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第二章 社長のための期間限定パートナー
23.社長と氷室さんの関係
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今度は橘コーポレーションのことを詳しく学ぶことになって、普段の業務の後に氷室さんが時間を作ってくれることになった。
何度か教えてもらっていたんだけど、色々と嫌味は言うけど教え方は分かりやすいから学校の先生に教えてもらってるみたいな感じ。
「では、橘コーポレーションの創始者の名前は?」
「猪熊さん、ですよね?」
「奥様の名前は?」
「和代さん」
「これを間違えるようでは問題外だが、毎日聞かないといざという時に間違える可能性がある」
こんなこと聞かれるとは思えないけど、一応基礎知識として会社のことは知っていないとお話にならないというのが氷室さんの意見。
ちなみに社長は俺も覚えてないし、って言うんだけど。
社長は一族の一員なんだし、私とは立場も違うから参考にならないのよね。
「本来はこのように毎日残って覚える必要はないのだがな。君のためには繰り返すことが一番効率もいいだろう」
「本当に励ましているのかバカにしているのか、どっちかにしてもらっていいですか? 教え方も上手ですし、残って頂いて感謝してますけど。いつも言い方が嫌味だから素直に喜べないんです」
「私は普通に言っているつもりだが、君の捉え方の問題だろう」
「無自覚で仰っているなら、一度ご自身の胸に手を当てて考えてみたほうがいいと思います。嫌味だから」
軽く牽制をし合うのがいつもの流れになってきてしまっている気がする。
別に揉めたいわけじゃないし、氷室さんも優しいところがあるのも分かっているんだけど……やっぱり棘がある。
+++
それから暫くは資料を読んで、会社のことを詰め込んだあとに社長のご家族の話もする。
ある程度話したあと、氷室さんと社長のことが気になってしまってこの際だから聞いてみようと思って氷室さんと目線をあわせる。
「氷室さんと社長って家同士も繋がっているってことなんですか?」
「家は代々橘家のボディーガードとして側に仕えてきたからな。男子は大体橘家の後継者の側にいる。私は社長、海音とは元々幼なじみのような関係で共に育ってきた。家同士のこともそうだが、それが当たり前だったから何も気にしたことはなかったな」
「友だちすら決められている人生だなんて、考えたこともありません。お金持ちの世界は大変なんですね。私じゃとても耐えられません」
「そうだな。私も学生の頃は疑問に思ったときもあった。もっと自由に生きてみたいと。だが、それは実現することのないただの妄想だ。私自身はあまり不自由に感じていなかったから、幼少期からそういう育て方をされたんだろう」
人様の家のことに今更グチグチと文句を言うつもりもないけど、子どもの頃ですら自由もないなんて……今はこれでも自由なのかもしれない。
氷室さんが今少しでも自由でいられるのならいいんだけど。
何度か教えてもらっていたんだけど、色々と嫌味は言うけど教え方は分かりやすいから学校の先生に教えてもらってるみたいな感じ。
「では、橘コーポレーションの創始者の名前は?」
「猪熊さん、ですよね?」
「奥様の名前は?」
「和代さん」
「これを間違えるようでは問題外だが、毎日聞かないといざという時に間違える可能性がある」
こんなこと聞かれるとは思えないけど、一応基礎知識として会社のことは知っていないとお話にならないというのが氷室さんの意見。
ちなみに社長は俺も覚えてないし、って言うんだけど。
社長は一族の一員なんだし、私とは立場も違うから参考にならないのよね。
「本来はこのように毎日残って覚える必要はないのだがな。君のためには繰り返すことが一番効率もいいだろう」
「本当に励ましているのかバカにしているのか、どっちかにしてもらっていいですか? 教え方も上手ですし、残って頂いて感謝してますけど。いつも言い方が嫌味だから素直に喜べないんです」
「私は普通に言っているつもりだが、君の捉え方の問題だろう」
「無自覚で仰っているなら、一度ご自身の胸に手を当てて考えてみたほうがいいと思います。嫌味だから」
軽く牽制をし合うのがいつもの流れになってきてしまっている気がする。
別に揉めたいわけじゃないし、氷室さんも優しいところがあるのも分かっているんだけど……やっぱり棘がある。
+++
それから暫くは資料を読んで、会社のことを詰め込んだあとに社長のご家族の話もする。
ある程度話したあと、氷室さんと社長のことが気になってしまってこの際だから聞いてみようと思って氷室さんと目線をあわせる。
「氷室さんと社長って家同士も繋がっているってことなんですか?」
「家は代々橘家のボディーガードとして側に仕えてきたからな。男子は大体橘家の後継者の側にいる。私は社長、海音とは元々幼なじみのような関係で共に育ってきた。家同士のこともそうだが、それが当たり前だったから何も気にしたことはなかったな」
「友だちすら決められている人生だなんて、考えたこともありません。お金持ちの世界は大変なんですね。私じゃとても耐えられません」
「そうだな。私も学生の頃は疑問に思ったときもあった。もっと自由に生きてみたいと。だが、それは実現することのないただの妄想だ。私自身はあまり不自由に感じていなかったから、幼少期からそういう育て方をされたんだろう」
人様の家のことに今更グチグチと文句を言うつもりもないけど、子どもの頃ですら自由もないなんて……今はこれでも自由なのかもしれない。
氷室さんが今少しでも自由でいられるのならいいんだけど。
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