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最終章
第1039話 飛行船の修理
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――その後、隠れ里で陣地を築いていたロラン達も異変を察知して飛行船の方へ駆けつけた。飛行船の被害は予想以上に酷く、飛行船に同行していたハマーンの弟子達でも修理するのに時間が掛かる事を伝える。
「こいつは酷いな……とてもじゃないがこの状態で動かしたら船がぶっ壊れちまう」
「どうにかできないのか?」
「う~ん……一応、飛んでも問題ない程度に直すにも時間はかかる。そうだな、三日はかかるだろうな」
「三日か……」
「飛行船が飛べないという事は私達も戻る事はできませんからね」
飛行船が飛べるように修理するには最低でも三日はかかるらしく、その間は討伐隊は地上に残る事になる。これで討伐隊は牙竜との戦闘に敗れたとしても飛行船で退散するという手段は失われた。
「飛行船が直るまで牙竜の討伐を延期する事はできないのか?」
「無理だな。既にアンという魔物使いはこの場所に辿り着いているのは間違いない……真っ先に飛行船を襲ったのも俺達の退路を断つためだろう」
「くそっ……何処に隠れてるんだい!!」
飛行船を襲撃した黒蟷螂には鞭の紋様が刻まれ、その後に現れたブラックゴーレムも魔物使いのアンが送り込んだ事は確定していた。つまりはアンは既にムサシ地方へ到着しており、彼女の狙いが牙竜だとしたら最早一刻の猶予もない。
アンが牙竜を服従させ、牙山に封じられた妖刀を手にする前に討伐隊は何としても牙竜の討伐を果たさなければならない。しかし、また飛行船が襲われた場合に備えて戦力は残しておかなければならない。
「飛行船の防衛のため、戦力を分断するしかあるまい。聖女騎士団はアンの捜索を行うため、討伐隊からは除外しておく」
「悪いね……こっちも全力でアンの奴を探すのに集中するから、後の事はあんた等に任せるよ」
「ええ、お任せください!!」
「仮にアンが牙竜の元に居た場合、奴を捕まえて差し出す事を約束します」
テンは申し訳なさそうに牙竜討伐には参加できない事を伝えると、ドリスとリンは気にしないように告げる。聖女騎士団には飛行船の守護とアンの捜索を任せ、同行していた冒険者達もアンの捜索の指示を出す。
「君達は聖女騎士団と協力し、アンの捜索を手伝ってくれ」
「ちっ……牙竜とやらを見て見たかったがな」
「仕方ないだろう」
ガロとゴンザレスはこの場に残り、他にも何名かアンの捜索を手伝う。ちなみに試験に合格したのはガロとゴンザレスだが、他に参加した冒険者はギルド側から推薦した優秀な冒険者達である。
「こうしてみると結構冒険者も乗ってるんだね」
「うん、中には凄い人もいるんだよ。変わった武器を持っている人とかもいるし……」
「へえ、そうなんだ」
リーナの話を聞いてナイは集められた冒険者に視線を向け、確かに変わった武器を所有する冒険者も多くいた――
――部隊分けの会議が終わった結果、牙竜の討伐に参加するのは大将軍であるロラン、銀狼騎士団副団長のリン、黒狼騎士団副団長のドリス、そして黄金級冒険者の三人も参加は確定した。
白狼騎士団はナイが代表として参加し、ミイナとヒイロは飛行船の守護のために残る。二人は元々はアルト王子の護衛であり、ドゴンが負傷して戦えなくなったので二人が本来の役目であるアルトの護衛に戻る。
他にも各拠点の連絡役としてクノは残る事が決まり、聖女騎士団と冒険者は当初の予定通りに飛行船の守護とアンの捜索を行う。全員の準備が整うと、ロランは隠れ里に移動してシノビに牙山まで案内を任せる。
「牙山とやらに移動するまでどれほど時間が掛かる?」
「距離はそれほど離れていません。しかし、移動の際に谷を越える必要があります」
「何か問題があるのか?」
「この谷は見晴らしがよく、罠を仕掛けやすい場所です。もしもアンが待ち伏せしていた場合……」
「罠を張られる可能性がある、か……」
シノビの取り出した地図を確認したロランは考え込み、罠を張りやすい場所は警戒する必要があるが、ここでナイが思い出したように告げた。
「あの……罠が張られているかどうか、先に僕が確かめてきましょうか?」
「え、ナイ君が!?」
「それは助かるが……大丈夫か?」
「大丈夫です、僕も昔は山に住んで狩猟してたので山や森を移動するのは慣れてますし、罠が仕掛けられていてもすぐに気付けると思います。ビャクも一緒に連れて行けばアンが隠れていたとしても臭いで分かるかもしれませんし……」
「あの白狼種か……確かに心強いな。だが、一人で行かせるのは危険だ。誰か一緒について行ってくれるか?」
「あ、それなら……」
ロランの言葉にリーナが立候補しようとしたが、彼女よりも先に手を上げる者が居た。
「そういう事なら私も一緒に行きますよ」
「えっ!?」
「イリア魔導士が……か?」
意外な事にナイの同行を申し出たのはイリアだった。彼女は討伐隊に参加する予定はないはずだが、イリアはナイの偵察に同行を申し出た事に他の者は訝しむ。
「イリア魔導士の製薬技術は素晴らしいと思いますけど……」
「戦闘になった時に戦える自信はあるのか?」
「ちょっとちょっと、舐めないでください。確かに私はお世辞にも強いとは言えませんが、戦いの手段ぐらいは身に着けています」
「ほう……しかし、何故わざわざ偵察を買って出た?」
「この地域で採取できる素材を調べるためですよ。偵察がてらに色々と調べたいと思いましたからね、ですけど今回の遠征で連れてきた騎獣はナイさんのビャクちゃんだけじゃないですか」
「ビャクちゃん……?」
イリアが同行を申し出た理由はムサシ地方で採取できる素材(薬草等)を調べるためであり、この地域には王国でも比較的に珍しい植物が生えているらしく、それらを確かめるために彼女はナイが連れているビャクの力を借りたいらしい。
「白狼種のビャクちゃんと一緒なら魔物に襲われる心配もありませんし、色々な場所に行けそうですからね」
「それはそうかもしれませんけど、危険ですよ?」
「大丈夫ですって……というか、魔物を威圧できるナイさんと一緒の方がむしろ安全だと思いますけど?」
『…………』
何気なく告げたイリアの言葉に誰も言い返す事ができず、確かにこの状況下ならばナイの傍にいる方が安全かもしれない。仮に野生の魔物が現れてもナイと白狼種のビャクが傍にいれば襲われる可能性は皆無に等しい。
この森にどの程度の危険な魔物が生息しているのかははっきりとは判明していないが、少なくとも赤毛熊程度の魔物が現れたとしても今のナイならば威圧で追い払える。それにイリアも戦える自信はあるらしく、ちゃんと装備を整えてきたらしい。
「ナイさんの足を引っ張るような真似はしませんから、一緒に連れて行ってくださいよ~」
「う~ん……」
「大将軍、どうしますの?」
「うむ……イリア魔導士には薬の製造に集中して欲しいのだが」
「製造と言われても飛行船があんな状態だと私も薬作りに専念できないんですよ。私の医療室も被害を受けましたからね」
飛行船が攻撃を受けた際に彼女が薬作りの際に利用している医療室の方も被害を受けたらしく、薬の製造に必要な器具も壊れてしまった。そのため、現在のイリアは回復薬の製作ができず、仕方ないのでムサシ地方で手に入る素材の調査を行いたい事を正直に伝える。
「私の薬を作るのに必要な器具はアルトさんが治してくれているんですが、それまでの間は私も暇なんですよ。それだったらこの地方で手に入る素材を調べて、ついでに薬草とかも集めてくるのは悪い事じゃないでしょう?」
「一理ある……のか?」
「イリア魔導士、その言葉に嘘はないな?」
「ありませんよ。ていうか、嘘をついて私に何の得があるんですか。こっちだって医療室が壊されていなければ薬作りに集中してましたよ」
ロランの言葉にイリアが不貞腐れた様に告げると、ロランは再び考え込む。こう見えてもイリアは王国にとっては重要な人材であり、彼女の作り出す薬はどれも一級品で他の人間には真似できない。
イリアを失えば優れた効能を持つ回復薬を作り出せる人間はいなくなり、その場合は王国は大きな過失を受ける。そう考えると彼女をわざわざ危険な真似をさせるのは避けたいが、確かにナイの傍が安全な可能性もある。
「……分かった、同行を許可しよう。但し、あくまでも偵察が目的だ。素材の調査もほどほどにしてもらおう」
「分かりました。約束します」
「ロラン大将軍、どちらにしても俺が案内しなければ谷には辿り着けない、この命に代えても二人を守る事を誓おう」
偵察を行うには当然だが谷まで案内する人間が必要であり、案内役のシノビもナイ達に同行する。偵察はこの三人が行う事が決まり、これ以上に人数を増やすと移動の際に不都合が生じるかもしれず、三人に偵察を任せてロランは他の者には何時でも出発できるように準備を命じた。
「では3人が戻り、報告が終了次第に我々も動くぞ。それまでの間、各自準備を整えておけ」
「「「はっ!!」」」
ロランの指示に王国騎士と冒険者達は従い、ナイはシノビとイリアと共にビャクを連れて牙山に通るまでに存在する谷へ向かう――
――同時刻、ナイ達が向かう予定の谷に人影があった。その人影は川向うに視線を向け、その先に待ち構える存在を感じ取る。
「……懐かしいわね」
人影の正体はアンであり、今の彼女の傍には魔物の姿はない。ここまで同行してきた黒蟷螂もブラックゴーレムも彼女は手放した。どちらも優秀な手駒だったが、それ以上の存在を味方にする事ができると確信していた上で彼女は二匹を飛行船に差し向けた。
「こいつは酷いな……とてもじゃないがこの状態で動かしたら船がぶっ壊れちまう」
「どうにかできないのか?」
「う~ん……一応、飛んでも問題ない程度に直すにも時間はかかる。そうだな、三日はかかるだろうな」
「三日か……」
「飛行船が飛べないという事は私達も戻る事はできませんからね」
飛行船が飛べるように修理するには最低でも三日はかかるらしく、その間は討伐隊は地上に残る事になる。これで討伐隊は牙竜との戦闘に敗れたとしても飛行船で退散するという手段は失われた。
「飛行船が直るまで牙竜の討伐を延期する事はできないのか?」
「無理だな。既にアンという魔物使いはこの場所に辿り着いているのは間違いない……真っ先に飛行船を襲ったのも俺達の退路を断つためだろう」
「くそっ……何処に隠れてるんだい!!」
飛行船を襲撃した黒蟷螂には鞭の紋様が刻まれ、その後に現れたブラックゴーレムも魔物使いのアンが送り込んだ事は確定していた。つまりはアンは既にムサシ地方へ到着しており、彼女の狙いが牙竜だとしたら最早一刻の猶予もない。
アンが牙竜を服従させ、牙山に封じられた妖刀を手にする前に討伐隊は何としても牙竜の討伐を果たさなければならない。しかし、また飛行船が襲われた場合に備えて戦力は残しておかなければならない。
「飛行船の防衛のため、戦力を分断するしかあるまい。聖女騎士団はアンの捜索を行うため、討伐隊からは除外しておく」
「悪いね……こっちも全力でアンの奴を探すのに集中するから、後の事はあんた等に任せるよ」
「ええ、お任せください!!」
「仮にアンが牙竜の元に居た場合、奴を捕まえて差し出す事を約束します」
テンは申し訳なさそうに牙竜討伐には参加できない事を伝えると、ドリスとリンは気にしないように告げる。聖女騎士団には飛行船の守護とアンの捜索を任せ、同行していた冒険者達もアンの捜索の指示を出す。
「君達は聖女騎士団と協力し、アンの捜索を手伝ってくれ」
「ちっ……牙竜とやらを見て見たかったがな」
「仕方ないだろう」
ガロとゴンザレスはこの場に残り、他にも何名かアンの捜索を手伝う。ちなみに試験に合格したのはガロとゴンザレスだが、他に参加した冒険者はギルド側から推薦した優秀な冒険者達である。
「こうしてみると結構冒険者も乗ってるんだね」
「うん、中には凄い人もいるんだよ。変わった武器を持っている人とかもいるし……」
「へえ、そうなんだ」
リーナの話を聞いてナイは集められた冒険者に視線を向け、確かに変わった武器を所有する冒険者も多くいた――
――部隊分けの会議が終わった結果、牙竜の討伐に参加するのは大将軍であるロラン、銀狼騎士団副団長のリン、黒狼騎士団副団長のドリス、そして黄金級冒険者の三人も参加は確定した。
白狼騎士団はナイが代表として参加し、ミイナとヒイロは飛行船の守護のために残る。二人は元々はアルト王子の護衛であり、ドゴンが負傷して戦えなくなったので二人が本来の役目であるアルトの護衛に戻る。
他にも各拠点の連絡役としてクノは残る事が決まり、聖女騎士団と冒険者は当初の予定通りに飛行船の守護とアンの捜索を行う。全員の準備が整うと、ロランは隠れ里に移動してシノビに牙山まで案内を任せる。
「牙山とやらに移動するまでどれほど時間が掛かる?」
「距離はそれほど離れていません。しかし、移動の際に谷を越える必要があります」
「何か問題があるのか?」
「この谷は見晴らしがよく、罠を仕掛けやすい場所です。もしもアンが待ち伏せしていた場合……」
「罠を張られる可能性がある、か……」
シノビの取り出した地図を確認したロランは考え込み、罠を張りやすい場所は警戒する必要があるが、ここでナイが思い出したように告げた。
「あの……罠が張られているかどうか、先に僕が確かめてきましょうか?」
「え、ナイ君が!?」
「それは助かるが……大丈夫か?」
「大丈夫です、僕も昔は山に住んで狩猟してたので山や森を移動するのは慣れてますし、罠が仕掛けられていてもすぐに気付けると思います。ビャクも一緒に連れて行けばアンが隠れていたとしても臭いで分かるかもしれませんし……」
「あの白狼種か……確かに心強いな。だが、一人で行かせるのは危険だ。誰か一緒について行ってくれるか?」
「あ、それなら……」
ロランの言葉にリーナが立候補しようとしたが、彼女よりも先に手を上げる者が居た。
「そういう事なら私も一緒に行きますよ」
「えっ!?」
「イリア魔導士が……か?」
意外な事にナイの同行を申し出たのはイリアだった。彼女は討伐隊に参加する予定はないはずだが、イリアはナイの偵察に同行を申し出た事に他の者は訝しむ。
「イリア魔導士の製薬技術は素晴らしいと思いますけど……」
「戦闘になった時に戦える自信はあるのか?」
「ちょっとちょっと、舐めないでください。確かに私はお世辞にも強いとは言えませんが、戦いの手段ぐらいは身に着けています」
「ほう……しかし、何故わざわざ偵察を買って出た?」
「この地域で採取できる素材を調べるためですよ。偵察がてらに色々と調べたいと思いましたからね、ですけど今回の遠征で連れてきた騎獣はナイさんのビャクちゃんだけじゃないですか」
「ビャクちゃん……?」
イリアが同行を申し出た理由はムサシ地方で採取できる素材(薬草等)を調べるためであり、この地域には王国でも比較的に珍しい植物が生えているらしく、それらを確かめるために彼女はナイが連れているビャクの力を借りたいらしい。
「白狼種のビャクちゃんと一緒なら魔物に襲われる心配もありませんし、色々な場所に行けそうですからね」
「それはそうかもしれませんけど、危険ですよ?」
「大丈夫ですって……というか、魔物を威圧できるナイさんと一緒の方がむしろ安全だと思いますけど?」
『…………』
何気なく告げたイリアの言葉に誰も言い返す事ができず、確かにこの状況下ならばナイの傍にいる方が安全かもしれない。仮に野生の魔物が現れてもナイと白狼種のビャクが傍にいれば襲われる可能性は皆無に等しい。
この森にどの程度の危険な魔物が生息しているのかははっきりとは判明していないが、少なくとも赤毛熊程度の魔物が現れたとしても今のナイならば威圧で追い払える。それにイリアも戦える自信はあるらしく、ちゃんと装備を整えてきたらしい。
「ナイさんの足を引っ張るような真似はしませんから、一緒に連れて行ってくださいよ~」
「う~ん……」
「大将軍、どうしますの?」
「うむ……イリア魔導士には薬の製造に集中して欲しいのだが」
「製造と言われても飛行船があんな状態だと私も薬作りに専念できないんですよ。私の医療室も被害を受けましたからね」
飛行船が攻撃を受けた際に彼女が薬作りの際に利用している医療室の方も被害を受けたらしく、薬の製造に必要な器具も壊れてしまった。そのため、現在のイリアは回復薬の製作ができず、仕方ないのでムサシ地方で手に入る素材の調査を行いたい事を正直に伝える。
「私の薬を作るのに必要な器具はアルトさんが治してくれているんですが、それまでの間は私も暇なんですよ。それだったらこの地方で手に入る素材を調べて、ついでに薬草とかも集めてくるのは悪い事じゃないでしょう?」
「一理ある……のか?」
「イリア魔導士、その言葉に嘘はないな?」
「ありませんよ。ていうか、嘘をついて私に何の得があるんですか。こっちだって医療室が壊されていなければ薬作りに集中してましたよ」
ロランの言葉にイリアが不貞腐れた様に告げると、ロランは再び考え込む。こう見えてもイリアは王国にとっては重要な人材であり、彼女の作り出す薬はどれも一級品で他の人間には真似できない。
イリアを失えば優れた効能を持つ回復薬を作り出せる人間はいなくなり、その場合は王国は大きな過失を受ける。そう考えると彼女をわざわざ危険な真似をさせるのは避けたいが、確かにナイの傍が安全な可能性もある。
「……分かった、同行を許可しよう。但し、あくまでも偵察が目的だ。素材の調査もほどほどにしてもらおう」
「分かりました。約束します」
「ロラン大将軍、どちらにしても俺が案内しなければ谷には辿り着けない、この命に代えても二人を守る事を誓おう」
偵察を行うには当然だが谷まで案内する人間が必要であり、案内役のシノビもナイ達に同行する。偵察はこの三人が行う事が決まり、これ以上に人数を増やすと移動の際に不都合が生じるかもしれず、三人に偵察を任せてロランは他の者には何時でも出発できるように準備を命じた。
「では3人が戻り、報告が終了次第に我々も動くぞ。それまでの間、各自準備を整えておけ」
「「「はっ!!」」」
ロランの指示に王国騎士と冒険者達は従い、ナイはシノビとイリアと共にビャクを連れて牙山に通るまでに存在する谷へ向かう――
――同時刻、ナイ達が向かう予定の谷に人影があった。その人影は川向うに視線を向け、その先に待ち構える存在を感じ取る。
「……懐かしいわね」
人影の正体はアンであり、今の彼女の傍には魔物の姿はない。ここまで同行してきた黒蟷螂もブラックゴーレムも彼女は手放した。どちらも優秀な手駒だったが、それ以上の存在を味方にする事ができると確信していた上で彼女は二匹を飛行船に差し向けた。
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