2 / 39
始まり
第2話 ブラン家の人々
しおりを挟む
「ただいまー」
玄関の扉を元気よく開き、帰宅の挨拶をする。
すると、私の声に反応したメイド達が大慌てで駆け寄ってきた。
「お、お嬢様授業はどうされたのですか!?」
「サボって来ちゃった」
真っ先に声を掛けてきたのは、幼い頃からずっと私のお世話をしてくれているメイドのティナ。歳は私と同じ16で、このお屋敷のメイド長であるケイトの一人娘。
本来この時間はまだ授業を受けている時なので、私がここにいる事自体が異例といってよい。
「サボって来ちゃったって、どうやって帰って来られたんですか?」
「どうやってって、そんなの歩いて帰って来たに決まってるじゃない」
今の私にとって歩いて帰るのは当たり前の事、何時もは馬車で送り迎えをしてもらっているが、予定とは違う時間に帰る事になってしまったので、わざわざ連絡をしてまで迎えに来てもらうのに抵抗があったのだ。
それにあんな事があった後なので、少しでも早く学園から離れたかったと言う思いもあり、それほど家までの距離も無かったことから歩いて帰る方法をとった。
「歩いてって、何を考えておられるのですか、次期王妃になられるお嬢様にもしもの事があれば大騒ぎになるじゃありませんか。」
ティナに悪気はないんだろうが、今のセリフは冷静に保っていた私の心にグサリと何かが突き刺さった。
「ティナ、私はもう次期王妃ではないわ」
「えっ?」
「詳しい話は後でするから、着替えを用意してもらえるかしら。まずはお母様に報告したいの」
「分かりました、すぐにご用意致します」
このお屋敷で働く使用人達は優秀だ、私の言葉を聞いた瞬間に表情を引き締め、それぞれの役目を果たそうと行動に移ってくれる。
ある者は私の着替えの用意をしに部屋へと向かい、またある者はお母様の元へと連絡をしに行ってくれたのだろう。私が今学園でどのような立場に立たされているかは、ここにいる全員が知っているのだ。次期王妃ではなくなったと言えば大体の事は察してくれるだろう。
「ごめんねティナ、学園での事を色々説明してあげたいけど、まずはお父様とお母様に報告してからでないと、私がどう判断をしていいのか分からないのよ。」
本来使用人に当主一家の醜態を晒す必要もないのだが、隠していてもいずれバレる事だし、例え話したとしても誰一人として笑ったり屋敷の外に漏らしたりする事はないだろう。それが分かっているからこそ、使用人全員に情報の共通として必要な事はあらかじめ報告している。
先ほどはつい『もう時期王妃じゃない』と話してしまったが、本来お父様の口から使用人達に通達されなければならないし、そもそもまだ私達の婚約が本当に白紙に戻せるかどうかも分からないので、今は軽い気持ちで全てを話すわけにはいかないのだ。
「お気遣いされなくても大丈夫です。お嬢様のお気持ちは十分理解しておりますし、例えどんな事になろうとも私共全員お嬢様のお味方でございます」
着替えを手伝ってもらいながら、後ろで制服を片付けてくれているメイド達も一旦手を止めて、全員が力強く頷いてくれる。
「ありがとうみんな」
ここ数日、色んな事がありすぎてずっと気が張り詰めていたけど、初めて肩の力を抜いて笑顔になれる事が出来る。
私はこんなにも周りの人たちに支えてもらっているんだと改めて感じられた。
最終的に私の進退はお父様がご帰宅後にご相談しなければならないが、皆には出来るだけ迷惑を掛けないようにしなければならない。まずはお屋敷にいるお母様に報告をした方がいいだろう。ここ最近ずっと心配ばかり掛けていた記憶しかないから、私は平気だと言うところを見せておかなければならない。
着替えを素早く終え、私は一人お母様の部屋へと向かった。
コンコン
「どうぞ」
扉の奥から入出の許可をいただき、部屋の中へと入っていく。
「ただいま戻りましたお母様」
「お帰りなさいリーゼ、こちらに来て座りなさい」
促されるままお母様の対面の椅子へと座る。
メイド長ケイトが私のお茶を用意してから部屋を出て行くと、早速学園での話が始まった。
「ケイトから話を聞いたのだけれど、ウィリアム様から婚約破棄を言い渡されたって本当?」
「はい、本当です。大体の事はご想像通りだと思いますが、本日ウィリアム様に呼び出され、正式に婚約破棄を言い渡されました。それと私の罪状を追って国から言い渡すとも言われております」
私の言葉を聞いて一瞬ピクリと表情を険しくされるが、次に向けられた表情はいつも通りの笑顔に戻っていた。気のせいかもしれないが後ろに立ち上る黒いオーラに若干震えが来るけど、きっと私の思い違いだろう。
「それで貴方の方は大丈夫なの?」
多分私が気落ちしていないか心配してくれているのだろう、婚約が決まってからウィリアム様にぞっこんだった事は家族を含め、このお屋敷で働く全員が知っている。
「お気遣いありがとうございます、私の方は既に吹っ切れております。寧ろ結婚する前に彼の方のお気持ちが分かって良かったと思っております。」
そう思えるのは一重に前世の記憶が蘇ったからなのだが、それを言うとまた別の理由で心配されたうえ、最悪病院送りになってしまう可能性があるので、この場は誰にも話さない方がいいだろう。
「あら、思っていたより随分さっぱりしているのね。私はてっきり心配を掛けまいと平静を装っているのかと思ったのだけれど、どうもそれとは違うみたいね」
「私は恋の病という病気に掛かっていたんです。それが治った、ただそれだけの事でございます」
チクリと心に何かが刺さる気がするが、今ここでお母様に気づかれる訳にはいかない。
ウィリアム様の事で吹っ切れていると言う言葉に偽りはない。だけどリーゼ・ブランとして完全に立ち上がれるまでにはもう少し時間が必要なのだろう。
両手を胸に当て想い出に耽ると、今でも心に浮かぶのは淡い恋心を秘めた懐かしい日々。だけどそれはもう二度と戻る事はないのだから。
「以前よりいい表情をするようになったわね、実はというと私はウィリアム様との婚約は反対だったのよ」
「そうなんですか?」
二人の婚約はてっきり周りからも祝福を受けているものだとばかり思っていたので、お母様から出た言葉は私にとって意外な内容だった。
「以外かしら? 確かにブラン家としては王家との繋がりが出来る事は誇らしいわよ。でも娘が幸せになれないと分かっているのに、家の都合で結婚させるのは親として喜ばしい事ではないのよ」
初耳だ、まさかそんな事を考えておられたとは思ってもみなかった。
「それじゃお母様は、ウィリアム様が私に振り向いていないとご存じだったのですか?」
「当然でしょ? 私はいつだって娘達の事を見守っているのよ。リーゼはウィリアム様の為に一生懸命尽くそうとしているのに、彼はリーゼの事を便利な道具としてしか見ていなかったわ。そんな人と結婚しても楽しい事なんて一つもないわよ」
流石お母様、恋に盲目だった私と違いウィリアム様の事を良く見ていていらっしゃる。私は全然気づかなかったと言うのに。
「でも良かったわ、リーゼがちゃんと私の元に帰って来てくれて」
ん? 私がお母様の元に帰るのは普通じゃないの?
そう言いながら私の後ろに回ると、両腕で優しく包んでくれる。
あぁ、そういう事か、私はこれ程までに心配を掛けてしまっていたんだ。恐らく失恋の余り自暴自棄になったり、自殺を試みたりする事を心配されていたのではないだろうか。
もし前世の記憶が戻らず、リーゼ・ブランとしてウィリアム様の言葉を聞いていたとすれば、心配されていた通りになっていたかもしれない。
「私、お母様の娘で本当に良かったです」
流れ出る涙を隠すようお母様の胸に顔を埋める。
今の私は二人の記憶が存在しているが、リーゼ・ブランは間違いなくお母様から生まれた娘なのだ。
この溢れ出る涙は決して失恋により流れ出るものではなく、私を心配してくれている人達の為の嬉し涙。
リーゼ、私たちはこんなにも沢山の人達に愛されているのよ。だからいつまでも暗い闇に閉じこもっていないで、明るい世界へと歩き出そう。私たちは二人で一人なんだから。
玄関の扉を元気よく開き、帰宅の挨拶をする。
すると、私の声に反応したメイド達が大慌てで駆け寄ってきた。
「お、お嬢様授業はどうされたのですか!?」
「サボって来ちゃった」
真っ先に声を掛けてきたのは、幼い頃からずっと私のお世話をしてくれているメイドのティナ。歳は私と同じ16で、このお屋敷のメイド長であるケイトの一人娘。
本来この時間はまだ授業を受けている時なので、私がここにいる事自体が異例といってよい。
「サボって来ちゃったって、どうやって帰って来られたんですか?」
「どうやってって、そんなの歩いて帰って来たに決まってるじゃない」
今の私にとって歩いて帰るのは当たり前の事、何時もは馬車で送り迎えをしてもらっているが、予定とは違う時間に帰る事になってしまったので、わざわざ連絡をしてまで迎えに来てもらうのに抵抗があったのだ。
それにあんな事があった後なので、少しでも早く学園から離れたかったと言う思いもあり、それほど家までの距離も無かったことから歩いて帰る方法をとった。
「歩いてって、何を考えておられるのですか、次期王妃になられるお嬢様にもしもの事があれば大騒ぎになるじゃありませんか。」
ティナに悪気はないんだろうが、今のセリフは冷静に保っていた私の心にグサリと何かが突き刺さった。
「ティナ、私はもう次期王妃ではないわ」
「えっ?」
「詳しい話は後でするから、着替えを用意してもらえるかしら。まずはお母様に報告したいの」
「分かりました、すぐにご用意致します」
このお屋敷で働く使用人達は優秀だ、私の言葉を聞いた瞬間に表情を引き締め、それぞれの役目を果たそうと行動に移ってくれる。
ある者は私の着替えの用意をしに部屋へと向かい、またある者はお母様の元へと連絡をしに行ってくれたのだろう。私が今学園でどのような立場に立たされているかは、ここにいる全員が知っているのだ。次期王妃ではなくなったと言えば大体の事は察してくれるだろう。
「ごめんねティナ、学園での事を色々説明してあげたいけど、まずはお父様とお母様に報告してからでないと、私がどう判断をしていいのか分からないのよ。」
本来使用人に当主一家の醜態を晒す必要もないのだが、隠していてもいずれバレる事だし、例え話したとしても誰一人として笑ったり屋敷の外に漏らしたりする事はないだろう。それが分かっているからこそ、使用人全員に情報の共通として必要な事はあらかじめ報告している。
先ほどはつい『もう時期王妃じゃない』と話してしまったが、本来お父様の口から使用人達に通達されなければならないし、そもそもまだ私達の婚約が本当に白紙に戻せるかどうかも分からないので、今は軽い気持ちで全てを話すわけにはいかないのだ。
「お気遣いされなくても大丈夫です。お嬢様のお気持ちは十分理解しておりますし、例えどんな事になろうとも私共全員お嬢様のお味方でございます」
着替えを手伝ってもらいながら、後ろで制服を片付けてくれているメイド達も一旦手を止めて、全員が力強く頷いてくれる。
「ありがとうみんな」
ここ数日、色んな事がありすぎてずっと気が張り詰めていたけど、初めて肩の力を抜いて笑顔になれる事が出来る。
私はこんなにも周りの人たちに支えてもらっているんだと改めて感じられた。
最終的に私の進退はお父様がご帰宅後にご相談しなければならないが、皆には出来るだけ迷惑を掛けないようにしなければならない。まずはお屋敷にいるお母様に報告をした方がいいだろう。ここ最近ずっと心配ばかり掛けていた記憶しかないから、私は平気だと言うところを見せておかなければならない。
着替えを素早く終え、私は一人お母様の部屋へと向かった。
コンコン
「どうぞ」
扉の奥から入出の許可をいただき、部屋の中へと入っていく。
「ただいま戻りましたお母様」
「お帰りなさいリーゼ、こちらに来て座りなさい」
促されるままお母様の対面の椅子へと座る。
メイド長ケイトが私のお茶を用意してから部屋を出て行くと、早速学園での話が始まった。
「ケイトから話を聞いたのだけれど、ウィリアム様から婚約破棄を言い渡されたって本当?」
「はい、本当です。大体の事はご想像通りだと思いますが、本日ウィリアム様に呼び出され、正式に婚約破棄を言い渡されました。それと私の罪状を追って国から言い渡すとも言われております」
私の言葉を聞いて一瞬ピクリと表情を険しくされるが、次に向けられた表情はいつも通りの笑顔に戻っていた。気のせいかもしれないが後ろに立ち上る黒いオーラに若干震えが来るけど、きっと私の思い違いだろう。
「それで貴方の方は大丈夫なの?」
多分私が気落ちしていないか心配してくれているのだろう、婚約が決まってからウィリアム様にぞっこんだった事は家族を含め、このお屋敷で働く全員が知っている。
「お気遣いありがとうございます、私の方は既に吹っ切れております。寧ろ結婚する前に彼の方のお気持ちが分かって良かったと思っております。」
そう思えるのは一重に前世の記憶が蘇ったからなのだが、それを言うとまた別の理由で心配されたうえ、最悪病院送りになってしまう可能性があるので、この場は誰にも話さない方がいいだろう。
「あら、思っていたより随分さっぱりしているのね。私はてっきり心配を掛けまいと平静を装っているのかと思ったのだけれど、どうもそれとは違うみたいね」
「私は恋の病という病気に掛かっていたんです。それが治った、ただそれだけの事でございます」
チクリと心に何かが刺さる気がするが、今ここでお母様に気づかれる訳にはいかない。
ウィリアム様の事で吹っ切れていると言う言葉に偽りはない。だけどリーゼ・ブランとして完全に立ち上がれるまでにはもう少し時間が必要なのだろう。
両手を胸に当て想い出に耽ると、今でも心に浮かぶのは淡い恋心を秘めた懐かしい日々。だけどそれはもう二度と戻る事はないのだから。
「以前よりいい表情をするようになったわね、実はというと私はウィリアム様との婚約は反対だったのよ」
「そうなんですか?」
二人の婚約はてっきり周りからも祝福を受けているものだとばかり思っていたので、お母様から出た言葉は私にとって意外な内容だった。
「以外かしら? 確かにブラン家としては王家との繋がりが出来る事は誇らしいわよ。でも娘が幸せになれないと分かっているのに、家の都合で結婚させるのは親として喜ばしい事ではないのよ」
初耳だ、まさかそんな事を考えておられたとは思ってもみなかった。
「それじゃお母様は、ウィリアム様が私に振り向いていないとご存じだったのですか?」
「当然でしょ? 私はいつだって娘達の事を見守っているのよ。リーゼはウィリアム様の為に一生懸命尽くそうとしているのに、彼はリーゼの事を便利な道具としてしか見ていなかったわ。そんな人と結婚しても楽しい事なんて一つもないわよ」
流石お母様、恋に盲目だった私と違いウィリアム様の事を良く見ていていらっしゃる。私は全然気づかなかったと言うのに。
「でも良かったわ、リーゼがちゃんと私の元に帰って来てくれて」
ん? 私がお母様の元に帰るのは普通じゃないの?
そう言いながら私の後ろに回ると、両腕で優しく包んでくれる。
あぁ、そういう事か、私はこれ程までに心配を掛けてしまっていたんだ。恐らく失恋の余り自暴自棄になったり、自殺を試みたりする事を心配されていたのではないだろうか。
もし前世の記憶が戻らず、リーゼ・ブランとしてウィリアム様の言葉を聞いていたとすれば、心配されていた通りになっていたかもしれない。
「私、お母様の娘で本当に良かったです」
流れ出る涙を隠すようお母様の胸に顔を埋める。
今の私は二人の記憶が存在しているが、リーゼ・ブランは間違いなくお母様から生まれた娘なのだ。
この溢れ出る涙は決して失恋により流れ出るものではなく、私を心配してくれている人達の為の嬉し涙。
リーゼ、私たちはこんなにも沢山の人達に愛されているのよ。だからいつまでも暗い闇に閉じこもっていないで、明るい世界へと歩き出そう。私たちは二人で一人なんだから。
63
あなたにおすすめの小説
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる