あだ名が242個ある男(実はこれ実話なんですよ25)

tomoharu

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不可思議物語

余命7日間の彼女

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プロローグ
春の訪れを感じる3月の終わり、大学3年生の翔太は、いつものように彼女の美月と一緒に大学の図書館で勉強していた
美月「ねえ翔太、この問題わかる?」
翔太「ああ、これはね」
2人は1年前に出会い、すぐに恋に落ちた
美月の笑顔は太陽のように明るく、翔太の心を照らしてくれた
毎日が幸せで、この時間が永遠に続くと思っていた
しかし、運命は残酷だった


【突然の悲劇】
その日は、いつもと変わらない穏やかな日曜日だった
翔太と美月は、近くの公園でデートをしていた
美月「ねえ、あのベンチで休憩しよ」
翔太「うん、そうだね」
2人はベンチに座り、持ってきたお弁当を食べ始めた
美月「翔太の作ったおにぎり、めっちゃ美味しい」
翔太「本当?よかった」
美月「来年もこうやって一緒にお花見したいね」
翔太「当たり前じゃん。これからもずっと一緒だよ」
美月は嬉しそうに笑った
その笑顔が、翔太の最後に見る美月の元気な笑顔になるとは、この時は誰も想像していなかった
お弁当を食べ終わり、2人は公園を散歩し始めた
桜の花びらが風に舞い、美月の髪に一枚の花びらが落ちた
翔太「あ、髪に花びらついてるよ」
翔太が花びらを取ろうと手を伸ばした瞬間、美月の体が突然崩れ落ちた
翔太「美月!?美月!!」
美月は地面に倒れ、意識を失っていた
翔太は慌てて救急車を呼んだ
「お願いだ、目を覚ましてくれ」
救急車が到着し、美月は病院に搬送された
翔太は救急車に同乗し、美月の手を握り続けた
「大丈夫だよ。すぐに良くなるから」
しかし美月の手は冷たく、顔色は青白かった


【前代未聞の病気】
病院に到着し、美月は緊急検査を受けた
翔太は待合室で、美月の両親と一緒に結果を待った
美月の母「翔太くん、美月は大丈夫よね?」
翔太「はい、きっと大丈夫です」
しかし翔太の心は不安で押し潰されそうだった
数時間後、医師が現れた
その表情は、あまりにも深刻だった
医師「ご家族の方、少しお話があります」
翔太と美月の両親は、診察室に呼ばれた
医師は深くため息をついてから、衝撃的な言葉を告げた
医師「美月さんは、『タヒネ症候群』という病気にかかっています」
美月の父「タヒネ?聞いたことない病名ですが」
医師「それもそのはずです。この病気は世界でもまだ10例ほどしか報告されていない、極めて稀な病気なんです」
翔太「治療法は、ありますか?」
医師は首を横に振った
医師「申し訳ありません。現在の医学では、治療法が見つかっていないんです」
美月の母「じゃあ、美月は」
医師「余命は、7日間です」
その言葉を聞いた瞬間、時間が止まったように感じた
翔太「7日間って」
医師「タヒネ症候群は、体内の細胞が急速に機能を停止していく病気です。発症から1週間で、全ての臓器が停止します」
美月の母は泣き崩れ、父は壁に拳を叩きつけた
翔太は何も言えず、ただ立ち尽くしていた
医師「今日が月曜日ですから、来週の月曜日が」
翔太「そんな、嘘だろ」
医師「本当に申し訳ありません。せめて残りの時間を、大切に過ごしてあげてください」
翔太は診察室を飛び出し、美月の病室に向かった


【美月の願い】
病室に入ると、美月は目を覚ましていた
美月「翔太?」
翔太「美月!」
翔太は美月のベッドに駆け寄り、手を握った
美月「私、どうしたの?」
翔太「ちょっと倒れちゃっただけだよ。もう大丈夫」
翔太は必死に笑顔を作った
美月に真実を告げることができなかった
しかし美月は、全てを理解しているような表情をしていた
美月「翔太、嘘つくの下手だね」
翔太「え?」
美月「私、聞こえてたの。お医者さんの話」
翔太「美月」
美月「余命7日間なんだよね。私」
翔太は何も言えず、ただ涙を流した
美月「泣かないで、翔太。私は泣いてないよ」
翔太「でも、でも」
美月「ねえ翔太、お願いがあるの」
翔太「何でも言って。何でもするから」
美月「残りの7日間で、たくさんの思い出を作りたいの。翔太と一緒に」
翔太「もちろんだよ。どこでも行こう。何でもしよう」
美月「ありがとう。翔太」
美月は弱々しく微笑んだ
その笑顔を見て、翔太は決意した
「残りの7日間を、美月にとって最高の時間にする」


【1日目の計画】
その夜、翔太は自宅に戻り、7日間の計画を立て始めた
ノートを開き、美月が行きたがっていた場所、やりたがっていたことを全て書き出した
「水族館、遊園地、海、山、美術館、映画館」
そして翔太は、1日1日のスケジュールを綿密に立てた
朝から夜まで、1分1秒も無駄にしないように
しかし翔太は気づいていた
美月の体力が、日に日に衰えていくことを
「最初の3日間で、体力を使う場所に行こう。残りの4日間は、ゆっくり過ごせる場所に」
翔太は徹夜で計画を立て続けた
そして朝になった時、完璧なスケジュールが完成していた
翔太は病院に向かい、美月に計画を見せた
美月「わあ、こんなに考えてくれたの?」
翔太「当たり前だよ。美月との時間は、1秒だって無駄にしたくないから」
美月「ありがとう。でも、無理しなくてもいいよ」
翔太「無理じゃないよ。俺が一番やりたいことなんだ」
美月は涙を流しながら笑った
美月「じゃあ、お願いします。翔太さん」
翔太「任せて」
そして2人の、7日間の旅が始まった


【1日目~水族館~】
火曜日の朝、翔太は美月を病院から連れ出した
医師は反対したが、美月の両親が説得してくれた
美月の父「娘の最後の願いです。お願いします」
医師「わかりました。でも無理は絶対にしないでください」
翔太は美月を車椅子に乗せ、水族館へと向かった
美月「久しぶりの外の空気、気持ちいい」
翔太「そうだね。今日は天気も最高だよ」
水族館に到着すると、翔太は事前に連絡していたおかげで、特別に貸切にしてもらっていた
美月「え、誰もいない」
翔太「美月だけのための水族館だよ」
美月「翔太、ありがとう」
2人は水族館の中をゆっくりと回った
大きな水槽の前で、美月は目を輝かせた
美月「見て翔太!イルカが泳いでる!」
翔太「本当だ。綺麗だね」
美月「私、イルカみたいに自由に泳ぎたいな」
翔太「美月は自由だよ。どこにでも行けるし、何でもできる」
美月「でも、もう時間がないんだよ」
翔太「時間は関係ない。今この瞬間が全てなんだ」
美月は翔太の手を握った
美月「翔太がいてくれて、本当に良かった」
翔太「俺もだよ。美月に出会えて、俺の人生は変わったんだ」
2人はイルカショーを見て、ペンギンと写真を撮り
クラゲの幻想的な光を眺めた。美月は終始笑顔だった
しかし帰り道、美月は突然咳き込み始めた
翔太「美月!大丈夫!?」
美月「ごめん。ちょっと疲れちゃった」
翔太は慌てて美月を車に乗せ、病院に戻った
医師「やはり無理をしすぎです。明日からはもっとゆっくりしてください」
翔太「すみません」
その夜、翔太はベッドで眠る美月を見つめながら思った
「残り6日間、どうか美月が苦しみませんように」


【2日目~遊園地~】
水曜日、美月の体調は少し回復していた
翔太「今日は遊園地に行こう」
美月「でも、また倒れちゃうかも」
翔太「大丈夫。今日は激しい乗り物には乗らないから」
2人は遊園地に到着した
ここも事前に連絡し、優先的に乗り物に乗れるように手配していた
美月「観覧車乗りたい」
翔太「よし、行こう」
観覧車のゴンドラに乗り込むと、2人きりの空間が広がった
ゆっくりと上昇していく観覧車の中で、美月は窓の外を見つめた
美月「綺麗だね。街が小さく見える」
翔太「うん」
美月「ねえ翔太、私がいなくなったら、新しい彼女作ってね」
翔太「何、言ってるんだよ」
美月「だって翔太は優しいから、きっとモテるよ」
翔太「俺は美月しか愛せない」
美月「でも」
翔太「美月、聞いて。俺にとって美月は、この世で一番大切な人なんだ。美月がいない世界なんて、考えられない」
美月「翔太」
翔太「だから、美月には生きてほしい。どんな形でもいい。俺の隣にいてほしいんだ」
美月は泣きながら、翔太に抱きついた
美月「ごめんね」
翔太「謝らないで。美月は何も悪くない」
観覧車が頂上に到着した時、2人はハグをした
その後、2人はメリーゴーランドに乗り、綿菓子を食べ、写真をたくさん撮った
美月は子供のようにはしゃいでいた
しかし夕方になると、美月は再び疲れた様子を見せた
美月「翔太、ちょっと休みたい」
翔太「わかった。すぐに病院に戻ろう」
病院に戻る車の中で、美月は翔太の肩に頭を預けた
美月「今日も、楽しかった」
翔太「明日はもっと楽しくするから」
美月「うん、楽しみ」
美月は眠ってしまった
翔太は美月の寝顔を見つめながら、涙を流した
「残り5日間、頼むから、もっと時間をください」


【3日目~海~】
木曜日、美月の体調はさらに悪化していた
顔色は青白く、歩くことも困難になっていた
医師「今日は外出を控えた方がいいです」
しかし美月は首を横に振った
美月「お願いします。海に行きたいんです」
医師「でも…」
美月「最後のお願いです」
医師は深くため息をつき、許可を出した
翔太は美月を車に乗せ、海へと向かった
車の中で、美月は弱々しく話した
美月「ねえ翔太、私は海が大好きなの」
翔太「知ってるよ。だから今日は海に行くんだ」
美月「子供の頃、家族で海に行った思い出が、一番幸せだった」
翔太「今日も幸せな思い出にしよう」
美月「うん」
海に到着すると、翔太は美月を車椅子から降ろし、砂浜に座らせた
波の音が静かに響いていた
美月「綺麗」
翔太「そうだね」
美月「翔太、私の手、握ってくれる?」
翔太「もちろん」
翔太は美月の手を握った
その手は、以前よりもずっと冷たく、細くなっていた
美月「ねえ翔太、私ね、最近よく考えるの」
翔太「何を?」
美月「もし生まれ変わったら、また翔太と出会えるかなって」
翔太「絶対に出会えるよ。何度生まれ変わっても、俺は美月を見つけ出す」
美月「本当?」
翔太「本当だよ。約束する」
美月は涙を流しながら笑った
美月「じゃあ、次は病気にならない体で生まれたいな」
翔太「うん、そうだね」
2人は夕日が沈むまで、海を眺め続けた
オレンジ色の空が、徐々に紫色に変わっていく
美月「翔太、ありがとう」
翔太「何が?」
美月「私を愛してくれて」
翔太「当たり前だよ。俺は美月を一生愛し続ける」
美月「一生か、私にはもう」
翔太「美月の一生は、俺の心の中で永遠に続くんだ」
美月は翔太の肩に頭を預けた
美月「眠くなってきちゃった」
翔太「ゆっくり休んで。俺がずっと隣にいるから」
美月「うん」
美月は翔太の腕の中で眠った
翔太は美月を抱きしめながら、心の中で叫んだ
「神様、お願いです。美月を助けてください」
しかし神様は、翔太の願いを聞き入れることはなかった


【4日目~友人たちの協力~】
金曜日、美月はほとんど動けなくなっていた
ベッドから起き上がることも困難で、食事もほとんど取れなかった
翔太「美月、今日は病院でゆっくり休もう」
美月「でも、まだ行きたい場所が」
翔太「大丈夫。友達が来てくれるから」
美月「友達?」
その時、病室のドアがノックされた
入ってきたのは、大学の友人たちだった
友人A「美月!久しぶり!」
友人B「元気とは言えないけど、会いに来たよ」
友人C「みんなで美月のために、サプライズ用意したんだ」
美月「みんな」
友人たちは、病室を飾り付けし始めた
風船、花、写真、美月との思い出が詰まったものばかりだった
友人A「これ、去年の学園祭の写真」
友人B「美月、めっちゃ笑ってるね」
友人C「あの時は楽しかったなあ」
美月は涙を流しながら、写真を見つめた
美月「みんな、ありがとう」
友人たちは、美月のベッドの周りに集まった
そして一人ずつ、美月への思いを語り始めた
友人A「美月はいつも明るくて、みんなを笑顔にしてくれたよね」
友人B「困ってる時、いつも助けてくれた」
友人C「美月がいない大学なんて、想像できないよ」
美月「みんな、泣かないで」
友人A「ごめん。でも、美月が大好きだから」
翔太は部屋の隅で、その光景を見守っていた
「美月は、こんなにも愛されていたんだ」
友人たちは夕方まで美月と過ごし、最後に全員で写真を撮った
それが、美月と友人たちの最後の写真になった


【5日目~思い出の場所~】
土曜日、美月の意識は朦朧としていた
時々目を覚ますが、すぐにまた眠ってしまう
翔太は美月のベッドの横で、ずっと手を握っていた
美月「翔太?」
翔太「起きた?」
美月「ここ、どこ?」
翔太「病院だよ。大丈夫、俺がいるから」
美月「そっか」
美月は弱々しく微笑んだ
美月「ねえ翔太、あの場所に行きたい」
翔太「あの場所?」
美月「私たちが、初めて出会った場所」
翔太「大学の図書館?」
美月「うん」
翔太は医師に相談したが、医師は首を横に振った
医師「今の美月さんの状態では、外出は不可能です」
翔太「でも、美月の最後の願いなんです」
医師「わかりました。でも私も同行させてください」
翔太は医師と一緒に、美月を大学の図書館に連れて行った
図書館は土曜日で人が少なく、静かだった
翔太は美月を車椅子に乗せ、あの場所へと向かった
それは図書館の奥にある、窓際の席だった
翔太「ここだよ。俺たちが初めて話した場所」
美月「覚えてる。翔太が、本を落として」
翔太「それを美月が拾ってくれたんだよね」
美月「あの時、翔太の笑顔見て、好きになっちゃった」
翔太「俺もだよ。美月の優しさに、一瞬で惹かれたんだ」
美月「あれから、1年」
翔太「たった1年だけど、俺にとっては一生分の思い出ができたよ」
美月「私も、幸せだった」
美月は窓の外を見つめた
桜の木が見える。あの日と同じ景色
美月「来年の春、桜は見れないんだね」
翔太「見れるよ。俺が毎年、美月の分まで見るから」
美月「ありがとう。翔太」
美月は目を閉じた
翔太「美月!?」
医師が慌てて駆け寄った
医師「大丈夫です。眠っているだけです」
翔太は安堵のため息をついた
「もう、時間がない」


【6日目~最後の夜~】
日曜日、美月は一日中眠り続けていた
時々目を覚ますが、もう言葉を発することもできなかった
翔太は美月の手を握り、ずっと話しかけ続けた
翔太「美月、聞こえてる?俺だよ、翔太だよ」
美月の指が、わずかに動いた
翔太「良かった。まだ聞こえてるんだね」
翔太は美月との思い出を語り始めた
初めてのデート、初めてのキス、一緒に過ごした何気ない日々
全てが宝物のように大切だった
翔太「美月と過ごした時間は、俺の人生で一番幸せな時間だったよ」
美月の目から、一筋の涙が流れた
翔太「泣かないで。美月は何も悪くないから」
翔太も涙を流した
もう止めることができなかった
翔太「美月、愛してる。本当に愛してる」
美月の唇が、わずかに動いた
声は出なかったが、その口の形で翔太は理解した
「私も、愛してる」
翔太は美月を優しく抱きしめた
その夜、翔太は美月のベッドの横で眠った
いや、眠ろうとしたが、眠れなかった
明日が来るのが怖かった


【7日目~最後の朝~】
月曜日の朝、翔太は美月の異変に気づいた
呼吸が浅く、体温が下がっていた
翔太「美月!美月!」
医師が駆けつけ、美月の状態を確認した
医師「もう長くはありません」
翔太「嘘だろ、まだ朝だぞ」
医師「申し訳ありません」
美月の両親も駆けつけた
美月の母「美月、美月」
美月の父「しっかりしろ」
しかし美月の意識は、もう戻ることはなかった
翔太は美月の手を握り、最後の言葉を囁いた
翔太「美月、ありがとう。俺と出会ってくれて、俺を愛してくれて」
美月の心拍数が、徐々に下がっていく
モニターの音が、ゆっくりと遅くなる
翔太「美月、行かないで、お願いだから」
しかし時間は容赦なく進んでいく。
そして午前9時32分
モニターの音が、一つの長い音に変わった
医師「ご臨終です」
美月の母は泣き崩れ、父は天を仰いだ
翔太は何も言えず、ただ美月の手を握り続けた
その手は、もう温かくなかった


【エピローグ~桜の季節~】
それから1年が経った。
春が再び訪れ、桜が満開になった
翔太は、あの図書館の窓際の席に座っていた
隣の席には、誰も座っていない
でも翔太には、美月がそこに座っているように感じられた
翔太「美月、桜が綺麗だよ」
窓の外では、桜の花びらが風に舞っている
翔太「約束通り、美月の分まで見てるよ」
翔太の膝の上には、美月との写真が入ったアルバムがあった
7日間の旅の写真 美月の笑顔が、そこにはあった
翔太「美月、俺、頑張ってるよ。美月がいなくても、ちゃんと生きてる」
涙が溢れてきた
翔太「でも、やっぱり寂しいよ」
その時、一枚の桜の花びらが、翔太の手に落ちてきた
翔太はその花びらを見つめた
「これは、美月からのメッセージなのかな」
翔太は花びらを大切に持ち、立ち上がった
翔太「美月、見てて。俺は美月の分まで、精一杯生きるから」
翔太は図書館を出て、桜並木を歩き始めた
風が吹き、無数の花びらが舞い上がる
その中を歩きながら、翔太は思った
「美月は死んだんじゃない。俺の心の中で、ずっと生き続けてるんだ」
そして翔太は、前を向いて歩き出した
美月との思い出を胸に、美月の分まで生きるために
桜の花びらが、翔太の背中を優しく包んでいた【完】
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