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蛇足編
吸血鬼を越えた化物
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「死ねぇええっ!!」
「がはぁっ!?」
ミヤの胸元に十字架型の短剣が突き刺さり、彼女は口元から血を吐き出す。男はそんなミヤに大して笑みを浮かべ、握りしめた短剣を更に深く突き刺す。
「ひ、ひひっ……油断したな、俺達が何時までもお前みたいな婆に従っていると思ったか!?」
「あんた……ぐふっ!?」
「てめえの正体は吸血鬼だってことは分かってるんだ。なら、いくらでも対抗策はあるんだよ!!」
ミヤの部下達は彼女の正体を知っており、死霊石を埋め込まれて強制的に従えさせられているに過ぎない。本来であれば自分に逆らえないはずの男が短剣を突き刺してきたことにミヤは戸惑う。
「こんな馬鹿な……!?」
「ふふっ……俺を甘く見たな。俺だってあんたから死霊術を学んだんだぜ?」
男の正体は死霊魔術師であり、実は彼だけはミヤから直々に死霊術の手ほどきを受けていた。ミヤとしては男の能力を磨いておけば戦力になると考えた上で術を教えていただけに過ぎないが、男は死霊術を磨くことでミヤの対抗策を手にしていた。
体内に埋め込まれた死霊石はミヤの術で瘴気を生み出して肉体を蝕む。しかし、死霊魔術師は闇属性の耐性を持っているため、死霊石に侵されるまでは時間が掛かる。それを利用して男は死霊石に殺される前にミヤに止めを刺す。
「こいつはお前を殺すために作り出した魔道具だ。どうだ?苦しくなってきただろう!?」
「がはぁっ!?」
十字架型の短剣の正体は神器を参考にして作り出された魔道具であり、この短剣が突き刺さると内部に蓄積された聖属性の魔力が流れ込む。普通の生物には大した効果は与えられないが、闇属性の魔力の使い手にして吸血鬼であるミヤには大きな効果をもたらす。
「吸血鬼は普通の人間よりも魔力が多いそうだな!!なら、相反する魔力を送り込めばそれだけ苦しむわけだ!!」
「があああっ!?」
十字架型の短剣から一気に魔力が流れ込み、ミヤは苦痛の表情を浮かべながら車椅子から転げ落ちた。吸血鬼である彼女は人間だった頃よりも魔力量が増えており、そのせいで闇属性とは相反する聖属性の魔力を流し込まれれば地獄の苦しみを味わう。
相反する魔力同士が交じり合えば拒否反応を引き起こし、今のミヤの肉体は二つの魔力が暴走して身体の身体が膨らみ始めた。このままでは肉体が崩壊してしまい、それを避けるためにミヤは男に命乞いした。
「ま、待て……止めろ、早くこれを抜いて……頼むから」
「うるさい!!死んでいった仲間の仇だ……醜く死ねぇええっ!!」
「ぐはぁあああっ!?」
男は短剣を心臓に突き刺す勢いで深く押し込むと、ミヤは目を見開いて口元から大量の血を吐き出す。この際に身体の膨らんでいたからだが徐々にしぼみ始め、それを見て男はミヤが死んだと判断した。
「や、やった……死んだ、死んだぞ!!ひゃはははっ!!」
男は狂ったように笑い声をあげ、ミヤが死んだのだと確信した。彼女が死んだからこそ肉体の膨張は収まったかと思ったが、ここで男はミヤの吐き出した血が床に染みついていることに気が付く。不自然なことにミヤの吐き出した血液は真っ黒に染まっていた。
「な、何だこれは……まさか!?黒血!?」
ミヤが大量に吐き出した血液の正体が黒血だと気付いた男は顔色を変え、慌てて彼女に突き刺した短剣から魔力を流し込もうとした。だが、既に短剣に内蔵された魔力は使い切っており、男の腕を死んだはずのミヤの腕が掴む。
「今のは死ぬかと思ったよ……」
「ひいっ!?ば、馬鹿なっ!?何故生きている!?」
「私が死霊魔術師だったら死んでいたかもね……だが、私は呪術師だと忘れてないかい?」
「まさか……!?」
死霊魔術師の男はミヤの言葉を聞いて恐怖の表情を浮かべ、ミヤは肉体が崩壊する寸前に黒血を吐き出した。黒血を生み出せるのは呪術師だけであり、彼女はあえて自分の血液に闇属性の魔力を含ませた状態で黒血を吐き出す。
闇属性の魔力を肉体に帯びた状態では流石のミヤも助からなかった。だが、彼女は吸血鬼の能力を利用して自分の血液を操作し、そこから呪術師の能力を生かして自分の血液に闇属性の魔力を溶け込ませる。これらを利用してミヤは一時的に自分の体内の膨大な闇属性の魔力を放出した。
「私が吸血鬼でなければ今ので死んでいたよ……よくもやってくれたね、この恩知らずがっ!!」
「ぎゃあああっ!?」
男にミヤは掌を伸ばしただけで体内に埋め込まれた死霊石が反応し、男の全身から闇属性の魔力が噴き出す。いくら死霊魔術師が闇属性の魔力に耐性があっても耐え切れず、男は苦しみもがく。
「ば、馬鹿な……何故、生きていられる……聖属性の魔力は……!?」
「私が聖属性の魔力の対策をしていないと思ったのかい?私の肉体には吸魔石という特別な魔石を何個か内蔵しているんだよ。普段はそいつに闇属性の魔力を封じているんだけどね、お前のせいで一つ台無しになったよ」
「そ、そんな……」
ミヤは体内に吸魔石なる魔石を封じ込め、それらに闇属性の魔力を温存していることで通常以上の魔力を引き出せた。しかし、男に聖属性の魔力を流し込まれた際に彼女は吸魔石の一つを犠牲にして聖属性の魔力を封じ込める。これで聖属性の魔力が封じ込めた吸魔石はミヤには使い物にならなくなったが、お陰で生き延びることはできた。
「がはぁっ!?」
ミヤの胸元に十字架型の短剣が突き刺さり、彼女は口元から血を吐き出す。男はそんなミヤに大して笑みを浮かべ、握りしめた短剣を更に深く突き刺す。
「ひ、ひひっ……油断したな、俺達が何時までもお前みたいな婆に従っていると思ったか!?」
「あんた……ぐふっ!?」
「てめえの正体は吸血鬼だってことは分かってるんだ。なら、いくらでも対抗策はあるんだよ!!」
ミヤの部下達は彼女の正体を知っており、死霊石を埋め込まれて強制的に従えさせられているに過ぎない。本来であれば自分に逆らえないはずの男が短剣を突き刺してきたことにミヤは戸惑う。
「こんな馬鹿な……!?」
「ふふっ……俺を甘く見たな。俺だってあんたから死霊術を学んだんだぜ?」
男の正体は死霊魔術師であり、実は彼だけはミヤから直々に死霊術の手ほどきを受けていた。ミヤとしては男の能力を磨いておけば戦力になると考えた上で術を教えていただけに過ぎないが、男は死霊術を磨くことでミヤの対抗策を手にしていた。
体内に埋め込まれた死霊石はミヤの術で瘴気を生み出して肉体を蝕む。しかし、死霊魔術師は闇属性の耐性を持っているため、死霊石に侵されるまでは時間が掛かる。それを利用して男は死霊石に殺される前にミヤに止めを刺す。
「こいつはお前を殺すために作り出した魔道具だ。どうだ?苦しくなってきただろう!?」
「がはぁっ!?」
十字架型の短剣の正体は神器を参考にして作り出された魔道具であり、この短剣が突き刺さると内部に蓄積された聖属性の魔力が流れ込む。普通の生物には大した効果は与えられないが、闇属性の魔力の使い手にして吸血鬼であるミヤには大きな効果をもたらす。
「吸血鬼は普通の人間よりも魔力が多いそうだな!!なら、相反する魔力を送り込めばそれだけ苦しむわけだ!!」
「があああっ!?」
十字架型の短剣から一気に魔力が流れ込み、ミヤは苦痛の表情を浮かべながら車椅子から転げ落ちた。吸血鬼である彼女は人間だった頃よりも魔力量が増えており、そのせいで闇属性とは相反する聖属性の魔力を流し込まれれば地獄の苦しみを味わう。
相反する魔力同士が交じり合えば拒否反応を引き起こし、今のミヤの肉体は二つの魔力が暴走して身体の身体が膨らみ始めた。このままでは肉体が崩壊してしまい、それを避けるためにミヤは男に命乞いした。
「ま、待て……止めろ、早くこれを抜いて……頼むから」
「うるさい!!死んでいった仲間の仇だ……醜く死ねぇええっ!!」
「ぐはぁあああっ!?」
男は短剣を心臓に突き刺す勢いで深く押し込むと、ミヤは目を見開いて口元から大量の血を吐き出す。この際に身体の膨らんでいたからだが徐々にしぼみ始め、それを見て男はミヤが死んだと判断した。
「や、やった……死んだ、死んだぞ!!ひゃはははっ!!」
男は狂ったように笑い声をあげ、ミヤが死んだのだと確信した。彼女が死んだからこそ肉体の膨張は収まったかと思ったが、ここで男はミヤの吐き出した血が床に染みついていることに気が付く。不自然なことにミヤの吐き出した血液は真っ黒に染まっていた。
「な、何だこれは……まさか!?黒血!?」
ミヤが大量に吐き出した血液の正体が黒血だと気付いた男は顔色を変え、慌てて彼女に突き刺した短剣から魔力を流し込もうとした。だが、既に短剣に内蔵された魔力は使い切っており、男の腕を死んだはずのミヤの腕が掴む。
「今のは死ぬかと思ったよ……」
「ひいっ!?ば、馬鹿なっ!?何故生きている!?」
「私が死霊魔術師だったら死んでいたかもね……だが、私は呪術師だと忘れてないかい?」
「まさか……!?」
死霊魔術師の男はミヤの言葉を聞いて恐怖の表情を浮かべ、ミヤは肉体が崩壊する寸前に黒血を吐き出した。黒血を生み出せるのは呪術師だけであり、彼女はあえて自分の血液に闇属性の魔力を含ませた状態で黒血を吐き出す。
闇属性の魔力を肉体に帯びた状態では流石のミヤも助からなかった。だが、彼女は吸血鬼の能力を利用して自分の血液を操作し、そこから呪術師の能力を生かして自分の血液に闇属性の魔力を溶け込ませる。これらを利用してミヤは一時的に自分の体内の膨大な闇属性の魔力を放出した。
「私が吸血鬼でなければ今ので死んでいたよ……よくもやってくれたね、この恩知らずがっ!!」
「ぎゃあああっ!?」
男にミヤは掌を伸ばしただけで体内に埋め込まれた死霊石が反応し、男の全身から闇属性の魔力が噴き出す。いくら死霊魔術師が闇属性の魔力に耐性があっても耐え切れず、男は苦しみもがく。
「ば、馬鹿な……何故、生きていられる……聖属性の魔力は……!?」
「私が聖属性の魔力の対策をしていないと思ったのかい?私の肉体には吸魔石という特別な魔石を何個か内蔵しているんだよ。普段はそいつに闇属性の魔力を封じているんだけどね、お前のせいで一つ台無しになったよ」
「そ、そんな……」
ミヤは体内に吸魔石なる魔石を封じ込め、それらに闇属性の魔力を温存していることで通常以上の魔力を引き出せた。しかし、男に聖属性の魔力を流し込まれた際に彼女は吸魔石の一つを犠牲にして聖属性の魔力を封じ込める。これで聖属性の魔力が封じ込めた吸魔石はミヤには使い物にならなくなったが、お陰で生き延びることはできた。
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