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7、副音声で心の声を響かせてはいけません?
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召喚された聖女は、元気な人だった。
名前はマナちゃんだ。
「聖女? ううん、あたしは魔女だって認定されたよ」
誘惑の魔法が理由だろうか、マナちゃんは聖女とは認められず、魔女と呼ばれるようになっていた。
私たちはさくっと仲良くなった。
「え~っ、コーデリアちゃん異世界の記憶あるんだねー!」
ニカッと白い歯を見せたマナちゃんの笑顔は、明るい。陰キャか陽キャで言えば間違いなく陽キャだ。
お昼休みに中庭で過ごすようになった私たちの「ごはん仲間」には、原作のヒーロー王子、アキュレス殿下も一緒にいる。
アキュレス殿下は結局、マナちゃんが気になっているようだった。たまに右目を押さえたりして「惑わされるな、オレッ」とか叫んでいる。
オレ様キャラで格好良い人のはずなんだけど、そうしているとなんだかギャグキャラみたいだ。
愛嬌があって、憎めない感じ。
「いただきます」
ランチボックスに並ぶサンドイッチは具の種類も豊富で、私は薄く切ったハムと緑葉野菜のサンドイッチを手に取った。
ちょっと塩気の強いハムの味。
歯触りのよい緑葉のほどよい苦味、ふっくらしたパン生地の味わい深さ。
全部が口の中で調和して、幸せな気分にしてくれる!
ちなみに、ジャスティン様はというと今のところあんまりマナちゃんへの好意を表に出す様子はなく、私の隣でりんごの皮を剥いている。
原作でも控え目なジャスティン様は、ぐいぐい好意をオープンにして距離を縮めるアキュレス殿下に負けてしまうのだ。
「コーデリア、りんごがうさぎさんの形にカットできましたよ。食べてくれますか? あーん」
「ジャスティン様は年々器用さに磨きがかかってますわね。あーん」
しゃりっとした新鮮なりんごは、美味しかった。
後味もすっきり、爽やかな甘味。
自然の恵みって感じだ。
「コーデリアちゃんと彼氏、仲良いね! ねえ、貴方達も仲良くしようよ」
マナちゃんがアキュレス殿下とその婚約者ロザリア様にグラス入りのデザートパフェとスプーンを渡している。
「魔女のめいれーい。アキュレス殿下は、ロザリア様にあーんってすること!」
ロザリア様がポッと赤くなる。
恥ずかしがっているのが明らかだ。
「あ、あーんだなんて。は、は、は、はしたないですわ……っ、下品ですわ……っ」
【大好きなアキュレス様にあーんして頂くなんて恐れ多いっ……でもしてほしい……い、いけませんわ、こんなはしたない望み……】
副音声みたいにロザリア様の声が二つ響く。
「ふぇっ!?」
「ロザリアっ?」
ロザリア様本人が目を丸くして口元を両手で抑え、アキュレス殿下も頬を赤くして目を見開いた。
マナちゃんはそんな婚約者二人を見て、カラカラと笑った。
「魔女のチカラで心の声をオープンにしてみましたあ!」
――魔女のチカラ、恐ろしい!
居合わせたみんなが一歩引いた瞬間だった。
「ひ、ひどいです、ひどいですわ、いけませんわ! 勝手にひとの心をオープンにしてはいけないんですわ!」
【やだ、恥ずかしい! わたくしがアキュレス様大好きなのをこじらせてあんなことやこんなことを密かに想っているのがバレちゃう……っ】
またロザリア様の声が響く。二つ。
【わたくしが醜く嫉妬してるのもバレちゃう……!!】
「ろ、ろざりあの心の声が……っ!? オ、オレのことが大好き……っ!? 嫉妬っ……」
アキュレス殿下が口元をゆるゆるさせ、それを隠そうと片手をあてている。嬉しそうだ。すごく嬉しそうだ。
ふるふると全身を震わせて羞恥心に悶絶したロザリア様は、ドレスのすそをつまんで駆けて行った。
「い、いや~~~!!」
――なんだか、新しい形式のいじめみたい。
私がそう思ってちょっと可哀想って眉を寄せていると、アキュレス殿下はパフェとスプーンを持ったままで颯爽と立ち上がり、ロザリア様のあとを追いかけて行った。
「ロザリアっ、待ってくれ……!」
その日以降、アキュレス殿下とロザリア様はより一層仲睦まじくなったようで、周囲がびっくりするくらいベッタリ、いちゃいちゃするのだった。
……仲良くなれたなら、よかったのかな?
名前はマナちゃんだ。
「聖女? ううん、あたしは魔女だって認定されたよ」
誘惑の魔法が理由だろうか、マナちゃんは聖女とは認められず、魔女と呼ばれるようになっていた。
私たちはさくっと仲良くなった。
「え~っ、コーデリアちゃん異世界の記憶あるんだねー!」
ニカッと白い歯を見せたマナちゃんの笑顔は、明るい。陰キャか陽キャで言えば間違いなく陽キャだ。
お昼休みに中庭で過ごすようになった私たちの「ごはん仲間」には、原作のヒーロー王子、アキュレス殿下も一緒にいる。
アキュレス殿下は結局、マナちゃんが気になっているようだった。たまに右目を押さえたりして「惑わされるな、オレッ」とか叫んでいる。
オレ様キャラで格好良い人のはずなんだけど、そうしているとなんだかギャグキャラみたいだ。
愛嬌があって、憎めない感じ。
「いただきます」
ランチボックスに並ぶサンドイッチは具の種類も豊富で、私は薄く切ったハムと緑葉野菜のサンドイッチを手に取った。
ちょっと塩気の強いハムの味。
歯触りのよい緑葉のほどよい苦味、ふっくらしたパン生地の味わい深さ。
全部が口の中で調和して、幸せな気分にしてくれる!
ちなみに、ジャスティン様はというと今のところあんまりマナちゃんへの好意を表に出す様子はなく、私の隣でりんごの皮を剥いている。
原作でも控え目なジャスティン様は、ぐいぐい好意をオープンにして距離を縮めるアキュレス殿下に負けてしまうのだ。
「コーデリア、りんごがうさぎさんの形にカットできましたよ。食べてくれますか? あーん」
「ジャスティン様は年々器用さに磨きがかかってますわね。あーん」
しゃりっとした新鮮なりんごは、美味しかった。
後味もすっきり、爽やかな甘味。
自然の恵みって感じだ。
「コーデリアちゃんと彼氏、仲良いね! ねえ、貴方達も仲良くしようよ」
マナちゃんがアキュレス殿下とその婚約者ロザリア様にグラス入りのデザートパフェとスプーンを渡している。
「魔女のめいれーい。アキュレス殿下は、ロザリア様にあーんってすること!」
ロザリア様がポッと赤くなる。
恥ずかしがっているのが明らかだ。
「あ、あーんだなんて。は、は、は、はしたないですわ……っ、下品ですわ……っ」
【大好きなアキュレス様にあーんして頂くなんて恐れ多いっ……でもしてほしい……い、いけませんわ、こんなはしたない望み……】
副音声みたいにロザリア様の声が二つ響く。
「ふぇっ!?」
「ロザリアっ?」
ロザリア様本人が目を丸くして口元を両手で抑え、アキュレス殿下も頬を赤くして目を見開いた。
マナちゃんはそんな婚約者二人を見て、カラカラと笑った。
「魔女のチカラで心の声をオープンにしてみましたあ!」
――魔女のチカラ、恐ろしい!
居合わせたみんなが一歩引いた瞬間だった。
「ひ、ひどいです、ひどいですわ、いけませんわ! 勝手にひとの心をオープンにしてはいけないんですわ!」
【やだ、恥ずかしい! わたくしがアキュレス様大好きなのをこじらせてあんなことやこんなことを密かに想っているのがバレちゃう……っ】
またロザリア様の声が響く。二つ。
【わたくしが醜く嫉妬してるのもバレちゃう……!!】
「ろ、ろざりあの心の声が……っ!? オ、オレのことが大好き……っ!? 嫉妬っ……」
アキュレス殿下が口元をゆるゆるさせ、それを隠そうと片手をあてている。嬉しそうだ。すごく嬉しそうだ。
ふるふると全身を震わせて羞恥心に悶絶したロザリア様は、ドレスのすそをつまんで駆けて行った。
「い、いや~~~!!」
――なんだか、新しい形式のいじめみたい。
私がそう思ってちょっと可哀想って眉を寄せていると、アキュレス殿下はパフェとスプーンを持ったままで颯爽と立ち上がり、ロザリア様のあとを追いかけて行った。
「ロザリアっ、待ってくれ……!」
その日以降、アキュレス殿下とロザリア様はより一層仲睦まじくなったようで、周囲がびっくりするくらいベッタリ、いちゃいちゃするのだった。
……仲良くなれたなら、よかったのかな?
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