1 / 11
1
しおりを挟むマルガイ公爵家の長女として生まれた私、エリーナは五歳の時第一王子の婚約者となったことで、人生の道が決まった。
まだ一人で絵本も読めないほどに小さな時、乳母に読んでもらった絵本に出てきた金髪碧眼の王子様のような、そんな見目麗しいアルベルト様の婚約者に選ばれた私は、彼の横に立つにふさわしい存在となるべく泣きごとも……多少はいったかもしれないけれど、それでも誰もが認めるほどに励んだ。
一日の大半が教育漬けで終わったとしても、アルベルト様にふさわしい淑女となるべく、その為だけに頑張ってきた。
その甲斐あって今では全ての令嬢の手本となるような、素晴らしい淑女として名を広め、そして王太子の横に並ぶにふさわしい婚約者となった私は、婚約者であるアルベルト様や友人とともに学園生活を謳歌していた。
学園を卒業したら私はアルベルト様と婚姻する。私にとってもアルベルト様にとっても最後の自由ともいえる学園生活。
婚約者として、そして淑女として、アルベルト様とは適切な距離を保ちながら学園生活を送っていた。
その適切な距離感がいけなかったのか、ある日転入生が現れてからその日常は一変した。
アルベルト様と共に登下校していた時間も、昼食を共にしていた時間もなくなりつつあった頃、仲の良い友人たちに断りを入れて私は一人学園の廊下を歩いていた。
そして辿り着いた先で目撃してしまった光景に私は驚きとショックを隠しきれなかった。
婚約者がいる殿方に迷いなく近づき、恥じらいもなく身体に触れ、そして自らの体を密着させる。
きちんと教育されていれば貴族令嬢としてあり得ないとわかる行動をとる女性の隣に、まさかアルベルト様がいて、しかも不快感をあらわにするのではなく寧ろ顔を赤くし綻ばせていたのだ。
私は激しい怒りを感じた。
アルベルト様に寄り添う女性だけではなく、そんな彼女を許すアルベルト様に。
だけどこの時の私はなにを思ってか、当人であるアルベルト様でも、アルベルト様を誑し込もうとする令嬢でもなく、アルベルト様に付き従う従者候補と護衛候補に怒りを向けてしまった。
主の行いを止めることもせず、何をやっているのかと。
そんな周りも見えない状態で、私は護衛候補のもとへと向かったのだった。
■
いつからだろう。
アルベルト様の婚約者として、アルベルト様からの気持ちが感じられなくなったのは。
いつからだろう。
淑女と謳われた私が己の感情を抑えきれなくなったのは。
いつからだろう。
キラキラと輝いて見えた完璧だと思っていたアルベルト様に違和感を抱くようになったのは。
あれは二年目の学園生活が始まる頃だった。
私がまだアルベルト様と仲睦まじい日々を送っていた頃、私の学年に転入生がやってきた。
転入生は領地を持たない田舎町で暮らす名ばかりな貴族、男爵家の令嬢だった。
彼女は最初の頃から悪い意味で有名だった。
大きすぎる胸を薄いブラウスのボタンで抑え、淑女にはありえない短すぎるスカートで足をさらけ出していた。
まるで娼婦のような彼女の姿をみた女性は不快感を表したが、男性たち_特に低位貴族や婚約者のいない令息_の心をうまく掴んだ彼女はそれはもううまくやっていた。
体までの関係を持っているのかまでは私にはわからない。
だけど彼女のそばにはまるで傭兵さながらの体格の良い男性が常にいた。彼女は男性たちを蔓延らせていたのだ。
それでも彼女の周りにいたのは婚約者がいない男性たちでしかも低位貴族ばかりだったため、いくら風紀が乱れようが私達は構わなかった。
クラスが違うことも理由にあったが、なによりも彼女の乱れた言動を見て眉をひそめるよりも、最後の学園生活を充実させることの方を選んだのだ。
ある日のことだった。
友人たちの話を聞いて、私もアルベルト様にお弁当を作ろうと思ったその日の夜、公爵家で雇っている料理人とメニューを考え、私が作れるようになるまでノウハウを教えてもらった。
朝早くに起き、料理人の監視のもとアルベルト様へのお弁当を作っていた。
卵が焦げないように何度も失敗した卵焼きは結局ゆで卵へと形を変えたが、生のままにならないようブロッコリーを茹でたり、お肉にちゃんと火が通るように火加減を料理人に教えてもらいながら、少しでも美味しくアルベルト様に召し上がってもらいたいという心を込めて、お弁当を完成させた。
可愛らしくラッピングを済ませ出来上がったものを手に持ったまま馬車に乗り込むと、見送りに来てくれたメイドが「絶対喜んでくれますよ!」と意気込みをみせる。
「ふふ、そうだと嬉しいわね」
せっかく頑張って作ったのだから絶賛とまではいかなくても、楽しい一時を過ごしたいものだと私は頭を下げるメイドが小さくなるまで、弾んだ気持ちで眺めた。
そして学園に着き、馬車から降りるとかけられた声の元を振り返る。
「エリーナ様、おはようございます」
「ルナ様。おはようございます」
「……それはお弁当ですか?」
「ええ。ルナ様のお話を聞いて私も作ってみましたの」
紙袋にいれたそれを一目でお弁当だと見抜いた友人は、私が肯定すると嬉しそうに顔を綻ばせた。
中身を見抜いたのも嬉しそうに微笑んだのも、彼女が私がお弁当を作ろうと思ったきっかけになった人だからだ。
ルナ・メイダース。
私と同じ公爵家の娘である彼女は、アルベルト様の護衛騎士第一候補のグレース・アイガル伯爵令息と婚約関係にある。
候補、というのはまだアイガル伯爵令息が学生で、騎士の称号を受け取っていないためだ。
学園を卒業すれば騎士の称号を与えられるほどに功績を積み重ねている彼は、とても優秀な騎士であると記憶している。
ルナ様はそんな王子殿下であるアルベルト様に付き従うアイガル伯爵令息との時間をあまり持てなかった。
だから少しの時間でも良い思い出になるようにと考えていたルナ様は、教室内で話す他の令嬢の話を参考にした結果、お弁当作戦は大成功を納めたと話してくれたのだ。
「まぁ!嬉しい!
では今日はエリーナ様は殿下と共に過ごされるのですね。幸せな報告をお待ちしておりますわ!」
自分のことのように喜ぶルナ様に私も自然と口端が上がる。
「ありがとうございます。ルナ様」
最近帝王学を学び始めたアルベルト様と一緒にいる時間がとれなくなっていたのだ。
一緒に登下校していた時間も、待ち合わせていた時間が日によって異なるかもしれないと、準備に時間がかかる私を気遣い、別々で登下校するようになってしまった。
共に食事をしていた時間は、完全になくなったわけではないがそれでも週一度と決められ、頻度が減った。
忙しいアルベルト様に無理を要求するわけにもいかず、私はアルベルト様の将来のため見守ることに徹したのだ。
そんな昼食の時間を私は食堂のざわついた空間ではない静かな場所で、アルベルト様と過ごそうと考えた。
(お弁当には保存魔法もかけているから、いつでも出来上がりのように食すことができるわ)
あとは場所だけだ。
そう思った私は当日でしか予約できないガゼボを利用しようと、ルナ様と分かれて施設予約をするべく管理室へと足を運んだ。
だが
「え、アルベルト様が予約しているのですか?
しかも利用者は私とアルベルト様?」
いざ予約をしようと管理人に声を掛けると、想定外なことを言われ私は目を瞬かせた。
帝王学を学び始めた頃、実際に登校時間が今まで以上に遅くなったアルベルト様は、私との待ち合わせを申し訳なさそうに話した。
だからこそ、私もアルベルト様の断りを受け入れたのだ。
そんな彼が私よりも早く登校し、施設予約をしていることが疑問に感じたのだが、施設予約は必ずしも利用者本人でなければいけないというものではない。
例えば家の用で急に学園に来る時間が遅れた場合、本人の代わりに別の者があらかじめ予約することができる。
きっと今回のパターンも従者候補となるものが予約したのだろうと私は考えた。
「他の時間での施設予約は行いますか?」
「……いえ、大丈夫ですわ」
昼食休憩の時間にガゼボを予約しているからと言って、他の時間も別の用件で予約することだってある。
だから再度予約確認をする管理人に私は断りを入れてその場を去った。
私に話を通すことなく利用者として予約していたことに違和感を感じたが、そんな微かな違和感よりもアルベルト様も私と同じ気持ちでいたことに歓喜していた為、細かい事には気が付かないふりをした。
そわそわとした気持ちで授業を受け、待ちに待ったお昼休みになるといつも共にしている友人たちに食堂に向かおうと声をかけられたが、私は断りを入れて足早に教室を出た。
説明が足りないような気が後からしたが、そこは朝にあったルナ様が伝えてくれるだろうと考える。
施設予約と言っても、利用する部屋やガゼボに鍵はない。
何故ならそれくらい生徒側でどうにかなる問題だからだ。
安全な王都内に設立された学園なのだから魔獣の心配もなく、王族も通うことから厳重な警備が敷かれているため侵入者の心配もない。
あとは生徒同士の問題なだけである。
個人的な恨みを持つもの、親等の指示を受けた者と事情はあるかもしれないが、実行に移す者は所詮生徒である。
掴まれたくない情報を口にする際は部屋全体か、当事者の周りに魔法を使えば情報が漏れることはない。
魔法を前に鍵という存在が意味をなさないという理由が大半ではあるが、魔法も効かないように鍵に特殊な効果をもたらせてしまうと犯罪にも繋がりかねない。
その為、鍵という概念はこの学園内には存在しないのだ。
私は逸る気持ちを抑えながらガゼボに向かい、アルベルト様が待っている場所に駆けつけた。
だけど、視界に入ったのは私ではない令嬢と仲良く身を寄せ合っているアルベルト様の姿だった。
「……っ……」
なんで、どうして。
そんな言葉が浮かび上がるが、わなわなと震える口からは音となって出ることはなかった。
(もしかして……)
登下校も昼食の時間も減らしたのは、帝王学を学び始めたことが理由ではなく、その女との時間を取るためだったの?
婚約者である私との時間ではなく、貴族令嬢として相応しくないその低俗な格好をした女との時間が欲しかったというの?
後に、頭に血が上るというのはこういうことかと思うくらい私は怒りが脳内を支配した。
そして私は一歩踏み出した。
が
(こんな姿を、みせるの?)
植えられた植物に制服が引っ掛かった事で、少しだけ我に返った私は現実を見れた。
そして思う。
淑女とは真逆の、感情を露わにしたこんな姿を。
きっとあの女に近寄れば、私は今以上に怒り狂う。
汚い言葉を口にし、目を吊り上げ見るも耐えない姿を見せるだろう。
アルベルト様の前で。
(…嫌よ!だめ!)
せっかく厳しい教育を受けここまでやってきたのに、それがこの一瞬でなくなってしまうのは耐えられそうになかったのだ。
私は歯を食いしばりその場を立ち去った。
つまり、………逃げたのだ。
私の目の前でいちゃつく二人の姿から。
どうにもできない感情を抱きながら走り去った。
二人の声は私には聞こえてこなかった。
おそらく音を遮断する魔法を使っているのだろう。
ならばきっと私の足音だって届いていない。
いくらアルベルト様が優秀であろうが、外の音だけを聞こえるようにするという高等テクニックの魔法はまだ身につけていないはず。これが帝王学を学ぶ前までの情報だとしても、高等テクニックはおいそれと身につけられるわけではない。
そうして、私は渡したい相手に渡せなくなったお弁当を抱えながら、食堂でお昼休みを過ごしているだろう友人たちのもとへと向かったのだった。
そう、アルベルト様に今もまだ寄り添っている女の妖艶な笑みに気づかないまま。
■
148
あなたにおすすめの小説
旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
海咲雪
恋愛
結婚式当日、私レシール・リディーアとその夫となるセルト・クルーシアは初めて顔を合わせた。
「君を愛する気はない」
そう旦那様に言い放たれても涙もこぼれなければ、悲しくもなかった。
だからハッキリと私は述べた。たった一文を。
「逃げるのですね?」
誰がどう見ても不敬だが、今は夫と二人きり。
「レシールと向き合って私に何の得がある?」
「可愛い妻がなびくかもしれませんわよ?」
「レシール・リディーア、覚悟していろ」
それは甘い溺愛生活の始まりの言葉。
[登場人物]
レシール・リディーア・・・リディーア公爵家長女。
×
セルト・クルーシア・・・クルーシア公爵家長男。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
海咲雪
恋愛
「ロイド様、今回も愛しては下さらないのですね」
「聖女」と呼ばれている私の妹リアーナ・フィオールの能力は、「モノの時間を戻せる」というもの。
姉の私ティアナ・フィオールには、何の能力もない・・・そう皆に思われている。
しかし、実際は違う。
私の能力は、「自身の記憶を保持したまま、世界の時間を戻せる」。
つまり、過去にのみタイムリープ出来るのだ。
その能力を振り絞って、最後に10年前に戻った。
今度は婚約者の愛を求めずに、自分自身の幸せを掴むために。
「ティアナ、何度も言うが私は君の妹には興味がない。私が興味があるのは、君だけだ」
「ティアナ、いつまでも愛しているよ」
「君は私の秘密など知らなくていい」
何故、急に私を愛するのですか?
【登場人物】
ティアナ・フィオール・・・フィオール公爵家の長女。リアーナの姉。「自身の記憶を保持したまま、世界の時間を戻せる」能力を持つが六回目のタイムリープで全ての力を使い切る。
ロイド・エルホルム・・・ヴィルナード国の第一王子。能力は「---------------」。
リアーナ・フィオール・・・フィオール公爵家の次女。ティアナの妹。「モノの時間を戻せる」能力を持つが力が弱く、数時間程しか戻せない。
ヴィーク・アルレイド・・・アルレイド公爵家の長男。ティアナに自身の能力を明かす。しかし、実の能力は・・・?
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】婚約者なんて眼中にありません
らんか
恋愛
あー、気が抜ける。
婚約者とのお茶会なのにときめかない……
私は若いお子様には興味ないんだってば。
やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?
大人の哀愁が滲み出ているわぁ。
それに強くて守ってもらえそう。
男はやっぱり包容力よね!
私も守ってもらいたいわぁ!
これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語……
短めのお話です。
サクッと、読み終えてしまえます。
侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい
花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。
ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。
あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…?
ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの??
そして婚約破棄はどうなるの???
ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。
ドレスが似合わないと言われて婚約解消したら、いつの間にか殿下に囲われていた件
ぽぽよ
恋愛
似合わないドレスばかりを送りつけてくる婚約者に嫌気がさした令嬢シンシアは、婚約を解消し、ドレスを捨てて男装の道を選んだ。
スラックス姿で生きる彼女は、以前よりも自然体で、王宮でも次第に評価を上げていく。
しかしその裏で、爽やかな笑顔を張り付けた王太子が、密かにシンシアへの執着を深めていた。
一方のシンシアは極度の鈍感で、王太子の好意をすべて「親切」「仕事」と受け取ってしまう。
「一生お仕えします」という言葉の意味を、まったく違う方向で受け取った二人。
これは、男装令嬢と爽やか策士王太子による、勘違いから始まる婚約(包囲)物語。
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる