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ふたりの心と体が一緒だったのは…本当に刹那の間だった。
王宮からの使者で…その時間は終わりを告げた。
そして、その知らせをふたりに伝えにきたのは、コンウォール男爵が自らだった。
鼓舞しなければ…若いふたりのことを思うと心が折れそうだったからだ。
「王宮より使者が参っております。国王陛下からのお召しです。急ぎお支度を」
エリザベスもアークフリードも、バクルー王が帰国まで後6日、いよいよだろうとは思ってはいたが、やはり緊張と…不安な気持ちからか…エリザベスは、隣に立つアークフリードを、アークフリードは、エリザベスを見た。
アークフリードに言葉はなかったが、優しく微笑みエリザベスを促した…。
エリザベスは、長らくアークフリードを見つめていたが、黙って頷き部屋を出た。
アークフリードは、エリザベスが出て行った扉を見つめたまま、エリザベスにとうとう聞けなかった言葉を、後ろに控えていた、コンウォールに聞いた。
「コンウォール殿、エリザベスがバクルー王のもとへ行くのは、俺やフランシスの為では…」
静かな部屋にアークフリードの声が低く響く
「アークフリード様、申し訳ありません。」と言って一旦、頭を下げたが、コンウォールだったが、すぐに顔をあげ
「騎士としてのプライドをお捨てください。…酷い事を言っているとわかっております…が…アークフリード様になにかあったら、エリザベス様はおそらく生きてはおられません。バクルー王が言ったそうです。
アークフリード様おひとりに、100人、いや1000人の兵士たちに狙えと命じると…。エリザベス様はこうも仰っておいででした、
魔法で、防げるかもしれないが、だが、万が一、1本の矢が、ひと振りの剣がアークフリード様の急所を突いたら…、死んだ人を生き返せることはできないと…。
どうか、エリザベス様のために、私が用意いたしました隠れ家へ、フランシス様と身をお隠しくださいませ。」
「やはり俺に…逃げろという事か…。エリザベスをバクルー王のもとへやって、俺に隠れていろと…。」
その声は怒りと言うより、泣いていた。
「13年前と同様に、俺は…俺はエリザベスを守れないのか…足手まといなのか…」
「アークフリード様…エリザベス様は、《王華》を…二つお持ちになりました。
《王華》があるかぎり、大丈夫でございます。バクルー王は、エリザベス様にはなにもできません。もし、あるとしたらアークフリード様に何かあった時…どうぞ、どうぞお願い致します。」
あの、コンウォールが泣いていた。崩れるように床に座り込み、頭を下げていた。
「コ、コンウォール殿。」アークフリードは、もうなにも言えなかった。
騎士の名誉、男としてプライドなどは…もういい…。
だが、愛する人を守れないどころか…足手まといになるかもしれないことが辛かった。
俺は何の為に剣の腕を磨いたんだ…。俺は…。
エリザベスは、扉の向こうで聞いていた…。「アーク…」と言って、胸元のペンダントを触った。このペンダントは、5歳の誕生日にあなたから貰ったもの、だからこの中にマールバラ王家が代々引き継いできた《王華》を…ううん、あなたが守ってくれた《王華》をいれた。
私はあなたと一緒に行くの。一緒に戦うの。あなたがいるから私は必ず勝てる。
まだ、バクルー王は私が二つの《王華》を手中に入れたことに気づいていない…。
《王華》がふたつあれば… 長い時間、大勢の兵士を倒すことができる、体力も魔法も尽きないだろう。
二つの《王華》さえあれば…勝てる。
…そして…エリザベスは自分のお腹を触った…。
おそらく私はアークの子を身ごもっているだろう。マールバラ王家は、自分が愛した人の間にしか、子供ができない…。
アーク…あなたがいるから、そしてこの子がいるから、私の魔法はより強くなる。
今の私は13年前の私とは違う。大事な人たちを守ることができる。
でも…でも…ごめんなさい。
あなたの名誉を汚すこととなっても、あなたを失うことはできない。
そんな危険さえも、冒したくない。
そう心の中で言うと、使者の待つ部屋へと顔を上げ向かった。
ノーフォーク王国の王宮内、バクルー王はいい加減疲れていた…。
ノーフォーク王の話は、カトリーヌのことばかりだったからだ。
こいつはカトリーヌじゃなくて、パメラを抱いていることがわからないんだなぁ…魅了魔法は怖いぜ。
俺としたことが…ここまで魅了魔法にやられているとは想像しなかった、
俺は掛けられなくて良かったぜ。
くわばらくわばら…。
いい加減、カトリーヌいやパメラのすばらしさに関する話は、もういい!!と怒鳴りたいくらいだ。
裏でパメラを通じてこの男の操り、この国を牛耳ってはいたが…。
やはり、こいつではもうだめだ。早く切って、俺がノーフォークを治めよう。
ノロノロしていたら、この腑抜けのせいで、俺がこいつを操っていたことが露呈して、この国の重鎮たちが動くやも知れん。せっかく、兵を温存してこのノーフォークを奪うことができるのに…。
それにしても…こう…パメラに腑抜けにされるとは…。
あぁそうだった…パメラだ…。どうするか…。
まだ、アークフリードを押さえてもらわなくてはいかん。
今夜、あいつを抱いて、懐柔するか…。
閨房の睦言など、信頼できないものはないと思うのだが、一番効果的なものも、これだしなぁ…。
だが、寝物語で、騙されるような女も男も詰まらん。
そう…女なら…。
俺は好奇心旺盛で賢い女が良い。俺と張り合うくらいの度胸もあれば…なお良い。
そう思うと思わず、バクルー王の口元が弧を描き、言葉が口に出た。
「あいつはいい女だ」と…。
その時ノーフォーク王が…「そうなのだよ、バクルー王。」と言った。
バクルー王は、噛み合わなかった会話が、こんな所で合うとはと大笑いした。
エリザベスがもうすぐここにやって来る。
俺とおまえの婚約が公布されるという話を……どんな顔で聞くんだ。
見せてもらおうか…。お前の最初の一手を。
王宮からの使者で…その時間は終わりを告げた。
そして、その知らせをふたりに伝えにきたのは、コンウォール男爵が自らだった。
鼓舞しなければ…若いふたりのことを思うと心が折れそうだったからだ。
「王宮より使者が参っております。国王陛下からのお召しです。急ぎお支度を」
エリザベスもアークフリードも、バクルー王が帰国まで後6日、いよいよだろうとは思ってはいたが、やはり緊張と…不安な気持ちからか…エリザベスは、隣に立つアークフリードを、アークフリードは、エリザベスを見た。
アークフリードに言葉はなかったが、優しく微笑みエリザベスを促した…。
エリザベスは、長らくアークフリードを見つめていたが、黙って頷き部屋を出た。
アークフリードは、エリザベスが出て行った扉を見つめたまま、エリザベスにとうとう聞けなかった言葉を、後ろに控えていた、コンウォールに聞いた。
「コンウォール殿、エリザベスがバクルー王のもとへ行くのは、俺やフランシスの為では…」
静かな部屋にアークフリードの声が低く響く
「アークフリード様、申し訳ありません。」と言って一旦、頭を下げたが、コンウォールだったが、すぐに顔をあげ
「騎士としてのプライドをお捨てください。…酷い事を言っているとわかっております…が…アークフリード様になにかあったら、エリザベス様はおそらく生きてはおられません。バクルー王が言ったそうです。
アークフリード様おひとりに、100人、いや1000人の兵士たちに狙えと命じると…。エリザベス様はこうも仰っておいででした、
魔法で、防げるかもしれないが、だが、万が一、1本の矢が、ひと振りの剣がアークフリード様の急所を突いたら…、死んだ人を生き返せることはできないと…。
どうか、エリザベス様のために、私が用意いたしました隠れ家へ、フランシス様と身をお隠しくださいませ。」
「やはり俺に…逃げろという事か…。エリザベスをバクルー王のもとへやって、俺に隠れていろと…。」
その声は怒りと言うより、泣いていた。
「13年前と同様に、俺は…俺はエリザベスを守れないのか…足手まといなのか…」
「アークフリード様…エリザベス様は、《王華》を…二つお持ちになりました。
《王華》があるかぎり、大丈夫でございます。バクルー王は、エリザベス様にはなにもできません。もし、あるとしたらアークフリード様に何かあった時…どうぞ、どうぞお願い致します。」
あの、コンウォールが泣いていた。崩れるように床に座り込み、頭を下げていた。
「コ、コンウォール殿。」アークフリードは、もうなにも言えなかった。
騎士の名誉、男としてプライドなどは…もういい…。
だが、愛する人を守れないどころか…足手まといになるかもしれないことが辛かった。
俺は何の為に剣の腕を磨いたんだ…。俺は…。
エリザベスは、扉の向こうで聞いていた…。「アーク…」と言って、胸元のペンダントを触った。このペンダントは、5歳の誕生日にあなたから貰ったもの、だからこの中にマールバラ王家が代々引き継いできた《王華》を…ううん、あなたが守ってくれた《王華》をいれた。
私はあなたと一緒に行くの。一緒に戦うの。あなたがいるから私は必ず勝てる。
まだ、バクルー王は私が二つの《王華》を手中に入れたことに気づいていない…。
《王華》がふたつあれば… 長い時間、大勢の兵士を倒すことができる、体力も魔法も尽きないだろう。
二つの《王華》さえあれば…勝てる。
…そして…エリザベスは自分のお腹を触った…。
おそらく私はアークの子を身ごもっているだろう。マールバラ王家は、自分が愛した人の間にしか、子供ができない…。
アーク…あなたがいるから、そしてこの子がいるから、私の魔法はより強くなる。
今の私は13年前の私とは違う。大事な人たちを守ることができる。
でも…でも…ごめんなさい。
あなたの名誉を汚すこととなっても、あなたを失うことはできない。
そんな危険さえも、冒したくない。
そう心の中で言うと、使者の待つ部屋へと顔を上げ向かった。
ノーフォーク王国の王宮内、バクルー王はいい加減疲れていた…。
ノーフォーク王の話は、カトリーヌのことばかりだったからだ。
こいつはカトリーヌじゃなくて、パメラを抱いていることがわからないんだなぁ…魅了魔法は怖いぜ。
俺としたことが…ここまで魅了魔法にやられているとは想像しなかった、
俺は掛けられなくて良かったぜ。
くわばらくわばら…。
いい加減、カトリーヌいやパメラのすばらしさに関する話は、もういい!!と怒鳴りたいくらいだ。
裏でパメラを通じてこの男の操り、この国を牛耳ってはいたが…。
やはり、こいつではもうだめだ。早く切って、俺がノーフォークを治めよう。
ノロノロしていたら、この腑抜けのせいで、俺がこいつを操っていたことが露呈して、この国の重鎮たちが動くやも知れん。せっかく、兵を温存してこのノーフォークを奪うことができるのに…。
それにしても…こう…パメラに腑抜けにされるとは…。
あぁそうだった…パメラだ…。どうするか…。
まだ、アークフリードを押さえてもらわなくてはいかん。
今夜、あいつを抱いて、懐柔するか…。
閨房の睦言など、信頼できないものはないと思うのだが、一番効果的なものも、これだしなぁ…。
だが、寝物語で、騙されるような女も男も詰まらん。
そう…女なら…。
俺は好奇心旺盛で賢い女が良い。俺と張り合うくらいの度胸もあれば…なお良い。
そう思うと思わず、バクルー王の口元が弧を描き、言葉が口に出た。
「あいつはいい女だ」と…。
その時ノーフォーク王が…「そうなのだよ、バクルー王。」と言った。
バクルー王は、噛み合わなかった会話が、こんな所で合うとはと大笑いした。
エリザベスがもうすぐここにやって来る。
俺とおまえの婚約が公布されるという話を……どんな顔で聞くんだ。
見せてもらおうか…。お前の最初の一手を。
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