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29.熊さんも助けなくっちゃ!
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僕は熊さんの前に立って、お話するために顔をあげる。
熊さんは大きくって怖いけど、さっきからすごく苦しそうだし熊さんを苦しくしてることがあるはずなんだ。
だから、どうして苦しいのか聞かなくっちゃ!
「熊さん、僕はフィロ。熊さんは苦しいことがあるんだよね。僕、お話を聞くから! 熊さんを助けたいんだ。だから、どこが苦しいのか教えて!」
「グゥゥ……」
熊さんは大きな口を開けて、僕に来るなと言った。
僕は黒い服の人と同じ人間だから、きっとうそつきだって思ってるんだ。
「フィロはこの私の怒りすら止めてみせた強い子だ。この角を見て分かるだろう? ドラゴンの怒りすら受け止めてくれる。この子は悪い人間とは違うぞ!」
「そうよ! フィロは変わってるけど悪いヤツじゃないわ。言いたいことがあるなら言ってみなさいよ。あたしたちが何とかしてあげるって言ってるの!」
「ピッ! ピピッ!」
ポイも一緒に熊さんの前を飛んで、お話しようとしてくれてる。
ポイを見た熊さんは、怒ってた気持ちを少しだけおさえて静かにしてくれた。
きっと、ポイも怖いのにいっしょうけんめい頑張ってるから気持ちが伝わったんだ。
ラグお姉さんとルナちゃんの気持ちも伝わったみたいで、熊さんがとぎれとぎれにお話をはじめてくれる。
「ガァ! グオォ……グッ! ウゥゥ……」
「くびわ? くびわのせいで苦しいの?」
熊さんはしゃべりながら、じたばたしてる。
ラグお姉さんとルナちゃんも熊さんの動きを止めてくれてるけど、熊さんの力が強すぎるみたいだ。
このままじゃ、熊さんの力に負けちゃうかもしれない。
だから、僕がもっと頑張ってお話しなくちゃ!
「え? くびわがめいれい?」
「命令だと? 首輪は確かに熊の首に付いているな。隷属系魔法がかけられてる魔法の道具だろう」
「つまり、首輪に無理やり命令されてるせいで自分の思う通りにできないってことでしょ? 壊せばいいのかしら。そうすれば熊は自由になれるってことよね」
そっか……無理やり動かされちゃってるから苦しいんだ。
首の辺りは傷もあるみたいだし、くびわを取ろうとしてうまくいかなくてあばれちゃったのかもしれない。
「大丈夫かな? こわしたら熊さんがケガしないかな」
「大丈夫。私に任せておけ。ルナ、少し任せていいか?」
「仕方ないわね! 全力でおさえるから、熊はもう少しじっとしてなさい!」
ルナちゃんはつえから、もっとたくさんのつるを出した。
つるを伸ばして熊さんの手をバンザイさせて、両手をぎゅっとつるでまとめていく。
熊さんは足をじたばたさせてるけど、ルナちゃんがふんばって動かさないようにしてる。
僕もルナちゃんの後ろに行って、ルナちゃんが引っ張られないように身体をおさえて一緒にふんばる。
「フィロ! 勝手に身体をつかまないでよ!」
「僕も何かお手伝いしたくって……」
「嫌なわけじゃないわよ! ああもう! ラグ、さっさとしてよね」
「分かった。熊、動くなよ。一瞬だからな」
ラグお姉さんは熊さんに向かって走っていきながら、熊さんの前で思いっきりジャンプする。
持っていた剣を両手をあげて振り上げてから、熊さんめがけておもいっきりブンッと振り下ろした。
熊さんは大きくって怖いけど、さっきからすごく苦しそうだし熊さんを苦しくしてることがあるはずなんだ。
だから、どうして苦しいのか聞かなくっちゃ!
「熊さん、僕はフィロ。熊さんは苦しいことがあるんだよね。僕、お話を聞くから! 熊さんを助けたいんだ。だから、どこが苦しいのか教えて!」
「グゥゥ……」
熊さんは大きな口を開けて、僕に来るなと言った。
僕は黒い服の人と同じ人間だから、きっとうそつきだって思ってるんだ。
「フィロはこの私の怒りすら止めてみせた強い子だ。この角を見て分かるだろう? ドラゴンの怒りすら受け止めてくれる。この子は悪い人間とは違うぞ!」
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「ピッ! ピピッ!」
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きっと、ポイも怖いのにいっしょうけんめい頑張ってるから気持ちが伝わったんだ。
ラグお姉さんとルナちゃんの気持ちも伝わったみたいで、熊さんがとぎれとぎれにお話をはじめてくれる。
「ガァ! グオォ……グッ! ウゥゥ……」
「くびわ? くびわのせいで苦しいの?」
熊さんはしゃべりながら、じたばたしてる。
ラグお姉さんとルナちゃんも熊さんの動きを止めてくれてるけど、熊さんの力が強すぎるみたいだ。
このままじゃ、熊さんの力に負けちゃうかもしれない。
だから、僕がもっと頑張ってお話しなくちゃ!
「え? くびわがめいれい?」
「命令だと? 首輪は確かに熊の首に付いているな。隷属系魔法がかけられてる魔法の道具だろう」
「つまり、首輪に無理やり命令されてるせいで自分の思う通りにできないってことでしょ? 壊せばいいのかしら。そうすれば熊は自由になれるってことよね」
そっか……無理やり動かされちゃってるから苦しいんだ。
首の辺りは傷もあるみたいだし、くびわを取ろうとしてうまくいかなくてあばれちゃったのかもしれない。
「大丈夫かな? こわしたら熊さんがケガしないかな」
「大丈夫。私に任せておけ。ルナ、少し任せていいか?」
「仕方ないわね! 全力でおさえるから、熊はもう少しじっとしてなさい!」
ルナちゃんはつえから、もっとたくさんのつるを出した。
つるを伸ばして熊さんの手をバンザイさせて、両手をぎゅっとつるでまとめていく。
熊さんは足をじたばたさせてるけど、ルナちゃんがふんばって動かさないようにしてる。
僕もルナちゃんの後ろに行って、ルナちゃんが引っ張られないように身体をおさえて一緒にふんばる。
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「僕も何かお手伝いしたくって……」
「嫌なわけじゃないわよ! ああもう! ラグ、さっさとしてよね」
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