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夜が明け、暗かった部屋に光が差してきた。
エリザベスは裸の体を隠すこともなく、窓に待たれぼんやりと外を見ている。
そんなエリザベスに、まだ弱い日差しが、白い肌に焦がれるかのように纏わりついていた。
昨日の激しい夜は、そんな彼女の白い体の至るところに、赤い色の花を残したが、違う色も彼女の心に残した…それはこれから始まるであろう、バクルー王が仕掛ける謀略への不安の色だ。
それは、色濃く彼女に残り、彼女の顔に影を落としていた。
そして俺は、横になったままそんな彼女を見ていた。
俺の視線に気づいたのか、エリザベスはこちらを見た…。エリザベスは笑っていた。
俺が手をエリザベスへと差し伸ばすと、彼女はゆっくりと近づいてきて、やわらかい笑みをまた見せる。
俺はそんな彼女に
「まだ、足りない…エリザベス。」そう言うと、
「私も…。」と言ってエリザベスは俺の胸に唇を寄せてきた。
刹那の間ながら、ふたりの心と体はひとつだった。
パメラは、ぼんやりと庭のガーデンチェアに座っていた。
ー壊れていたのはわかっていたが、ここまで私は壊れていたのか…。
エリザベスの言うとおり《王華》は…呪いだ。
(《王華》があれば、自分を受け入れてくれない人が受け入れてくれるのよ。 愛してくれるのよ。)
そう言った私に…エリザベスは…
(偽りの愛なのよ…魔法で虜にした人の優しさも、自分を触れる手も みんな幻と一緒…そう思った時の寂しさ、辛さは……虚しくないの。)
私を抱いた男達は、魅了魔法で虜にした者ばかり、本当は寂しく、虚しかった…。
だから…。
(魅了の魔法は勘弁してくれ…俺はいろんな女と楽しむほうがいいし、俺に追いかけまわされるのはいやだろう。)
と言って、私に魅了魔法を掛けさせなかった男に…。
魅了魔法を掛けないで私を抱く男に…。
私は…愛されているのでは…と、どこか勘違いをしていた。
偽りの愛でもいいのなら、バクルー王を魅了魔法で虜にできるだろう。
でもあの男は、エリザベスに惹かれている。
そんな男に魅了魔法を掛けたら…より…虚しい。
エリザベスの言う通りだ。
もし魅了魔法でバクルー王を虜にしたら…。
あの男が見せる優しさも、私に触れる手も みんな幻と一緒だ…
(そう思った時の寂しさ、辛さは……虚しくないの)
エリザベス……虚しいわね。
バクルー王は、エリザベスを見る眼が切なさで溢れているのに、気がついていないのだろう。そんな男の眼を見て、自分の思いを知った私も…愚かなのだが…。
歴代の王達は子ができるまで不老不死だ。子に《王華》を譲ると不老不死も譲ることになり、普通の人々と同じように老い、そして死んでゆく、私は……どうなるんだろう。
欠片ほどの量だが、《王華》で不老不死になった私は…どうなるのだろう。
この世を彷徨い歩くのか?
落ち着いたら、いろんなことが見えてきた…。
そう、アークフリードに《王華》は感じられなかったということは、もう、エリザベスの手中だろう…。
あのふたりの繋がりは運命なのだ。
魅了魔法でアークフリードを虜にしたくせにと、エリザベスには言ったが、本当はエリザベスが、魅了魔法を掛ける前に、アークフリードはエリザベスに見惚れていた。真っ赤な顔で、エリザベスを見つめていたのだ。
まだ未熟だったエリザベスの魅了魔法は兄さまによって解呪されたが…ふたりは引き寄せられるように、まためぐり逢い、そして恋に落ちた。
エリザベスとアークフリードが結ばれるのは、もはや運命だった。
バクルー王に勝ち目はない。
あの男も哀れだ…。私と同様に愛を知らない。そして自分の愛に気がつかない。
兄さま、私は何の為に生まれてきたの?
ただ罪を犯すために、生まれてきたような感じです。
生きていては罪を重ねるだけかもしれない。
疲れた…もう疲れた。でも私の中の《王華》が…ほんの少しだが…そのために私は死ぬことができない。
いや…エリザベスなら私の中の《王華》を取り出し……殺せる。
エリザベスなら…。
バクルー王は、パメラのことを思ったら、舌打ちが出てしまった。
ーあいつは、なにをトチ狂っているんだ!
自分の兄に惚れこんでいたんだろう、命も、国も奪うほどに、 それくらい惚れていたんだろう?それがなんでだ。こんな大事な時に…バカだとは思っていたが、ここまでとは…。パメラは切らなくては拙いなぁ。いつ切る?早いほうがいいなぁ。パメラで足を引っ張られそうだ。だが…突然なぜ?あんなことを言い出した。 愛を乞うてばかりの女だ…。体だけじゃなく、心まで抱いてくれる奴を捜していたんだろうが、
俺はごめんだ…。だが、なんで俺なんだ?
いや、どうでもいいさ。せっかく…好敵手と呼べる奴が本気で懸かってくる…。
あぁ、奴じゃ失礼だなぁ…賢王と呼ばれていた元王女が掛かって来るんだ。
俺はノーフォークも、エリザベスも手に入れる。
その前にアークフリードと《王華》だ。
元マールバラ王国に放っていた密偵の話だと、さすがに大きな魔法…例えば再生魔法だ。
時空魔法と治癒魔法を組み合わせて使う再生魔法は、かなりの魔力を使うらしい。まぁそうだろうな。
素人の俺だってそう思う、例えばなくなった手足を取り戻すとしたら、欠損部分を時空魔法でケガをする前に戻し、固定させるのだ。要するに治癒魔法は治す。再生魔法は元あった状態に戻す。ということらしい。
なら…アークフリードの手を…まぁ足でもいい、切断すれば…使うだろうな…再生魔法。
大きな魔法を使えば…エリザベスの魔力は枯渇する。そうすればただの女だ。
だが…
エリザベスにもう一つの《王華》…マールバラ王家が代々引き継いできた《王華》を手中に収められたら…。
パメラが一部を奪っているとはいえ…エリザベスを手に入れるのは厳しいだろうな。
くそっ!パメラさえしっかりしていれば…。
あぁ…しかたない。もう少し利用するか…。パメラと偽者にアークフリードを押さえててもらわないとなぁ。
エリザベスは裸の体を隠すこともなく、窓に待たれぼんやりと外を見ている。
そんなエリザベスに、まだ弱い日差しが、白い肌に焦がれるかのように纏わりついていた。
昨日の激しい夜は、そんな彼女の白い体の至るところに、赤い色の花を残したが、違う色も彼女の心に残した…それはこれから始まるであろう、バクルー王が仕掛ける謀略への不安の色だ。
それは、色濃く彼女に残り、彼女の顔に影を落としていた。
そして俺は、横になったままそんな彼女を見ていた。
俺の視線に気づいたのか、エリザベスはこちらを見た…。エリザベスは笑っていた。
俺が手をエリザベスへと差し伸ばすと、彼女はゆっくりと近づいてきて、やわらかい笑みをまた見せる。
俺はそんな彼女に
「まだ、足りない…エリザベス。」そう言うと、
「私も…。」と言ってエリザベスは俺の胸に唇を寄せてきた。
刹那の間ながら、ふたりの心と体はひとつだった。
パメラは、ぼんやりと庭のガーデンチェアに座っていた。
ー壊れていたのはわかっていたが、ここまで私は壊れていたのか…。
エリザベスの言うとおり《王華》は…呪いだ。
(《王華》があれば、自分を受け入れてくれない人が受け入れてくれるのよ。 愛してくれるのよ。)
そう言った私に…エリザベスは…
(偽りの愛なのよ…魔法で虜にした人の優しさも、自分を触れる手も みんな幻と一緒…そう思った時の寂しさ、辛さは……虚しくないの。)
私を抱いた男達は、魅了魔法で虜にした者ばかり、本当は寂しく、虚しかった…。
だから…。
(魅了の魔法は勘弁してくれ…俺はいろんな女と楽しむほうがいいし、俺に追いかけまわされるのはいやだろう。)
と言って、私に魅了魔法を掛けさせなかった男に…。
魅了魔法を掛けないで私を抱く男に…。
私は…愛されているのでは…と、どこか勘違いをしていた。
偽りの愛でもいいのなら、バクルー王を魅了魔法で虜にできるだろう。
でもあの男は、エリザベスに惹かれている。
そんな男に魅了魔法を掛けたら…より…虚しい。
エリザベスの言う通りだ。
もし魅了魔法でバクルー王を虜にしたら…。
あの男が見せる優しさも、私に触れる手も みんな幻と一緒だ…
(そう思った時の寂しさ、辛さは……虚しくないの)
エリザベス……虚しいわね。
バクルー王は、エリザベスを見る眼が切なさで溢れているのに、気がついていないのだろう。そんな男の眼を見て、自分の思いを知った私も…愚かなのだが…。
歴代の王達は子ができるまで不老不死だ。子に《王華》を譲ると不老不死も譲ることになり、普通の人々と同じように老い、そして死んでゆく、私は……どうなるんだろう。
欠片ほどの量だが、《王華》で不老不死になった私は…どうなるのだろう。
この世を彷徨い歩くのか?
落ち着いたら、いろんなことが見えてきた…。
そう、アークフリードに《王華》は感じられなかったということは、もう、エリザベスの手中だろう…。
あのふたりの繋がりは運命なのだ。
魅了魔法でアークフリードを虜にしたくせにと、エリザベスには言ったが、本当はエリザベスが、魅了魔法を掛ける前に、アークフリードはエリザベスに見惚れていた。真っ赤な顔で、エリザベスを見つめていたのだ。
まだ未熟だったエリザベスの魅了魔法は兄さまによって解呪されたが…ふたりは引き寄せられるように、まためぐり逢い、そして恋に落ちた。
エリザベスとアークフリードが結ばれるのは、もはや運命だった。
バクルー王に勝ち目はない。
あの男も哀れだ…。私と同様に愛を知らない。そして自分の愛に気がつかない。
兄さま、私は何の為に生まれてきたの?
ただ罪を犯すために、生まれてきたような感じです。
生きていては罪を重ねるだけかもしれない。
疲れた…もう疲れた。でも私の中の《王華》が…ほんの少しだが…そのために私は死ぬことができない。
いや…エリザベスなら私の中の《王華》を取り出し……殺せる。
エリザベスなら…。
バクルー王は、パメラのことを思ったら、舌打ちが出てしまった。
ーあいつは、なにをトチ狂っているんだ!
自分の兄に惚れこんでいたんだろう、命も、国も奪うほどに、 それくらい惚れていたんだろう?それがなんでだ。こんな大事な時に…バカだとは思っていたが、ここまでとは…。パメラは切らなくては拙いなぁ。いつ切る?早いほうがいいなぁ。パメラで足を引っ張られそうだ。だが…突然なぜ?あんなことを言い出した。 愛を乞うてばかりの女だ…。体だけじゃなく、心まで抱いてくれる奴を捜していたんだろうが、
俺はごめんだ…。だが、なんで俺なんだ?
いや、どうでもいいさ。せっかく…好敵手と呼べる奴が本気で懸かってくる…。
あぁ、奴じゃ失礼だなぁ…賢王と呼ばれていた元王女が掛かって来るんだ。
俺はノーフォークも、エリザベスも手に入れる。
その前にアークフリードと《王華》だ。
元マールバラ王国に放っていた密偵の話だと、さすがに大きな魔法…例えば再生魔法だ。
時空魔法と治癒魔法を組み合わせて使う再生魔法は、かなりの魔力を使うらしい。まぁそうだろうな。
素人の俺だってそう思う、例えばなくなった手足を取り戻すとしたら、欠損部分を時空魔法でケガをする前に戻し、固定させるのだ。要するに治癒魔法は治す。再生魔法は元あった状態に戻す。ということらしい。
なら…アークフリードの手を…まぁ足でもいい、切断すれば…使うだろうな…再生魔法。
大きな魔法を使えば…エリザベスの魔力は枯渇する。そうすればただの女だ。
だが…
エリザベスにもう一つの《王華》…マールバラ王家が代々引き継いできた《王華》を手中に収められたら…。
パメラが一部を奪っているとはいえ…エリザベスを手に入れるのは厳しいだろうな。
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