあまあ、御二人とも落ち着いて……」
「おおっ……す、すげえ、あれが剣聖か」
「まさか剣聖と戦える日が来るなんて……」
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「なあ、あの女冒険者……きわどい恰好をしていないか?」
「うわ、本当だ!?あれってビキニアーマーか?」
「今どきにあんなのを付けて戦う奴がいるなんて……でもいい身体をしてるな、へへっ」
「…………」
試験官の中にはビキニアーマーを装着した仮面の女剣士も参加しており、彼女を見て男性の入団希望者は鼻を伸ばす。一方で他の試験官はあからさまに女剣士と距離を取り、特にバルは視線も合わせないようにそっぽを向く。
「ねえ、ジャンヌさん……あの人ってもしかしてレナ君の」
「しっ!!それ以上は駄目です!!」
「おい、誰だあの女?何処かで見たことがあるような……」
「あれ?そういえば闘技祭の時に見かけたような……」
「いいから試験に集中しな!!」
ガロとモリモが女剣士の正体に気付きかけるとバルが叱咤した。女剣士の正体は決して誰にも知られてはならず、早々に実技試験を開始する様に促す。実技試験の内容は体力試験に合格した者達との戦闘訓練だった。
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