勇者のママは今日も魔王様と

蛮野晩

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勇者のママは今日も魔王様と

第五章・私は愛されたかったのです。たとえ娼婦のような真似をしても。4

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「次はここで気持ち良くしてくれ」
「はい……っ」

 良かった。まだ行為が続けられます。
 飽きられたらどうしようかと思いました。
 私は目を閉じ、ゆっくりと開いてハウストを見つめる。
 そしてハウストに笑いかけました。

「……ハウスト、私がしますから、少し待っててください」

 これ以上、ハウストに面倒だと思われるのは嫌です。
 私は自分の指を舐めて濡らし、そっと自分の後孔へ持っていく。
 ハウストに初めて抱かれて以来のそこは硬く閉じていますが、構わずに指を突き入れました。

「っ、……くっ」

 ピリリッ、とした痛みが走りました。
 でも構わずに奥へ指を入れ、少しでも中を解していく。
 違和感と異物感、そして痛みしかありません。
 しかも後孔はすぐに乾いてしまうので何度も指を舐め、自身の唾液で濡らしていきました。

「う、ん……っ」

 早くしなければと焦ってしまう。
 ハウストを待たせるわけにはいきません。
 せっかく待ってくれているのに、興醒めさせるわけにはいかないのです。
 早く準備を整えたくて、痛みを感じていても指を二本、三本と無理やり増やしていく。
 無理に擦ったせいで後孔は熱を持ち、少し脹れぼったくなった気がします。でも構いませんでした。
 後孔から指を引き抜く。擦れて痛みを覚えたけれどハウストに笑いかけます。

「ハウスト、お待たせしました」
「もういいのか?」
「大丈夫ですよ」

 そう言うとハウストと向き合ったまま、彼の腰の上に跨りました。
 手をハウストの肩に置き、腰を浮かせて彼の勃起したものが私のお尻の下にくるようにします。
 大丈夫です、上手く出来るはずです。そう言い聞かせながら、ゆっくりと腰を下ろしていく。

「っ、あ! ……ああっ!」

 裂けるかと思うほどの激痛が走りました。
 全身が粟立ち、血の気が引いていく。
 やはりまだ解しきれていなかったのです。

「うっ、ん……くっ」

 腰がガクガク震え、今すぐ抜いてしまいたくなる。しかしハウストの肩を支えにして、なんとか持ちこたえました。
 それにまだ先端しか入っていません。
 青くなる唇を噛み締め、更に腰を下ろしました。

「ん、んんっ、……くっ、ああ!」

 全身に脂汗が浮いて、体が硬直して冷たくなっていく。
 時間をかけながらもなんとか全て飲み込み、はあはあと荒い呼吸をしながら顔をあげました。
 するとハウストと目が合い、私を見つめたまま笑みを浮かべてくれる。

「よく頑張ったな」

 そう言って口付けてくれました。
 それは優しい口付けでした。

「ハウスト、んぅ……、ん、んっ」

 私はハウストに抱き付き、夢中になって口付けをしました。
 下肢は今にもばらばらになりそうなほどなのに、ハウストに抱き付いているだけで痛みが麻痺していくのです。痛みなんて感じなくなっていくのです。
 まるであなたの口付けは麻薬ですね、ハウスト。
 私の中が馴染むのを待ってから彼が腰を動かしだす。

「ああッ」

 ハウストに下から突き上げられました。
 衝撃に体が仰け反り、後ろに倒れそうになって腕を掴まれる。
 腕を掴まれたまま下から何度も突き上げられ、その動きに逆らえずに私の体が彼の上で上下に跳ねてしまう。

「あぅっ、あ、あ、ンッ、ああッ!」

 奥を突かれる度に鼻にかかった高い声が漏れる。
 奥に挿入されたまま腰を掴まれて揺さぶられました。
 中にある私の弱いところを刺激したまま揺すられるとダメです。足の爪先まで電流のような快感が走るのです。

「アアッ! あッ、はぁ……、あッ、ハウス、ト……っ、だめですっ、だめ……っ!」

 彼の大きくて硬いもので内壁を擦られ、弱いところを突かれる度に嬌声が漏れてしまう。
 何がダメなのか自分でもわかりません。
 体内に嵐のような快感と熱が渦巻いて、どうしようもなく私を翻弄するのです。

「ん、アアッ! あッ、はぁ……、あッ、あ!」

 高く媚びた声が漏れてしまいます。我ながら耳を塞ぎたくなります。
 足を大きく開いて、はしたない格好で受け入れて、淫らさに泣きたくなります。
 でも。

「ハウスト……、んっ、気持ちいい、ですか……? んん、ッ」
「ああ」
「よかった……」

 嬉しくて視界がじわりと滲みました。
 嬉しい。ハウストが気持ちいいと言ってくれました。これって、必要とされているということですよね? 今回だけで終わらないということですよね?

「ハウストっ」

 抱きつくと、「ブレイラ」と呼ばれて唇を重ねられる。
 口付けが嬉しくて嬉しくて、私はやっぱり夢中になってしまいます。
 口付けが終わりそうになったら、もっとと何度も乞うてしまいます。
 ハウストの頭を抱き、合間に何度も名前を呼び、縋るように口付けを求め続けました。





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