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3 砂漠化の謎を探る
3-16.照度ゼロの世界
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「どこまで続くんだろう。入れた水より、明らかに、まわりの水の方が多いんだけど」
その声には、僅かな不安の色が見える。
視覚が閉ざされているせいで、他の感覚が敏感になっているのだろうか。ニコの声が、本当に近く聞こえる。声だけでなく、僅かな息遣いも。唾を飲み込む音も。心臓の鼓動まで、聞こえてくる。
どのくらい進んだのか、全然わからない。距離の感覚も、時間の感覚も、茫漠としている。ニコが不安になるのも、仕方がない。
「王都のあちら側に降らせた水が、しみ出てきているのかしらね」
ニコが言う通りで、どう考えても、地下の水は、多かった。地表に降らせた水がしみ込み、地下にあるこの水路まで届いているとしたら、この量にも少しは納得がいく。
「最近、調子に乗って降らせまくってたからなあ。俺のせいかもしれないね」
「ああ……ニコを責めるつもりはなかったわ」
「わかってる。ただ、会話を途切れさせたくなくてさ。静かだと、イリスが無事か、心配になるから」
沈黙すると、知覚できるのは、水の温度とニコの体だけになる。それは、ニコもほとんど同じだ。彼の場合は、それに壁を這う掌のと、足元の感覚が加わるだけだ。
「何にも、見えないものね」
「そう。イリスが静かに水に沈んでたら、俺、気づけないよ」
腹部に回されたニコの腕に、ぎゅ、と力がこもる。
「この腕の中でイリスが死んでしまったら、俺は一生、後悔するね」
「静かに水に沈むなんて、ないから大丈夫よ。絶対に暴れるわ」
「だよね。ただ、想像するだけで、つらくなる」
肩の上に、何かが乗る。ニコの顎みたいだ。その分、彼の声も、耳元に近づいた。
「俺には、イリスが必要なんだよ」
「わかってるわ。今なんか、私がいないと、魔力が足りなくなるものね」
「そういうことじゃないんだけど」
ふっ、と笑うニコの吐息が、耳にかかってくすぐったい。
「イリスって、恋人いたこと、ないでしょう?」
「……なによ、いきなり」
「会話を続けようと思ってさ。教えてよ、イリス」
はあ、とついたため息が、思ったよりも大きく響いた。
「前に言わなかったかしら」
「結婚してなかったっていうのは、聞いたよ。でも俺、恋人の有無は、知らない」
「……いなかったわよ。そんなもの、微塵も興味なかったもの」
私は、魔導書が恋人だと豪語してやまないタイプの魔導士だった。何よりも興味があったのは、新しい魔法の開発。それを活用して、人々の生活に資すること。
「恋人なんていなくても、愛すべき対象はたくさんあったし」
「どういうこと?」
「私が救った、たくさんの人々。彼らが無事に立ち直って、自ら歩んでいくのを見ているだけで、私は満足していたの」
自分の魔法が、人の力になる。そして、彼らが自立していく。私にとって、その過程を見ることが生きる喜びであった。
それこそが大きな喜びだったから、特定の恋人など、いなくてもよかったのだ。
「イリスのそういうとこ、俺、好きだよ」
「……? ありがとう」
「イリスって、誰かのために、一生懸命考えるでしょ。砂出しの皆も、サラのことも、今の王都のことも。俺、尊敬するよ」
なんとなく、どきんとした。
ニコの言うことは、本当にその通りだと、自分でも思う。目の前のことを見捨てておけない性分なのだ。
自分でそう思っていることを、人にはっきりと言葉にされたのは、初めてだ。たくさんの人に感謝はされてきたけれど、誰かとこんなに長い間共に過ごしたこともないし、内面をこんな風に捉えてもらったこともない。
「……ニコだって、私に付き合ってるんだから、同じよ」
咄嗟に出たのは、自分でもわかるほどに、照れ隠しだった。暗くて良かった。きっと今私は、妙な顔をしているに違いない。
「そうかな。俺だって、イリスに救われたんだよね。……さっきの言い方だと、イリスは俺が自立するのを見たいようだけど、残念ながらそれは無理だね」
「ええ? ニコはもう、自立してるわよ」
「してない。イリスがいないと、俺は生きていけないんだって」
ニコは、その設定が気に入っているのだ。今までにも何度か聞いた発言に、思わず笑いが鼻から漏れる。
「大袈裟なのよ」
「本当だよ。疑うなら、試しに離れてみるといい」
「離れないわ」
ニコはそう言うが、離れたら困るのは、私の方だ。ニコは魔法が使えるけれど、私は使えない。それだけで、大きな差がある。
「ニコがいないと、私は何もできないもの」
「そうかな」
「そうよ。私は、ニコが良いと言う間は、ふたりで、魔導士として身を立てていくって決めてるの」
私の知識と魔力、それにニコの魔法があれば、何人力にもなれる。他の魔導士の力の及ばないことが、たくさんできる。
「俺がいつまでも、良いって言っていたら?」
「それはさすがに、ありえないわ」
期間限定であることは、はなからわかっている。私は、それまでは精一杯、力を合わせるつもりなのだ。
「ありえなく、ないよ」
耳朶に、柔らかいものが触れた。
「あ、ごめん」
「ん? なに?」
「いや、見えないから、近づきすぎちゃった。……イリスが、ありえないと思ってるのは、わかったけど。実際俺が、いつまでもふたりでやろうって言ったら、どうするつもり?」
ニコには、ニコの人生がある。
今まで出会ってきた人たちも、私の力を必要とするのはひと時で、それを終えればひとりで歩き始めていた。砂出しの皆然り、サラも然り。ニコだって、そのひとりだ。
「いいって言うなら、ありがたいけどね」
ありがたいし、ありえない。
いつまでも誰かと一緒にいるなんて、そんなこと、現実には滅多にないのだ。少なくとも、私の周りには。
「俺が頼めば、いつまでも一緒にいられるって解釈していいかな」
「まあ、そうなるわね」
「わかったよ。聞けてよかった」
後頭部に、何かが擦れる感触がある。
「頼むよ、イリス」
「……ええ」
少なくとも今は、ニコも私を頼みにしてくれている。それこそ、ありがたいことだ。
何を頼まれたのか、ふわっとしていてわからなかったけれど、私は頷いた。なんだっていい。ニコの頼みなら、きっと、聞く気になる。
「……あ」
「なに?」
ニコの声と共に、体を覆う水の揺らぎが止まった。立ち止まったらしい。
「ここで、道が曲がってるよ」
「曲がる?」
「……ちょっと、明かりを出してみたいな。イリス、息を止めといて」
明かりを出すとは、先ほど提案した、空気の玉をもうひとつ出し、そこに火を入れるという案を指しているのだろう。
複数の魔法を同時に操るので、私たちの呼吸を維持している空気の玉の方が、揺らぐかもしれないと言っているのだ。
「わかったわ」
私は、息を止めた。
目の前に、ぽう、と淡い火が現れる。小さい火なのに、あんまり眩しくて、目が慣れるのに時間がかかった。
火は壁面を照らし、私たちが今いる場所が、左に折れ曲がっていることを示した。目の前は、行き止まり。一本道である。
「ああ、このまま行って良さそうだね」
「そうね」
ニコは火を消し、あたりはまた真っ暗になった。その光の残像が暫し視界に残り、そして消えていく。
「行こうか」
彼の温もりだけを背に、私たちは、さらにその奥へと向かって行く。
その声には、僅かな不安の色が見える。
視覚が閉ざされているせいで、他の感覚が敏感になっているのだろうか。ニコの声が、本当に近く聞こえる。声だけでなく、僅かな息遣いも。唾を飲み込む音も。心臓の鼓動まで、聞こえてくる。
どのくらい進んだのか、全然わからない。距離の感覚も、時間の感覚も、茫漠としている。ニコが不安になるのも、仕方がない。
「王都のあちら側に降らせた水が、しみ出てきているのかしらね」
ニコが言う通りで、どう考えても、地下の水は、多かった。地表に降らせた水がしみ込み、地下にあるこの水路まで届いているとしたら、この量にも少しは納得がいく。
「最近、調子に乗って降らせまくってたからなあ。俺のせいかもしれないね」
「ああ……ニコを責めるつもりはなかったわ」
「わかってる。ただ、会話を途切れさせたくなくてさ。静かだと、イリスが無事か、心配になるから」
沈黙すると、知覚できるのは、水の温度とニコの体だけになる。それは、ニコもほとんど同じだ。彼の場合は、それに壁を這う掌のと、足元の感覚が加わるだけだ。
「何にも、見えないものね」
「そう。イリスが静かに水に沈んでたら、俺、気づけないよ」
腹部に回されたニコの腕に、ぎゅ、と力がこもる。
「この腕の中でイリスが死んでしまったら、俺は一生、後悔するね」
「静かに水に沈むなんて、ないから大丈夫よ。絶対に暴れるわ」
「だよね。ただ、想像するだけで、つらくなる」
肩の上に、何かが乗る。ニコの顎みたいだ。その分、彼の声も、耳元に近づいた。
「俺には、イリスが必要なんだよ」
「わかってるわ。今なんか、私がいないと、魔力が足りなくなるものね」
「そういうことじゃないんだけど」
ふっ、と笑うニコの吐息が、耳にかかってくすぐったい。
「イリスって、恋人いたこと、ないでしょう?」
「……なによ、いきなり」
「会話を続けようと思ってさ。教えてよ、イリス」
はあ、とついたため息が、思ったよりも大きく響いた。
「前に言わなかったかしら」
「結婚してなかったっていうのは、聞いたよ。でも俺、恋人の有無は、知らない」
「……いなかったわよ。そんなもの、微塵も興味なかったもの」
私は、魔導書が恋人だと豪語してやまないタイプの魔導士だった。何よりも興味があったのは、新しい魔法の開発。それを活用して、人々の生活に資すること。
「恋人なんていなくても、愛すべき対象はたくさんあったし」
「どういうこと?」
「私が救った、たくさんの人々。彼らが無事に立ち直って、自ら歩んでいくのを見ているだけで、私は満足していたの」
自分の魔法が、人の力になる。そして、彼らが自立していく。私にとって、その過程を見ることが生きる喜びであった。
それこそが大きな喜びだったから、特定の恋人など、いなくてもよかったのだ。
「イリスのそういうとこ、俺、好きだよ」
「……? ありがとう」
「イリスって、誰かのために、一生懸命考えるでしょ。砂出しの皆も、サラのことも、今の王都のことも。俺、尊敬するよ」
なんとなく、どきんとした。
ニコの言うことは、本当にその通りだと、自分でも思う。目の前のことを見捨てておけない性分なのだ。
自分でそう思っていることを、人にはっきりと言葉にされたのは、初めてだ。たくさんの人に感謝はされてきたけれど、誰かとこんなに長い間共に過ごしたこともないし、内面をこんな風に捉えてもらったこともない。
「……ニコだって、私に付き合ってるんだから、同じよ」
咄嗟に出たのは、自分でもわかるほどに、照れ隠しだった。暗くて良かった。きっと今私は、妙な顔をしているに違いない。
「そうかな。俺だって、イリスに救われたんだよね。……さっきの言い方だと、イリスは俺が自立するのを見たいようだけど、残念ながらそれは無理だね」
「ええ? ニコはもう、自立してるわよ」
「してない。イリスがいないと、俺は生きていけないんだって」
ニコは、その設定が気に入っているのだ。今までにも何度か聞いた発言に、思わず笑いが鼻から漏れる。
「大袈裟なのよ」
「本当だよ。疑うなら、試しに離れてみるといい」
「離れないわ」
ニコはそう言うが、離れたら困るのは、私の方だ。ニコは魔法が使えるけれど、私は使えない。それだけで、大きな差がある。
「ニコがいないと、私は何もできないもの」
「そうかな」
「そうよ。私は、ニコが良いと言う間は、ふたりで、魔導士として身を立てていくって決めてるの」
私の知識と魔力、それにニコの魔法があれば、何人力にもなれる。他の魔導士の力の及ばないことが、たくさんできる。
「俺がいつまでも、良いって言っていたら?」
「それはさすがに、ありえないわ」
期間限定であることは、はなからわかっている。私は、それまでは精一杯、力を合わせるつもりなのだ。
「ありえなく、ないよ」
耳朶に、柔らかいものが触れた。
「あ、ごめん」
「ん? なに?」
「いや、見えないから、近づきすぎちゃった。……イリスが、ありえないと思ってるのは、わかったけど。実際俺が、いつまでもふたりでやろうって言ったら、どうするつもり?」
ニコには、ニコの人生がある。
今まで出会ってきた人たちも、私の力を必要とするのはひと時で、それを終えればひとりで歩き始めていた。砂出しの皆然り、サラも然り。ニコだって、そのひとりだ。
「いいって言うなら、ありがたいけどね」
ありがたいし、ありえない。
いつまでも誰かと一緒にいるなんて、そんなこと、現実には滅多にないのだ。少なくとも、私の周りには。
「俺が頼めば、いつまでも一緒にいられるって解釈していいかな」
「まあ、そうなるわね」
「わかったよ。聞けてよかった」
後頭部に、何かが擦れる感触がある。
「頼むよ、イリス」
「……ええ」
少なくとも今は、ニコも私を頼みにしてくれている。それこそ、ありがたいことだ。
何を頼まれたのか、ふわっとしていてわからなかったけれど、私は頷いた。なんだっていい。ニコの頼みなら、きっと、聞く気になる。
「……あ」
「なに?」
ニコの声と共に、体を覆う水の揺らぎが止まった。立ち止まったらしい。
「ここで、道が曲がってるよ」
「曲がる?」
「……ちょっと、明かりを出してみたいな。イリス、息を止めといて」
明かりを出すとは、先ほど提案した、空気の玉をもうひとつ出し、そこに火を入れるという案を指しているのだろう。
複数の魔法を同時に操るので、私たちの呼吸を維持している空気の玉の方が、揺らぐかもしれないと言っているのだ。
「わかったわ」
私は、息を止めた。
目の前に、ぽう、と淡い火が現れる。小さい火なのに、あんまり眩しくて、目が慣れるのに時間がかかった。
火は壁面を照らし、私たちが今いる場所が、左に折れ曲がっていることを示した。目の前は、行き止まり。一本道である。
「ああ、このまま行って良さそうだね」
「そうね」
ニコは火を消し、あたりはまた真っ暗になった。その光の残像が暫し視界に残り、そして消えていく。
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