村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~

楓乃めーぷる

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48.眠ったら出発!

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 お城の人に寝室まで案内される。
 ふかふかのベッドで眠れるってルナちゃんがよろこんでたから、僕も楽しみになってきた。

「では、こちらのお部屋をお使いください」
「すまないな。ありがとう」

 部屋を一人一つずつ用意してもらったから、お部屋の前でみんなと別れてお部屋に入る。
 お部屋の中はすごくきれいでビックリした。
 ルナちゃんも楽しみにしていたふかふかベッドが置いてあって、すごく寝心地がよさそうだ。

「ピピッ! ピー!」
「ポイも楽しみ? 僕も楽しみ」

 ポイがポケットから飛び出てきて、ベッドの周りをぐるりと一周する。
 ずっと静かに話を聞いてくれていたから、ポイも外に出たいのを我慢してくれていたみたい。

「今日はあと眠るだけだから、僕は寝ちゃうけど。ポイは遊びたかったらこのお部屋の中だったらいいよ」
「ピ!」

 ポイはお部屋の中をしばらく飛び回ってから、ベッドの上で寝転んだ僕のそばに帰ってきた。

「今日は早めに眠って、明日に備えなくっちゃね。おやすみ、ポイ」
「ピピ!」

 ポイをなでなでしながら、ゆっくり目をつぶる。
 ふかふかのベッドはすぐに眠くなってくる。
 気づいたときには、眠ってしまっていた。

 +++

 次の日の朝、起きてから洋服を整えて部屋の外に出る。

「おはよう、フィロ」
「ラグお姉さん、おはよう」

 ちょうどお部屋から出てきたラグお姉さんと会えた。
 お話していると、オルお兄さんとルナちゃんもお部屋から出てきた。

「良いベッドだったわね。宿屋のベッドもいいベッドだったけど、さすがお城のベッドね」
「そうだな。よく眠ることができた」

 みんなゆっくり眠れたみたいで良かった。
 僕たちが話していたところに、お城の人がやってきて僕たちを外まで案内してくれた。
 外に出るとお城の騎士の人が立っていて、そばに僕たちが乗る馬もいる。
 毛並みがツヤツヤしていて、可愛がられてるお馬さんみたいだ。

「おはようございます」
「おはよう。君が一緒に来てくれるのか」

 騎士のお兄さんは僕たちを見てぺこりと頭を下げてくれた。
 銀色のよろいを着ていて、すごくカッコイイ。
 腰にぶらさげている剣も、大きくてピカピカだ。

「私はルイーツと申します。フェニックスのいる渓谷けいこくまでの道案内をさせていただきます」
「よろしく頼む。万が一魔物が現れた時は一緒に戦ってくれるのだろう?」

 ラグお姉さんがたずねると、騎士のルイーツさんもはい、と言って頷いてくれる。

「うわさによれば皆様はお強いと聞きましたが、私もカステロッシの騎士として一緒に戦わせていただきます」
「王様が選んだってことは、若そうだけど強いってことなのよね? 期待してるわ」

 ルナちゃんが言う通り、ルイーツさんはオルお兄さんより年下な感じがする。
 茶色の短い髪の毛は爽やかな感じがして、キリっとしている感じがカッコイイお兄さんだ。
 騎士さんだからピシッとしてるし、僕が馬に乗るときも優しく補助をしてくれた。

 僕は一人じゃ馬に乗れないから、ラグお姉さんと一緒だ。
 ルナちゃんは一人でも乗れるって言ってたけど、オルお兄さんと一緒の馬に乗ることになった。
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