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47.王様からのお願い事
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王様はふうっと長く息を吐き出して、僕をじっと見つめる。
「フェニックスが言うには、子どもが連れ去られたらしい。しかも人間が連れ去っていったというのだ」
「また欲深い人間の仕業か」
ラグお姉さんがきっぱり言うと、僕たち人間は何も言えなくなっちゃう。
悪い人はめずらしい生き物を集めて、もっと悪いことに使おうとする気がする。
子どもを連れていった人も、この前の闇オークションの人たちと同じ考えなのかもしれない。
きっとフェニックスの子どもも、悪い人がとっていったんだろうな。
「すまない。人間だからと差別するのはよくないな。我々も悪な者は悪だ」
「熊も人間を食料にするようなヤツもいる。種族関係なく悪さをするものはいるものだ」
ラグお姉さんとオルお兄さんが優しく言ってくれたので、僕も安心する。
王様もほっとした顔をしてるみたいだ。
「フェニックスの住む渓谷は人が行くには険しい道のりだ。だが、フェニックスが子どものために食べ物を探しにいった隙を狙っていたようだ」
「お金が欲しいヤツは悪知恵が働くのね」
ルナちゃんも呆れた声を出して、ため息をついてる。
悪い人ほど、いろんなことを思いついちゃうんだろうなあ。
「僕は何をすればいいですか?」
「フィロさんにはフェニックスと対話してもらい、怒りを鎮めてもらいたいのです」
「話すだけで分かってくれればいいが、我が子を奪われたフェニックスの怒りはすさまじいだろうな」
なんだかドキドキしてきちゃった。
ラグお姉さんを見上げると、優しく僕のことをなでてくれる。
「フィロには私たちがついている。大丈夫だ。フィロならできる」
「ラグお姉さん……ありがとう。僕はみんなと一緒ならたくさん頑張れるから大丈夫だよ」
僕がお話することで、フェニックスさんも分かってくれるといいんだけど……。
オルお兄さんとルナちゃんも、僕を見てうなずいてくれた。
「我が城からも案内の騎士と馬を出そう。ここから少し距離があるのだが、途中に休める場所があるから好きに使ってくれて構わない」
「ここから一日以上かかるところにあるのか。まあ、渓谷であればそうなるか」
「案内の人たちが来てくれるっていうなら、あたしたちはついていけばいいだけでしょ。フェニックスが暴れた時は騎士の人も助けてくれるわけだし。なるべく気楽に考えましょ」
ルナちゃんが明るく言ってくれたので、僕も安心する。
何が起こるか分からないけれど、僕がお話して分かってくれるといいな。
「今日は城に泊まっていただいて、明日の早朝に出発できるよう手配しておきます。どうかよろしくお願いいたします」
スタンさんが深々と僕たちの前で頭を下げると、王様もよろしく頼むと頭を下げてくれた。
王様が頭を下げるだなんて、きっとすごく困ってるんだろうな。
僕もいっしょうけんめい頑張らなくちゃ!
「フェニックスが言うには、子どもが連れ去られたらしい。しかも人間が連れ去っていったというのだ」
「また欲深い人間の仕業か」
ラグお姉さんがきっぱり言うと、僕たち人間は何も言えなくなっちゃう。
悪い人はめずらしい生き物を集めて、もっと悪いことに使おうとする気がする。
子どもを連れていった人も、この前の闇オークションの人たちと同じ考えなのかもしれない。
きっとフェニックスの子どもも、悪い人がとっていったんだろうな。
「すまない。人間だからと差別するのはよくないな。我々も悪な者は悪だ」
「熊も人間を食料にするようなヤツもいる。種族関係なく悪さをするものはいるものだ」
ラグお姉さんとオルお兄さんが優しく言ってくれたので、僕も安心する。
王様もほっとした顔をしてるみたいだ。
「フェニックスの住む渓谷は人が行くには険しい道のりだ。だが、フェニックスが子どものために食べ物を探しにいった隙を狙っていたようだ」
「お金が欲しいヤツは悪知恵が働くのね」
ルナちゃんも呆れた声を出して、ため息をついてる。
悪い人ほど、いろんなことを思いついちゃうんだろうなあ。
「僕は何をすればいいですか?」
「フィロさんにはフェニックスと対話してもらい、怒りを鎮めてもらいたいのです」
「話すだけで分かってくれればいいが、我が子を奪われたフェニックスの怒りはすさまじいだろうな」
なんだかドキドキしてきちゃった。
ラグお姉さんを見上げると、優しく僕のことをなでてくれる。
「フィロには私たちがついている。大丈夫だ。フィロならできる」
「ラグお姉さん……ありがとう。僕はみんなと一緒ならたくさん頑張れるから大丈夫だよ」
僕がお話することで、フェニックスさんも分かってくれるといいんだけど……。
オルお兄さんとルナちゃんも、僕を見てうなずいてくれた。
「我が城からも案内の騎士と馬を出そう。ここから少し距離があるのだが、途中に休める場所があるから好きに使ってくれて構わない」
「ここから一日以上かかるところにあるのか。まあ、渓谷であればそうなるか」
「案内の人たちが来てくれるっていうなら、あたしたちはついていけばいいだけでしょ。フェニックスが暴れた時は騎士の人も助けてくれるわけだし。なるべく気楽に考えましょ」
ルナちゃんが明るく言ってくれたので、僕も安心する。
何が起こるか分からないけれど、僕がお話して分かってくれるといいな。
「今日は城に泊まっていただいて、明日の早朝に出発できるよう手配しておきます。どうかよろしくお願いいたします」
スタンさんが深々と僕たちの前で頭を下げると、王様もよろしく頼むと頭を下げてくれた。
王様が頭を下げるだなんて、きっとすごく困ってるんだろうな。
僕もいっしょうけんめい頑張らなくちゃ!
応援ありがとうございます!
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