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第七章
幕開け
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「地下牢への入り口に二人守りがいる。金の血族だ。気をつけろ」
言うや涼己は間髪いれず、ためらいなく一気に飛び出していった。
すばやい身のこなしだった。飛び出しざま腰にさした刀を抜き、さやのまま払う。
ドスっと鈍い音がし、トンネルのような回廊の入り口を守っていた白い瞳をした男が腹をかかえたまま横倒しに倒れた。
未令も涼己とほとんど同時に飛び出していた。
涼己の倒した男が横倒しに倒れるのを横目で見ながら、もう一方の男に向かって薙刀を振り下ろす。
が、男の瞳が白く光ったかと思うと薙刀の先についていた刀が熱で溶けたように形をなくし、ただの塊となって回廊の床に零れ落ちた。
驚く暇もなく今度は塊となって落ちた鉄が再び形をとりはじめ、無数の針となって一斉に襲い掛かってくる。
「……!」
金の術者とはこういうことなのか……。
金の、というくらいなので金属は何でも自由に操るのだろうとは考えていたがこれは想定外だ。
未令は男に振り下ろした薙刀をすぐさま取って返すと、向かってくる針を振り落とすように薙刀を横に払った。
それでも全てを払うことはできず幾本かの針が身体中をかすめていく。
涼己は男を打った勢いのまま、刀をさらに未令を襲っている男のみぞおちに食い込ませた。
再び鈍い音が響き、男が倒れる。
――急ごう。
涼己が目で合図をする。
続くトンネル状の回廊先からは、物音を聞きつけた警備の血族がこちらの様子をうかがっている。覆面をした怪しげな涼己と未令の姿も、倒れた二人の術者にも気が付いているだろう。
間違いなく攻撃してくる。
「次は水の血族だ」
そう涼己がいい終わらないうちに回廊いっぱいを押し流すほどの大量の水が濁流のように流れてきた。
「来るぞ」
その水がトンネルから一気に飛び出すや二人の漆黒の瞳をした術者が飛び出してきた。
水の勢いにのったまま抜き身の刀を振り下ろしてくる。
考えるより身体が勝手に動いていた。
未令は咄嗟に薙刀でその刀を受けた。
術者は身軽に回廊の手すりを蹴ると宙に舞い、再び視界を奪うように水を浴びせかけ、勢いのまま刀を振り下ろしてくる。
ガツっと未令の繰り出した薙刀が刀をとらえた。
そのまま未令は薙刀を一旦引いて身体に引き寄せると、術者が次の一手を繰り出す前に得物を突き出した。
見事にみぞおちに命中した突きに術者は呻いてどうっと回廊に倒れこむ。
荒い息で涼己のほうを見ると、そちらも決着がついたところだった。
涼己の攻撃で術者が回廊に倒れると、その術者に操られていた水の塊が制御を失い、辺りに降り注いだ。
ざばぁっと大量のバケツを一度にひっくり返したかのよな轟音が耳を覆う。
その中にあっても回廊の先を伺う。
混乱はすでに牢を守る者たちに伝わっているはずだ。いつ新たな術者が飛び出してくるかわからない。
「行くぞ」
涼己が駆け出し、未令もあとに続いた。が、
「未令!」
宮殿に続く回廊から声をかけられ、未令は振り返った。
言うや涼己は間髪いれず、ためらいなく一気に飛び出していった。
すばやい身のこなしだった。飛び出しざま腰にさした刀を抜き、さやのまま払う。
ドスっと鈍い音がし、トンネルのような回廊の入り口を守っていた白い瞳をした男が腹をかかえたまま横倒しに倒れた。
未令も涼己とほとんど同時に飛び出していた。
涼己の倒した男が横倒しに倒れるのを横目で見ながら、もう一方の男に向かって薙刀を振り下ろす。
が、男の瞳が白く光ったかと思うと薙刀の先についていた刀が熱で溶けたように形をなくし、ただの塊となって回廊の床に零れ落ちた。
驚く暇もなく今度は塊となって落ちた鉄が再び形をとりはじめ、無数の針となって一斉に襲い掛かってくる。
「……!」
金の術者とはこういうことなのか……。
金の、というくらいなので金属は何でも自由に操るのだろうとは考えていたがこれは想定外だ。
未令は男に振り下ろした薙刀をすぐさま取って返すと、向かってくる針を振り落とすように薙刀を横に払った。
それでも全てを払うことはできず幾本かの針が身体中をかすめていく。
涼己は男を打った勢いのまま、刀をさらに未令を襲っている男のみぞおちに食い込ませた。
再び鈍い音が響き、男が倒れる。
――急ごう。
涼己が目で合図をする。
続くトンネル状の回廊先からは、物音を聞きつけた警備の血族がこちらの様子をうかがっている。覆面をした怪しげな涼己と未令の姿も、倒れた二人の術者にも気が付いているだろう。
間違いなく攻撃してくる。
「次は水の血族だ」
そう涼己がいい終わらないうちに回廊いっぱいを押し流すほどの大量の水が濁流のように流れてきた。
「来るぞ」
その水がトンネルから一気に飛び出すや二人の漆黒の瞳をした術者が飛び出してきた。
水の勢いにのったまま抜き身の刀を振り下ろしてくる。
考えるより身体が勝手に動いていた。
未令は咄嗟に薙刀でその刀を受けた。
術者は身軽に回廊の手すりを蹴ると宙に舞い、再び視界を奪うように水を浴びせかけ、勢いのまま刀を振り下ろしてくる。
ガツっと未令の繰り出した薙刀が刀をとらえた。
そのまま未令は薙刀を一旦引いて身体に引き寄せると、術者が次の一手を繰り出す前に得物を突き出した。
見事にみぞおちに命中した突きに術者は呻いてどうっと回廊に倒れこむ。
荒い息で涼己のほうを見ると、そちらも決着がついたところだった。
涼己の攻撃で術者が回廊に倒れると、その術者に操られていた水の塊が制御を失い、辺りに降り注いだ。
ざばぁっと大量のバケツを一度にひっくり返したかのよな轟音が耳を覆う。
その中にあっても回廊の先を伺う。
混乱はすでに牢を守る者たちに伝わっているはずだ。いつ新たな術者が飛び出してくるかわからない。
「行くぞ」
涼己が駆け出し、未令もあとに続いた。が、
「未令!」
宮殿に続く回廊から声をかけられ、未令は振り返った。
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