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外の世界へ
第46話 死霊の主
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「くくく、この本が気になるか?」
「うっ……」
「……まさか魔導書?」
「な、なんだよ魔導書って?」
老人は自分が手にした本を見せつけるとナオは冷や汗を流し、ミズネは怪しむ表情を浮かべ、一方で魔導書を知らないネココは不思議そうに二人の顔を見る。三人の反応を見て老人はナオを指さす。
「なるほど、お前が例の噂の小僧だな」
「噂?」
「イチノでミノタウロスを討伐した魔術師の噂は聞いておるぞ。まあ、まさかこんな若いとは思わなかったがな」
「えっ!?あの噂って本当だったのか!?しかも兄ちゃんがミノタウロスを倒した魔術師なのか!?」
イチノにてナオが魔術師を打倒した噂は既に広まっているらしく、ネココは噂の魔術師がナオだと知って驚く。自分が思っていたよりも有名な存在になっていた事にナオは冷や汗が止まらない。
旅に出る前にマリアからは目立つ行動を控えるように忠告されていたにも関わらず、ナオはミノタウロスの一件で大勢の人間に存在を知られていた。老人が彼に会いに来た目的は自分の持つ魔導書に関わる事だという。
「お主が本当に噂の魔術師であるのならば、古代魔法の使い手であるのは間違いない。つまり、魔導書を読み解いて魔法を覚えたという事だな?」
「……そうだと言ったら?」
「ナオ、駄目!!」
老人の言葉にとりあえずはナオは話を探ろうとしたが、ミズネが彼を止めた。しかし、ナオの返答を聞いて老人は高笑いした。
「はははははっ!!小僧、認めたな!?お前は古代語を理解できるのだな!!ならば話は早い、この魔導書を儂の代わりに読み解いてもらうぞ!!」
「読み解く?あんたは古代語を読めないのか?」
「十年以上も研究してきたが、儂には生憎と考古学者の才能がないらしくてな。だから自力での解読を諦めて古代語を理解できる者を探しておった」
古代の魔導書を手に入れたいいが、老人は残念ながら古代語の解読はできなかった。だから古代魔法の使い手が現れたと聞いて老人は探し続けていたという。
「さあ、小僧!!仲間の命が惜しければ儂の元に来い!!」
「ふざけんなっ!!こんなゴブリンなんかにあたしらがやられると思ってんのか!?ウル、蹴散らしてやれ!!」
「グルルルッ!!」
「ほう、白狼種か。まさか生き残りがいたとはな……だが、残念ながらお主らでは勝てんよ」
老人が従えているゴブリンの数は三十匹程度であり、正直に言えばこの程度の数ならばナオ達の脅威にはならない。いくら武器を武装していようとゴブリンは魔物の中では力の弱い存在であり、白狼種のウルには遠く及ばない。
しかし、今までは気付かなかったがナオは死臭を感じ取り、小屋を取り囲むゴブリンの群れの様子がおかしいことに気が付く。よくよく観察するとどのゴブリンもひどいけがを負っており、中には腕や足が欠損している者もいた。
(なんだこいつら?全員がひどい怪我をしている。というよりも生気を感じない?)
ゴブリンたちの瞳は虚ろで生者の気配すらも感じられず、試しにナオは魔力感知を行うと今までに感じたことがない不気味な魔力を感知した。
「うぷっ!?」
「兄ちゃん!?急にどうしたんだ!?」
「ナオ、無暗に魔力を感じない方がいい。こいつの正体が分かった……死霊使い」
「くくく、ご名答。まさか儂のことを魔物使いだと勘違いしておったのか?」
得体のしれない魔力を感知したナオは吐き気を催し、その様子を見てミズネは老人の正体を見抜く。魔物を操ることができるのは魔物使いに限らず、老人は魔物の死骸を操る魔術師だった。
――死霊使いとは文字通りに死霊を操る魔術師であり、既に死んでいる肉体に自分の魔力を与えることで自分の意のままに操ることができる。死体であればどんな生物でも操ることがはできるため、それが魔物だろうと従わせることができる。
老人が従えている三十匹のゴブリンは山で生息するゴブリンであり、最初に罠を仕掛けてゴブリンを殺し、その後は自分の魔法で配下としたゴブリンを操って同族を殺させる。後は殺したゴブリンをさらに配下にしてどんどんと数を増やしていく。
「死霊使いだがなんだかしらないけど、うちのウルに勝てると思ってんのか!?なあ、ウル!!」
「クゥ~ンッ……」
「って、何を怯えてるんだよ!?」
「くくく、無理もない。儂の闇属性の魔力は生物にとっては毒に等しいからな」
「死霊使いは闇属性の魔法の使い手……油断しない方がいい」
「闇属性?」
闇属性は数ある属性の中でも謎が多く、闇の魔力は生物の生命力を乱す恐ろしい物だとナオもマリアから聞いていた。そんな闇属性の使い手が自分たちの前に現れた事にナオは運が悪いと思った。
(このゴブリンたち、下手に倒すとまずい気がする)
直感でナオは闇属性の魔力を宿すゴブリンの群れを見て攻撃をしかけるのをためらい、彼の判断は決して間違いではなかった。ミズネは他の者に絶対にゴブリンに攻撃を仕掛けてはならないと伝えた。
「うっ……」
「……まさか魔導書?」
「な、なんだよ魔導書って?」
老人は自分が手にした本を見せつけるとナオは冷や汗を流し、ミズネは怪しむ表情を浮かべ、一方で魔導書を知らないネココは不思議そうに二人の顔を見る。三人の反応を見て老人はナオを指さす。
「なるほど、お前が例の噂の小僧だな」
「噂?」
「イチノでミノタウロスを討伐した魔術師の噂は聞いておるぞ。まあ、まさかこんな若いとは思わなかったがな」
「えっ!?あの噂って本当だったのか!?しかも兄ちゃんがミノタウロスを倒した魔術師なのか!?」
イチノにてナオが魔術師を打倒した噂は既に広まっているらしく、ネココは噂の魔術師がナオだと知って驚く。自分が思っていたよりも有名な存在になっていた事にナオは冷や汗が止まらない。
旅に出る前にマリアからは目立つ行動を控えるように忠告されていたにも関わらず、ナオはミノタウロスの一件で大勢の人間に存在を知られていた。老人が彼に会いに来た目的は自分の持つ魔導書に関わる事だという。
「お主が本当に噂の魔術師であるのならば、古代魔法の使い手であるのは間違いない。つまり、魔導書を読み解いて魔法を覚えたという事だな?」
「……そうだと言ったら?」
「ナオ、駄目!!」
老人の言葉にとりあえずはナオは話を探ろうとしたが、ミズネが彼を止めた。しかし、ナオの返答を聞いて老人は高笑いした。
「はははははっ!!小僧、認めたな!?お前は古代語を理解できるのだな!!ならば話は早い、この魔導書を儂の代わりに読み解いてもらうぞ!!」
「読み解く?あんたは古代語を読めないのか?」
「十年以上も研究してきたが、儂には生憎と考古学者の才能がないらしくてな。だから自力での解読を諦めて古代語を理解できる者を探しておった」
古代の魔導書を手に入れたいいが、老人は残念ながら古代語の解読はできなかった。だから古代魔法の使い手が現れたと聞いて老人は探し続けていたという。
「さあ、小僧!!仲間の命が惜しければ儂の元に来い!!」
「ふざけんなっ!!こんなゴブリンなんかにあたしらがやられると思ってんのか!?ウル、蹴散らしてやれ!!」
「グルルルッ!!」
「ほう、白狼種か。まさか生き残りがいたとはな……だが、残念ながらお主らでは勝てんよ」
老人が従えているゴブリンの数は三十匹程度であり、正直に言えばこの程度の数ならばナオ達の脅威にはならない。いくら武器を武装していようとゴブリンは魔物の中では力の弱い存在であり、白狼種のウルには遠く及ばない。
しかし、今までは気付かなかったがナオは死臭を感じ取り、小屋を取り囲むゴブリンの群れの様子がおかしいことに気が付く。よくよく観察するとどのゴブリンもひどいけがを負っており、中には腕や足が欠損している者もいた。
(なんだこいつら?全員がひどい怪我をしている。というよりも生気を感じない?)
ゴブリンたちの瞳は虚ろで生者の気配すらも感じられず、試しにナオは魔力感知を行うと今までに感じたことがない不気味な魔力を感知した。
「うぷっ!?」
「兄ちゃん!?急にどうしたんだ!?」
「ナオ、無暗に魔力を感じない方がいい。こいつの正体が分かった……死霊使い」
「くくく、ご名答。まさか儂のことを魔物使いだと勘違いしておったのか?」
得体のしれない魔力を感知したナオは吐き気を催し、その様子を見てミズネは老人の正体を見抜く。魔物を操ることができるのは魔物使いに限らず、老人は魔物の死骸を操る魔術師だった。
――死霊使いとは文字通りに死霊を操る魔術師であり、既に死んでいる肉体に自分の魔力を与えることで自分の意のままに操ることができる。死体であればどんな生物でも操ることがはできるため、それが魔物だろうと従わせることができる。
老人が従えている三十匹のゴブリンは山で生息するゴブリンであり、最初に罠を仕掛けてゴブリンを殺し、その後は自分の魔法で配下としたゴブリンを操って同族を殺させる。後は殺したゴブリンをさらに配下にしてどんどんと数を増やしていく。
「死霊使いだがなんだかしらないけど、うちのウルに勝てると思ってんのか!?なあ、ウル!!」
「クゥ~ンッ……」
「って、何を怯えてるんだよ!?」
「くくく、無理もない。儂の闇属性の魔力は生物にとっては毒に等しいからな」
「死霊使いは闇属性の魔法の使い手……油断しない方がいい」
「闇属性?」
闇属性は数ある属性の中でも謎が多く、闇の魔力は生物の生命力を乱す恐ろしい物だとナオもマリアから聞いていた。そんな闇属性の使い手が自分たちの前に現れた事にナオは運が悪いと思った。
(このゴブリンたち、下手に倒すとまずい気がする)
直感でナオは闇属性の魔力を宿すゴブリンの群れを見て攻撃をしかけるのをためらい、彼の判断は決して間違いではなかった。ミズネは他の者に絶対にゴブリンに攻撃を仕掛けてはならないと伝えた。
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