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28.奥にいたのは黒くて大きい熊さん!
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ポイが元気で本当に良かった!
なでなですると、ポイも嬉しそうに僕にすり寄ってくれる。
「待ってて。みんなのことも助けてあげるから」
「がう!」
「きゅうー」
他の生き物たちも、みんな大人しくていい子たちばっかりだ。
ラグお姉さんが大きめのカギを剣でこわして、ルナちゃんは開けるのが難しそうなカギを火の魔法で溶かして開けていく。
僕はナイフでたたいて、小さめのカギをこわす。
「全員出たらかたまっているのだぞ。私たちで奥の様子を見てくるからな」
「そうね。バラバラより一緒に出ちゃえばきっとうまくいくわね」
「うん! みんな、もう少し待っててね」
僕たちが話しかけると、出てきた生き物たちは部屋のすみっこに固まってくれる。
魔物たちも、森に帰りたいから今ここであばれたりしないって約束してくれたから大丈夫そうだ。
「さて、では右奥に行くとしよう」
「なんか嫌な感じがするのよね。さっきからしっぽがぶるぶるしてるもの」
建物の前で変身は解いていたから、ルナちゃんもフードの下に耳としっぽがある。
嫌なことがあるとしっぽで分かるのかな?
奥の方から聞こえる声は、すごく苦しそうで痛そうな声だ。
「人間がエサをやると言っていたな。エサやりが上手くいっていないのかもしれない。とにかく行ってみよう」
声がとぎれとぎれだから、何を言っているのかよく分からない。
右の奥へと進んでいくと、一番大きな檻の中に黒くて大きな熊さんがいた。
「おい! 暴れるなって!」
「仕方ない、これで大人しくさせよう」
黒い服の人は、手に持っている四角いものについているボタンのようなものを押す。
すると、バチバチっという音と一緒にカミナリみたいなものが光る。
「グォォォっ!」
「わあっ! おい、本当に大丈夫か?」
「そんなこと言ったって、言うこと聞かないコイツが悪いだろ。もう少し力を上げて……」
男の人がカチカチとボタンをひねると、バチバチが強くなる。
熊さんが痛がってもっと暴れはじめた。
「あれはカミナリの魔法か? 痛みで言うことをきかせるつもりか!」
「見てる場合じゃないわね! あの大きなのに暴れられたら、ここで生き埋めになっちゃうわ!」
ラグお姉さんとルナちゃんが、後ろから黒い服の人たちの首の辺りをたたく。
黒い服の人たちは、へにゃっと地面に倒れてしまった。
バチバチは見えなくなったけど、ガシャガシャと聞こえたあとにバァーンとすごい音がして檻がこわれる。
「遅かったか!」
「ちょっと! 落ち着いてくれないと困るんだけど!」
「ウゥゥゥっ!」
熊さんは苦しい苦しいって言いながら、腕をぶんぶん振り回す。
まわりにあった物が吹き飛んで、大きな音がする。
「建物が揺れれば、上の人間たちも騒ぎ始めるぞ」
「捕まってた子たちも逃がさなくっちゃいけないし、どうすんのよ?」
ラグお姉さんとルナちゃんも熊さんを止めようとするけど、熊さんがあばれるからうまく近づけないみたい。
怖いけど、僕が熊さんと少し話してみるしかない。
さっきのカミナリの前から苦しいって言ってたから、きっと伝えたいことがあるんだ。
「僕が熊さんとお話してみる」
「フィロ! 危ないぞ!」
「でも、ラグのことも止めたフィロならいけるかもしれないわ。危なくないように助けてあげるから、やってみなさい!」
ルナちゃんがつえを振ると、植物のつるが飛び出てくる。
熊さんの片方の腕を植物のつるでぐるぐる巻きにして、なんとか動きを止めてくれた。
ラグお姉さんも熊さんの足に飛びついて、グッと力をこめて足を止めてくれる。
「フィロ、今のうちに!」
「うん!」
僕は熊さんに近づいて、いっぱい息を吸った。
なでなですると、ポイも嬉しそうに僕にすり寄ってくれる。
「待ってて。みんなのことも助けてあげるから」
「がう!」
「きゅうー」
他の生き物たちも、みんな大人しくていい子たちばっかりだ。
ラグお姉さんが大きめのカギを剣でこわして、ルナちゃんは開けるのが難しそうなカギを火の魔法で溶かして開けていく。
僕はナイフでたたいて、小さめのカギをこわす。
「全員出たらかたまっているのだぞ。私たちで奥の様子を見てくるからな」
「そうね。バラバラより一緒に出ちゃえばきっとうまくいくわね」
「うん! みんな、もう少し待っててね」
僕たちが話しかけると、出てきた生き物たちは部屋のすみっこに固まってくれる。
魔物たちも、森に帰りたいから今ここであばれたりしないって約束してくれたから大丈夫そうだ。
「さて、では右奥に行くとしよう」
「なんか嫌な感じがするのよね。さっきからしっぽがぶるぶるしてるもの」
建物の前で変身は解いていたから、ルナちゃんもフードの下に耳としっぽがある。
嫌なことがあるとしっぽで分かるのかな?
奥の方から聞こえる声は、すごく苦しそうで痛そうな声だ。
「人間がエサをやると言っていたな。エサやりが上手くいっていないのかもしれない。とにかく行ってみよう」
声がとぎれとぎれだから、何を言っているのかよく分からない。
右の奥へと進んでいくと、一番大きな檻の中に黒くて大きな熊さんがいた。
「おい! 暴れるなって!」
「仕方ない、これで大人しくさせよう」
黒い服の人は、手に持っている四角いものについているボタンのようなものを押す。
すると、バチバチっという音と一緒にカミナリみたいなものが光る。
「グォォォっ!」
「わあっ! おい、本当に大丈夫か?」
「そんなこと言ったって、言うこと聞かないコイツが悪いだろ。もう少し力を上げて……」
男の人がカチカチとボタンをひねると、バチバチが強くなる。
熊さんが痛がってもっと暴れはじめた。
「あれはカミナリの魔法か? 痛みで言うことをきかせるつもりか!」
「見てる場合じゃないわね! あの大きなのに暴れられたら、ここで生き埋めになっちゃうわ!」
ラグお姉さんとルナちゃんが、後ろから黒い服の人たちの首の辺りをたたく。
黒い服の人たちは、へにゃっと地面に倒れてしまった。
バチバチは見えなくなったけど、ガシャガシャと聞こえたあとにバァーンとすごい音がして檻がこわれる。
「遅かったか!」
「ちょっと! 落ち着いてくれないと困るんだけど!」
「ウゥゥゥっ!」
熊さんは苦しい苦しいって言いながら、腕をぶんぶん振り回す。
まわりにあった物が吹き飛んで、大きな音がする。
「建物が揺れれば、上の人間たちも騒ぎ始めるぞ」
「捕まってた子たちも逃がさなくっちゃいけないし、どうすんのよ?」
ラグお姉さんとルナちゃんも熊さんを止めようとするけど、熊さんがあばれるからうまく近づけないみたい。
怖いけど、僕が熊さんと少し話してみるしかない。
さっきのカミナリの前から苦しいって言ってたから、きっと伝えたいことがあるんだ。
「僕が熊さんとお話してみる」
「フィロ! 危ないぞ!」
「でも、ラグのことも止めたフィロならいけるかもしれないわ。危なくないように助けてあげるから、やってみなさい!」
ルナちゃんがつえを振ると、植物のつるが飛び出てくる。
熊さんの片方の腕を植物のつるでぐるぐる巻きにして、なんとか動きを止めてくれた。
ラグお姉さんも熊さんの足に飛びついて、グッと力をこめて足を止めてくれる。
「フィロ、今のうちに!」
「うん!」
僕は熊さんに近づいて、いっぱい息を吸った。
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