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第一章 太陽の王子様と氷の王子様
8.新入社員歓迎会
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社長が電話で予約してくれたお店へ向かうことに自然となって、ハイヤーに皆で乗り込むことになった。
詳しいことは良く分からないけど、社長の実家にはお抱えの運転手も居そうな感じがするのに。
ハイヤーってそんなにポンポン呼べるものなのかな?
「小鳥さん、大体疑問に思ったことはお金持ちの特権だと思えば解決できるから」
「そういうものなんですか?」
「色々と驚いちゃうと思うけれど、社長って凄いと思えば大体解決しちゃうのよね」
私達の声が聞こえたのか、社長が振り返って来る。
「お、俺の噂してくれてる? いいねいいねー」
「お前……いいから前を向いてろ」
ため息混じりの氷室さんが軽く社長を睨むと、はいはい、と言って社長が仕方なく前を向く。
何となく喋っているうちにお店へ到着する。
外観もシンプルでオシャレな店構えで一人では入りづらそうな感じ。
「見た目は敷居高そうだけど、意外とリーズナブルでおすすめ。個室もあるから安心できるし」
「確かに。緊張しますけど、個室だとお話するのも安心できるしいいかもしれないですね」
「でしょー? 今度一緒に……」
社長が言いかけて私のまえにズイっと出てくると、岬さんが笑顔で私を引っ張って腕を取る。
「社長、ダメですよ? 私が先に小鳥さんと一緒にくるんですから」
「岬さん、可愛いー!」
「な……栞央里ちゃん、ズルい!」
「私も小鳥さんともっと仲良くなりたいので。ね?」
「ぜひ!」
岬さんが間に入ってくれると、本当に全て上手くいく。
社長も勝てないって感じで、引いていくのが面白くって。
岬さんと一緒にクスクスと笑い合う。
「海音、いいから席につけ」
「はぁい」
氷室さんまで名前で注意すると、大人しく席に着く。
社長は子どもっぽいところもあるけど、無理強いはしてこないみたいだからちょっとだけ安心した。
注文は社長に全て任せると、スラスラと頼んでるところは慣れているというか何というか。
デートとか普段からたくさんしているのかも。
先にお酒が運ばれてくる。
軽めだからと白ワインを勧められる。
乾杯はこれでしようと言うので、一杯目はお付き合いすることになった。
「じゃあ、ことりちゃん。改めてよろしくね。かんぱーい」
「……乾杯」
「あ、はい。よろしくお願いします。乾杯」
「よろしくね。乾杯」
ワイングラスが軽い音を奏でる。
店内も煩くない程度のクラシックが流れているくらいで、他のお客さんの話し声も聞こえない。
お話をするのにも便利そうなお店っていうことが良く分かる。
笑顔を向けてくれる社長と、相変わらず探りをいれるようにチラチラと見てくる氷室さん。
氷室さん、本当になんなんだろ。
言いたいことがあるなら言えばいいのに。
私も、黙っていられるかどうかは分からないけど。
詳しいことは良く分からないけど、社長の実家にはお抱えの運転手も居そうな感じがするのに。
ハイヤーってそんなにポンポン呼べるものなのかな?
「小鳥さん、大体疑問に思ったことはお金持ちの特権だと思えば解決できるから」
「そういうものなんですか?」
「色々と驚いちゃうと思うけれど、社長って凄いと思えば大体解決しちゃうのよね」
私達の声が聞こえたのか、社長が振り返って来る。
「お、俺の噂してくれてる? いいねいいねー」
「お前……いいから前を向いてろ」
ため息混じりの氷室さんが軽く社長を睨むと、はいはい、と言って社長が仕方なく前を向く。
何となく喋っているうちにお店へ到着する。
外観もシンプルでオシャレな店構えで一人では入りづらそうな感じ。
「見た目は敷居高そうだけど、意外とリーズナブルでおすすめ。個室もあるから安心できるし」
「確かに。緊張しますけど、個室だとお話するのも安心できるしいいかもしれないですね」
「でしょー? 今度一緒に……」
社長が言いかけて私のまえにズイっと出てくると、岬さんが笑顔で私を引っ張って腕を取る。
「社長、ダメですよ? 私が先に小鳥さんと一緒にくるんですから」
「岬さん、可愛いー!」
「な……栞央里ちゃん、ズルい!」
「私も小鳥さんともっと仲良くなりたいので。ね?」
「ぜひ!」
岬さんが間に入ってくれると、本当に全て上手くいく。
社長も勝てないって感じで、引いていくのが面白くって。
岬さんと一緒にクスクスと笑い合う。
「海音、いいから席につけ」
「はぁい」
氷室さんまで名前で注意すると、大人しく席に着く。
社長は子どもっぽいところもあるけど、無理強いはしてこないみたいだからちょっとだけ安心した。
注文は社長に全て任せると、スラスラと頼んでるところは慣れているというか何というか。
デートとか普段からたくさんしているのかも。
先にお酒が運ばれてくる。
軽めだからと白ワインを勧められる。
乾杯はこれでしようと言うので、一杯目はお付き合いすることになった。
「じゃあ、ことりちゃん。改めてよろしくね。かんぱーい」
「……乾杯」
「あ、はい。よろしくお願いします。乾杯」
「よろしくね。乾杯」
ワイングラスが軽い音を奏でる。
店内も煩くない程度のクラシックが流れているくらいで、他のお客さんの話し声も聞こえない。
お話をするのにも便利そうなお店っていうことが良く分かる。
笑顔を向けてくれる社長と、相変わらず探りをいれるようにチラチラと見てくる氷室さん。
氷室さん、本当になんなんだろ。
言いたいことがあるなら言えばいいのに。
私も、黙っていられるかどうかは分からないけど。
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