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みるくてぃー

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二章 襲いかかる光と闇

第72話 断罪という名の(7)

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「ま、待ってくれ、い、いや、待ってください!」
 シトロンに追放を言い渡した後、ようやく自身に降り掛かった重責に気づいたのか、ケヴィンを除く立て篭り事件に関与した6名が騒ぎ出す。

「俺たちは騙されていただけなんだ、それなのに切り捨てるっていうのかよ!」
「俺たちだって好きでこんな事をやってるわけじゃないんだって、全部こいつがやれって言うもんだから」
「大体アンタがアージェントの貴族って言うんなら、俺たちの面倒を最後まで見るのが筋ってもんだろうが!」
 何ともまぁ、都合のよい言い訳が飛び出してくるものだ。彼らもこの状況で職を失う意味をよく理解しているのだろう。
 確かに彼らはシトロンとは違い間違いなくアージェントの領民なのだろうが、商会で騒ぎを起こしたのは記憶に新しく、私が罰として与えていた謹慎処分も大勢のスタッフ達が知る事実。
 それを謹慎が開けて早々この様な騒ぎを起こされては、非難する声が上がっても、誰一人として彼らをフォローしようとする者は現れない。

「言ったでしょ? 今回新たに加わった者以外には温情を掛けないって」
 そもそも問題を起こしたから反省の意味を込めての謹慎だというのに、日を開けずにこうも立て続けに問題を起こされては商会の威信にも繋がってしまう。
 ここは素直に現状を受け止め、シトロンの元で頑張って働いてもらいたいものだ。

「だ、だけどよ……」
「お、俺たちだってアージェント領に人間なんだぜ? それってアンタの信念とやらに反するんじゃないのかよ」
 はぁ……、私の信念と来たか。
 先ほど私とダンディーなおじ様との会話を覚えていたのは感心だが、問題を起こした者が許されるのだと、勘違いをされても困ると言うもの
 私の信念が理解できているのなら、それに伴う己の責任というのを学ぶべきであろう。

「残念だけれど、一度は謹慎という温情を私は与えたわよ。それを一日すら開けずに再び騒ぎを起こしたのだから、当然の結果ではないかしら? それとも自分たちが二度も商会に不利益を与えたっていう自覚がないの?」
「で、でも俺たちは騙されて……」
「貴方達は若いけれど、子供ではないのでしょ? 誰かに言われたから騒ぎを起こしました、なんて言い訳が許されるわけがないじゃない。大人なら潔く問題を起こした責任を取りなさい」
 騙した者が悪いのは当然だが、騙された方もまた悪い。
 今回の結果はたまたま私の勝利で締めくくれたが、もしシトロンの勝利で終わっれいれば、彼らは騙されていたとしても今の立ち位置を変えなかったはずだ。 

 これは私の想像なのだが、最初の立て篭り事件にシトロンは関わっていなかったのではないだろうか?
 あの事件は彼が計画を立てるにはあまりにも陳腐で、動機も行動もとてもお粗末なものだった。
 当時シトロンはココアに引き抜きの誘いを断られたという話だし、私からの呼び出しを警戒していた彼は、立て篭り犯への誘惑と、自身も自ら謹慎という罰を望むことでこれを回避した。
 しかも謹慎中に利用出来そうなスタッフ達を集め、謹慎処分が切れるタイミングで行動に移したと考えれば、色々疑問に思っていた事が一気に解決してしまう。

 ケヴィンは私にこう言った。「俺、知ってるんだ、シトロンの奴が何を考えているかを」
 あのセリフは単に情報を私に売り、自分だけ甘い汁を吸おうとしていたと考えていたのだろう。
 彼の性格をそれ程知っているわけではないが、幼馴染のリーゼ様を俺の欲望のために簡単に裏切れる様な人間なのだ。シトロンの元で働くか、私に情報を売ることで客人の待遇を望むかで、揺れ動いたのではないか?
 だけど私は彼の話しを突っぱね、行き場の無くなったケヴィンはシトロンの計画に乗るしかなかった。
 恐らくケヴィンは少しでも自身の待遇を良くするために、私の過去の話を売り渡したのではないだろうか? そう考えればシトロンが持っていた私の情報が古い事も、ある程度納得出来るというものだ。

「異論はあるかしら?」
「「「……」」」
 この手の人間は、子供だ大人だと持ち出せば、たちまち大人しくなると相場が決まっている。
 やっている内容がイタズラの延長上だというのに、自分たちは子供じゃないと言い張るのだから困ったもんだ。

「ならば私からいう事はもう何もないわ。荷物をまとめて早々に立ち去りなさい」
 今の彼らは気づいていないだろうが、領地の追放は命じたのはあくまでシトロンのみ。今後、両親や友人に会う為にこのアクアへ戻ってきても問題にするつもりはないし、この地で別の仕事を見つけて働いたとしても何も言うつもりはない。
 とにかく今は反省をし、新しい仕事先で頑張ってもらう事を願うばかり。

「……私を……私達を捕らえなかった事に後悔しないことですね」
「覚えておくわ」
 退出間際、シトロンが私に向かって陳腐な捨てゼリフを告げていく。
 今後必ず私の前に立ちふさがるだろうが、ここまで完膚なきまでにノックアウトされれば、よほど大きなバックがない限りそう簡単には同じ土俵には上がれまい。
 私はシトロンと、彼の後に続けて退出する6名のスタッフ達の姿を見送る。

「さて、残った者はこのまま商会で働いてくれるって事でいいのかしら?」
 当初の約束通り、最後までこの場に残った者は引き続き商会の方で雇用を続ける。そういう話になっていたはずだ。

「も、申し訳ございませんでした」
「このような問題を起こしてしまい、大変申し訳ございません」
「リネア様のご好意をこの様な形で返してしまい、なんとお詫びをしていいのか……」
 各々私に対して謝罪の言葉や、自ら反省する言葉を伝えてくる。
 彼らは先ほど出て行った者達とは違い、心の中にある私に対しての蟠りを、シトロンという人間に煽られたに過ぎぬ人たち。
 それに先ほど退出していった者たちと違い、自ら反省の言葉を口にしているのだから、これ以上責める必要もないだろう。

 私は彼らに対し一週間の謹慎と、三ヶ月間の地域貢献を命じ退出させる。
 本当は減給とか直接ダメージを受ける罰を与えようとも考えたのだが、先の立て篭りの理由がお給料絡みだった事を考え、地元住民への貢献という奉仕に止めさせてもらった。
 彼らもアクアの原住民と触れ合えば、また違った新しい感情も芽生えさせてくれる事だろう。


 ふぅ、これで一連の問題はとりあえず解決。後は細々と残っている小さな問題と、いまだこの場に留まる大勢の人たち。
 ど、どうするのよココア!?

 『この責任を取りなさいよ』の意味でココアに視線を送るも、返ってくるのは喜びと賞賛を含んだ眼差しだし、集まった人たちの方を見るも、向けらる視線は私の言葉を待つ雰囲気へと化している。
 ……はぁ、結局どう足掻こうが私が閉めない事にはお帰り頂けないわよね。
 私は仕方なく覚悟を決め、この騒ぎの終止符を打つために言葉を発する。

「コ、コホン。えー、大変お騒がせをしてしまい申し訳ございませんでした。皆様の中にも色々と蟠りがあるかと思いますが、今後も私にできる事は精一杯の努力をして参りますので、もう少しだけ見守って頂けると幸いです」ペコリ。
 多少ギコチないスピーチになったのは見逃して欲しい。
 私は事前に用意できるような説明は得意だが、突発的な演説やスピーチといった類のものは大の苦手。なのでカタコトにはなってしまったが出来るだけ丁寧に言葉を選び、私なりの気持ちを頑張って伝えたのだが……。

『『『わぁーーーー!!!!』』』
 突如湧き上がる大きな歓声。
 一瞬何事!? っと下げていた頭を上げるも、耳に届くのはどれも私に感謝を告げる内容や、暖かな励ましの言葉が重なるばかり。
「リネアちゃん立派だったよ!」
「私たちは初めからリネア様に付いていくと決めています!」
「リネア様のお気持ちが直接聞けてうれしかったです」
「おばちゃん感動しちゃったわ」
 などと、誰一人として私を非難する者は見当たらない。
 あれれ? これってもしかして多数決取っちゃっても私の勝利が確定だった?

「もう、だから言ったじゃないですか。誰もリネア様を悪いように言ってる人はいないんですよ。もっと私たちとリネア様自身の行いを信じてくださいよぉ」
 目の前の様子に戸惑う私に、ココアが困った子供を正すように叱ってくる。
 もしかしてココアは初めからこうなる事を見据え、この人たちを集めてきた?

 彼女が言う交流の広さと、そこから集まる情報の数々。
 まさかとは思うが、私が抱いているアージェント領民への負い目と、このアクアの地で暮らしていた人たちへの後ろめた。その抱え込んでいた二つの不安を取り除くため、スタッフどころか関係のないご近所さん達まで集めてきた。しかもシトロンの行動をも利用して。
 現に私いま、感動と清々しい気分に浸っているのだ。これをもし計算しての行動だとすれば、真の策士は彼女なのかもしれない。

 あ、侮れないわね。
 もしかして最も警戒すべきなのはココアなの!?

 その後なぜか酒だ祝いだとお祭り騒ぎへと突入してしまい、商会からは宴会場所と、隣接するお店から魚を使ったおつまみの提供、私からは日頃の感謝と功労をねぎらい、密かに溜め込んでいたお小遣でお酒などの飲み物を提供させていただいた。
 因みにココアには騒ぎを大きくさせた責任として、最後まで皆さんの面倒を見るよう言いつけておいたので、後はうまい具合にまとめてくれるだろう。
 そして最後までこの部屋に残されたのは、私と影から見守ってくれていたノヴィア、未だ何かを勘違いしてしまっているケヴィンと、助けてくれたであろうダンディーなおじ様だけとなってしまった。

「で、何で貴方が未だに残っているのかしら?」
 無関係な人たちが去った事を確認し、私はこの場に留まるっているケヴィンに冷たく声をかける。

「な、何でって、俺はアイツらとは違うだろう? シトロンのヤツが何かを企んでいるって教えたじゃないか」
 はぁ……、やっぱりそんな甘い事を考えてたのね。
 クビだと告げた時、ケヴィンだけは他人事のようにしていたのでまさかとは思っていたが、やはり自分だけは特別扱いされていると勘違いしたのだろう
 当然だが私にはそんな意思はなく、彼がメルヴェールの元貴族だからといって特別扱いするつもりは全くない。

「忘れたの? 私は貴方からの情報提供は拒否したはずよ」
「な、何言ってんだよ。シトロンのヤツが何かを企んでいるって教えたじゃないか」
「それは貴方が勝手に口走った話でしょ? 詳細を尋ねた事は無いわよ」
 全くあれで自分が許されると思うとか、どれだけ自分に甘いのよ。

「だ、だったら俺をどうするつもりだよ。ま、まさか俺まで出て行けなんて言わないだろうな」
「何言っているのよ、そんな事言うわけないじゃない」
 私はほっと撫で下ろすケヴィンに対し、飛びっきりの笑顔をつくりこう告げる。

「しょ・け・い。♥」
 いっときの安堵から一気に奈落の底へと急転落。
 顔面蒼白、膝は面白い程震え上がり、逃げようと構えるも、既に退路はノヴィアが塞いている。
 いい仕事をするわね、ノヴィア。
 もっともケヴィン以外は私が本気で処刑するとは思ってはいないだろうが、積もり積もっていた仕返しとしては十分に効果があったようだ。

「ままままま、待ってくれよ、しょしょしょしょ処刑なんって、あああんまりだ!」
 彼も一応元貴族。自分が平民で私が領主だという意味を一番理解している事だろう。
 領主である私が処刑といえば処刑だし、追放といえば追放される階級社会。
 もし彼が甘い汁を吸うためにこの地へ来たというのなら、真っ先に私の元へと駆けつけた筈なのに、それをしなかったというのは私への後ろめたさがあったからこそ。その記憶が残っているのなら、私が仕返しの為に本気で処刑しようと考えても、彼の中では不思議ではなかったのだろう。

「ふふふ」
「い、いやだぁ、た、助けてくれ! 何でも言う事を聞くから、処刑だけは……」
 いやぁね、こうも物の見事に狼狽えてもらうと、彼に抱いていた怒りだとか憎しみが綺麗サッパリと晴れていく。
 私は依然笑顔のままだし、ノヴィアは逃さないように扉の前で立ち塞がっている。おまけに唯一の部外者であるダンディーなおじ様にもそっぽを向かれ、誰も助けてくれそうな人はいない。
 さぞケヴィンにしてみれば恐怖に怯えている事だろう。
 私はケヴィンの反省する様子を堪能し、再び真実を告げる為に声をかける。

「安心しなさい、冗談よ」
「なっ!?」
 私の言葉に安堵半分、怒り半分の感情を向けてくる。

「ふ、ふざけるな! 俺をおちょくっているのか!」
「えぇ、その通りよ。もしかして、自分が恨まれていないとでも思っているの?」
「うぐっ……」
「忘れないで頂戴、貴方が私に対して行った嫌がらせ。そのせいで私たち姉妹が国を出なければいけなくなった事実を。理解しなさい、今の私の立場と貴方が置かれている身分の差を」
 例え今の言葉が冗談だったとして、私と彼との立場が変わるわけではない。私がその気になれば領主に楯突いたとして投獄されてもおかしくはないのだ。

「ケヴィン、確かに今の処刑という言葉は冗談よ。だけどね、貴方に被害を被ったのはこれで3度目。流石の私もこれ以上温情を与える気はないわよ」
「だ、だったらどうするって言うんだよ。ま、まさか投獄でもしようって言うんじゃないだろうな」
「そんな事はしないわよ、牢屋の中で騒がれても迷惑なだけですもの」
 ケヴィンのような問題児は側に置いておくだけで危険というもの。
 それに投獄はいずれ釈放しなければならないし、牢屋の中で日毎恨みを口にされては溜まったもんじゃない。
 こういう爆弾を抱えた人間は、遠くに放り出し関わらないようにするのが賢明だろう。

「よく聞きなさい、今後私や商会、このアクアの地に関わる全てに対し嫌がらせをやってみなさい、貴方を縛り付けた上で母国に送り返すわ。他国の領主に迷惑を掛けたって手紙を添えてね」
「なっ!」
 甘い、と思われるかもしれないが、今のメルヴェールは内部の結束を固めようと尽力しているところ。そんな時だからこそ、他国を無駄に刺激したいとは思わないだろう。
 それを自国の元貴族が、他国の領主から抗議状を添えて送り返されたとなれば、国はそれ相応の対応をおこな分ければならない。
 つまり謝罪をするためにメルヴェールは、ケヴィンに重い罰を与えなければいけないこととなる。国交の正常化と罪人一人の処分、この世界は平和な日本ではないのだから、答えは天秤に掛けなくとも出てくるのではないか。

「ふ、ふざけるな! 第一誰がこんな田舎領主の言葉を真に受けるって言うんだよ」
「馬鹿ね、ここにおられるじゃない」
 そう言いながら、私は事のなり行きを見守るダンディーなおじ様の方へと目を向ける。

「ほぉ、気づいていたとは流石だな」
 未だにこの場に止まった辺りから、ある程度このおじ様の正体に気づき始めていた。
 そもそもこれまでの会話の中で、疑問に思っていた事がいろいろあったのだ。
 このおじ様はアージェントが伯爵領だと言う事を知っていたし、言い方は違うがアクアで住民の様子を探っていたとも話していた。それに自ら人々の声を重要視している仕事だと言っていたのだ。
 そんな人物が旅の商人なわけがないし、わざわざこんな田舎領地へと足を運ぶ動機も思いつかない。
 そこから考えると、残る可能性はそう幾つもは存在しないのではないだろうか。

「確証は無かったのですが、私の事もご存知のようですし、先の戦争の理由を考えるとこれしかないのかな、っと」
 先に母国が戦争になった最大の原因、それはアージェント領よりさらに北にある、フェルナンド領の領民が隣国のラグナス王国へと逃げ出したのが始まりと言われている。
 ならば同じように自国民が他国であるアクアへと流れてたとなれば、国は様子を伺いに行くのでは? と考えたのだ。

「ははは、そこまで見抜かれていたとはな。ならばこちらも改めて名乗らせていただこう。メルヴェール……いや、新生王国ミルフィオーレの若き王の名で参った、オーベイル・グリューンと申す。先の件では妻と息子が世話になったな」
 驚愕の正体を明かすだった。
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